257: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:16:03.49 ID:FMHwTD6FO
その辺にいるチンピラや不良どもとは別の意味で相手にしたくない人間だ。
「光ちゃんと柔沢くんはデート?」
「違います」
「でも二人で待ち合わせしてたでしょ」
「たまたまです」
「柔沢くんはデートって言ってたよ」
ものすごい勢いでジュウを振り向いた光の目は飛び出るんじゃないかと心配になるほどに見開かれており、そこから非難を感じ取ったジュウは、テーブルを軽く叩く。
「雪姫、いいかげんにしろ」
雪姫は最初はヘラヘラしていたが、ジュウが眼光を強めると流石に萎縮したのか、拗ねるように唇を尖らせる。
その隣りに座る光も何故か驚きの表情でジュウを見つめていた。
ジュウは一度光に目配せすると、今回の件について雪姫に説明しはじめた。
光がしつこい同級生に好意を向けられて困っていること、安直に実際にはいない彼氏がいると言ってしまったこと、それを証明するために彼氏役が必要でそれを見せつけなければならないこと。
自身の口から説明してみるとなんとも阿呆らしい経緯ではあるが、雪姫は真面目な顔で黙って聞いていた。
説明を終えても、雪姫はジュウの目を真っ直ぐに見つめてくる。
今の話を疑っているのだろうか?
しかし、ジュウは一つも嘘をついていない。
暫く睨み返してやると、今度は光の方に向き直る雪姫。
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