340: ◆yyODYISLaQDh[sage]
2017/02/23(木) 20:55:30.54 ID:V014Qou/O
大きく溜息を吐いてから、ジュウは雨に向き直る。
「それで、なんか用か?」
「正午を過ぎてもご連絡が無かったので、御身の無事の確認をと」
ジュウは再び溜息を吐いた。
寝起きに紅香が襲来していたために忘れていた。
学校にいる間だけではなく、休日も必ず安否の連絡をする決まりになっていたのだった。
正直言って、あまりにも過保護すぎる雨に対して、ジュウは辟易とした気持ちを隠せなくなってきていた。
それに昨日は雪姫と光に今日は紅香と、せっかくの休日だというのに一人で気を休める時間もない。
「そろそろ、止めにしないか」
これからもこんなことが続くのかということを考えれば、ジュウのこの提案は当然のものだった。
とはいえ、以前からこの提案は遠回しにしていた。
一人でも大丈夫だ、とか、なにかあったらすぐに呼ぶからいちいち確認はいらない、とか、わざわざ来てもらうのは申し訳ない、とか。
しかし雨は「ジュウ様のお命の為です」の一点張りで、頑として首を縦に振らなかった。
それは雨の妄想癖によるところでもあるし、同時に本気でジュウを心配してのことなのだろう。
それがわかっているからこそ、ジュウも明確な言葉は避けてきた。
雨とは長い付き合いとは言えないが、そのぶん濃い時間を共有しているし、何度も事件や勉強で世話になった。
もちろん感謝もしている。
だからこそ時間をかけて説得しようと思っていたのだが、ジュウは自分の短気さを忘れていたのだ。
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