とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)4
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34: ◆A0cfz0tVgA[saga sage]
2015/05/11(月) 00:38:10.00 ID:l1/0db2U0

二つ目は、彼からは魔術を使っているような様子が見受けられない点。
レミリアの顔を殴り飛ばした時のパンチの威力は、確かにかなりものではあるが、
それでも通常の人間がもつ腕力で生み出すことが出来る範囲内に過ぎなかった。


もしも仮に己の拳のみで戦場を渡り歩くような超肉体派の魔術師がいたとする。
当然ながらその者は、敵の猛攻を凌ぐために自身の肉体を魔術で補強するだろう。
そうした場合、目にも止まらぬ速さで動き回り、巨岩をいとも簡単に粉砕するくらいの身体能力を付与するはずだ。
接近戦を挑む以上、それくらいのことはしなければ渡り合うのは難しいと言える。
そして、そんな人間の拳に顔を殴り飛ばされたとしたらどうなるか。
ほぼ間違いなく頭部が粉砕するか、首元から千切れるに違いない。運が良くても顔面陥没は必至である。


だが目の前の少年に殴り飛ばされた時に、そんな凄惨な状態になることはなかった。
己が持つ吸血鬼の肉体の御陰かとも思ったが、この体は筋力については優れているものの、
耐久性に関して言えば人間のそれとほぼ変わらない。
多少の傷はものの数分で傷跡残さず治るが、頑丈さという点で言えばそれほどでもなく、
ナイフで切られれば傷は付くし、打撲や骨折も当然起こりうる。


人と何ら変わらない耐久力であるレミリアの顔を、痣が出来る程度しか傷つけることが出来ない。
明確な敵意を持っていて、且つあれだけの気迫が籠もっていた以上、魔術を使わず手加減したということも考えにくい。
つまり、あの拳の威力がこの少年の全力であり、魔術を使っていない素の力であると推察した。




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