魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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155: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/12(土) 00:47:17.76 ID:woiMU4L00



日が落ちてきた。
秋の暮れ、日没は日に日に早くなる。
まるで手桶を井戸に落とすように。

部屋はやがて暗くなる。
…魔力灯が点かない。
魔法とは鏡だ。
こういう時魔力灯が光を発しないという事は、
私はきっと暗い部屋のままがいい、と思っているから。
だとすれば自らに逆らうのは得策じゃない。
部屋が暗いからなんだというのだ。
私は魔法使いで、暗殺者で、諜報員。
ほら、暗い部屋がよく似合う。

指先に魔力を集め、柔らかな光を灯す。
やはり魔力とは便利なものだ。
その有用性を実感したからと言って、
これまでさんざん遠ざけておきながら、
今更焦って研究をすすめるなんて。
随分虫のいい話だと思うのだが―――


魔女『お帰り、賢者』

賢者『………なに?その透明な筒』

魔女『私が作ったんだ。樹脂と名付けた』

賢者『…硝子じゃないの?』

魔女『強度は硝子に劣るが、弾性に優れるんだ。
   見てくれ』

賢者『なに?………臭っ!!!
   なんなの、その粉!!!』

魔女『生石灰と蒸し焼きにした石炭を混ぜたものを、
   ある一定の方法で化学反応を起こさせたものだ。
   これは水と反応してガスを発生させる特性を持つ』






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