【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part5

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822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/02/23(日) 22:04:23.03 ID:4RG93CRHo
ほい
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/23(日) 22:11:05.24 ID:FFPOmWvoo
イチタリナイ
824 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/23(日) 23:03:26.52 ID:K5WdgQXV0
オノゴロ行商人「オノゴロ土産のおすすめ品と言ったら、こいつで決まりでさァ!」

 温泉まんじゅう「」ポン!

デュア「温泉まんじゅう!」

エバンス「温泉まんじゅうか……! 確かにオノゴロじゃ温泉が有名だよな!」

オノゴロ行商人「さらに今ならなんと、こいつもお付けいたしゃしょう!」

 温泉宿の宿泊券「」ポン!

ローガン「これは……宿泊券!」

オノゴロ行商人「トウゲン温泉の旅館の宿泊券っす! このまんじうもそこで仕入れたもんなんす!」

エバンス「おお……こ、これはちょっと嬉しすぎるぞ……!?」

オノゴロ行商人「助けてくだすったお礼に全部差し上げゃしょう! おらァ!」ドンッ!!

 温泉まんじゅう「」ポン!
 温泉宿の宿泊券「」ポン!

デュア「うおおお私の分も!!?」

ローガン「いかん……世界樹の光を追わねばならぬのに、温泉が楽しみになってしまう……!」

エバンス「仕方がない……仕方がないんだ……! 温泉には抗えない……!!」

 ☆温泉宿の宿泊券をいただきました
 ☆この後みんなで温泉まんじゅうを食べて元気になりました
  次の戦闘コンマに+10の効果があります

 *

ミスティ「あら、これは……」

 白木の鞘に納められた短刀「」ポン

イリス「あっこれ演劇で見たことある! ヤクザっていうオノゴロの悪い人たちが持ち歩く武器だよ!」

ミスティ「そうなの?」

妖精「違うよ、これはオノゴロの武士とかお姫様がハラキリをする時に使う自決用の刃物だよ」

ミスティ「え、どっち?」

オノゴロ行商人「どっちも完全に間違ってるってわけじゃありやせんが……。これは短刀っていう、オノゴロ刀の懐に入れて持ち歩きやすい版みたいな奴でさァ。しかもこいつは、氷属性と相性の良い冷鋼(つめたはがね)が使われている……いわば、氷の短刀ってわけっす!」

ミスティ「つめたはがね……!」

イリス「ミスティにぴったりだ!」

オノゴロ行商人「試しに抜いてみますかい?」

ミスティ「ええ、じゃあ……」

 シャッ――
氷の短刀「」キラン
 雪の結晶「」キラキラ…

イリス「おお〜!」パチパチパチ
クロシュ「わあ〜!」パチパチパチ
妖精「かっこいい!」パチパチパチ
オノゴロ行商人「なんと……抜き放つだけで、雪の結晶が……!」パチパチパチ

ミスティ「買ったわ。おいくらかしら?」

 ☆ミスティが氷の短刀を買い、装備しました

 *
825 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/23(日) 23:04:08.06 ID:K5WdgQXV0
―夜
 行商船

オノゴロ行商人「今夜はこの船にお泊りくだせえ。中は意外と広いんで、窮屈にはならんと思いやす」

ローガン「ありがたい。岩礁はテントが張りづらくて少し困っていたのだ」

エバンス「助けて大正解だったな!」

 *

 ギィ… ギギィ…

 吊り下げランプ「」ユラユラ

イリス「デュアさんは冒険者さんなんですか?」

デュア「ああ。あと私相手に畏まった言葉遣いは不要だぞ。こう見えてたぶんお前たちと同年代だ」

イリス「えっそうなんだ! てっきりけっこう年上なのかと……!」

デュア「冒険者にとっての年齢など、何の意味もなさない数字だ。強さこそ正義――それこそが冒険者にとって、唯一にして絶対の基準。わかりやすくて良いだろう?」

イリス「まあ、わかりやすくはあるけど……」

ミスティ「強さこそ正義……まあわかるわ。強くなければ生き残れないし、何も守れないもの……」

イリス「確かに……」

デュア「そして今日の私は本当に無様だった……。迂闊にこのような荒れた海へイカダで乗り出し、お前たちに助けられ、魔王には手も足も出ず意識を奪われる始末……。弱き者の末路としてはこの上なく相応しいものであった、と言われかねん」

イリス「い、いやいやいや! 生き残ってるから末路ではなくない!?」

デュア「お前たちのお陰でな。大亀スライムのクロシュ殿がいなければ海の藻屑だった。自分の弱さを痛感したよ」

ミスティ「私たちにも突き刺さるわ……。クロシュがいなかったらみんなまとめて海の藻屑だった……」

イリス「いやまあ……それはそう……」

デュア「オノゴロに着いたら、刀を直すと同時に私自身も鍛え直さねばならん。負けたままではいられん……!」

ミスティ「魔王には勝てないのが普通だと思うわ……」

デュア「だがローガン殿はあの魔王の妖術に一度耐えてみせた。私は耐えられなかった。なれば、鍛え方が足りなかった以外にないだろう?」

イリス「えっローガンさん一回耐えたの!?」

ミスティ「嘘でしょ……」

デュア「当面の目標は、命を奪われる妖術を耐えられるようになること! だ!」

ミスティ「でもどうやって耐えられるようになったか確認するの? まさかまたあの海域に?」

デュア「……考え中だ!」

 ◇
826 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/23(日) 23:04:59.04 ID:K5WdgQXV0
―夜
 行商船

