モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 18:12:36.95 ID:glNSs2qCo
「俺は、『ウロボロス』を追う。
このまま放置すれば、世界が滅ぶと言ってもお前はここで呆け続けるか?
アナスタシア」
隊長は、テレパシーを使わずに口に発し、アーニャに問う。
意思を伝えるは、思うのではなく言葉に発する。言霊は万国共通の契約だ。
その口が言葉にするのは、世界の危機。
ヒーローならば、放置できるものではない。
「私は……行けません。
私は、わたしに顔向けできないんです。
たとえ世界が滅ぼうと、私は、わたしのしようとすることを否定する権利はない。
もう、私はヒーローなんかじゃないです……。
何もないから……その『アナスタシア』という名ですら、私の物じゃない。
本来、『私(あのこ)』の物なんですから」
決して世界が滅んでいいわけではない。
それでも、『アナスタシア』が願いを叶えるために世界をも犠牲にしようとするならば、アーニャには止めることはできなかった。
彼女を裏切り続けてきたアーニャにとって、ここで傍観し続けること、そしてそのまま消え去ることのみが贖罪であるがゆえに。
「……つまらん。
自らは身を引いて、あとは成り行きを見守るということか。
勘違いするなよ。お前はまるで他人事のように諦観しているが、これはお前の問題だ。
誰かが助言をくれるわけでもない、誰かが代弁してくれるわけでもない。お前自身が決めるべきことだ。
いつまでそうしている気だ?これはお前の選択だ」
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