モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 18:18:05.16 ID:glNSs2qCo
「まぁそれでもループを脱出するにアタシが協力し始めてから数百ループはかかったけど。
そのかいあって、『ウロボロス』は封印されて世界は解放されたってわけ。
まぁその代償にほとんど忘れてたんだけどねー」
遠い昔の記憶を探るように周子は語る。
本来ならば蘇るはずのなかった記憶だが、ウロボロスとの接触ですべてを思い出したのだろう。
だからこそ、あの地獄は繰り返してはならないと周子は思う。
かつてのループの時にはいた『外法者』の外来人は今はいない。それは、ウロボロスを復活すれば再び誰も知覚できなくなり、世界は閉塞されるということである。
周子は自らが経験しているからこそ、『ウロボロス』の欠片であるアーニャならばまだ間に合うということを理解していたし、その上で自分がすべきことも理解していた。
「なるほどねぇ……。だからその時の『外法者』の影響で『ウロボロス』のルールを無視できたのね。
たぶんその時はアタシは魔界にいたからそもそも『外法者』と接触していない。故にアタシはなーんにも知らないってことかしら。
うんうん……納得納得」
これまでに周子が知っていたウロボロスに関する知識は、すべて封じられていた記憶の物である。
あらゆる疑問点が解消され、一人納得する沙理奈。
だからこそ、問題はこれからである。
「で……どうするの?多分あのアーニャは、絶対に倒せないと思うけど」
会い見えて沙理奈はある程度、ウロボロスの性質を理解していた。
その存在そのものが『ルール』と化しており、おそらく肉体を滅ぼそうと、空間ごと滅しても、湧き水のごとくアーニャは再生するだろう。
ウロボロスという存在がキャンバス上の絵の具ではなく、『世界』というキャンバスそのものである限り、いかなる力を振るったところで倒すことは不可能である。
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