187:名無しNIPPER[saga]
2016/04/07(木) 23:10:14.74 ID:HnyAwiIMo
僕が三年生になりしばらくたったある日、遠山さんと池山君という男子生徒が付き合っ
ているらしいという情報を教えてくれた副会長が、また新たな情報を仕入れてきた。副会
長の話によると、今まで二人きりで登校していた遠山さんと池山君という男は、今では四
人で一緒に登校しているというのだ。今まで二人きりだった彼らに加わったのが、遠山君
の妹だという麻衣さんという一年生の子と、広橋君という遠山さんと池山君の同級生だと
いう。
「何人で通っていてもいいけどさ。どっちにしたって遠山さんて池山君と付き合ってるん
だろ?」
僕は副会長に聞いた。ところが副会長が話してくれたのは意外な話だった。どうも、遠
山さんと池山君が付き合っているというのは単なる噂らしいと言うのだ。
それどころか二年生の、遠山さんたちをを知っている生徒たちの噂によると池山君と広
橋君は、遠山さんを巡って三角関係のようになっているらしい。そして、遠山さんの気持
ちはどちらかというと、広橋君の方に靡いているのだと副会長は続けた。
「その麻衣ちゃんって子も極めつけのブラコンなんだって」
副会長は楽しそうに話した。こいつは前から恋愛関係の噂話が大好きなのだ。でも、僕
が麻衣さんのことを知ったのはこの時が初めてだった。そして、実は僕は広橋君のことだ
けは知ってはいたのだ。
マンモス校ゆえに下級生のことなんて部活でも一緒でない限り知り合う機会なんてない
んだけれど、彼のことは噂でよく聞いていた。何しろ無茶苦茶成績がいいらしい。それも、
何でこんな学校にいるのか不思議だといわれるレベルで。ある先生が話してくれたことに
よると、彼は受験直前にこの町に引っ越してきたそうだ。それで、あまりこの地方の高校
事情を気にすることなくとりあえず受験できる高校を受験したらしい。僕だってこの学校
より高いレベルの学校に入学できたのだけど、話に聞く広橋君とはレベルが違うようだっ
た。僕は偏差値とか学校の成績にそれほどには重きを置く主義ではなかったけれど、広橋
君の模試での偏差値を聞いたときはさすがに嫉妬心のようなモヤモヤ感を感じたものだっ
た。
「会長は知らないだろうけど、広橋友君ってすごく成績がいいんだよ」
副会長が言った。「そのうえ、超がつくほどのイケメンだし」
では成績がいいだけではなく顔もいいのか。外見に関してはコンプレックスを抱いてい
る僕にはそれは少し不愉快な情報だった。要は全ての点において僕は広橋君に劣っている
ということではないか。
「池山君っていうのはどういうやつなの?」
僕は聞いてみた。副会長の話のとおりなら、彼は古くからの知り合いで、一時付き合っ
ていると噂されるほど仲がよかった遠山さんを広橋君に取られたことになる。その時僕は、
何となくネトラレという単語を頭に浮かべだ。
「普通だよ、普通。顔も普通だし成績も普通」
副会長はあっさりと池山君のことを切り捨てた。
「じゃあ、さぞかし遠山さんを奪われて落ち込んでいるんだろうなあ」
僕が男性に同情するのは珍しかったけど、その時は自分の成就しなかった苦しい恋愛経
験のことが、池山君が今陥っている状況に重なったのだった。もちろん僕は寝取られたわけ
ではなかったけど。
「確かに最初は三角形ぽかったらしいんだけどね。それがね、最近はそうでもないみたい
なの」
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