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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part5
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318 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 23:30:40.15 ID:wPHg9EoM0
黒尽くめの者「審判の日まであと10日だ。それまでに首を洗うか、亡命の準備でもしておくのだな」
ノエル「審判とは何だ!? 詳しく説明しろ!!」
黒尽くめの者「ユーシリア憲法によれば、黙秘権は人も魔族も平等に保証されている。よってここは黙秘権を行使させてもらう」
ノエル「貴様!」
黒尽くめの者「……」チンモク
☆10日後(滞在12日目)に何かが起こります
◆
319 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 23:53:30.82 ID:wPHg9EoM0
―ユーシリア帝国 3日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*4 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*0 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 太陽のメダリオン
属性大全 踊り子の双剣 暗黒優待券
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 冒険者証(ランク1)
氷精の魔導書 精霊のローブ 大魔女帝国渡航権
ブラッドワイン*3 かたたたきけん
マッスルワイン*1 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼殺ワイン*1 風船印のパラシュート
綺麗な砂 ラティア勲章
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[2/5]
・宰相の正体を暴く
・眠り病の原因を突き止める
・前皇帝の死の真相を突き止める(努力目標)
・ユーシリアの人魔対立をなんとかする(努力目標)
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
・妻子の仇を討つ(ローガン)
◯経験値
・剣技[3/6](クロシュ)
・魔法[3/6](クロシュ)
・防御[3/6](クロシュ)
・魔法[4/16](イリス)
・剣技[4/6](ミスティ)
・魔法[4/16](ミスティ)
・剣技[9/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[6/16](ローガン)
・魔法[3/8](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□ユーシリア帝都
中央区:王宮、兵舎、大図書館、邸宅街、他
平民区:公園、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、他
貧民街:広場、怪しい商店、薄暗い路地裏、魔族連合、他
郊外:農園、果樹園、他
……………………………………………………………………………………
320 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 23:54:26.48 ID:wPHg9EoM0
―朝
帝都大図書館 司書室
新聞「」バサッ
エバンス「うーむ、暗い記事ばかりだな……。おっ、昨日イリスちゃんが巻き込まれたっていう殺人未遂事件のことも載ってるぞ」
イリス「そ、そうですか……」
ローガン「……浮かぬ顔だな」
イリス「まあ……なんというか、この国の人魔の対立問題を直に感じてしまったというか……」
妖精「私が離れてからそんなことが……」
ミスティ「……かなり難しい状況みたいね。ひとまず私たちは、眼の前の目標に専念したいところだけど……」
スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…
ガチャッ
パティ「皆、いるわね?」スタスタ
イリス「パティさん。おはようございます」
パティ「おはよう。早速だけど、悪い情報が入ったわ」
エバンス「悪い情報?」
パティ「昨日逮捕された魔族の一人が、10日後に審判の時が来る、などという供述をしたそうよ」
ローガン「審判の時……?」
妖精「どういう意味?」
パティ「それ以降、黙秘を貫いているみたい。昔の魔法騎士団ならともかく、マーズ・ネオンが指揮官が就任してからは魔法騎士団も法令遵守を完全に徹底しているから、憎き魔族といえど法に反する尋問はできないはず。恐らく当日になるまで、その魔族が情報を吐くことはない」
ミスティ「……審判……なんか凄そうな響きね。何が起きるのかしら?」
パティ「わからない。ただ、魔法騎士団は魔族たちによる大規模な反乱計画と想定して警戒を強める方針みたい」
妖精「……かつての魔族自治区みたいに、革命でも起こすつもりなのかな?」
パティ「そうね。でも魔族自治区とは多くの点で違いがあるわ。魔族自治区に住んでいた王国人はそれほど多くなかったし、革命はたったの1日で終わって独立を取り戻した。捕虜の扱いも悪くないと言われている。でももしこの国で大規模な反乱が起これば……きっと1日で終わるはずがないし、人も魔族も関係なくおびただしい量の血が流れる。国家滅亡は間違いないでしょうね」
イリス「ひえ……」
スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…
妖精「……間に合うかはわからないけど、私たちも急ごう」
パティ「……宰相は、どうするつもりなのかしら」
ユーシリア帝国滞在3日目です。12日目に何かが起こります
↓1コンマ
01-95 本日の自由行動へ
96-00 皇帝陛下来訪
↓2〜4 自由安価 何をする?
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:55:47.99 ID:SFblncdf0
皇帝陛下ご来訪
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:57:16.75 ID:E2PiziW1O
ユーシリアの歴史を調べてみる
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:57:30.91 ID:z0lgklnMo
皇帝きた!
自由安価もあるなら
襲来したルクリリをなんとかするローガンさん
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:58:04.23 ID:B/FQQqu00
貧民街の薄暗い路地裏を調査
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:58:53.29 ID:q5zHn4YgO
ご来訪でも自由行動ある?
