742: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/10/11(火) 01:13:47.49 ID:i8/dHQWr0
強大な魔力を持つ魔術師。彼等を味方に出来たら、どれほど良いことだろうか。
それを実現できれば、ワラキア公国は瞬く間に列強国の仲間入りを果たすことが出来るだろう。
だが実際は、その手段を執ることなど不可能である。相手は存在するのかどうかもわからない埒外の者達だ。
魔術が生まれて数千年。未だに御伽話の域を出ない存在に遭遇する事を期待するなど、あまりにも現実的ではない。
ならば、どうするか。どのようにすれば彼等の力を借りることが出来るのか。
散々悩んだ末に彼が思いついたのが、『偶像の理論』を利用することだった。
『偶像の理論』とは、姿や役割が似ているものは互いに影響し合い、性質や状態、能力までも似てくると言うもの。
この理論を実際に使用している具体例を挙げるとするならば、『丑の刻参り』が当てはまる。
藁人形を目に似せることで双方を同調させ、藁人形に釘打ち付けることで間接的に相手を呪い殺すことが出来る。
また、十字教の信者が常に身につけている十字架も『偶像の理論』を利用したものだ。
十字架が聖なる力を宿すのは、それが神の子が処刑される際に用いられたものを模しているからである。
『十字の形』という部分だけを似せたものなので、得られる力は元の億分の一でしかない。
だがそれは裏を返せば、それ程にまで力を分割されても十二分に効果を発揮できるということを意味し、
原本の十字架がもつ膨大な力を間接的に示唆していると言えるだろう。
859Res/553.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20