260: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/19(金) 02:42:02.12 ID:FLcWsv7Mo
叫びと共に、シエルの短剣がアラガミの槍を跳ね上げる。
『君の導いてきた、"ブラッド"が……』
彼女は斬り上げた神機を変形させ、銃口をそのまま、構えられたアラガミの盾に押し当てた。
『共に成長してきた私達が、この程度の相手に遅れを取ることはありません!』
ゼロ距離で破砕弾が炸裂し、盾は泣き所へと変貌する。
大仰に仰け反るアラガミの隙を、ギルが見逃す理由はなかった。
『……言葉だけなら、何とでも言える』
捕喰によって活性化した肉体は一足で彼とヤツとの距離を縮め、唸る穂先は傷ついた前脚に深々と喰い込む。
『行動で、示してみせろ』
一時的に体勢を崩したアラガミから神機を引き抜いたギルの手には、いつの間にやらスタングレネードが握られていた。
『……これだけ余裕があるんだ、安心しろよ』
辺り一面を、白い閃光が包み込む。
反射的に目を背けた私の手を、傍にいたナナが掴み取った。
半ば強制的な形で、私はその場を後にする。
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