あるなら「昨日のイリス大暴れの件で情報屋が訪ねてくる」で
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 00:01:41.28 ID:41Q3N/my0
しかもクリティカルだしサービスありそう
327 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 00:02:20.18 ID:6KpRB5Yj0
皇帝陛下の来訪を前に、本日はここまでとなります。次回は皇帝陛下来訪編、ユーシリアの歴史編、ルクリリ氏襲来編、薄暗い路地裏編となります
今回はスラムの子供たちに恵んであげたり、イリス氏が回復魔法を使えるようになったり、スラムの暴徒にイリス氏が襲われたりしたようでした
命の危機であっても、殺さない為に手加減を選択したイリス氏。その勇気ある善意が未来になにをもたらすかはまだわかりませんが、少なくともイリスさん本人は覚悟が決まったようです。険しい道かもしれませんが、きっとイリス氏なら大丈夫でしょう
そして突然皇帝陛下がやってくることになりました。突然の訪問なので歓迎の準備はできないかもしれませんが、良い会合となれば良いかと思います
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 02:13:00.23 ID:hOU5TDpwo
おつでした
皇帝もなにか察知して来てくれてたら頼もしいが…
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 13:46:25.64 ID:HTyYtap9O
ただでさえ問題山積みのユーシリアにここから世界樹の光目当てのシノホシや王国、フメイ組、たまにコンマにいるクロシュヴィアが入り込む可能性があるのか
330 :
あ
[sage]:2025/01/19(日) 13:56:19.08 ID:41Q3N/my0
おつ
パティ使い魔給料制なのか・・・
331 :
バクアゲ
:2025/01/19(日) 14:16:28.15 ID:2NDh5QAy0
ここからがバクアゲかもな。
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 15:00:37.59 ID:aWeCYhq8o
皇帝に宰相に会わせてといったら解決か
333 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 16:53:06.01 ID:6KpRB5Yj0
皇帝が来てくれるようですが、彼が頼もしい人物かどうかはまだわかりません。良い関係を築けると良いでしょう
世界樹の光を狙う者たちがユーシリアに来る可能性はあります。実のところ、既に入り込んでいる者もいるかもしれません。気を付けましょう
パティの使い魔たちは、実のところ浮島国編で登場したベルトーネ氏と同じ場所の出身のようです。その給料は主にパティ自身の魔力だそうです
ここから良い展開に向かうか悪い展開に向かうかは、実のところ誰にもわかりません。クロシュ一行のがんばりを期待するのが良いでしょう
皇帝に宰相に会わせてもらうよう頼むことができれば、宰相に会うことができるかもしれません。しかし宰相を乗っ取っている者は正体不明の危険存在なので、無策に会うのは避けたほうが良いかもしれません
334 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 16:54:10.70 ID:6KpRB5Yj0
―司書室
扉「」コンコン
パティ「あら、この魔力は……。ちょっとあなたたち、居住まいを正してくれる?」
イリス「えっ?」
パティ「皇帝陛下がお目見えになるわ」スタスタ
エバンス「ええっ!?」
ローガン「な、なんだと……!?」
ミスティ「どんな人なのかしら……」
妖精「クロシュは……大丈夫だね。その姿でいてね」
クロシュ「ん」
扉「」ガチャッ
赤髪の若き皇帝→エリオス「朝早く、約束もなしに失礼。余は今代ユーシリア皇帝、エリオス。そなたたちは緑の国の使節団一行で間違いないだろうか?」スタスタ
妖精「初めまして、ユーシリア皇帝エリオス。いかにも私たちは緑の国から派遣された使者の一行だよ。私が代表の妖精」パタパタ
エリオス「突然の訪問にも関わらず、寛大に迎え入れて頂き感謝する」
妖精「こちらこそ。あなたにはいつかお会いしたいと思っていたの」
エリオス「であれば来て正解だった。今日はあなたたちに、少し相談があるのだ」
妖精「相談?」
エリオス「ああ。昨今のユーシリアの情勢についてはもうご存知のことと思う。多数の問題が同時多発的に噴出し、対応に苦慮させられている。猫の手や、異国の使節団の手も借りたいほどに」
妖精「……なるほどね。もちろん構わないけど、その件はもうパティから承ってるよ」
エリオス「把握している。しかし異国から来た使節団を我が国の為に働かせる以上、筋は通さなければならない」
妖精「ええと……つまり?」
エリオス「我が国、ユーシリアを守る為に……手を貸して頂きたい!」ペコッ
妖精「えっ……!?」
パティ「……皇帝、だめよ。例え今の貴方が、彼らに差し出せるものはそれしかないとしても……ユーシリアの皇帝は、決して安々と頭を下げてはならない」
エリオス「安々と下げたわけではない。そうするだけの価値はあると判断した」
パティ「……はあ、やっぱり若いわね。まあいいわ。この人たちはあなたのお辞儀に大した意味を見出したりはしないだろうから」
妖精「いや流石に見出すよ! これの意味がわかってないのはクロシュくらいだよ!」
クロシュ「?」
ミスティ「……? お願いをするのに頭を下げるのは当然のことじゃない?」
妖精「クロシュだけじゃなかった」
*
335 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 16:55:17.08 ID:6KpRB5Yj0
エリオス「……というわけでそなたたちにやってもらいたいことは、パティが依頼した内容から変わらない。だが、現皇帝として貴方たちが働きやすくなるよう、私の方で働きかけることもできる。何かやって欲しいことはあるだろうか?」
