女神
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403:名無しNIPPER[saga]
2016/11/27(日) 23:29:52.41 ID:l/rfkXGJo

 数日後、あたしは先生から生徒会長への用件を伝えるために、生徒会室を出て会長を探
す羽目になった。もう会長のことは念頭にはなかったのでそれは単なる副会長としての用
事に過ぎなかったのだけど、この時間には会長は二見さんと二人で図書室で過ごしている
はずだったので、いくら図々しいあたしでもさすがに少しそれを邪魔することに気が引け
ていた。

 なので図書室前の廊下であたしが少しだけ中に入るのをためらっていたその時だった。

「唯じゃん。久しぶりじゃんか」

 あたしは一学年上の先輩に声をかけられた。確かに先輩ではあったけど、彼はかつてあ
たしが派手に遊んでいるグループの子たちと一緒にいた頃に、よく行動を共にしていた男
の子だった。当時あたしは先輩を先輩とも思っていなかったので、彼のことは名前で呼ん
でいたのだ った。

「あ、先輩」

 あたしはとりたてて昔の仲間たちの恨みを買うつもりはなかったから普通に返事をした
つもりだった。でもあたしの声音とか以前は名前で呼び捨てていたあたしが彼を先輩と呼
んだことなどが、彼の機嫌を損ねたようだった。

 当時だってあたしは彼には特別な想いは抱いてはいなかったのだけど、彼の方があたし
に執着していたことはあの頃つるんでいた女の子たちから聞かされてはいた。

「先輩って何だよ。俺たちの仲なのによ」

 彼は少しだけ笑いながらも低い声で言った。その時彼の眼は少しも笑っていないことに
あたしは気がついた。何か嫌な雰囲気を感じたあたしはなるべく早く彼との会話を切り上
げようとしたのだけど、それが悪かったようだった。

「あたし図書室で生徒会長を探さなきゃいけないんでごめんね」

 あたしが彼の横を通り過ぎようとした。その時彼の手があたしの腕を掴んだ。

「おまえ、最近いい子ぶって生徒会とか先公たちに尻尾振ってるんだってな」

 彼は嘲笑するようにあたしを見た。

 あたしの腕を本気で握り潰そうとしているかのような彼の握力が腕に伝わって、あたし
は苦痛に喘いだ。

「放してよ。あたしいい子ぶってなんかいないし」

「おまえ、今じゃ真面目な副会長様だもんな。いい子のふりしてよ、昔の自分の友だちを
見下して気分いいだろう」

「そんなんじゃないよ。いい加減にしてよ」

「どうせ生徒会の僕ちゃんたちも先公たちも、お前が一年のときからどんなことしてたの
かなんて知らねえだろうな。いっそ俺があいつらにおまえがどんな女か教えてやってもい
いんだぜ」

 あたしは黙ってしまった。こいつの言うとおりだった。生徒会の役員の子たちに受け入
れられたあたしだったけど、彼らはあたしの過去のことは何にも知らないのだ。そしてそ
れが知られたら・・・・・・。

「・・・・・・放して」

 あたしはもう一度弱々しい声で言った。

「そんな真面目な女の子らしい演技することはねえだろ。ここには生徒会のやつなんてい
ねえしよ」

「・・・・・・いい加減にしてよ。いったい何が言いたいのよ」

「怒った? それくらいの方が昔のおまえらしくていいな」

 彼は笑った。「久しぶりに付き合えよ。遊びに行こうぜ」

「生徒会活動があるから付き合えません」

 あたしは思い切り冷たく言ったけど、腕の痛さは結構限界に近かった。

「じゃあさ、おまえは勘弁してやるから俺に女の子紹介しろよ。俺もたまには頭のいい真
面目な子と付き合ってみたいしよ。一年生の書記の子いるじゃん? あいつ真面目そうだ
けど可愛いよな」

「あんたなんかにあの真面目な書記ちゃんを紹介できるわけないでしょ」

「ほら。やっぱり上から目線じゃねえか。じゃあやっぱおまえでいいよ。おまえは本当は
真面目な女でも何でもないただのビッチだし、おまえなら俺と釣りあってるだろ」


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