提督「うぉゎぁああああああああああああああああああああああああああ」
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104: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2016/01/12(火) 23:12:05.85 ID:vjF2MZgMO
その瞬間、私の背中越しに小さなノックの音が響いた。
全身のうぶげが総立ちになって、額から冷や汗が流れるのを感じる。
思わず逃げ出したい衝動に駆られるが、しかし、ここで逃げるわけにはいかない。
もしも相手が悪霊ならば――いや悪霊でなくとも、悪意を持った存在であるならば、この部屋には決して入れてはならない。
なぜならここは――――。
……戦うしかないか。
大丈夫だ、普段からオバケみたいな連中とやりあっているのだ。
何も問題は無い。
左手に魚雷、右手に単装砲を握り締め、一度大きく深呼吸。
そして、今自分が入ったこの部屋、その更に奥にある扉を見つめる。
あの部屋で目的を達成する為なら、オバケの一つや二つ、幾らでも撃沈してみせるさ。
私は覚悟を決めると、思い切りドアを押し開け、そして――

「きゃんっ……!」

小さな悲鳴とともに、何か硬いものがドアにぶつかる盛大な音を聞いた。
数逡の後、ドアの向こう側を盗み見るようにして首を出してみる。
そこには、頭を抱えて踞る、ドイツ製の潜水艦の姿があった。

〜〜

「うぅ……ヒビキ、ひどい……」

執務室の応接用ソファに座って訴えてくるのは潜水艦・U511。
愛称、ユーちゃんだ。

「あ、あはは、ごめん。でもほら、たんこぶにはなってないから……」

そんな風に謝る私は駆逐艦・響。
私がドアを勢いよく開けた先には、ユーちゃんがいたというわけだ。



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