妖精「あ、それなら宰相のことなんだけど……」
パティ「……それは難しいわ。今の王宮は、皇帝よりも宰相の方が力を持っているの」
妖精「ええっ!?」
ローガン「なんだと……!?」
エリオス「……不甲斐ない皇帝ですまない。即位してから失言と失政を重ねた結果、私を皇帝として敬う者は今やほとんどいなくなってしまった。立場上は私が皇帝だが、実権を握っているのは宰相なのだ」
パティ「宰相が何者かに乗っ取られていることは皇帝陛下も既にご存知よ。でも皇帝陛下が今言った通り、実権は彼女が握っている」
妖精「ええ……。それじゃあ、魔法騎士団をどうにか……」
パティ「騎士団の指揮権も今や宰相の手にあるわ。総司令のエドワードが数週間前に失踪したの。それから正当な手続きに則って、宰相が騎士団の指揮をとれるようになってしまった」
ローガン「なんだと……!? エドワード司令が……!?」
妖精「えええ……。じゃあ逆に何ができるの?」
エリオス「……僅かではあるが、まだ私を皇帝と認めている者もいないわけではない。そういった者に働きかけを行うことなら可能だ」
妖精「う、う〜ん……」
どうしよう……
↓1〜2 自由安価 皇帝と話したいことや、頼みたいことなど
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 16:56:32.75 ID:41Q3N/my0
パティとは小さい頃からの付き合いなのか
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 17:16:55.02 ID:wqDHNbC9O
目標について互いに分かっている情報を伝えてすり合わせしたい
まずどう動けばいいか指針が欲しい
幅広すぎてだめなら安価下でお願いします
338 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 19:43:00.60 ID:6KpRB5Yj0
妖精「それじゃあ……世界樹の光の行方について、皇帝の方でわかってることはある?」
エリオス「騎士団の方で整理された情報によると、農作物の異常と地震は北の方がより深刻になっているらしい。光が向かった先についての目撃証言も合わせると、恐らくは北部のどこかに落ちたと考えられるだろう」
ミスティ「この国の北はどんな環境なの?」
イリス「ちょ、ミスティ敬語敬語!」
ミスティ「あ……す、すみません」
エリオス「いや、構わない。国外から来た君たちにとって、私は敬うべき皇帝陛下ではないのだ。一人の協力者として気軽に接して欲しい」
ミスティ「わかったわ。敬語ってなんか疲れるのよ」
エバンス「マジか……」
妖精「まあいいんじゃない? 私も敬語使ってないし」
エリオス「はは、好きに話してくれ。形ばかりの敬意を表されるのも面白くないんだ。それで、北部の環境だったな。中央大陸を横断する大山脈のことは皆も知っていると思うが、この国の北にもその山脈が巨大に横たわっている。恐らく光は大山脈を超えず、山脈のどこかに激突したのではないかと推測できるだろう」
イリス「大山脈ですか」
妖精「確か鉱山として採掘とかもしてるんだよね」
エリオス「その通り。しかし何年か前に最も資源豊富な鉱山を悪竜に乗っ取られてからは、我が国の鉱物資源産業も弱まってしまっている」
ミスティ「悪竜?」
エリオス「どこから来たのか全くわからない巨大な竜だ。尋常でない強さで暴れまわった挙げ句、その鉱山に棲み着いてしまった。既に何度も討伐計画が立ち上がっているが、一度として成功に至らなかった」
イリス「そんな竜が……」
パティ「先帝の逝去も、その悪竜討伐を目的とした遠征に出た矢先のことだったのよ。伝説の英雄の剣を継承し、圧倒的な武力と統率力を有していた先帝なら……と誰もが期待したけれど……まさか鉱山に辿り着く前に殺されてしまうなんて、誰に予想できたかしら……」
ローガン「……実を言うと、あの強き先帝が在野の賊に遅れを取ったなど、私には未だに信じられぬのです……。先帝を殺害せしめた者が何者か、騎士団は既に掴んでいるのですか?」
エリオス「先帝が率いていた討伐隊の者たちも、ほとんどは先帝共々殺されている。辛うじて生き残り治療を受けている者や、別働隊にいた者などから多少の話を聞くことはできているようだが、未だ犯人の情報は判然としていないらしい」
妖精「魔族の仕業っていうのは、生き残った人が?」
エリオス「ああ。襲撃者は角と翼を持ち、魔王復活と高らかに叫んでいたそうだ」
妖精「……?? 魔王は魔族の王ってわけでもないのに……ちょっとよくわからないなあ」
パティ「……この国では、魔王を魔族の王と勘違いする者も少なくないわ。当の魔族たち自身すらもね」
妖精「ええ……」
エリオス「長き時をかけて定着した民の認識を覆すのは、とても難しいと……即位してから思い知ったよ」
*
339 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 19:43:29.63 ID:6KpRB5Yj0
エリオス「まあそういうわけで、君たちには引き続き光の探索を頼みたい。もし余裕があれば眠り病の原因も突き止めて欲しいが、これは我々の問題だから優先しなくて構わない」
妖精「あ、うん。まあ余裕があれば追ってみるよ」
エリオス「ああ、それと……最近、王宮に亡霊が出没するそうだ。この図書館とは少し離れているから君たちには無縁だと思うけど、念の為気を付けて欲しい」
妖精「ぼ、亡霊?」
イリス「本物なんですか……?」
エリオス「はは、実は私はまだ見たことがないんだ。もし見かけたら教えてくれるかな?」
妖精「い、いいけど……」
パティ「亡霊……少し気になるわね。私も気にかけておくわ」
エリオス「パティが気にかけてくれるなら安心かな」
イリス「パティさんは皇帝陛下にも砕けた態度で接してらっしゃってますけど、もしかして親しい間柄だったりするのですか?」
エリオス「え、どうだろう……」
パティ「エリオス皇帝陛下にとってはあかちゃんの頃からの付き合いとも言えるわね」
ローガン「それを言うなら私にとってもそうでしょう」
パティ「そうね」
