忍「隠し事、しちゃってましたね……」 アリス「……シノ」
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375: ◆jOsNS7W.Ovhu[saga]
2014/12/22(月) 00:33:51.66 ID:c4dYWrVV0


「それじゃ、食べ物屋回ろうか!」


 私のすぐ隣で、陽子は満面の笑顔で言う。
 いつも「早弁」をしている彼女は、食べ物のことになると一味違う。
 それは、普段の付き合いの中でよく分かっていた。


「わぁ陽子ちゃん、私、おごられちゃうんでしょうか?」


 私の二つ隣にいるシノは、手を叩いてそんなことを言う。
 ポワポワとした笑顔は、いつも私の見るものだった。
 ……まるでさっきのことなんて、なかったことみたいな。


「……アリス」


 ハッとした。
 見れば、綾が私に顔を向けていた。
 その評定は、どこまでも複雑そうで。
 ……今の私も、同じような表情をしているのだろう。


「ど、どうしたの綾?」


 慌てて、私は応じる。
 目の前の彼女は、逡巡する様子の後で、私に言う。
 そして、私の耳元に口を寄せて、


「……さっきのこと、どう思う?」
「――!」


 驚いた。
 どうやら綾は、私と全く同じことを考えていたらしい。
 陽子とシノの二人はどこ吹く風で、おいしいクレープ屋のこととかを話していた。


「……綾」


 今度は私が綾の耳元に口を寄せて、ボソボソと言う。
 それに対し、綾はコクリと返事をすると、


「よ、陽子! シノ!」
「ん? どうかした、綾?」
「そ、その――ちょ、ちょっとアリスとお手洗いに行ってきたい、んだけど……」


 顔を赤らめながら、綾はそう続ける。


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