モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 18:17:16.92 ID:glNSs2qCo
初代色欲の悪魔アスモダイである沙理奈は、その見た目以上に遥か昔から存在している。
故に、他の二竜である『バハムート』と『リヴァイアサン』についてはある程度知っているし、『覚えている』ものもある。
だからこその謎なのだ。もっとも新しいはずの『ウロボロス』は見たことはおろか、出現したことすら知らない。
いつの間にか存在し、そしていつの間にか消えていた。まったく経験していないのである。
「だからアタシは、悪いけどさっぱり『覚え』はないわ。
そこんところも含めて……説明してほしいのだけれど」
「あんまり時間がないから、詳しくは話してられないんだけど……。
要するに、ウロボロスは世界ごと誤認させるんだよね」
ウロボロスは、世界そのものを掌握し、書き換え、そのループを誰に知られることなく運営する。
それは上位の天使や悪魔ですら例外はない。
故にウロボロスによって静かに支配された世界を開放する術はほぼ皆無であり、それこそ最も厄介とされる理由であった。
そのウロボロスの世界の『ルール』から外れる者はアカシックレコードにアクセスできる者や『運命』そのものを観測できる最高位の神くらいである。
だがそういったいわゆる『観測者』は世界に対しての干渉に大きな制限がかかることが多く、それも相まってウロボロスを知覚できても対処できないという場合が大半なのだ。
「記憶こそ、ウロボロスと『外法者』の影響が混在したせいで妙な風に改ざんされてたけどさ。
そもそも400年ほど前にシューコちゃんの前に『外法者』が現れた理由は、『ウロボロス』のループから脱出するための仲間を探してたんだよね」
当然『外法者』も観測者の一種である。故にその何千回もループする世界を見続けてきたのだ。
ルールそのものを壊せずとも、人に対するルールを無視することができる。
その当時の『外法者』は協力者を増やし、無限に続くループから脱出する計画を行ったのである。
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