魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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243: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/02/23(火) 05:35:33.08 ID:zUoOI/kM0

亀姫は愛し子の優しさを褒めるように微笑んで、静かに会話を続けた。

その微笑が、近衛に向けられているのか魔王に向けられているのかわからない。
だけれど近衛は黙ってそれを見つめ、亀姫の手を温めながら耳を傾ける。


亀姫「いくらこちらが守り続けても、憐れな弾は撃たれ続けるのに変わらない…」


亀姫「憐れな近衛は、陛下に救われて忠実な家臣になった。――本当ならば自由に生きていたのに」

亀姫「憐れな天使は、陛下に救われながらも永遠に怯え暮らす羽目になった。――そんな必要はどこにもなかったのに」


近衛「あ………まさか、陛下は……」

亀姫「神がそんな状況を作る元々の理由は……魔王陛下に起因しますわ。陛下が魔王であるというそれだけで、全ての惨事は生み出されますのよ」

近衛「!!! ………陛下がご自身の責を感じる必要などありませぬ…ッ!」


思わずまた昂ぶってしまいそうな感情をどうにか押さえ込みながら、
近衛は苦々しく魔王を擁護した。


亀姫「『悪を悪と思わず、善を善と思わず』。この魔王の心得……貴方もお聞きになったでしょう?」

近衛「…ええ…。 ですが今、それが何か…?」


亀姫「あの状況で、そんな事を口にされたのですもの。陛下ご自身がその心得を誰よりも意識していたのは明白ですわね」




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