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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part5
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305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 20:34:05.70 ID:ZNLH5YPfo
どうだ
306 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 21:43:55.84 ID:wPHg9EoM0
イリス「ちょっと良いかな?」スッ
子供「え……? おねえさん、だれ……?」
イリス「魔法使い! 足の怪我、見せてくれる?」
子供「あ、うん……」
子供の足の怪我「」ジクジク
イリス(……確かこういう場合は……まず水魔法で患部を洗って――)
*
子供「うぐうう……痛い、痛い……!」ジワワ
イリス「我慢して! もう少し……! 後は死んだ組織の代わりを造って、既存の部位と上手く結合させれば……!!」グググ…
ポン!
治った子供の足「」キラキラ
子供「………あれ……? 怪我……なおった……?」
イリス「ふぅぅ〜……! いちおう傷は塞がったけど、しばらくは安静にしてね。しばらくすれば、くっついたところにあなたの魔力が行き渡って馴染むはずだから。あ、あと何か問題があればすぐに病院とか教会に行くこと! 良い?」
子供「う、うん……。ありがと……」
*
妖精「すごい! イリスがあんなに高度な回復魔法を使えたなんて知らなかった!」
イリス「まあ、特に使う機会もなかったしね……。勉強しかしてないから実際に処置したのは今回が初めてだったし」
妖精「……それはそれでけっこう怖いかも」
イリス「でも今回のでコツは掴んだよ! 今後は私もけっこう大きな怪我を治せると思う!」
妖精「それなら良かった。クロシュも不死鳥の力を使えるけど、あれをやるとデロデロになるくらい疲れちゃうみたいだから」
イリス「今のところ大勢の人が大怪我を負うみたいな酷い事態はあの雷霆の魔王との戦いくらいだけど、今後もそういう厳しい戦がもしあったら、クロシュちゃん一人に頼り切りになるわけにはいかないもんね」
妖精「うん。あいつはいろいろできるようになってきてるけど、中身はまだあかちゃんスライムだから。あんまり重い役目とかは負わせないであげたいよ」
☆イリスが中級回復魔法を使えるようになりました
◇
307 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 21:45:16.07 ID:wPHg9EoM0
―貧民街
イリス「じゃあ図書館に戻ろう」
妖精「そうだね……ん? なんか風の精霊が私を呼んでるみたい。先に戻ってて」パタパタ ビュンッ!
イリス「あ、うんわかった」
イリス「さて、それじゃあとりあえず戻ろうかな――」
黒ずくめの者「おい」ヌッ
イリス「えっ? 私ですか?」
黒ずくめの者「お前以外に誰がいる?」
イリス「ええと……何か用ですか?」
黒ずくめの者「さっき見ていたぞ。貴様が、路上に倒れていた魔族の子供に非道な追い打ちをかけていたのを」
イリス「ええっ!? ご、誤解です! 私はあの子の怪我を治療してあげただけで――」
黒ずくめの者「ならばなぜあの子供は、動かなくなってしまったのだ?」
イリス「ええっ!? 動かなくなった!?」
黒ずくめの者「見てみろ」スッ
路上の隅に寝転がる子供「……」
イリス「わわ……! だ、大丈夫!?」タタッ
路上の隅に寝転がる子供「……」zzz
イリス「……ね、寝ているだけだと思います。私が安静にしなさいと言ったからかも……」
黒ずくめの者「寝ぼけたことを。貴様がとどめを刺したのだろう」
イリス「ち、違いますってば! 言いがかりはやめてください!」
黒ずくめの者「その子は……両親を人間に殺され、行く宛もなく彷徨って、このスラムに辿り着いたのだ。にも関わらず貴様ら人間は……ここでの最期の安息すらも奪おうと言うのか……!?」
イリス「だから誤解です!! 大体私は、その子が魔族かどうかすらも知らなかったし!!」
黒ずくめの者「……あくまで罪を認めないというのだな。それならばこちらにも考えがある……みんな来てくれ!!」バッ
モヒカン魔族「ヒャッハー!!」ドッ!
肩パット魔族「ホホホーッ!!」ドドッ!
グラサン魔族「人間は消毒だーッ!!」ドドドッ
イリス「!!?」バッ
黒ずくめの男「我々を脅かす人間には死んで頂く。このスラムは騎士すらも避けて通る場所……助けはないぞ!!」
イリス「くっ……!!」ジャキッ
灰髪の騎士「待て!!」バッ
黒ずくめの者「……!?」
イリス「あなたは……!?」
灰髪の騎士「俺はノエル・リバー。徒党を組んで一人の女の子を襲うなんて、随分な真似してるじゃねえか。薄汚ェ魔族共が」
黒ずくめの者「フン、格好付けてのこのこスラムに来たのが間違いだったな。皆、憎き騎士を屠るチャンスだ! かかれ!!」
魔族たち「ヒャヘハハハーッ!!」バババッ
――戦闘開始 スラム暴徒――
308 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 21:45:54.80 ID:wPHg9EoM0
イリス(……これだけの大人数……本気でやらないと、殺られる……!)
イリス(でも……私………)
――魔族革命の思い出『』ザシュッ ズバァッ バシャッ
イリス(今度は……魔族の人たちを、殺すの………?)
