【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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193: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/12/23(水) 01:22:02.88 ID:dBzV5CS0o



 "アナグラ"や、フライアとも違う、どこかの室内空間。
そこには、右腕に赤く大きな腕輪を着けた、3人の人物が佇んでいた。
紫の帽子を被った、気難しそうな顔の青年に、その向かい側で彼をからかっている、年長者とおぼしき、黒のライダース姿の男。
そして男の傍らで微笑む、赤縁眼鏡に、茶色のロングヘアの女性。
終いには帽子の青年も笑みを見せ、この空間は温かい雰囲気に包まれていた。

その場に私はいない。
意識は視覚と聴覚を得て、確かに彼らの様子を窺えているけど、肉体もなければ、彼らに存在を感知されてもいない。
更にいえば、彼らの内の青年のものと思わしき感情が、私の内にも流れ込んできている。
明らかに尋常ならざる事態だけど、そうとしか形容しようのない感覚と世界に、私の意識は引きずり込まれていた。

永久に続くと錯覚してしまいそうになる心地よさと、大事な存在である男と女性に何らかの本懐を遂げさせてやりたいという、使命感にも似た願い。
そうした青年の想いに何故か抵抗する気も起きず、感じ入ってしまっていると、突然空間が塗り替えられた。

靄を抜け、目の前に広がっていたのは、異国の戦場。
男はおらず、青年と女性が得物を手に、赤い鎧を纏った怪物と対峙している。
怪物の力は圧倒的で、2人の繰り出す攻撃をものともしない。
女性の決死の反撃により、怪物はその場から退散するも、彼女はある致命傷を負ってしまっていた。


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