402:名無しNIPPER[saga]
2016/11/27(日) 23:29:13.52 ID:l/rfkXGJo
生徒会に入るまでほぼビッチ扱いされていたあたしは、その頃清楚な生徒会の役員の女
の子として扱われるようになっていたので、今ではそういう風に見られている自分に十分
満足していた。あたしは成績のいい生徒会の役員たちにも仲間扱いされていたし、生徒会
役員や役員以外でも成績優秀な男の子たちにも何度か告白されるくらいに人気もあった。
だからあたしはもうかつてのような派手なグループに戻るつもりはなかった。あのグルー
プにいた頃のあたしの価値観だったら、自分に振り向かず綺麗とは認めざるを得ない
けど印象としては地味な二見さんなんかの方に自分の身近な男が眼を向けていたらそのま
までは済まさなかっただろうと思う。
でも今ではそういうことはどうでもいいはずだった。偶然にも学内のエリート層の仲間入りを
して教師からもちやほやしてもらえるこの場所に留まるだけでもあたしにとっては
十分なはず。あたしが自分のプライドから生徒会長を二見さんから奪う真似なんかしたら、
せっかくのあたしの清純で初心な生徒会副会長としてのイメージが根底から崩れてしまう
のだ。
そう考えると別にイケメンでも何でもなく本気で恋愛感情さえ抱いていない生徒会長の
気持ちをあたしに振り向かせるためだけに行動を起こすことは、あたしにとってリスキーすぎた。
あたしは自分の中でそういう結論を出していたのだけど、念のために一応もう一つだけ
確認しておこうとも考えたのだった。それは生徒会長の、というより生徒会長の彼女にな
ることのステータスについてだった。
あたしから見れば生徒会長はそんなに無理してまで手に入れるほどレベルの高い男の子
とは思えなかった。でもあたしは生徒会に入ってから、自分が今まで属していた派手な女
の子たちのグループで共有している価値観がここでは通用しないことを知った。そして中
学高校くらいまではともかく、将来にわたって世間一般でどちらの考えの方が尊重される
のかということが今のあたしにはだんだんと理解できるようになっていた。
あたしもだいぶ新しい世界の友だちたちと考えを共有できるようになっていたのだと思
うけど、時折以前の価値観があたしの行動を規制することがあってそういう時には気をつ
けないと周囲の生徒会役員の女の子たちから不思議そうに見られることがあった。それで
あたしは、生徒会長を異性として軽視していることは、実は周囲の新しく出来た友だちの
持つ価値観と異なる考えなのかもしれないと考えるようになったのだ。
そういうわけで生徒会長が学内一般でどういう評価になっているのか念のためにあたし
は確認しておくことにしたのだった。
生徒会内で会長の評価を率直に聞くわけにも行かなかったので、あたしはお姉ちゃんに
彼の評価を聞いてみた。何となく生徒会長が気になっているような振りをして。
「確かに会長ってイケメンじゃないけどすごく知り合いは多いみたいだよ。何か男にも女
にも妙な人気があるんだよね。でも、そんなにもてるってことはないでしょ。あいつって
地味だしなあ」
お姉ちゃんは会長と同学年だったけど直接の知り合いではないそうだ。そしてそのお姉
ちゃんの評価は別に驚くほどの内容ではなかった。ただ妙な人気というのがいったいどん
な人気なのかは気にはなった。
・・・・・・やっぱり生徒会長はあたしがせっかく手に入れたこの居心地のいい立場を危うく
してまであたしに振り向かせる価値はないようだった。それならば忘れようとあたしは思
った。少なくとも会長は表面上はあたしのことを嫌っているわけではないようだったから、
会長が女さんよりあたしを選ばないというくらいでむきになることはない。この時あたし
はそう考えた。そして割り切ってしまえば会長の態度もあまり気にならないのだった。
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