エリオス「パティ魔術顧問は、最もユーシリア帝国に貢献してくれているお方だ。誰よりも長く生きてこの国の公務を遂行し続けていらっしゃるのだから」
パティ「……本気で乗っ取ろうと思えば、たぶん私の方が今の宰相より上手く乗っ取れると思うわ。そんな面倒なことしたくないからしないけど」
イリス「うひゃあ……」
エバンス「けっこう面白い力関係なんだな……」
*
340 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 19:43:58.23 ID:6KpRB5Yj0
―帝都大図書館 司書室
イリス「先ほど言っていた、先帝が継承した英雄の剣というのは?」
エリオス「ああ、国外から来た君たちは知らなくて当然だったね。まず、この国がどのように成立したのかは知っているかな?」
イリス「……確か、英雄たちが魔王を討伐して、土地を開拓したとか……」
エリオス「そう。私の先祖……初代皇帝たちだ。その初代皇帝が用いた剣……伝説の赤き勇者の剣が、代々継承されているんだ」
イリス「へえ〜!」
パティ「皇帝の力の象徴でもあったわ。でも扱いが難しいらしくて、歴代の皇帝であれを上手く使えた者はそんなにいないのではないかしら」
ローガン「先帝は使いこなしているように見えたのですが、あれでもまだ十全には引き出せていなかったのでしょうか?」
パティ「ええ、多分。まあ今はその剣も例の襲撃者に奪われてしまったわけだから、今ここでどうこう言っても仕方ないけどね」
ミスティ「奪われてしまったのね……」
パティ「エリオス皇帝の支持が低いのはそのことも関係しているのでしょう。伝説の剣を正式に継承していない者を皇帝と認めることはできない、という意見は少なくないわ」
エリオス「……その意見ももっともだと思う。皇帝の皇帝足る証を持っていないのに、皇帝を名乗るのは烏滸がましいと私自身でさえ思うのだ」
パティ「まあ、あまり弱気にならないで。弱々しい姿を見せれば支持は落ちる一方よ。急に即位させられて、不本意かもしれないけど……」
エリオス「っと、すまない。私が弱気になってしまってはいけないな」
クロシュ「……大変そう……」
妖精「まあ、実際大変だと思うよ」
◆
341 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 19:44:29.84 ID:6KpRB5Yj0
―帝都大図書館 司書室
ローガン「……ふう。エリオス現皇帝には頭が下がるな」
エバンス「この国の状況じゃ、どんな手を打っても不満は出るだろうしなあ。俺だったら絶対嫌だぜ、この状況で皇帝になるなんて」
妖精「宰相もその点を上手く利用してるように見えるね。自分への批判を躱す為の身代わりとして」
イリス「……ま、まさか先帝襲撃の黒幕が宰相なんてことはないですよね……!?」
妖精「……」
ローガン「国家転覆を狙う何者かが乗っ取っているのだとすれば、可能性はむしろ高いのではないか……?」
イリス「うええ……」
パティ「事実を紐解いていけば、いずれは全てが詳らかになるわ。憶測は憶測よ」
扉「」コンコン
ミスティ「あら、また来客?」
パティ「この感じは……誰だったかしら? まあ入って良いわ」
扉「」ガチャッ
銀髪ショートの女性「こ、こんにちは! ローガン隊長がこちらにいらっしゃっているとお聞きして……ああ……!!」
ローガン「む……君は、ルクリリくんか」
銀髪ショートの女性→ルクリリ「ろろ、ローガン隊長!! 今までどこ行ってたんですか!?」
ローガン「どこ、とは……」
パティ「……図書館では静かにしてくれる?」
ルクリリ「あ、すみません……」
*
紅茶の入ったカップ「」カチャン
ルクリリ「ローガン隊長……! ど、どうして……急にいなくなっちゃったんですか……!!?」
ローガン「……旅に出たい気分だったからだ」
ルクリリ「ど、どうして旅に出たい気分になったんですか……!?」
ローガン「それは……。家族を失ったからだ」
ルクリリ「あっ……す、すみません……」
ローガン「……君の方こそ、なぜ私にそのようなことを聞く? その後騎士団でどのような風評が出回ったのかは知らんが、一応は正式な手続きを踏んで辞めたつもりだ。もしや引き継ぎに不備などがあったか?」
ルクリリ「そ、そんな……不備なんてありません!」
ローガン「ふむ……? ではなぜ……」
ルクリリ「だ、だって……私……」
コソコソ…
イリス「あの人がルクリリさんなんだって……」コソコソ
ミスティ「やけにローガンさんに執着しているわね……。なんでかしら……」コソコソ
イリス「なんでって、そんなの……」
ミスティ「そんなの……?」
クロシュ「??」
妖精「……ローガンも大変だね、こりゃ……」
エバンス「旦那、どうするんだ……?」
*
↓1コンマ
01-10 ???
11-90 ローガン、気付かずに帰らせる
91-00 ローガン、気付く
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 19:50:19.18 ID:ik4anh//o
どうだ
343 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 20:06:45.83 ID:6KpRB5Yj0
ローガン「当時の隊に迷惑をかけてしまったことは、申し訳ないと思っている。引き継ぎだけでなく他にもいろいろ不足していたと言うのであれば、至らぬ点を言って欲しい」
ルクリリ「そ、そんなんじゃ、ないんです……! 私は……ただ……」
ローガン「う、うむ……?」
ルクリリ「……」
ローガン「……すまぬ、我々にはやらねばならんことがある。今上手くまとまらないのであれば、また後日要望しに来て欲しい。sれで構わないか?」
ルクリリ「………はい……」
ローガン「すまぬ……」
ヨタヨタ…ガチャッ バタン…
イリス(あ、ああ……! ルクリリさん、がっくり項垂れて帰っちゃった……!)
ミスティ(うーん……私も、あの人の言いたいことはよくわからなかったわ……)
エバンス(旦那……。まあ、それが良いかもな……)
妖精(そうだね。ローガンはきっと亡くなった家族を一番大事にしたいだろうから……。気付かないままの方が、互いに良いと思う)
クロシュ(……??)