スライムクロシュ「……」


クロシュ(あの……黒い影の女の子……ものすごく、危なかった……。けど……)

クロシュ(……ものすごく……かなしくて……寂しい感じも、した……)

クロシュ(………クロちゃんみたいに……魔王になって、ずっと……苦しんでるのかな……)

クロシュ(どうにか……してあげられない、かな……?)

クロシュ(……!)ピコン!


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ん? クロシュ、何してるの?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「え……えっ!? あの魔王と交信してみるだって!!?」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「ば、ばかやめなさい!! 魔王と交信なんてしたらどんな影響を受けるかわかんないでしょ!? 死んじゃうかもしれないんだよ!?」

スライムクロシュ「――」モニョモニョモニョ―

妖精「ああ、このばか聞いちゃいない!!」

妖精「……ていうか、相手がスライムじゃないと交信はできないんじゃなかったっけ?」

 *

―??

 遥か彼方の空に浮かぶ白い光「」ユラユラ

 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュ「ん……前より、少し慣れた……」ググ モニョモニョ

クロシュ「えっと……たしか……」モニョモニョ


 凪いだ海域「」


クロシュ「あった……あの辺……」モニョモニョ

クロシュ「……きこえる……?」モニョモニョ


↓1コンマ
01-05 クロシュ死ぬ
06-80 へんじがない
81-95 縺ゅ↑縺溘?隱ー?
96-00 ??
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/23(日) 23:09:49.40 ID:FeFta9GwO
はい
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/23(日) 23:10:05.19 ID:Q/OncRXv0
829 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/23(日) 23:17:41.16 ID:K5WdgQXV0
クロシュ「……」

 凪いだ海域「」

クロシュ「へんじ、ない……」

 凪いだ海域「」

 *

スライムクロシュ「……」モニョ…

妖精「あ、クロシュ! このばか! 死んだらどうするの!?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ふ、不死鳥の力で復活するから大丈夫だって……!? このばか!! クローディアはそんな捨て身みたいなことをさせる為にその羽根をくれたんじゃないでしょ!!! ばか!! ばかスライム!!! そこに直れ、今日は説教だ!!!!」

スライムクロシュ「〜〜…!!」モニャニャ…!!

 ◆
830 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/23(日) 23:22:01.55 ID:K5WdgQXV0
というわけで本日はここまでとなります。明日は航海の3日目、ランダムイベントと野営安価の最終日です

死の海域から命からがら逃げ出し、なんとかその日の航海を終えたクロシュ一行。一難去った後は安らぎのひととき。行商船を助けたり、格安でお買い物をしたり、デュア氏のお話を聞いてみたり、魔王との交信を試みるも返事がなかったり……。
水底の魔王とは何者なのか? クロシュは、妖精の説教を聞きながら静かに思いを馳せる。どこで生まれ、どこで生き、どうして魔王となったのか。何もわからない。あかちゃんスライムにできることは……たぶん、何もなかった……

というわけで本日はここまでとなります。次回は、たぶん明日も交信できると思います。よろしくお願いいたします
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 03:06:36.59 ID:YyxkczZ8o
おつ
水底の魔王、通じないけどちゃんと会話しようとはしてくれてる?
ドス持ちミスティ姐さん…オノゴロ着いたら着物も着るともうVシネ
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 12:15:22.41 ID:tQ+z6kvdO

妖精ちゃん最終的にクロシュと細々と家族生活するつもりなのかな
833 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 15:35:33.71 ID:XSpHUjFT0
水底の魔王は何らかの言葉を発しているようにも見えますが、それが一体何を示しているのかはよくわかりません。そして殺意を持って謎の攻撃を行っていたことは明白であります。あのような恐ろしいものとはなるべく関わらないのが良いかもしれません
氷の短刀はミスティ氏に似合っていたようです。彼女は見た感じ儚げな女性なので、ハラキリするお姫様の印象もあります。しかし彼女は実のところ一行随一の武闘派なので、どちらかと言うとやはり仁義を重んずる姐さんかもしれません

この旅を終えた後、妖精氏がどこへ向かうのかは今のところ明らかになっておりません。そしてそれは主人公たるクロシュ氏も同様のようです。クロシュさんとしてはフメイちゃんとまた一緒に暮らしたい思いが強いかと思います。妖精氏はクロシュの保護者気取りなので、クロシュにくっついてきて世話を焼きたがる可能性があります
他の仲間たちについても、旅が終わった後のことはまだ未定だと思われます
834 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 15:36:04.61 ID:XSpHUjFT0
―オノゴロ諸島への海路 3日目

