705: ◆A0cfz0tVgA[saga]
2016/08/08(月) 00:39:35.00 ID:Bpm/9TPL0
ドンッ!と、地面が爆ぜた。
愚直な直進。だがそれ故に最速。
只ひたすら前に進むために解き放たれた脚力は、一分も余すことなく地へと突き刺さり、
そのエネルギー全てが前方への推進力へと変換される。
得物を手に持ちながらも、その速さは先ほどに勝るとも劣らない。
レミリアは風のように流れていく背景を気にも留めず、目の前にいる少年のみを直視する。
風よりも速い突撃から繰り出される刺突。
迷いが一切含まれないその一撃は、岩石をも容易く貫く魔の一刺しへと成り果てる。
刺し貫かれた部分には、歪みのない真円の穴が刻みつけられるだろう。
無論、それを只呆然と見ている上条当麻ではない。
彼は1秒にも満たないその間、レミリアの動きを察知して行動に移した。
レミリアの突撃に対し、その射線から『僅かに右へとずれる』。
レミリアからつかず離れずの微妙な距離。その行動の意図明らかに回避ではない。
彼女の俊敏性は脅威だ。一度目を外してしまえば、再び眼で捉えることは難しい。
それならば。眼で捉えられている今にのみ反攻の機が存在する。
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