末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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127: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/03/15(火) 23:19:09.54 ID:PZ9SW6HQ0
末妹「ところで、お兄ちゃん」

次兄「はっはい?」

末妹「鏡の合言葉を野獣様から教わるって話、何日か前にしていなかった?」

次兄「確かにしてた、ね。結論から言うと、預かった鏡台に魔法がかかっているから、合言葉は不要になったけど」

次兄「でも、教えてはくれたよ」

末妹「あら、どんな言葉だったの?」

次兄「知りたい? ま、それも当然っちゃ当然か」

次兄「……『かぐわしき小さな赤いバラ、陽だまりの庭に踊るそよ風、小雀のさえずりに耳を傾けまどろむひととき』」)

末妹「……可愛い合言葉ね、優しい野獣様らしいな」フフ

次兄「ああ、実に乙女チックでポエミーでファンシーで野獣様らしいと、俺も思ったが」

次兄「……今にして思えば、これって全部……野獣様目線の、末妹の事じゃないかな?」

末妹「」

馬「ひんっ!?」ザシュ

次兄「ちょ、なんで馬を止める!? ど、何処だよここ!!??」

末妹「はっ……ご、ごめんなさい! 魔法の地図では普通ではありえない場所も通るって」アワアワ

手綱:ピシ!

馬「ひん!」カッ…カッポカッポ…カッカカッカカッ

次兄「……よかった、また周囲の風景が魔法の地図の道になった……」ホッ

末妹「止める気はなかったの、つい手綱を握る手に変な力が入っちゃって……本当にごめんなさい」

次兄(……ものの数秒間だったが、南の港町よりずっとでかい都会のど真ん中だった)

次兄(通行人から見れば、馬車が忽然と街の中に出現したように見えただろう)

次兄(もう少し止まっていたら、向こうにいた兵隊さんだか憲兵さんだかが近寄って来たかもしれないな……)ヒヤアセ



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