魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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365: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/05/11(水) 03:13:01.00 ID:ofIrSduQ0

近衛は、浄気が空になった神の頭部を拾い上げた。
長かったはずの髪は、今は首の長さでパラリと流れている。

それを片手に抱くと、次いで亀姫のそばに近寄り、肩に亀姫を乗せた。


亀姫「何をなさいますの!?」

近衛「すみません、今は一刻も早く陛下の元へ行きたいのです。暫しのご辛抱を」


真面目な顔をして、既に出入り口を見据えて歩き出そうとする近衛。
亀姫は近衛の肩を腕で押して身体をそらし、慌てて声をかける。


亀姫「こ、近衛!!」

近衛「はい、なんでしょうか」

亀姫「あなた…… 魔王陛下を殺すおつもりではないと誓えますわね!?」

近衛「・・・・・・は?」


ピタと一瞬だけ足を止めた近衛。
意表を突かれたような間抜けな顔は、亀姫のよく知る近衛の顔をしていた。


亀姫「誓えますわね、と聞いているのです!!」

近衛「……あの。もう神は死にました、演技は終わりです」

亀姫「ならばあれはすべて、演技でしたのね? 本当にすべて演技だったと、私の目を見て言えまして?!」

近衛「当たり前じゃありませんか。怒りますよ」


近衛は亀姫を抱き直し、まっすぐに亀姫の目をみつめた。


近衛「自分が陛下を裏切るなど、決してあり得ません」

亀姫「近衛…」

近衛「さあ、行きましょう。本当に戦神妃に陛下が抑えられていては大変です!」

亀姫「――ええ」



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