◆
344 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 20:34:43.78 ID:6KpRB5Yj0
―貧民街
クロシュ「……」トコトコ
妖精「あんなことがあったからか、昨日よりさらに閑散としてるね……。みんな表には出てきてない」
クロシュ「うん……」
*
―薄暗い路地裏
クロシュ「くらい……」
妖精「どこの国にもこういう路地裏はある。後ろ暗い取引とかの現場になってたりすることもあるけど……」
汚い子供「止まれ!!」ザッ
クロシュ「?」
妖精「子供だ」
汚い子供「お前たち、どこの者だ! ここを小鬼≠閨[だーの居城と知ってのろうぜきか!?」
妖精「旅の者だよ。りーだーとか知らないけど……」
クロシュ「うん」
汚い子供「しらばっくれるつもりか……!」
クロシュ「?」
妖精「……なんか面倒な奴らの縄張りに入っちゃったのかも。出直そうか」パタパタ
クロシュ「うん」トコトコ
汚い子供「あ、ま、待て! 逃げるのか!?」
クロシュ「??」
妖精「はあ、面倒だなあ。ちょっと脅かしてやろうか……」ヒュルヒュル
「待って待って!」シュババッ
妖精「ん?」
クロシュ「わっ!」
巨大なムカデ「」シャカシャカシャカ!!!!
妖精「うわああああ!!?」
クロシュ「!!」バッ
汚い子供「りーだー!!!!」
345 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 20:35:15.28 ID:6KpRB5Yj0
巨大なムカデ「」シャカカカッ!!!
ググググ…ポン!!
黄緑髪の少女「おまえたち……ちから≠持つ者だな……?」ザッ
妖精「うわあ!? ムカデが、人間の子供になった!!?」
汚い子供「そうだ! りーだーは何にでもなれるんだぞ!!」
黄緑髪の少女→ミント「えっへん! われはミント……この腐りきった世界に舞い降りた、正義のひかり!」
クロシュ「わあ……!」
妖精「ええと、そうなんだ……」
ミント「そうなのだ! おまえたち、わが小鬼の軍勢に入りたくて来たんだね?」
妖精「え、違うけど……」
ミント「えっ」
クロシュ「?」
ミント「……なんで?」
妖精「なんでって……むしろ、なんで入りに来たと思ったの?」
ミント「ここに来る子たちは、全員そうだもん」
妖精「……そうなの?」
汚い子供「そ、そうだ! ここに来る子供は、みんなりーだーに助けを求めて来るんだ!」
ミント「そう! われのちからは、みんなを救うためのもの! だから、今からでも入りたいですって言えば、入れてやってもいいよ?」
汚い子供「おまえたち、りーだーがここまで言ってくれてるんだぞ!!」
妖精「いや、そんなこと言われても……」
クロシュ「……入ってあげる?」
妖精「いや。こいつら、多分あの記者が言ってた悪ガキ集団だよ。入団なんてしたら騎士にしょっぴかれちゃうかも」
クロシュ「わあ……」
妖精「まあ、取引くらいならしてやっても良いかもね」
ミント「むー……こしょこしょと内緒話なんかして……! そんなだと入れてあげないよ……!」
どうしよう
↓1選択
1.宰相のことを聞く
2.眠り病のことを聞く
3.先帝の死のことを聞く
4.人と魔族のことを聞く
5.りーだーのことを聞く
0.自由安価
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 20:36:18.86 ID:q+9O65WH0
5
347 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 22:25:08.81 ID:6KpRB5Yj0
クロシュ「りーだーは……スライムなの……?」
ミント「へ? スライム?」
デロデロ…ポン!
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
ミント「わああ……!? スライムになった!?」
モニョモニョ…ポン!
クロシュ「……んーん。スライムの方が……本当の、わたし……」
ミント「えっ、そうなの!?」
クロシュ「うん……」
ミント「すごい!」
妖精「少なくともスライムではなさそうだね。りーだーって自分の種族はわかる?」
ミント「われの種族は……小鬼ぞ!」ドン!
妖精「いや、そういうあれじゃなくて……」
ミント「……小鬼では、種族がどうこうって話は禁止なの。喧嘩になるから」
妖精「ああ、なるほどね……」
クロシュ「んゅ……」
ミント「われの種族は……実を言うとわかんない。見た感じ人間っぽいけど、髪の色が人間にしては珍しいから、違うかも。まあどうでもいい」
妖精「まあそうかもね」
ミント「おまえは……妖精!」
妖精「正解。間違える人なんていないと思うけどね」
クロシュ「りーだーは……どうして、小鬼なの……?」
ミント「鬼は東の国で、すごくつよいって聞いた。われもすごくつよいけど、まだ小さいから、小鬼だと思う!」
クロシュ「わあ……!」
妖精「あなた一人だけじゃなくて、グループ全体の名前になっちゃってるみたいだけど?」
ミント「われがそう名乗ってたら、みんな真似しだしたから……。べつにいいけど」
妖精「なるほどね……。普段はどうやって食いつないでるの?」
ミント「かせいだ通行料でごはんを買ったり、悪い人をやっつけてお金をもらったり、馬車をやっつけていろんなものをもらったりしてる!」
妖精「馬車……それってもしかして、平原とかを行き交ってる……?」
ミント「そう! でっかいデカムカデとか、でっかいイワゴーレムの姿で襲いかかれば、みんなびっくりして逃げ出すもん!」
妖精「イワゴーレムにも変身できるのか……。反撃されたりしないの?」
ミント「われはつよいから、反撃されても反撃し返してやっつけちゃうぞ! よわっちい大人なんてひとひねりだ!」
クロシュ「わあ……」
妖精「うん……。まあ生き方にもいろいろあるからね」
ミント「どうだ、やっぱり入らないか? おまえたちは面白いしつよいみたいだから、小鬼の四天王にしてやってもいいぞ!!」
妖精「……他の四天王にはどんなのがいるの?」
ミント「まだ一人もいない!」
クロシュ「わあ……」
