モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 18:11:57.63 ID:glNSs2qCo
たとえ自らや操る物体に対しての重力や摩擦を無視することはできても、地上に存在する物理法則がなくなるわけではない。
そもそも『ルール』そのものである『ウロボロス』に相対することが『外法者』における重大なルール違反である。
すでにその負荷は限界を超越している。
「やりたいこと……ですか」
そんな隊長の苦痛に気付くことのできないアーニャは、隊長の言葉を繰り返す。
やりたいことを見失ってしまったアーニャにとってその言葉の在処は遠い。
『今回は俺が無理やり終わらせることはできない。
機械仕掛けの大団円の役目など、本来無粋なものだが……いざできないとなればまたそれも歯がゆいな』
隊長はその仏頂面を歪ませて苦笑する。
暴虐の限りを尽くしてきた自らに対しての皮肉のようなものであったのだが、その笑みは強面を緩和できず凶悪なままである。
しかし、アーニャにとって芝居ではない自然の笑みを見たのは初めてであり、意外なものであった。
『だからこそ、俺は出来ることを、やりたいことは全てやった。
布石も保険も、もう十分だ。あとは俺が骨を折るだけ……』
隊長は、ベンチから立ち上がりアーニャの前へと立ち向かう。
その巨体は、アーニャの姿を影に落とし、眼光は覚悟が満ちている。
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