 帆「」バサッ
大亀クロシュ「」スイスイ
 行商船「」スイスイ


オノゴロ行商人「申し訳ありません、大亀スライム様に負担をかけることになってしまい……」

分体クロシュ「んーん……みんな手伝ってくれるから……へいき……! おまんじゅう、おいしかった!」

イリス「風と水の推進力が速すぎたり遅すぎたりしたら言ってね。丁度良い速さに調整するから」

分体クロシュ「ん……!」


エバンス「オノゴロまではあと1日くらいだよな?」

妖精「うん。今日の夕方くらいにまた一晩休んで明朝に出れば、明日の午前中には着くはず」

ミスティ「今日は昨日みたいなことがないと良いわ……」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-10 強敵
11-40 食料発見(コンマ)
41-70 場所発見(コンマ)
71-00 良いこと(自由安価)
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 15:37:32.28 ID:lOJKnAE60
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 15:38:56.02 ID:pbZ/AOokO
えい
837 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 15:50:06.90 ID:XSpHUjFT0
食料を見つけ、そして強敵の気配がありました

↓1コンマ 見つけた食料
01-10 プランクトンの塊
11-20 藻屑
21-30 ウミノモズク
31-40 オオキイクラゲ
41-50 イカツムリ
51-60 異世海老
61-70 イクラマス
71-80 マグロ
81-90 ウミザリガニ
91-00 ヒヒイロガニ
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 15:58:08.29 ID:82yC8lkmo
839 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 17:00:08.25 ID:XSpHUjFT0
―オノゴロ諸島への海路
 浅瀬

大亀クロシュ「」スイスイ


ローガン「この辺りは水深が浅いな。海藻も見える」

エバンス「よし、それなら投網だ!」

 投網「」バサッ!

 バシャン!
 ザブンッ!

 ウミノモズク「」モサモサ

ミスティ「……藻類?」

デュア「それは……美味いのか?」

エバンス「こいつはオノゴロ近海で採れるウミノモズクだな。まあまあ美味いと思うぞ!」

 *

 モズク汁「」ポン! ホカホカ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

デュア「美味い!」ズズ

ミスティ「意外と悪くない味ね」ズズ

イリス「ウミノモズクは健康にも良いらしいよ!」

妖精「ローガンはそろそろ食生活について真面目に考えた方が良い頃かもよ。お酒の量も」

ローガン「む……一応気にはしている……」ズズ

 ☆モズク汁を飲んで、次の戦闘コンマに+10を得ました

 ◇
840 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 17:00:50.37 ID:XSpHUjFT0
―オノゴロ諸島への海路

 高波「」ザパーン

大亀クロシュ「」スイスイ
 行商船「」スイスイ


デュア「今日の航海は順調だな!」

妖精「昨日みたいなヘマはしないよ。周辺への警戒も怠らない」

エバンス「おう。俺たちも目視で警戒してるぞ」

ローガン「うむ。今のところ不審なものは――むっ!」

妖精「! 強くはないけど、不審な魔力を感じる!」

イリス「あれだ!」

 海上を飛ぶ人型の紙「」ヒラヒラ

ミスティ「紙が……飛んでる?」

妖精「あれは……オノゴロに伝わる伝統的な魔法、符術だ! オフダとか形代っていう紙に魔力を込めて飛ばして、いろんなことに使える……らしい!」

エバンス「らしい……」

妖精「いや、私も見たことはほとんどなくて……。あれはどういう意図で海上に飛ばしてるんだろう? 近くに術者がいるのかな?」

ローガン「考えられるのは、哨戒か」

妖精「……やっぱり?」

ミスティ「撃ち落とした方が良い?」

妖精「うーん……撃ち落としたらそれはそれで、敵対的な何かが接近してるって思われるかもしれないし……」


 人型の紙「」ヒラヒラヒラ


デュア「あっ逃げていくぞ!」

イリス「む……あの距離と速度じゃ流石に狙い撃てないかも……」

エバンス「哨戒とかではなかったと祈るしかねえな……」

 ☆強敵と戦うフラグが立ってしまいました

 ◆
841 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 17:01:31.45 ID:XSpHUjFT0
―夕方
 浅瀬の岩礁