☆小鬼りーだーのミントと知り合いました
◆
348 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 22:25:41.87 ID:6KpRB5Yj0
―ユーシリア帝国 4日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*4 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*0 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 太陽のメダリオン
属性大全 踊り子の双剣 暗黒優待券
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 冒険者証(ランク1)
氷精の魔導書 精霊のローブ 大魔女帝国渡航権
ブラッドワイン*3 かたたたきけん
マッスルワイン*1 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼殺ワイン*1 風船印のパラシュート
綺麗な砂 ラティア勲章
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[2/5]
・宰相の正体を暴く
・眠り病の原因を突き止める
・前皇帝の死の真相を突き止める(努力目標)
・ユーシリアの人魔対立をなんとかする(努力目標)
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
・妻子の仇を討つ(ローガン)
◯経験値
・剣技[3/6](クロシュ)
・魔法[3/6](クロシュ)
・防御[3/6](クロシュ)
・魔法[4/16](イリス)
・剣技[4/6](ミスティ)
・魔法[4/16](ミスティ)
・剣技[9/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[6/16](ローガン)
・魔法[3/8](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□ユーシリア帝都
中央区:王宮、兵舎、大図書館、邸宅街、他
平民区:公園、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、他
貧民街:広場、怪しい商店、薄暗い路地裏、魔族連合、他
郊外:農園、果樹園、他
……………………………………………………………………………………
349 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 22:27:27.50 ID:6KpRB5Yj0
―朝
帝都大図書館 司書室
イリス「現時点でわかってる情報をまとめると……」カキカキ
・世界樹の光は北の方
・北には大山脈と鉱山がある
・鉱山は悪竜に占拠されている
・先帝は悪竜討伐の為の遠征中に襲撃されて死んだ
・襲撃犯は角と翼を持つ者。未だ捕まっていない
・討伐隊の生存者は大怪我で入院している
・王宮と騎士団の実権は宰相が握っている
・皇帝は立場が弱い
・皇帝の剣は魔族に奪われたまま
・帝位継承順位1〜8位は眠り病にかかっている
・王宮に亡霊が出るらしい
ローガン「ありがとう。わかりやすい」
ミスティ「まずは世界樹の光を見つけに行く? 妖精とイリスがいれば、騎士団より見つけやすいでしょうし」
妖精「それも一つの手だと思う。でも鉱山の悪竜ってのがちょっと気になるんだよね……。もし世界樹の光がその鉱山付近に落ちたんだとしたら、けっこうやばいかも……」
エバンス「……トコナツ火山島じゃ、マグマトカゲが世界樹の光を食っただけで星竜になっちまったんだよな。最初から力の強い竜が食ったら……」
イリス「た、大変なことになっちゃうんじゃ……」
妖精「……あまり考えたくはない事態だね。まあそのことについて考えるのは、実際に光の行方が判明してからでも遅くはないと思う」
ローガン「そして、宰相の正体を暴くのは……まだ難しいな」
エバンス「そもそも王宮への出入りすらできないのに、さらに宰相に何か仕掛けたら一瞬でお縄だぜ。皇帝が味方でも庇いきれないだろ」
イリス「妖精さんは、取り憑いた者を暴いたり引き剥がしたりするにはどうすれば良いかわかる?」
妖精「悪霊とか呪いなら、例えばロイエ教の神官がよく習得してる神聖魔法なんかで祓ったりできるみたいだけど……。今回の相手が悪霊かどうかもまだわからないし……」
扉「」ガチャッ
エリオス「ふむ、神聖魔法か……。ナインハルト兄さんが眠り病にかかっていなかったら頼めたかもしれないが……」スタスタ
イリス「エリオス皇帝陛下!?」
エリオス「おはよう。朝早くにすまない。早朝くらいしか自由に動く暇がないんだ」
妖精「そ、そうなんだ。お疲れさま」
ローガン「……そういえば、ナインハルト様は神聖魔法の使い手でしたな」
エリオス「ああ。知性と気品もあり、少し冷たい印象ながらもその心根はとても優しい人だった。もし即位したのが私ではなく彼だったら、もう少し事態は良い方向に進んでいたかもしれない……」
妖精「どうかな。この国の状況は、知識の有無とか政治の上手さでどうにかなる範疇をとっくに超えてる。誰が皇帝になっても酷いことにはなってたと思うよ」
エリオス「そうかな……そうかもしれない」
ミスティ「でも、眠り病にかかってしまったのね。その人も……」
エリオス「ああ……。眠り病と言えば、弟のオーミールは夢に関する魔法が得意だったんだ。しかしそんなオーミールまで眠り病にかかってしまった」
妖精「夢に関する魔法か……。面白い魔法だけど、結局眠り病にかかっちゃったんじゃなあ……」
ユーシリア帝国滞在4日目です。12日目に何かが起こります
↓1コンマ
01-05 皇帝の妹来訪
06-95 本日の自由行動へ
96-00 皇帝の妹来訪
↓2〜4 自由安価 何をする?
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:32:13.48 ID:UPa/0oJwO
クリティカルとファンブルでどう違う?
