559: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 00:49:51.25 ID:Hnrzybny0
「……むーりぃー、って顔」
志保が、しゃがんで覗き込んで来る。アタシと同じ立場のはずなのに、笑ってる。
「なんで、そんな笑ってられんの」
「うーん。そうするしかないから、かな?」
かすれ声のアタシの質問に対し、首を傾げて眉を顰め、舞台上の振る舞いみたいに考え込む―遠慮なく言えば、わざとらしい―素振りを見せる。
「それとも、そうしたいから、かな。どっちだろ?」
志保は、答えを出しては来なかった。表情をコロコロ変えてから、結局笑顔に戻る。立ち上がり一歩離れると、屈伸、伸脚。
「よし」
それから重心を落として、膝でリズムを取り始める。
ゆっくりと腕を回しながらステップを刻み出した志保の足元から、キュキュッ、とリノリウムの床にソールをぶつける小気味良い音がする。
「ほら、アヤちゃん。ウォームアップしましょう♪」
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