提督「うぉゎぁああああああああああああああああああああああああああ」
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105: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/01/12(火) 23:12:36.47 ID:vjF2MZgMO
それどころか、廊下で私の後ろをくっついて歩い
ていたのも、ドアをノックしたのも、ユーちゃんだったのだった。
まさかオバケだと思っていたなどとは恥ずかしくて言うこともできず、私はバツが悪くなりながらも、お茶を濁すようにして謝るに終始していた。
……やっぱり、変なことを考えるべきじゃなかったな……。

「そ、それにしても、なんでユーちゃんはこんな夜中に?」

私は話題の変換を探るべく、先程から感じていた疑問を口に出す。
そもそもユーちゃんをオバケだと思ってしまったのも、こんな夜中に夜哨当番以外で鎮守府を歩き回っている者などいないはず、という思い込みが原因なのだ。
いや、確かに冷静になってみれば、自分が出歩いているのだから他に誰かいてもおかしくないなんてことはわかるのだが……。
……別にいいじゃないか、怖くたって。
そんな誰にとも知れない言い訳を頭の中でしていると、ユーちゃんが遠慮がちに口を開いた。

「え、えっと……廊下で音が聞こえたから……何かなと思って……」

なるほど、静かに歩いていたつもりだったが、音にも敏感な潜水艦のことだ、気になってもしょうがないかもしれない。
しかし、私の勘が言っている。
これは嘘だ、と。
女の勘、というやつだろうか、初めて発揮したが、このユーちゃんの発言は嘘だと直感でわかる。
しかし私は、敢えてそれを追求するようなことはしない。

「そっか、せっかく寝てたのを起こしちゃってごめんよ。音の正体はこの私だってわかったことだろうし、もう部屋に戻って大丈夫だよ」

「…………、……え、えっと……」

私の言葉に、視線を逸らして身動ぎするユーちゃん。
これで、私の勘は確信に変わった。
私の発言どおり、ユーちゃんの目的は達成された。
そうなれば、あとは部屋に戻るのみだろう。
しかしユーちゃんは、その行為に対して何故か抵抗があるらしい。
そもそも、私に足音が聞こえるほどの距離まで背後に迫っておきながら、道中で声をかけないのもおかしいのだ。



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