 ザァーン… ザパァーン…

 行商船「」ユラユラ

 *

―行商船内

 ギィ… ギギィ…
 吊り下げランプ「」ユラユラ

エバンス「すまないな商人のおっさん、今日も厄介になるぜ」

オノゴロ行商人「とんでもない! 厄介になってるのはこちらでありゃすよ!」

ローガン「フッ、双方に益のある関係を築けて何よりだ」

妖精「明日の午前中にはオノゴロ本島に着くと思うから、それまでよろしくね」

オノゴロ行商人「こちらこそ! よろしく頼んまっせ!」

 *

 ギギィ… ギイィ…

クロシュ「わあ……」

イリス「そういえばクロシュちゃんは船に乗るのは今回の旅が初めてだったよね」

ミスティ「いつも大亀になって私たちを運んでくれる立場だものね……」

デュア「大亀の姿で海を渡り、気球の姿で空を飛ぶ……スライムがそれほど凄い力を秘めた種族だったとは、全く知らなかった! 異種族ながら天晴だ!」

クロシュ「んへへ……」


浅瀬の岩礁に停泊した行商船の中で寝泊まりします
↓1〜3 自由安価 宿泊中何をする?
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 17:03:35.05 ID:YyxkczZ8o
>>451より、パーティメンバーに童貞とはなにか聞いちゃうクロシュ
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 17:07:43.59 ID:tQ+z6kvdO
ユキに手紙を出して住所を聞く
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/02/24(月) 17:11:12.75 ID:2E6YO6Ln0
行商人にオノゴロ諸島は温泉以外何があるか聞いてみる
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 17:11:12.90 ID:RjSiUdItO
かめはめ波的な技の開発
846 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 20:16:07.76 ID:XSpHUjFT0
 ギィ…ギギィ……

スライムクロシュ「……」


クロシュ(船が、ぎいぎい言ってる……。ちょっと、聞き覚え、ある……。どこだっけ……?)

 ――ヴァン「女神……」
 ――夢想の女神「ヴァン……」
 ――ベッド「」ギシ…

クロシュ(!)ピコン!

クロシュ(あのとき……ヴァンさんと女神さま……変なこと、やってた……)

クロシュ(えと……どうてい、そつぎょう……?)

クロシュ(聞いてみよ……)モニョモニョ

 ◇

イリス「えっな、何!?」

ミスティ「クロシュ、今何て……」

クロシュ「えと……どうていって、なに……?」

イリス「え、ええとだねえ……」

ミスティ「……まだ早いんじゃないかしら。教育に悪いわ……」

デュア「何ッ!? 童貞がどうかしたのか!?」

イリス「うわあ!?」

ミスティ「いや……そういうわけではなく……」

イリス「く、クロシュちゃんが意味を知りたいらしくて……」

デュア「む……なるほど……。確かに、説明するのは少し……」

妖精「童貞って、交尾をしたことのない男のことでしょ?」パタパタ

イリス「うわあ妖精さん!!」

ミスティ「よ、妖精……」

クロシュ「えと……こうびって、なに……?」

妖精「あ、そこからか……」

 *
847 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 20:16:38.89 ID:XSpHUjFT0
クロシュ「ほえ……。じゃあ、ヴァンさんと夢の女神さまは……」

妖精「そう、夢の中で交尾をしてたってこと」

イリス「///」
ミスティ「……///」
デュア「め、めでたいことだな!///」

クロシュ「……えっと……子供が、欲しかったから……?」

妖精「どうだろ。子供を生じさせる行為ではあるけど、交尾をする者が絶対に子供を欲しているとは断言できないと思う」

クロシュ「そうなの?」

妖精「不思議でしょ? 交尾って、お互いを愛し合う儀式みたいな面もあるんだって」

クロシュ「あいしあう……」

妖精「あと、すごく気持ち良いんだとか。だからそういうのを求めて交尾に及ぶツガイもいると思う」

クロシュ「そうなんだ……」

イリス「クロシュちゃんはまだだめだよ!? そういうのは大人になってからだからね!?」

クロシュ「う、うん」

ミスティ「……そもそも、スライムもそういうことをするの?」

妖精「……確かしないと思う。他種族の交尾の真似事をしても子供は生じないし、気持ち良くもならないはず」

ミスティ「ならまあ、安心?……かしら」

イリス「あれ? それじゃあスライムってどうやって生まれるの?」

妖精「本体から切り離された欠片に核が生じて、新たなスライムとして目覚めることがあるみたい。あと、分体が勝手に独立して別個のスライムになることもあるんだって」

デュア「……つまり、ツガイを作ることはないということか!」

妖精「そういうこと。稀にスライム同士で欠片を寄せ合わせて、そこから新たなスライムが生まれることもあるみたいだけど……それをツガイとか交尾と言って良いかはわからない」

ミスティ「スライム……不思議な生態なのね……」

 ◇
848 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 20:17:04.60 ID:XSpHUjFT0
―行商船内

風の精霊「お手紙だよ〜!」ヒュルヒュル

妖精「はいはい。ミスティ宛だね」


ミスティ「私宛?」

妖精「ユキからの返事だよ」

ミスティ「わかったわ」

 ユキからの手紙「」パラッ

妖精「住所?」

ミスティ「ええ。ふむふむ……霊峰の麓にある、秘湯の隠れ里……?」

イリス「……ん? それってもしかして、行商人さんがくれた宿泊券の旅館のあるとこじゃ!?」

ミスティ「そうみたい」

妖精「だから雪女なのにお風呂が大好きだったのかな?」

イリス「あっ確かに!」

 ☆ユキの実家の住所を知りました

 ◇
849 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 20:18:28.63 ID:XSpHUjFT0
―行商船内

