38: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/03/21(月) 11:43:00.32 ID:d1B0J0ZHo
ダゲキ「うーん……」
彼は、自分の身体の内側にある、どこか一点を探り当てようとしている。
痛い部位を突き止めようとするときのような、そういう顔だ。
ややあって、ダゲキは胸をさするのをやめた。
背を丸めて小さく呻く。
ジュプトル「お、おい」
ジュプトル「やっぱり、ぐあい わるいの?」
痛みに耐えている顔に見えないこともない。
怪我はないという話だったはずだが、どこか痛むところでもあるのだろうか。
ダゲキ「ううん、ちがう」
誰かの呼吸するかすれた音が、やけに大きく聞こえる。
反対に、それ以外の音が少し遠のいている。
粘り気のある眠気は、とうにどこかへ吹き飛んでいた。
ダゲキ「あ……そうか」
ジュプトル「……?」
ダゲキ「わかった」
ダゲキが、大きな目でジュプトルを見ていた。
反射的に身体がこわばる。
ダゲキ「ふたりが きたとき、ね」
ジュプトル「う……うん」
ダゲキ「そのとき……いたかった」
ダゲキ「いま、おもいだしたら、また ここが、いたい」
ダゲキ「いたい は、いや……だけど」
ダゲキ「これは、だいじょうぶ」
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