魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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366: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/05/11(水) 03:14:54.43 ID:ofIrSduQ0

亀姫が返事をし、小さく謝罪をしたときには
既に近衛は走りだしていた。

開いた扉のおかげで、灯りが階段を多少照らしている。
降りるよりも昇る方が随分と楽なようで、近衛は亀姫を担いだままで駆け昇っていく。


近衛(神従者から聞いた話の通りだったか……。ならばあとは迷いなく陛下の助力になれる――)


陛下を討つつもりだった神。それを討ち、今まさに陛下の元へ駆けつけている。
近衛の駆ける足は勇み、軽く疾い。

階段を昇りきり、亀姫を一度降ろしてから彫像の穴をくぐり出る。
周囲を確認するとすぐに亀姫を引き上げ、近衛はまた亀姫を担いで正門へと走った。


近衛「…亀姫様、まだ気分は優れませんか」

亀姫「いいえ、もう大丈夫よ。自分で走れるわ」

近衛「ですが顔色がまだ戻らぬ様子。念のためこのままでいきましょう」

亀姫「……私、そんなに顔色が悪いかしら?」

近衛「ええ。一体どうなさったのです。陛下がご覧になったら、きっと心配なさいますよ」


突然に魔王の名を出され、
亀姫は顔色を変えている自分を恥ずかしくも情けなくも感じた。

だがそれはすべて近衛のせいだ。
亀姫の中に、ふつふつとした怒りが湧き上がる。




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