魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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21: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/08/29(土) 20:19:09.14 ID:tNq3pxyB0



やはり雑兵は大した事がない。
棒きれだろうが打ち据えるだけで、容易く倒せる。
だがそれだけでも民たちにとっては脅威だ。
彼らも応戦してはいるが、5年前この防壁が出来てからというもの、
戦闘に慣れていない民が増えた。

本当は、いつこんな事態が起きても、おかしくなかった。
だが5年間の平穏は、戦意を腐らせるには、充分な時間だったようだ。


戦士「戦える者は居ないのか!!
   怯えている暇があるなら逃げろ!」


兵の亡骸から拾った剣だが、なかなか良い剣だ。
剣には慣れていないが贅沢は言えない。
兵は顔見知りだった。
確か、王国から派遣された、駐留軍の兵士だったはずだ。
彼は去年結婚したと聞いた。

亡骸は、誰かに覆い被さるように倒れていた。
きっとその誰かを守り戦い抜いたのだろう。
傷跡は多く、四肢は引き裂かれていようと、剣を握る手には、
まだ力が残っていた。


戦士「ぜぇ、ぜぇ、…くそ」


戦える兵はどれだけ残っている?
魔物の数は多い。
個体として弱くとも、これだけ数がいれば、いつかは押されてしまう。
加えて率いている魔物の存在を、確かに感じる。
これだけの魔物が徒党をなして攻めてくる事は今までなかった。

…ふと、耳許に羽音を感じた。
羽音は一定で、なにかの意思を感じるように耳許から動かない。


戦士「魔女、か?今どこにいる?」

―――やはり私も戦おう。
   大門の近くに、デーモン種がいる。
   君たちでは、手に負えない。約束だ。

戦士「そう、か。強敵だ。早いとこ装備を、取りに戻らないと」

―――そこから1区画のところに、この間陣を敷いておいたんだ。
   武具を送ってある。宿の横の路地だ。
   避難が遅れた者達を見つけてね。
   まず彼らを避難させるから、あとで合流しよう。






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