256: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:15:17.82 ID:FMHwTD6FO
入店の際に「3Pカップル一組」などと世迷い言を抜かす雪姫にジュウは逃げ出したくなったが、雪姫はジュウと光の手を掴んで離さず、そのままゴリ押しで入店し、カップル限定ケーキを頬張っている最中である。
「柔沢くんも食べる? はい、あーん」
「いらん」
「ちぇー、間接キスのチャンスなのになー」
マイペースな雪姫の様子に、思わず溜息が出る。
これでは光の目的が達成できないし、光の怒りも収まらない。
この女をどうしてくれようか、などとジュウが不穏なことを考え始めた頃、光が漸く口を開いた。
「……雪姫さん、今日はお姉ちゃん達と約束があったんじゃないんですか」
「あれ、知ってるの? 光ちゃんってば用意周到ー」
「…………」
「あはは、怖い怖い。なんかね、二人とも急用なんだってさ。何かは知らないけど。暇だから駅前で適当に服でも見てよっかなーと思ったら、柔沢くんがいたからちょっと絡んでみただけ」
発想がそこらのチンピラのそれである。
チンピラに絡まれれば拳で黙らせることもできるが、相手が女な上、雨の友人というのがジュウにとっては痛い。
そもそも女を殴るのは趣味ではないし、雪姫は普段はおちゃらけているものの、刃物を持てばおそらくジュウよりも強い。
雪姫は自称刃物愛好家であり、例えガラス片であろうとそれがモノを切れる物であれば、まるで二重人格者のように雰囲気が一変する。
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