らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜
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179:こなたの旅I 3/6[saga sage]
2013/07/10(水) 20:34:25.96 ID:H4+RYPH30
 レストランを出るとつかさの店からピアノの音が微かに聞こえる。つかさが弾いているのか。いや、いつも弾いている曲じゃない。そうか、みなみの定期演奏会だ。
みなみも来ているみたいだ。
 店の扉を開けた途端迫力のあるピアノの音が飛び込んで来た。真っ先にピアノを見た。ピアノを弾いているのはつかさでもみなみでもなかった。まなみちゃんだった。
聞いたことがない曲だ。でも凄いのは分かる。コントローラのボタンを連打しているみたい、うんん、まるで右手と左手が競争しているように鍵盤を縦横無尽に駆け回っている。
店の奥に行くのを忘れて聴き入っていた。
「ラフマニノフ習曲集音の絵、作品39第6番:イ短調……」
小声で私の耳元に囁く。振り向くとみなみだった。
こなた「すごいね……」
私も小声で囁いた。曲は3分もかからないで終わった。
「パチパチパチ」
来店のお客さんから拍手喝采の嵐だった。まなみちゃんは立ち上がり一礼すると厨房の方に小走りに走って行った。つかさの所に行ったのかな。
こなた「さっきの凄いの、ら、らふま……の練習曲?」
みなみ「うん……あれは私も弾けない難曲……」
こなた「弾けないって、それじゃどうやって教えたの?」
みなみ「教えていない、楽譜を見て弾いた」
こなた「楽譜を、見ただけで?」
みなみは頷いた。
みなみ「楽譜見ただけで演奏なら私は驚かない……まなみちゃんはそれだけじゃない、あの曲のサブタイトルは赤頭巾ちゃんと狼……タイトルも彼女はしらないはずなのに、曲の
    イメージを完全に理解して演奏している」
赤頭巾ちゃんと狼の追いかけっこ……確かにそんな感じの曲だった。
こなた「それって凄いの?」
みなみは頷いた。
みなみ「店の客を見て、ケーキやスィーツを食べに来た人達の殆どの食事を止めて演奏を聴いていた」
確かにその通りだ。客と言う客は皆聴き入っていたようだ。曲が終わった今は皆普通にお茶やコーヒーを飲みながら食べている。
みなみ「私のレベルを超えてしまった、もう彼女を教えられない、もしかしたらショパンコンクールやチャイコフスキーコンクールで上位が狙えるかも」
こなた「ん〜〜」
有名な作曲家の名前が付いているコンクールなのだからさぞかし由緒あるコンクールだと思うけど……
こなた「そんな大袈裟なのが必要なの?」
みなみ「分からない、まなみちゃんに聞かないと」
こなた「聞かないと言ってもさ、まなみちゃんはまだ小学生だよ」
みなみ「確かにそうだけど……今度の演奏会でスカウトが放っておかないと思う」
こなた「まぁ、ピアノで食べていけるくらいの実力はありそうなのは分かった、でもそれは演奏会が終わってから心配しようよ」
みなみは笑った。
みなみ「そうだった、気が早過ぎかもしれない……それでは失礼します」
みなみは厨房の方に向かって行った。きっとつかさやまなみちゃんの所に行ったに違いない。
ピアノも勉強もちょっと桁外れな子だな……まなみちゃん……




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