177: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/03/28(火) 00:36:46.95 ID:n9gHiMCwO
ミュウツー『どうした』
アロエ「……あ、いや、うん」
視線が集まってきているのがわかる。
そのうち、ジュプトルはゆっくりと身体の緊張を解いた。
止めていたらしい息を吐き出して、ゆるゆるとかぶりを振る。
そして自分の頭に触れながら、申し訳なさそうな顔でアロエを見上げた。
アロエ「その……えっと、悪いことしちゃったね」
アロエ「『そういうの』、イヤだったんだね、ごめん」
ジュプトルは下を向き、今度は首を横に振った。
少し疲れた目つきで小さく鳴く。
ミュウツー『少し驚いただけだから気にするな』
ミュウツー『だそうだ』
気難しい通訳が無感動な声で言った。
他のふたりにも、慌てた気配は特にない。
普段の姿を知る者が言うのなら、深刻さはないのかもしれない。
アロエ「……そう」
アロエ「でも、あたしが気をつけてればよかっただけなんだから」
アロエ「ごめんね」
ジュプトルはまた首を振る。
いかにも『気にするな』と言わんばかりのしぐさが、ぞっとするほど人間じみていた。
そのしぐさが終わりきらないうちに、ジュプトルは大きくあくびをした。
アロエ「眠くなっちゃった?」
ジュプトルはさらに首を横に振りながら、またひとつあくびをした。
アロエ「まったく、夜更かしさんだね」
言われたジュプトルは、目をうっすらと閉じ、ゆるく彼女を見上げている。
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