エバンス「そういえばオノゴロには温泉の他に何が有名なんだ? 俺は温泉の他は食い物のことしか知らないんだ」

オノゴロ行商人「オノゴロと言えば刀! 刀と言えばオノゴロ! ってくらいに、オノゴロの刀は有名ですわい」

エバンス「ああ、オノゴロ刀! そういやミスティちゃんが買ったのも、オノゴロ刀の短いやつだったな!」

オノゴロ行商人「鍛冶の技術なら世界最高水準と言っても過言じゃありゃせんと自分は思っとります! 今この船には小せェのしか積んでありやせんが、本当に行きゃあお兄さん方のお気に召す刀剣もきっと見つかりまさァ」

エバンス「なるほどな。情報提供感謝だ!」

オノゴロ行商人「あとはお兄さんの仰った通り、食い物――特に海鮮が絶品でっせ! イカ、タコ、エビ、マグロ……そしてカニ!!」

エバンス「カニか!!」

ローガン「ヒヒイロガニの伝説なら私も聞いたことがあるぞ。オノゴロを統べる姫巫女の神剣は、ヒヒイロガニの甲羅に含まれている伝説的な希少金属で作られていると……!!」

オノゴロ行商人「まさしく仰る通り! 姫巫女様の神剣アマノムラクモは、ヒヒイロガニの神力を宿した最強の剣!! 姫巫女様とアマノムラクモがある限り、オノゴロは永久に不滅!!」

エバンス「お、おお……なんかユーシリアの皇帝と勇者の剣に少し似てるな」

ローガン「強い力を有した武器は、統治者の力と権威の象徴として伝説に謳われやすいのだ」

オノゴロ行商人「けども……ここ最近はちっと、困ったことになってんす……」

エバンス「ん? 何かあったのか?」

オノゴロ行商人「今の姫巫女様は歴代最年少で、右も左もわかんねェ童なんす……」

ローガン「右も左もわからん童、だと……!? 先代はどうしたのだ!?」

オノゴロ行商人「病気で死んじまった。んで死ぬ前に次ん代へ継承を急いだんだけども、次ん代として控えてた長女っ子もぽっくり逝っちまって……。仕方なく、歳の離れた小せぇ次女っ子に継承するしかなかったんす……」

エバンス「え、ええ!?」

オノゴロ行商人「まだおっかぁもお姉も恋しかろう齢に、いっぺんに亡くしちまって……姫巫女っつー重責を負わされるなんてよォ……。しかもそんな時に、海の荒れ波はいつまで経っても治まんねェし……。おれぁ不憫でならねェんだ……」

ローガン「むう……」

エバンス「オノゴロ諸島もかなり困ったことになってそうだな……」

 ◆
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 20:24:20.90 ID:UzGFb2b8o
太母様の年の功はさすがだった!
851 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 21:18:51.50 ID:XSpHUjFT0
―オノゴロ諸島への海路 到着予定日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:トカゲ斬り    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    太陽のメダリオン
属性大全        踊り子の双剣      暗黒優待券
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  冒険者証(ランク1)
氷精の魔導書      精霊のローブ      大魔女帝国渡航権
ブラッドワイン*3   精霊樹の杖[改]    かたたたきけん
マッスルワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼殺ワイン*1               風船印のパラシュート
綺麗な砂                    ラティア勲章
魔術書「正負の属性」              ユーシリア王家の紋章
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
特産スムージーセット
晴れ乞い傘
温泉宿の宿泊券

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[04/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[04/16]
・ローガン 剣技[11/16] 魔法[03/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[09/16] 魔法[00/08]
……………………………………………………………………………………
852 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 21:19:20.94 ID:XSpHUjFT0
―オノゴロ近海

 帆「」バサッ
大亀クロシュ「」スイスイ
 行商船「」スイスイ


オノゴロ行商人「お、見えてきやした!」

イリス「……!! あ、あれが――」

ミスティ「オノゴロの霊峰……!!」


  遠くにそびえ立つ大きな山「」


ローガン「古代オノゴロでは、あの霊峰は不死の山――フジサンと呼ばれていたそうだ」

クロシュ「ふじさん……」

デュア「悪くない響きだ、フジサン!」

エバンス「天にも届きそうな気迫を感じるな!」

 ◇

―オノゴロ沿岸 港

黒髪ロングの和服少女「見えてきました。あちらをご覧ください、アカシ中将」スッ


 遠くに見える大亀クロシュ「」スイスイ


黒髪ポニテの戦装束少女→リュウトウ「あれが例の、緑の国からの外患か」

黒髪ロングの和服少女→イヨ「はい。既に確認は取れております」

リュウトウ「では迎撃の準備に移らなければ」スクッ

イヨ「あの……本当に、理由も聞かずに、沈めてしまうのですか……?」

リュウトウ「そういう御命令だったはずだ」

イヨ「しかし……警告もなしに殺すというのは、あまりにも……」

リュウトウ「姫巫女様の御命令だ。それに私は護国の剣……外敵は討たなければらない」

イヨ「リュウトウ……」

リュウトウ「……イヨは文官だ。荒事は我らに任せ、この場を下がれ」

イヨ「いいえ。私は既に、海上の哨戒に手を貸しております。今更文官面はできません」

リュウトウ「イヨ……!」

イヨ「罪ならば、共に等しく負いましょう――」スッ

 浮き上がるオフダ「」ユララ…

 ◇
853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 21:20:46.12 ID:XSpHUjFT0
―オノゴロ沿岸


大亀クロシュ「」スイスイ
 行商船「」スイスイ


ローガン「……む!! 皆、伏せろ!!」

イリス「!!」バッ
ミスティ「ええ!」バッ

ローガン「ぬっ!!」バッ!!

