367:名無しNIPPER[saga]
2016/09/27(火) 00:10:26.33 ID:JF3eK7aYo
「僕は麻衣のためなら自ら泥をかぶろうと決心したんだよ。優の女神行為を晒すっていう
ことは、万一晒した犯人が生徒会長の僕だとわかったら、晒された彼女ほどではなくても
僕の評判だって地に落ちるだろうとは思ったけれど」
「さっきも言い訳したように僕は優の女神行為を徹底的に晒す覚悟は出来ていたけど、結
局途中でそれを止めた。麻衣が今ではそれを望んでいないことがわかったから」
「・・・・・・でも、ほぼ同じタイミングで二見さんの実名とか住所とかが晒されて、それに学
校裏サイトにもそのことが載ってましたよね」
それが二見さんにとって致命傷となったのだった。二見さんの女神行為が学校当局に知
られただけなら、広く校内の生徒たちに広まらなかったら、彼女が転校や引越しするほど
追い込まれることはなかっただろう。
「そうなんだ。誰か僕の他にそれをしたやつがいる」
「ひょっとしたら学校とか二見さんの関係者以外の人かもしれないですね。最初はexifと
かっていうデータを解析されたんでしょ? それなら誰でも犯人の可能性はあるし」
私はふと思いついて言った。
「それだけならそうかもしれないけど、その画像の主を優に結び付けて実名を晒すなんて、
知り合いじゃなきゃできないだろう」
「それはそうか」
気が重いけどやはり核心にはこの学校の関係者がいることには間違いがないようだった。
それに夕也と浅井副会長の会話のこともある。そして副会長と、最初に鈴木先生に対して
行動を起こした会長の過去とが今繋がったということもあった。
「僕がしたことを知られれば麻衣にはきっと愛想を尽かされるだろう。今までは黙ってい
ようと思っていた。情けない判断だけど僕は麻衣に嫌われることだけはしたくなかったか
ら」
会長が続けた。
「でも、唯さんとかが登場して僕や優に会いたいって言ったことが本当なら、これは単な
る偶然では済ませられないだろ」
「じゃあ、会長の言う違和感って」
「うん。それは優への嫉妬とか全くなかったわけではないけど、基本的には本当に偶然に
麻衣と付き合うようになってこの出来事の関係者になったんだと自分では思ってたんだけ
ど」
「そうじゃないんですか?」
会長の顔が再び翳りを帯びた。
「今日まではっきりと僕が麻衣と付き合っていることを知っていたのは、浅井副会長だけ
なんだが」
「・・・・・・はい」
「僕が鈴木先生にメールを出した翌日以降、優はネット上で実名バレしたんだ」
「今までこんなことをするやつは優のことが目障りで、優を陥れるためにしたんだって僕
は無意識に思い込んでいたんだけど」
確かにそれはそうだった。私もそれ以外の理由は考えたことすらなかった。ぼっちの二
見さんは、ここ最近麻人と付き合いだしたせいかクラス内で話をする程度の知り合いが増
えていたのだ。そのことを面白く思わない人が彼女の女神行為をしったとしたら。
「君もそう考えてたんじゃないかな」
会長の言葉に私はうなずいた。
「でもそうじゃないとしたら。今、優と僕の中学時代の付き合いに密接に関係のあるやつ
らが姉妹だとわかった。うち一人は僕に振られた唯さん。もう一人は・・・・・・。君に振られ
た僕が麻衣と一緒にいるのを見て、僕のことをさげずんだように話していた浅井副会長
だ」
「どういうことです?」
私の声は震えていたかもしれない。推測に過ぎないことはわかっていたけど、自らに何
ら非がないのにあんな風に抜け殻のようになっている麻人のことを考えると動揺を押さえ
切れなかった。
「優と僕との過去を知っている誰かが、最近の優の彼氏とか関係なくしたことかもしれな
いね。復讐的な意味で。あるいは僕のこともターゲットだったのかもしれない」
先輩は相変わらず顔を青くしてはいたけど、言葉はしっかりとしていて冷静な口調だった。
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