341: ◆yyODYISLaQDh[sage]
2017/02/23(木) 20:56:14.96 ID:V014Qou/O
「もう限界だ。止めよう、こんなこと」
前髪を乱暴に掻きながら、ジュウは勢いよく椅子に座る。
顔を天井に向けて、自分の不満を溜息と同時に吐き出す。
「俺もいちいち家に来られたら面倒だし、お前も無事を確認するためだけに自分の家から来るんじゃ大変だろ、結構遠いしな」
言いながら雨を見遣る。
相変わらず前髪のせいで感情は読めないが、少し驚いているような感じがする。
ジュウが迷惑がっているとは思わなかったとでもいうのか。
しかし、妄想の世界に生きる雨ならあり得ないというほどでもないか。
「だからさ、安否の定時連絡はもうこれきりにして、前みたいに――」
そこまで口にして、ジュウは違和感に気が付いて言葉を止めた。
目の前の雨に対する違和感であり、それは雨の全身を眺めてみて、初めて気が付くことだった。
「そういえばお前、今日は制服じゃないんだな」
今度はあからさまに動揺を露わにする雨。
手に持っていたバッグを取り落としそうになって、さすがは堕花雨、見事にキャッチした。
「それに、少し化粧もしてるか?」
しかし、ジュウの追撃によって雨は今度こそバッグを落とした。
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