女神
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78:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/09(土) 00:19:26.68 ID:wFKv96Wio

「ただいま」

「おかえり」

「おまえ、玄関で何やってんの?」

 自宅のドアを開けたら、目の前に麻衣が突っ立っていた。

「お兄ちゃんを待ってた」

「はい?」

「今日お姉ちゃんとお昼に話したんでしょ」

「うん」

「お姉ちゃん何だって?」

 麻衣が言った。今日の有希の告白ってこいつの差し金って部分も大きいんだよな。俺は
少し拗ねた気分で思った。

「どうせ知ってるんだろ」

「察してはいるけどちゃんとは知らないし」

「おまえさ」

「うん」

「朝の電車で炊きつけるようなことをあいつに言ったろ」

 麻衣は黙ってしまった。

「自分に正直になれとかさ」

「・・・・・・うん」

「いったいどういうつもり?」

「どうって」

「俺おまえに言ったよな? 面白がって有希と夕也の仲に首突っ込むんじゃねえぞって」

「興味本位でしたわけじゃないよ」

「じゃあ何でだよ」

「お姉ちゃんが昔からお兄ちゃんのことが好きなことをあたしは知っていたから」

「何だって?」

「でも、お姉ちゃんはあたしの気持ちを気にして自分の感情をずっと隠していた」

 こういう話をまじめにしている自分の妹に、俺は何と言っていいかわからなかった。

「お姉ちゃんが夕さんと一緒にいるようになってあたしは嬉しかった。お姉ちゃんにもお
兄ちゃん以外に好きな人が出来たんだって」

 嬉しいって。

「でも、この間お姉ちゃんがお兄ちゃんと二見さんのことで動揺して」

「ああ」

 ようやく俺は声を振り絞って妹に答えた。


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