 展開される鋼の浮遊防壁「」ガシンッ!!
 矢「」カカカッカカッカカッ

妖精「矢の雨!!」

オノゴロ行商人「ひえええ!!? なんでェ!!?」

エバンス「チィ!! ありゃ哨戒だったのか!!」

デュア「はははっ、手厚い歓迎だ!!」

妖精「クロシュ、進路変更!! 一旦遠洋に離脱して、人気のない海岸を探すよ!!」

大亀クロシュ「〜〜!」モニョニョ!!



イヨ「させると思いますか?」ヌッ

エバンス「何ィ!?」

リュウトウ「オノゴロの敵――ここで討ち取ってくれよう!!」シャキン!!

ミスティ「こいつら、どこから……!?」

妖精「オフダに乗って海上を高速移動してきたんだ!! みんな、気をつけて!!」


 ――強敵襲来 オノゴロ朝廷軍リュウトウ&イヨ――


◇自陣(イクラマス+20、まんじう+10、モズク+10)
・大亀状態のため不死鳥化不可!

◇敵陣(戦力差-30、地の利+20、矢の雨+30、迷い-10)

↓1コンマ(合計+30)
01-10 痛恨
11-50 劣勢
51-90 優勢
91-00 会心
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 21:23:39.64 ID:lOJKnAE60
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 21:23:46.55 ID:qUyCYJnS0
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/24(月) 21:23:58.18 ID:QlClO/gMO
857 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 22:15:23.88 ID:XSpHUjFT0
リュウトウ「イヤーッ!」
 黒い打刀「」シャッ!!

ローガン「ぬう!」
 灼鋼の盾「」ガギン!!

リュウトウ「イヤーッ!」
 黒い打刀「」シャッ!!

ローガン「ぬうう!」
 灼鋼の盾「」ガギン!!

リュウトウ「イヤーッ!」
 黒い打刀「」シャッ!!

ローガン「ぬおおっ!」
 灼鋼の盾「」ガギン!!


妖精「ローガンが剣の一対一で押されてる!?」


ミスティ「加勢するわ!!」バッ
 氷の短刀「」シャキン!!

リュウトウ「!」ササッ!!

ミスティ「まだよ! 切り裂け!!」

 氷の刃「」ヒュンヒュンッ!!

リュウトウ「くっ!」サササッ

ローガン「後ろだ!」シュバッ
 トカゲ斬り「」ギュオオッ!!

リュウトウ「イヤーッ!」
 黒い打刀「」ギンッ!!

ミスティ「そこっ!!」カッ!!

 瞬間凍結「」ガギンッ!!

リュウトウ「うおおおっ!!」ササッ

ミスティ「ちいっ!!」


リュウトウ「このままでは分が悪いので……一気にいかせてもらう」スチン


ミスティ「刀を、納めた……?」

ローガン「……!! まずい、あれはオノゴロ剣術の奥義――居合だ!!」


リュウトウ「明石流奥義――」

 黒い打刀「」ヴォンッ――

リュウトウ「――無元斬り」スチャッ


 スパッ―デロデロ…

真っ二つ分体スライムクロシュ「」デロロ…


リュウトウ「なっスライム!? 私が斬ったのは――」


ローガン「クロシュくん!!」

ミスティ「貴様……よくもクロシュを!!」コォォォ―

妖精「大丈夫、核は外してる!! スライムならすぐにくっつくから大した傷じゃない!!」


リュウトウ「た、大した傷じゃ、ない……?」ガクッ
858 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 22:17:00.63 ID:XSpHUjFT0
イヨ「リュウトウ!!」

エバンス「おっと、余所見してる場合か?」シャッ

イヨ「!! このっ……!」バッ

 オフダ「」ビュンッ!

エバンス「うおっ!」

 火球「」ボンッ!
 ボガンッ!!

