37: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/03/21(月) 11:41:58.55 ID:d1B0J0ZHo
ダゲキ「『げすいどう』って、なに?」
ジュプトル「じめん……した」
ジュプトル「ニン、ゲンの……ま、まち とか」
ジュプトル「したに、かわの あなが、ある……の」
ダゲキ「ふうん……?」
そう呟きながら、ダゲキは頭を軽く傾けた。
知らない言葉を教えられているときの顔だ。
ひとしきり唸ってから、ダゲキはふたたび口を開いた。
ダゲキ「それは、『ちかしつ』と、にてる?」
ジュプトル「ち、『ちかしつ』?」
ジュプトル「わかんない」
ダゲキ「そっか」
ほんの少しだけ残念そうにダゲキが応じた。
誰が悪いわけでもないのに、ジュプトルは申し訳なく思った。
頭を使ったせいか、眠りの沼はさらに遠のいてしまった。
まだ少し、目がひりひりしている。
波はすっかり引いてしまったのに、目を開けているのが億劫でならない。
ジュプトル「じゃあ、おれの こえ、きこえたんだ」
ダゲキ「うん、おきてたから」
ジュプトル「……なんだぁ」
とんでもなく格好悪いところを見られたような気がして、恥ずかしくなった。
そう思ってこっそりと盗み見たが、彼はまた明後日の方角を見ている。
最後の呟きも、彼の耳には届いていないような気がした。
どことなく上の空な顔をして、胸のあたりをさすっている。
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