188:名無しNIPPER[saga]
2016/04/07(木) 23:12:02.32 ID:HnyAwiIMo
「・・・・・・どういうこと? ひょっとして彼は重度のシスコンだとか」
「そうじゃなくて・・・・・・池山君、最近ちょっと変った女の子と仲がいいんだって」
なんだ、池山君と遠山さんはお互いにその程度の関係だったのか。副会長の情報を信じ
ていた僕は、ずっと遠山さんは池山君と付き合っているものだと思っていた。でも、お互
いにそれほど深い関心はなかったということか。この辺で僕はこの話題に飽きてきていた。
もともと遠山さんにだって深い興味があるわけじゃなかったし。
「変った子って誰? 二年生?」
一応僕は聞いた。
「うん、遠山さんと池山君と広橋君って同じクラスなんだけど、その同じクラスの女の子
だって」
「ふ〜ん。まあ、丸く収まりそうでよかったってことか」
「まあ、そうかもしれないけど。でも、池山君と最近仲のいい子がちょっと問題で」
「問題?」
「会長は知らないでしょうけど、その子の名前は二見優さんと言って」
副会長はそこで、彼女のフルネームを告げた。
・・・・・・それは、かつての中学の時の僕の恋人の名前だった。同姓同名の別人でない限り、
彼女は僕の知らない間にこの学校に入学していたのだった。
僕と同じ学校に入学していた優は、そのことを僕に知らせようともしなかったのだ。僕
がこの学校にいることは知っているはずなのに。
僕は二人の女の子に興味を抱いた。それは嘘ではなかった。でも、遠山さんに対しては
恋愛感情はなかったのだ。
その時僕は、驚いている表情の遠山さんを生徒会室の近くの人気のない階段の踊り場に
連れ出し、君が好きだと告白した。計画通りに彼女に振られるならいいけれど、万一彼女
が僕のことを受け入れたとしたら、僕は彼女に対して酷いことをすることになる。それで
も僕は優のことを知るためにはそうするしかなかった。
「・・・・・・迷惑だったら謝るよ。でも遠山さんのことは前から気になってたんだ。今まで君
に振られるのが怖くて言えなかったけど」
僕は用意していたセリフを言った。それは演技ではあったけど、それでも女の子を前に
告白するという状況に緊張し、結構な早口になってしまった。
「え?」
「遠山さん、好きです。僕と付きあってください」
生徒会長である先輩の僕に告白されるなんて夢にも思っていなかったのだろう。彼女は
純粋に驚いているようだった。
「駄目かな」
「先輩」
彼女にとってイケメンでもなんでもない僕なんかを恋愛対象として考えたことはなか
ったのだろう。彼女は言いよどんでいたけど、結局はっきりと答えた。
「ごめんなさい。あたし好きな人がいるんです」
「先輩のこと、生徒会長としては本当に尊敬してます。でも、あたし片思いだけど好きな
人がいて。だからごめんなさい」
「・・・・・・そうか。わかったよ、君を困らせて悪かった」
僕はそう言った。ここまではある意味わかりきった展開だった。ここからが本番だった。
僕は気を引き締めた。
「先輩に勘違いさせたとしたら本当にごめんなさい」
遠山さんが申し訳なさそうに言った。こいつも結局自分に自信があるのだろう。僕に勘
違いさせてってどういうことだよ。僕は君なんかの言動に惑わされたわけじゃないぞ。一
瞬、作戦を忘れてリア充な人種への憎悪が沸き起こったけど、僕はそれを抑えた。今はそ
んなことでエキサイトしている場合ではなかった。
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