イリス「紙なら火で燃えるでしょ!?」

イヨ「くぅ……!」

デュア「多対少は好きではないが、先に命を狙ってきたのは貴様らだ! 観念しろ!」シャッ
 炎の刀「」シャキン! メラメラ

イヨ「くぅぅ……!」

リュウトウ「……」ジッ

イヨ「!」コク


妖精「……! 何か目配せしてる!! みんな、こいつらを取り押さえ――」


リュウトウの残像「」フッ


ミスティ「消えた!?」


リュウトウ「イヨ!」バッ

イヨ「リュウトウ!」ガシッ

リュウトウ「次は――必ず!!」タンッ


リュウトウとイヨの残像「」フッ


イリス「こ、光速移動……!? 光属性は感じられないけど……」

妖精「いや……あれは空間系の魔法みたい。分体のクロシュを離れた位置から真っ二つにした剣技も、たぶんそれの応用だと思う」

エバンス「とにかく急いで離れよう! クロシュちゃん、大丈夫か!?」

分体クロシュ「うん! わたし、あんまり叩かれなかった……! ちょっと……矢が、ちくちくするけど……」

ミスティ「無理はしちゃだめよ」

 落ちているオフダ「」ペラ

分体クロシュ「……?」ヒョイ

 オフダ「」ペラッ

エバンス「げっ、そりゃあの呪術師のオフダか!? 爆発するぞ!」

妖精「いや……そのオフダからは、もう魔力は感じられない。ちょっと貸してみて」

分体クロシュ「ん」

妖精「……これは!」

イリス「何かわかったの!?」

妖精「住所と……緑の国の貴殿らに相談したいことがある、って」

ミスティ「住所と、相談……? というか緑の国からってバレているのね……」

エバンス「罠……にしちゃあ見え透きすぎているが……」

妖精「このオフダ自体にはもう何の魔力も込められてないから、ひとまず保留にしておこう。今は安全なとこに身を隠さなきゃ」

 ――撃退成功――

 ☆会心撃退により、イヨからのメッセージを受け取ることができました

 ◆
859 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 23:59:05.34 ID:XSpHUjFT0
クロシュ(それから、山陰に隠れた小さな入江から島に上陸したわたしたちは……)

クロシュ(隠れるように森の中を移動しつつ、霊峰の温泉街までやってきた……)

クロシュ(行商人のおじさんのお話では……あの宿泊券の温泉宿は、ノラニンジャの人が身を隠すのにも利用するくらい、隠密にぴったりの温泉宿なのだそう……)

クロシュ(デュアさんは、命の恩として囮になると言い張り……一人で、朝廷軍の鼻先に突っ込んでいった……。止める間もなかった……。無事に逃げ切れてたら良いけど……)

 ◆

―翌日
 トウゲン温泉

 湯気「」ホカホカ
 山裾に栄えた和風の街並み「」ワイワイ ガヤガヤ

クロシュ「わあ……!」

イリス「賑わってるね……! それにしてもオノゴロの建物……すごく幻想的で素敵!」

ローガン「オノゴロの建物は大陸のものとはやはり大きく異なるな。大陸では石やレンガ造りのものが多いが、こちらでは木造が主流のようだ」

ミスティ「お尋ね者の身だけど、ちょっとわくわくを抑えられないわね……」

妖精「例の旅館に付けば、身を隠しつつオノゴロ文化も温泉も楽しめるはず。早いところ辿り着こう」

エバンス「……案内図によるとかなり近いはずだ……おっもしかしてあれか!?」スッ

 大きな和風旅館「」ドン!
 看板『旅館 雪解け』

 *
860 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/25(火) 00:00:30.23 ID:uk+eva7D0
―旅館 雪解け

 カランカラン

 木彫りのオオキイクマ「」ポン
 掛け軸『温泉第一』

イリス「おお……内装もオノゴロだ……!」

エバンス「ここで内装がテラヌス風だったらびっくりだぞ」

イリス「それはそうですけど!」


 カウンター「」ポツン


ローガン「しかしカウンターに、人の姿が見えないな……」


水色のスライム「お、おまたせいたしました〜!」ピョンピョン

クロシュ「!!」

妖精「あ、あれは――」

ミスティ「スライム!」

 *

水色のスライム→シズク「宿泊券をお確認いたしました! 団体のお客さまですねっ!」

妖精「うん。それで、ちょっとしばらく身を隠したいんだけど……」

シズク「……え、ええ〜っと……た、たぶん大丈夫です!」

エバンス「な、なんだその歯切れの悪い言い方は……」

シズク「す、すみません……その、ただ今、店主が出張中で……。だ、大丈夫です! お客さまたちのことは、けっして誰にもおしゃべりしませんっ!」


エバンス(な、なんかすげぇ不安になってきたぞ……)

ローガン(だが……今は他に頼れるところもない。この子の言うことを信じるしかないだろう)


シズク「せ、せいしんせいいごほうしいたしますっ!! どうか、なにとぞ、なにとぞっ……」モニャニャ…

エバンス「わ、わかったわかった! 泊まろう!」

シズク「!」パァァァ


クロシュ「シズクちゃん……」

シズク「は、はいっ!」

 デロデロ…ポン!

