178: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2017/03/28(火) 00:38:26.73 ID:n9gHiMCwO
アロエ「眠くないのはいいけどさ、無理するのは駄目だからね」
アロエ「……キミたちは眠くないの?」
シーツのお化けが小さく肩を揺らし、控えめに否定を示した。
その動きもまた、あまりに人間じみている。
ミュウツー『私はまだ、そこまで眠くない』
アロエ「他の子たちは、なんて言ってる?」
アロエの言葉を受け、お化けは友人たちの方へ首を回した。
床に座っていたふたりが、何も言われていないのに、ゆっくりと幽霊を振り向く。
少しの間があって、再びシーツの裂け目がアロエに向いた。
ミュウツー『眠くはないそうだ』
アロエ「そう……なら、いいんだけど」
こちらには聞き取れない、彼らだけのやりとりがあったようだ。
おそらくそれも、テレパシーで行なったに違いない。
特別な能力など持ち合わせないアロエには、想像することしかできない。
ミュウツー『我々が、この時間まで起きていることも、なくはない』
ミュウツー『いつも……ではないが』
アロエ「夜更かしなんかして、具合悪くならないの?」
アロエ「たしか、この子は少なくとも昼行性だったはずだけど」
膝を占拠するジュプトルを、アロエはそっと指差した。
すると、スツールを陣取るシーツの塊が頷いた。
ミュウツー『基本的にはそうだ、と私も思う』
ミュウツー『だが、あまり……責めないでやってくれ』
少し居心地悪そうにシーツが揺れる。
アロエはその姿を注意深く見守った。
そんな風に友人たちを庇うことは、きっと照れくさいに違いない。
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