179:名無しNIPPER[sage]
2016/06/21(火) 17:53:37.48 ID:Gl3t9hIT0
2016年7月末品評会
お題『ななし』『ラムネ』
制限 10レス以内
投稿期間:2016/07/01(金)00:00〜2016/07/03(日) 24:00
180:夕立0/4[sage]
2016/06/22(水) 18:30:30.85 ID:GZmCfzRq0
>>161のお題完成したので投下します
181:夕立1/4[saga]
2016/06/22(水) 18:31:32.20 ID:GZmCfzRq0
「しくじったなあ……」
ユキコは空を仰ぎ見てぽつりとこぼした。
図書室を後にする際、窓の外を見たときには降っていなかったのだが、
ユキコが校舎から出るといつの間にか空には暗雲が立ちこめぽつとぽつと小粒の雨滴を落としていた。
いつもこうである。ユキコは雨が降るたびに自分の運の悪さ、
182:夕立2/4[saga]
2016/06/22(水) 18:32:19.16 ID:GZmCfzRq0
自分は死神なのかもしれない、と。最近読んだ小説の中に出てきた死神だ。その死神は仕事のために下界に降りてくると
いつも雨が降っているのだ。そして、自分は晴れ間を見たことがないと。
ユキコもこうして自分が雨に見舞われているときに誰かが死んでいるのかもしれないと想像してしまう。
そんなわけはないのに。でもいつも、降ってほしくないときに雨が降るものだから、雨と死神を結びつけて想像してしまう。
それに自分は雨女だ、と考えるより死神と思ったほうがなんとなく、かっこいい。
183:夕立3/4[saga]
2016/06/22(水) 18:32:48.71 ID:GZmCfzRq0
喜び勇み、アキに抱きつくユキコの鼻頭に冷たい雨滴が当たった。
「あ……」
見上げると薄暗い雲が空を覆い、まばらに雨が降り出していた。
しばらく沈黙のまま掲示板を見上げていたアキがぽつりと言った。
184:夕立4/4[saga]
2016/06/22(水) 18:33:15.29 ID:GZmCfzRq0
一つの傘の下で肩を寄せ合い歩きだした二人は、はじめのうちこそぎくしゃくしていたものの、次第に前と同じように笑って喋ることができていた。
結局、とユキコは思う。思い詰めすぎていたのかもしれない。たいしたことではなかった、とはユキコの立場からは決して言えない。
それでもこのまま仲違いして二人の関係が終わってしまうことに比べたら、きっとたいしたことではなかったのだ。
「あ……」
アキが傘を下ろして、空を見上げた。
185:夕立5/4[saga]
2016/06/22(水) 18:34:07.65 ID:GZmCfzRq0
以上です
感想いただけると幸いです
186:名無しNIPPER[sage]
2016/06/25(土) 01:43:00.04 ID:F73sJKpC0
てきすとぽいのほうでも告知しておきました
text-poi.net
文字数は60文字×30行×10レスで18000文字にしました
187:名無しNIPPER[sage]
2016/06/27(月) 17:36:40.09 ID:6PRtHM3B0
>>185
雨が降るところから始まって、冷たいおにぎりの味とか、死神という文字が出たりして、「この物語はどうなってゆくのかしら…」と不安な予感を抱きながら読んだのだけども
最後は晴れてほっとしました…
雨という舞台装置(無粋な言い方ですが)が作用して話がすっきりしてて、読みやすかったです
188:名無しNIPPER[sage]
2016/06/27(月) 17:37:51.57 ID:6PRtHM3B0
>>185
雨が降るところから始まって、冷たいおにぎりの味とか、死神という文字が出たりして、「この物語はどうなってゆくのかしら…」と不安な予感を抱きながら読んだのだけども
最後は晴れてほっとしました…
雨という舞台装置(無粋な言い方ですが)が作用して話がすっきりしてて、読みやすかったです
189:名無しNIPPER[sage]
2016/06/29(水) 21:37:34.25 ID:RJi8l7Wf0
>>188
感想ありがとうございます
死神のところは遊びの部分というかなんというか・・・
雨が降っている話を書くのはたぶんはじめてだった気がするので描写とか自分の語彙力のなさに悩まされました
それと三人称で書くのもあまり慣れてなくてそれの練習的なところもありました
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