373: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2023/08/01(火) 23:30:48.82 ID:9Ps6NfVqo
――キミは尻尾があるみたいだから
背もたれのないスツール。
心当たりがある。
いや心当たりどころの話ではない。
あの夜のまま、書斎に置きっぱなしだ。
アロエ「ああ、それ……えーと」
キダチ「どこかで見かけたら教えてくださいって言ってた」
アロエ「わ、わかった」
話を終えると、キダチは少し不思議そうな顔をして去っていった。
これでは、思い当たるところがあると言っているも同然だ。
アロエ(……やっちゃった)
アロエ(図鑑は閉館したあとにまた来ればいいか)
アロエ(ああそれに、椅子もこっそり戻しとかないと)
アロエ(……それもそれで不自然かねえ)
アロエはちらちらと周辺の書架に目を配りながら、身体の向きを変えた。
心ない利用者が、図鑑を適当な書架に本を戻した可能性もあったからだ。
アロエ(なにか言い訳を用意して、うっかりしてたことにしとくか……)
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