女神
1- 20
401:名無しNIPPER[saga]
2016/11/27(日) 23:28:13.19 ID:l/rfkXGJo

 同じ役員の女の子たちとも放課後よくお喋りするようにもなった。前の友だちと違って
カラオケやショッピングに行ったりというわけにはいかなかったけど、生徒会室で彼女た
ちと話をしていると頭のいい女の子たちでもお喋りの内容は前の友だちとあまり変らない
んだなとあたしは思った。

「ねえ書記の北村君、唯ちゃんのこと好きみたいだよ」

 あたしは彼女たちに言われたことがあった。北村君とは、あたしを副会長として会長に
推薦してくれた人だった。成績もいいし顔も悪くないので結構女の子たちには人気がある
ようだった。

「唯ちゃんは北村君のことはどうなの?」

「あたしは別に・・・・・・」

 あたしはそう答えた。成績がいいとか多少顔がいいとかでは夕也君の足元にも及ばない。
あたしは自分が手に入れたこの新しい環境には満足していたけど、そこで彼氏を見つけよ
うとは思わなかった。

 その後も、生徒会役員とか役員でなくても成績がいい男の子たちがあたしを気にしてい
るよとかいう話を彼女たちに聞かされたし、一度ならず直接告られたこともあったけどあ
たしはその全てを穏便に断った。まだ男の人とのお付き合いってよくわからないからとい
う理由で。

 あたしの前の仲間が聞いたら飽きれて嘲笑するだろうけど、この頭のいい人たちの集ま
りではこの言い訳は十分通用した。何人かの男の子の告白を断っても、あたしの評判は悪
くはならず、むしろ見かけとは違って初心な女の子と認識されたためかえってあたしの評
判はよくなったようだった。

 このように何の問題もなく過ごしていた生徒会だけど、唯一生徒会長だけはあたしに関
心がなさそうだった。といっても嫌われるとか疎まれるとかということはなかった。何と
いってもあたしは生徒会のナンバー2で会長を補佐する立場にあり、会長もその立場をな
いがしろにするようなことはなかった。また、あたしの能力の低さについても周囲の役員の
子たちが苦笑しながらフォローしてくれているため、そのことで会長に迷惑をかけるこ
とはなかったはずだった。

 それなのに会長はあたしとは必要最低限しか喋ってくれない。あたしの何が悪いのだろ
う。もしかしてあたしがここにいることが気に食わないのだろうか。会長は成績の悪いあ
たしは底辺のグループにいるべきだと考えているのだろうか。

 あたしは会長以外の役員たちとは完全に打ち解けることができたので、今度は会長を落
すことにしたのだ。もちろん恋愛的な意味ではないけど、あたしの可愛らしさにもう少し
注目させたいという気持ちはあった。ところがそれからしばらく何をしてもあたしの行動
は空振りだった。

 お約束だけど会長にお茶を入れたり、スケジュールについて質問する際に会長に身体を
密着させることまでしたのだったけど、会長の態度は相変わらずだった。別に冷たくもな
いけど必要最低限の会話しかしてくれない。あたしのプライドはいたく傷つけられた。こ
んなイケメンでもないスポーツもろくにできない男に何であたしがこんな思いをしなけれ
ばならないんだろう。

 この頃、あたしは会長をよく眺めていたせいで会長の奇妙な習慣に気がついた。会長は
生徒会室で仕事をすごい勢いで済ませると、そのままいつも生徒会室を出て行ってしまう。
人一倍仕事はできているので何も問題はないのだけど、他の役員たちが下校時間まで仕
事をしたり無駄話をして過ごしているのに。

「ねえ。会長って何でいつも早く帰っちゃうの?」

 ある日あたしは書記の女の子に聞いた。

「ああ。副会長は最近生徒会入りしたから知らないのね」

 書記の子は仕事の手を休めて言った。「会長はここの仕事を終えると毎日図書室に行っ
てるのよ」

「はあ。会長もここのみんなも本当に勉強するの好きなんだね。あたしなんかじゃ考えら
れないわ」

「何言ってるの。放課後まで図書室で勉強したいなんて人が生徒会にいるわけないじゃ
ん」

「じゃあ会長は図書室で何してるのよ」

「何って。そりゃ彼女と会ってるんでしょ」

 では会長には彼女がいたのだ。それにしてもこのあたしが可愛らしい後輩を演じたのに
それを無視させるほどの彼女というのはどんな子なんだろうか。

「会長の彼女って誰なの?」

「副会長は知らないの? あんたと同じクラスの二見さんだよ」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
468Res/896.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice