モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 18:11:04.43 ID:glNSs2qCo
それでも、隊長は表情一つ変えない。
本来ならば、許容できない矛盾によって世界から抹消されてもおかしくないほどの越権行為をしているのにもかかわらず、すべてを無視して。
無視して、無視して、無視して、押し通す。
その苦痛をおくびにも出さず、隊長は、アーニャの前で『最強』であり続けていた。
「そんなに手間、だというならどうして……来たんですか?」
本来ならば、アーニャでさえ二度と会わない顔だと思っていた。
きっと今の状況を理解して、『アナスタシア』を食い止めに来たのだろうが、それならばアーニャに会いに来る理由はないはずだ。
今この瞬間も、世界は閉塞に向かっているというのに。
隊長はそれでも、このありふれた公園でアーニャと暇をつぶしているのだ。
その行為に、意味がないわけがない。
『ふん……仕事のついで、なんて言っても意味ねぇか。
確かに『ウロボロス』は面倒なことになってる。あれをどうにかしないとまずい。
だが結局のところ俺にできることなど、たかが知れてる。
だから俺は、俺ができることを……いや、やりたいことをしているだけだ』
隊長は、自らが『ウロボロス』と対峙することに意味がないことを知っていた。
世界のルールを無視する隊長と、世界のルールそのものである『ウロボロス』との相性は最悪である。
ルールの適用を『無視』することができる隊長には、ルールそのものを『否定』する力はないからだ。
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