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2025/01/19(日) 22:32:21.59 ID:41Q3N/my0
あ
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:32:31.42 ID:aWeCYhq8o
悪竜討伐にでもいく
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:32:41.46 ID:oPjLGJn2O
情報屋を訪ねてみる
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:32:59.47 ID:3+SaH0W0O
でろでろ教の信者に囲まれ布教される
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:33:08.88 ID:Oip5NgKKO
安価なら郊外の農園と果樹園の様子を見に行く
(片方だけなら農園)
356 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 22:36:50.73 ID:6KpRB5Yj0
クリティカルでは友好的、ファンブルでは敵対的な訪問となるかもしれません。皇帝の妹様は恐ろしい人物との噂があるので、もしお会いする時はしっかりごまをすった方が良いかもしれません
357 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 23:35:09.55 ID:6KpRB5Yj0
―帝都大図書館 司書室
クロシュ「……悪い、竜さんを……やっつける?」
エバンス「いや……まだ戦わなきゃならんと決まったわけじゃないみたいだぞ、クロシュちゃん。それにこの国の軍隊が何度も倒そうとして失敗してる相手だ。もしやっつけに行くなら下調べと準備は入念にしていく必要がある」
ローガン「うむ。現段階で討伐に行くのは危険すぎる。もし倒しに行くなら、エバンスくんの言うように可能な限りの調査と準備が必要になる」
クロシュ「ん……わかった」
☆現時点で悪竜に挑むのはとても危険なので、安価が下にずれます
◇
―貧民街
クロシュ「という、わけで……調査……!!」
妖精「うんうん、言われたことをしっかり実践できてるね」
イリス「確か貧民街のこの辺に探偵事務所があったよね。せっかくだし寄ってみよう!」
看板「クロス探偵事務所」
イリス「あれあれ」
ローガン「あれに入るのか……。しかしよく見るとけっこう新し目の看板だな。最近できたのだろうか?」
*
―クロス探偵事務所
カランカラン
年季の入ったソファ「」
古びた棚「」
棚に収められた無数の書類「」ギッシリ
イリス「こんにちは〜」
妖精「探偵事務所なんて初めて入ったけど、思ったより落ち着いた内装かも」
ローガン「古めかしいなりに綺麗に整えられている。主は綺麗好きなのかもしれん」
カラスのハーピィ「おや、いらっしゃい。珍しいタイプのお客さんねえ」スタスタ
クロシュ「わ……!」
イリス「カラスの……ハーピィさん!!」
ローガン「ということは……まさか!!」
妖精「……もしかして、魔族国の悪徳新聞記者の知り合い?」
カラスのハーピィ「ん? あいつのこと知ってるの……ていうかあなたたち、ダークヒーロー一行!?」
*
358 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 23:35:52.92 ID:6KpRB5Yj0
コーヒーカップ「」カチャン
カラスのハーピィ→フーミン「ふむふむ、なるほど。世界樹の光を追ってるのは知ってたけど、今はこの国に来てたのねえ」
イリス「はい。フーミンさんは、この国に住んでらっしゃるんですか?」
フーミン「いいえ。このスラムで適当な空き家を探偵事務所として改装しただけよ。こういう拠点があった方がいろいろ便利だからね」
ローガン「では探偵事務所の看板は偽りなのか?」
フーミン「偽りってわけでもないわ。依頼されれば仕事はする。まあこの貧民街で店を構えたところで客なんてほとんど来ないけどね」
妖精「はあ、なるほど……。まあいいや、探偵なら情報も扱ってるでしょ? 私たち、いろいろ知りたいことがあるの」
フーミン「いいわよ。ダークヒーローの一行なら、今後の期待も込めて特別にお安くしてあげる。魔族にとっちゃあなたたちの活躍は本当に面白くてエキサイティングなんだもの!」
*
妖精「それじゃあまずは悪竜のことなんだけど」
フーミン「悪竜か。あれはこの国に巣食う癌細胞そのものね。以前国中を荒らし回った挙げ句、鉱山に住み着いて資源を食い潰し続ける極悪竜よ。当人にゃ悪意なんて毛ほどもないかもしれないけどね」
イリス「国中を荒らし回った……?」
フーミン「ええ。何年か前に、二匹の巨竜がユーシリアを散々荒らし回ったことがあったの。一匹はそのうちにどっか行っちゃったみたいだけど、もう一匹は今言ったとおり鉱山に住み着いてしまった。魔法騎士団も散々がんばったみたいだけど、結局討伐はできてないの」
ローガン「……私が騎士団を辞したのは、彼奴らの活動が収まり始めた頃だった。まあ実を言えば、彼奴らが暴れている時点では辞めるに辞められなかったというのもあるがな」
妖精「へえ、そうだったんだ……。じゃあローガンの家族は……そんな竜が暴れていた大変な時期に……」
ローガン「まあ、私の家族を襲ったのは恐らく人型の魔族だ。竜とは無関係だろう」
フーミン「おや? あの頃にご家族を、魔族に?」
ローガン「……うむ。禍々しい爪痕、血肉を食らっていった痕跡、そして扉を開けて閉める知性が見られたことから、魔族と断定した。正体は全くわからなかったがな……」
フーミン「ふむふむ……であれば、竜と無関係と断定するのは早計かもしれないわね」
ローガン「……なんだと?」
フーミン「これはあまり知られていないことなのだけれど……あの二匹の悪竜は、人間態に化けることができるのよ。竜の姿で暴れまわることもあれば、人間態で殺戮を繰り広げたこともあった。だからあなたの家族を襲ったのが、その竜のどちらかだった可能性もゼロではない」
ローガン「………」
フーミン「実際、あの頃はあなたの家みたいに、何者かによる一家惨殺事件が相次いでいる。そしていずれも犯人は不明……。確定的な証拠はないけれど、私はあの竜どもが怪しいとずっと疑ってるのよね」
ローガン「……疑いが確定したら、教えてくれ。私も誤った復讐に身をやつしたくはない」
フーミン「もちろん!」
イリス「ろ、ローガンさん……!」
ローガン「すまぬ。あの事件は、私の中でまだ終わっていないのだ。手がかりの一つも掴めずに諦めかけていたが……もしフーミン殿の推測が正しければ……」
妖精「……一人で行くとかはやめてよね。ローガンがいないと、すごく困るもん」
ローガン「……わかっている」
クロシュ「ローガンさん……」
☆情報屋のフーミンと知り合いました
☆悪竜の情報を得ました
◇
359 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 23:47:50.62 ID:6KpRB5Yj0
―帝都 市場
ワイワイ ガヤガヤ
ミスティ「なるほど、そんな情報が……」
妖精「うん……。この国に滞在する以上、ローガンの因縁とも無縁ではいられないかもって思ってたけど……まさかよりにもよって悪竜の可能性があるなんて……」
エバンス「……もし旦那が復讐に向かうってんなら、俺も力を貸したい。良いか?」
妖精「……悪竜の戦力による。もし全員でかかっても絶対に勝てないような絶望的な相手だったら、私はみんなに嫌われてでも、みんなを止めるよ。流石に、ローガンは止められないかもしれないけど……」
クロシュ「んゅ……」
ワイワイ ガヤガヤ
クロシュ「……?」
妖精「……あれ、なんか妙に賑わってるね。この国に来てからこんな賑わってるとこなんて見たことなかったのに」
ワイワイ ガヤガヤ シンノタダシイセカイ!!
