魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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◆OkIOr5cb.o
[saga]
2016/02/23(火) 05:34:09.24 ID:zUoOI/kM0
亀姫「落ち着きなさい。…私にだって気持ちは理解できるわ。とても許されるものではないもの……」
亀姫はそんな近衛の手を取り、怪我をしているわけでもない近衛に治癒呪文を与えた。
暖かな魔力が流れ込む様子そのものに、近衛は僅かに冷静さを取り戻す。
そうして、気づいた。
亀姫の手が、か細く震えていることに。指先が血の気を失い、冷え切っていることに。
近衛「…! 亀姫様………」
亀姫「ふふ。おぞましい。考えが及ばないほどに、根深いおぞましさですの…。ですが私は亀姫。どれほどおぞましいものを見せ付けられようと、血の道で倒れるような弱さは決して見せませんわ」
近衛「……………」
血の道で倒れる…つまり、貧血を起こして失神しそうなのをこらえているということだ。
それだけの恐怖の中で、冷静に頭をめぐらせて考えていた亀姫。
近衛はみっともなく感情に流されて激昂してしまった自分を諌め
亀姫の手を握り返すようにして覆った。
亀姫「……陛下がこの戦争を始めたのは“次の手として差し出される、まだ見ぬ憐れなもの”のため…というのも、あるかもしれませんわね」
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