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

シズク「わわっ! クロシュさまも、スライムだったのですかっ!?」モニョモニョ

スライムクロシュ『クロシュちゃんで、いいよ……?』モニョモニョ

シズク『わかりました、クロシュちゃん!』モニョモニョ

スライムクロシュ『よろしくね、シズクちゃん……』モニョモニョ

 ◇
861 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/25(火) 00:01:25.97 ID:uk+eva7D0
―オノゴロ諸島への海路 到着予定日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の大杖    防:竜のエプロン   飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:蒼き星の杖    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:氷の短刀     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:トカゲ斬り    盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:オリハル鎖帷子  飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*6       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    太陽のメダリオン
属性大全        踊り子の双剣      暗黒優待券
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  冒険者証(ランク1)
氷精の魔導書      精霊のローブ      大魔女帝国渡航権
ブラッドワイン*3   精霊樹の杖[改]    かたたたきけん
マッスルワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼殺ワイン*1               風船印のパラシュート
綺麗な砂                    ラティア勲章
魔術書「正負の属性」              ユーシリア王家の紋章
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック
ステライト鉱石
特産スムージーセット
晴れ乞い傘
イヨのオフダ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[3/5]

◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)

◯経験値
・クロシュ 剣技[05/06] 魔法[05/06] 防御[04/06]
・イリス  杖術[02/04] 魔法[04/16]
・ミスティ 剣技[00/07] 魔法[04/16]
・ローガン 剣技[11/16] 魔法[03/08] 防御[02/08]
・エバンス 剣技[09/16] 魔法[00/08]
……………………………………………………………………………………
□オノゴロ諸島 トウゲン温泉〜他
国政区:御所、審議場、武家道場、蔵書庫、神社、他
温泉街:広場、茶屋、お土産屋、湯治場、露天風呂、足湯、他
宿場町:旅館、市場、食事処、酒場、遊郭、冒険者ギルド、他
街の外:田園、農村、山々、他
沿岸部:漁場、漁村、港、他
……………………………………………………………………………………
862 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/25(火) 00:03:56.89 ID:uk+eva7D0
―雪解け旅館 客室

 畳「」
 襖「」
 ちゃぶ台「」
 掛け軸『安眠第一』

シズク「なにかごようでしたら、すぐにお申しつけくださいませ!」モニョモニョ

イリス「うん、ありがとう! シズクちゃんも、手伝って欲しいことがあったらなんでも言ってね」

シズク「んええ!? わ、わたしは従業員なので、お客さまにお手伝いしていただくわけにはまいりませんっ!」

ミスティ「いや、でもちょっと大変そうだし……今は店主の人がいないのでしょう? 隠れさせてもらうのなら、こちらも礼を尽くすわ……」

シズク「わ、わかりました……。それでは、困ったことがあったら、お願いしますっ……!」

イリス「うん!」



妖精「ふふ、スライムがそのままの姿で働いてるなんて。オノゴロってあんまり来たことなかったけど、けっこう良いところなのかも」

クロシュ「うん……!」

イリス「ひとまず荷物を下ろして……観光案内があるから、それを見てみよう!」

ミスティ「ふむふむ……ん? 国政区、御所……? これって、もしかして朝廷のこと?」

イリス「……えっ!? 朝廷ってこの温泉街にあるの!!?」

妖精「……ちょ、ちょっと……下調べしなさすぎた……かも……」


オノゴロ諸島滞在1日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/25(火) 00:05:28.22 ID:Mnei2ccj0
情報収集も兼ねて冒険者ギルドに行ってみる
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/25(火) 00:07:37.35 ID:5Iav5hD8o
朝廷忍び込み
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/25(火) 00:10:55.28 ID:1+xJdGIhO
ミスティ 氷の短刀の使い心地を確かめるためにエバンスと模擬戦する
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/02/25(火) 00:10:56.29 ID:gTB41QCHO
道具屋に行く
867 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/25(火) 00:16:32.02 ID:uk+eva7D0
というわけで本日はここまでとなります。次回はオノゴロの冒険者ギルド編、朝廷に忍び込んでみよう編、模擬戦編となります

ついにオノゴロ諸島に辿り着き、トウゲン温泉の旅館に宿泊するクロシュ一行。和風の街並みや立ち上る湯けむりに胸を踊らせつつ、温泉まんじうの香りに食欲を震わせつつ――黒いあかちゃんスライムは、水色のスライムと出会う――
朝廷の陰謀、海流に起きている異変、姫巫女の意思――全てを明らかにした時、クロシュたちは何を手にし、オノゴロ諸島の運命はどこへ向かうのか。今はまだ、調査あるのみ――

本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/25(火) 02:03:54.08 ID:oB6bHTqYo
おつ
スライムは大体単体生殖だよね
そしてウチの娘が近衛中将でビックリした…
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/25(火) 02:20:06.53 ID:w5KlpI04o
おつでした
強敵フラグから会心ボーナスと攻略RTAみたいな動き
だから、ここでイヨの符術に感知される必要があったんですね(ろくろ回し)
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/25(火) 13:16:59.79 ID:1beG5MBxO

武家が物理職なら公家が魔法職なのは当然の帰結
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/02/26(水) 00:26:30.45 ID:eXmYJTmto
おつです
必殺の一撃を大した事ないと言われて(やや語弊)ショックを受けるリュウトウが可愛かった(小並感)
しかし今回戦ったネームドは設定の通りなら齢14の少女とその少女より更に幼く見える成人女性か…なにかがあぶない
幸い平和的アプローチができそうなのは何より、早いうちにコンタクトを取っておきたいね
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