モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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18: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 18:10:18.78 ID:glNSs2qCo

『軽い……か。

確かに今のお前は物理的にも精神的にも軽すぎる。

泡雪のような脆く、誰かの目に写ることすら困難なほどにだ』

 今傍から見れば、ベンチには隊長一人が座っている状況である。
 故に回りに不審がられぬように、隊長は言葉を使わず、テレパシーでの会話をしている。

『だからこそ、見つけるのに苦労した。たかが迷子の子供一人探すのに……とんだ手間だ』

 当然、本来は目に見えないアーニャを見るために、隊長は『ルール』を無視している。
 だがそれは、『外法者』の大原則であるルールを破った上での話である。

 まずアーニャに干渉するために『外法者』の大原則である『歴史に干渉できない』ルールを破る必要がある。
 その上で、アーニャの現状である存在が薄くなり『目で捉えられない』という『常識(ルール)』を破らなければならない。

 前者のルール破りは、本来有ってはならないものであり、その負荷は尋常ではない。
 かつてビルを落とした時でさえ、それだけを無視するので手いっぱい。今回のように二重にルールを破っていなかったのだ。
 今の状況は、『外法者』の大原則を無視し、その力を放棄したうえで、『外法者』の力を行使している矛盾した状況である。

 代償を否定するために代償を払う。
 多重債務のような矛盾した円環は、狂気さえあざ笑う底無しの地獄だ。

 もはや今の隊長の脳は、限界をとっくに凌駕していた。

『本当に……相も変わらず手間のかかる……』



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