提督「うぉゎぁああああああああああああああああああああああああああ」
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106: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/01/12(火) 23:13:03.91 ID:vjF2MZgMO
それはつまり、他に目的があるということ。
それはつまり、私の目的を図っていたということ。
そしてこの執務室から帰ろうとしない今、つまり、ユーちゃんも私と同じ目的を持ってこの執務室までやってきたのだ、と推察できる。
あくまで推察なので、自分の口からそれを確認するようなことはしない。
なぜって?
……そ、そんなの、恥ずかしいからに決まってるじゃないか。
そう、私は口に出すのも恥ずかしい、そんな目的のためにこの執務室までやってきたのだ。
もしもそれをユーちゃんに確認して、もしも私が間違っていたとしたら、悶死どころの騒ぎではない。
新調されたばかりの執務室の窓(飛び降り防止用に、押し戸式の強化窓に変えられた)を魚雷で吹き飛ばして、司令官のように飛び降りてしまうかもしれない。
そんなリスクを負ってまで確認するようなことではない。
むしろ、私は一人で目的を達成したい。
……だから、恥ずかしいんだってば。
そのためにも、ユーちゃんには是非お帰りいただきたいところだが……。

「あ……ひ、ヒビキは、なんで執務室に……?」

ユーちゃんは、これはしめた、とばかりの表情で顔を上げ、質問を投げかけてくる。
しかし当然、この返しは予想済みだ。
だから私は、散々頭の中でシミュレートした台詞を返す。

「ああ、私はたまに夜にここに来るんだよ。この執務室にはいろんな本があるからね」

言いながら、ソファの横に設置された本棚を親指で指す。
嘘はついていない。
実際、この部屋には戦術書からレシピ本、執務の息抜きのための小説や写真集など、多岐にわたるジャンルの本が揃えられているし、私は度々ここの本を借りて読んでいる。
たまに昼間に来ることもあるが、それでは執務の邪魔になるので、執務の終了時刻後――21時以降に来ることの方が多い。
執務終了時刻は秘書艦のために設定されているものなのでその後も司令官は執務をしてはいるが、静かにしているぶんには一緒にいても怒られない。
あの時間が、私は割とお気に入りなのだ。
ここの本には司令官の私物も含まれるので最近は来ていなかったが、ユーちゃんはそんなことは知らないだろう。



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