741: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/10/11(火) 01:12:48.88 ID:i8/dHQWr0
だが、それでもヴラド三世は諦めることが出来なかった。
敵が如何に強大であったとしても、それに迎合する選択肢は彼の中には存在しない。
今まで不本意に思いながらも敵国の傀儡としてしか生きて来られなかったが為に、
国王になってまでも人形として生きることは、決して許容できることではなかったのだ。
とは言っても、正攻法では敵わないということも純然たる事実。
故にヴラド三世は、葛藤の末に外法を用いて力を得ることを選んだ。
彼が目に着けたのは、伝説上の存在である種族『吸血鬼』。
血を啜り、不死の肉体を持つと言われる怪物である。
彼等の存在については民間伝承の中でのみ語られていたものであるが、
現代とは違って当時の民間人多くはその存在を固く信じ、そして恐怖を抱いていた。
そしてそれは魔術界にも当てはまり、魔術師達は不死の肉体を持つ存在、
さらにそこから連想される、無尽蔵の魔力を持った吸血鬼の魔術師の出現を警戒していたのである。
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