クロシュ「??」
ミスティ「なんか変な言葉が聞こえたわ」
エバンス「な、なんだ?」
↓1コンマ
01-10 クロシュヴィア「久しぶりだね……」ポン
11-40 導師????「クロシュちゃん……?」
41-00 導師??「真の正しい世界を目指しましょう」
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 23:49:59.47 ID:3+SaH0W0O
でろ
361 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/20(月) 00:03:56.57 ID:K/ZPlCP40
導師??「真の正しい世界を目指しましょう……。そうすれば、あらゆる苦しみから解放されます」
信者たち「真の正しい世界!」
シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
市民A「な、なんだ……? 新手の新興宗教か?」
市民B「お、おいあの絵を見ろ!!」
デロデロ世界の絵「」デロデロデロデロ
導師??「この素晴らしき理想画を御覧ください。痛みも苦しみも、悲しみも寂しさも……この世の嫌なことが何もかも溶け合って、柔らかな愛に包まれた世界の姿です」
市民C「な、なんだありゃ……気持ちわりぃ……」
市民D「でも、俺……なんか、目が離せねえよ……」
市民E「あんな風に、デロデロになれたら……こんな苦しいことは、もう終わりになるのかな……」
導師??「今このユーシリア帝国は、未曾有の危機に晒されています。ですが、ご安心ください。全てが溶け合えば、最期に待っているのはしあわせな大団円……。溶け合った向こう側で、みんなで平穏に生きていくことができるのです……」
市民F「溶け合った、向こう側で……」
市民G「平穏に、生きていける……」
導師??「星に還り、二度と会えなくなった方とも……星さえ溶けてしまえば、また巡り逢えます。さあ、私の手を取って……。共に、真の正しい世界へ行きましょう……」
市民たち「うおおおお!! 真の正しい世界!! 真の正しい世界!!」
シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
妖精「こ、これは……まさか……!!」
クロシュ「……わたしの……描いた、絵……」
エバンス「マジか……!?」
ミスティ「というか、あの導師……」
導師??「あら……お久しぶりです、復権派の皆様」スタスタ
妖精「お、お前は――」
導師僧侶「こんなところでお会いするなんて……。以前は失礼なことを申し上げてしまい、ごめんなさい」ペコリ
クロシュ「わ……そ、僧侶、さん……!?」
*
362 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/20(月) 00:10:12.77 ID:K/ZPlCP40
というわけで本日はここまでとなります。次回はデロデロ導師となった僧侶さん編、郊外の農園を見に行こう編となります
今回は皇帝陛下とお会いしてお話したり、ルクリリ氏を追い返したり、小鬼のりーだーと知り合ったり、情報屋のフーミン氏から悪竜の情報を買ったり、ローガン氏の復讐の炎が再燃したり、デロデロ教の導師となった僧侶氏と出会ってしまったりしたようでした
悪竜はとても恐ろしい存在なので、無策に挑むのは危険なようです。事前の情報収集と対策がその生死を分けると言っても過言ではないでしょう。そしてローガン氏の復讐すべき相手かどうか、今後も注視していく必要があります
そしてなんと、あの邪悪な差別主義者の僧侶氏が、なんとデロデロ教の導師となって現れてしまったようでした。ある意味では王国側の戦力が減ったので良いことといえなくもないかもしれませんが、このことが未来にどのような影響を及ぼすかは未知数です。セインくんが寂しがっている可能性も僅かにあります
それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/20(月) 00:27:17.00 ID:2NSaTtvZo
乙
全部でろでろになれば世界は幸福になるのです
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/20(月) 01:36:50.46 ID:sVbsebtao
おつでした
僧侶さん宗旨替えっすか、なんか寝返りそうって思ってたけど
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/20(月) 01:43:58.69 ID:o1Vf6hXZo
おつ
章ボスが宰相にしろ魔王にしろ悪竜にしろ戦力が足りないな…
ローガンの遺恨も解決してあげたいしなかなか忙しいぞ
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/21(火) 23:39:17.10 ID:ida31xvKo
クロシュヴィアは低コンマで出現ということは基本あんまり遭遇しない方がいいのか
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/22(水) 22:42:37.08 ID:+4VO8pj+0
現在分かっている魔法騎士団をまとめてみました。騎士団での役職が分かっているキャラは()をつけてます。間違っていたらすみません。
・魔法騎士団の上司的立ち位置の者
エドワード(最高司令官)、マーズ(指揮官)、リュウゼン(元?教官)
・現在魔法騎士団に所属している者
エルゼ(小隊長)、ノエル(隊長)、ルクリリ、サージェス
・昔魔法騎士団に所属していた者
リチャード(元参謀)、ローガン(元隊長)
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