イリス(わ、私……は………)カタカタ
↓1選択
1.本気で殺る(コンマ+30)
2.手加減する
↓2コンマ
01-60 劣勢
61-90 優勢
91-00 会心
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 21:47:22.09 ID:z0lgklnMo
2
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 21:49:27.53 ID:ga3sMdMNo
あ
311 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 22:05:53.30 ID:wPHg9EoM0
モヒカン魔族「オアッハー!!」ドンッ!
イリス「はあっ!」カッ
雷「」ギュオンッ!
モヒカン魔族「アババーッ!!」バリバリバリ
バタッ
黒焦げモヒカン魔族「」ピクピク
イリス(よ、よし。死んでない。これくらいの出力なら――)
肩パッド魔族「オアホホーッ!!」シュババッ
イリス「!!」
ノエル「オラァッ!!」
メイス「」ブオンッ!!
ドゴォンッ!!
肩パッド魔族「オゴッ……」ドサッ
イリス「だ、だめですノエルさん!! 殺しは――」
ノエル「!!? お、おい嬢ちゃん状況わかってんのか!?」
イリス「だめなんです!!!」
黒ずくめの者「何をごちゃごちゃと……。諸共消し炭にしてくれる!!」カッ!!
闇球「」ヴォンッ!!
ノエル「うおっ!」サッ
イリス「くっ!!」サッ
グラサン魔族「オッホホハーッ!!」ジャキン!!
魔導火炎放射器「」ゴウッ!!
ノエル「ぐああっ!!」メラメラ
イリス「きゃああっ!!」メラメラ
子供「……え? な、なに……? あっおねえさん……!!? なんで!? なにが……!!?」
子供「ひゅ、ヒューベルトさんを呼ばないと……!!」グッ
子供の足「」ズキッ
子供「うっ……! あ、安静に……してなきゃだった……。でも……」ジワワ
子供「ううううっ!!」ダダダッ!!
↓1コンマ
01-60 劣勢
61-90 優勢
91-00 会心
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 22:07:37.86 ID:ZNLH5YPfo
厳しい
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 22:07:42.62 ID:Ama98w8q0
あ
314 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 23:15:19.42 ID:wPHg9EoM0
ノエル「この野郎……!!」カッ
重力魔法「」ズンッ!!
グラサン魔族「ぽぎっ!」バタン!
ノエル「嬢ちゃんに免じて手加減してやる……ありがたく思えよ貴様ら!!」カッ!!
重力魔法「」ズン!!
重力魔法「」ズン!!
重力魔法「」ズン!!
魔族たち「グワワーッ!!」バタンバタン!!
イリス「重力魔法……! すごい……!!」
ノエル「借りもんだがなかなかのもんだろ! 重力は対処手段が少ないからな!」
黒尽くめの者「ちいっ、厄介な魔法を! 全方位からかかれ、お前たち!!」
魔族たち「ホヘホーッ!!」シュババッ!!
ノエル「くそっ、流石に全方位は……!!」
イリス「全方位……はっそれなら!!」
ノエル「何か策が――」
イリス「魔力防御に全力を集中してください! はあああ――!!」ゴゴゴゴ…バチバチ…!!
黒尽くめの者「!? 皆、急いであの女を倒せ!!」
魔族たち「オホホーッ!!」シュババッ
イリス「くらえーッ!!!」カッ!!!!
全方位雷撃「」ババリバリバリッ!!
魔族たち「アババババーッ!!」バチバチバチ
倒れる魔族たち「」バタッ プスプス
イリス「……はあっ、はあっ……!! あ、頭が……」フラフラ
ノエル「っぶねえ……! 嬢ちゃんに言われて防御に集中してなかったら俺もやばかったぜ……! だが――」
倒れた魔族たち「」プスプス
ノエル「……勝負はあったようだな?」
黒尽くめの者「くそっ!! あんな大技を隠していただと!?」
ノエル「大技を隠してた? 馬鹿を言うな。嬢ちゃんは手加減してたんだ。お前たちを殺さない為に」
黒尽くめの者「なんだと……」
315 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 23:16:51.85 ID:wPHg9EoM0
子供「ひ、ヒューベルトさん……こっちです……!!」タタタッ
ヒューベルト「ああ、わかっている。今の雷で全て視えた」タタタッ
黒尽くめの者「ヒューベルト・スタンフォード……!? それにあの子供は……」
イリス「だ、だから……言ったじゃないですか……。治療してあげた、だけだって……」フラフラ
黒尽くめの者「馬鹿な……。それでは……最初から、私一人が勘違いしていただけだと……」
ノエル「……んん? どういうことだ? 勘違いで人を殺そうとしたってのか?」
黒尽くめの者「……」
ヒューベルト「……ここスラムでも、暴力はご法度です。自分が何で、相手が誰であろうと、それは変わりません。この国に住んでいる以上は、この国の法に従わなければならないのです」
黒尽くめの者「……今回のことは、私に非があったと認めよう。すまなかった。逮捕も死刑も好きにするが良い」
イリス「……」
黒尽くめの者「だが……暴力がご法度で、国の法に従わねばならんだと? この国の人間たちはそれを実践できているのか? 行き場のない魔族を不満の捌け口にして攻撃しているのはどこの誰だ? あの子の両親を奪い、足を怪我させたのはどこのどいつだ? 人間は良いが、魔族が法を犯すのは許されない……などという巫山戯た現実が見えないとでも言うつもりか? ええ!?」ガッ
胸ぐらを掴まれたヒューベルト「……」
ノエル「言い訳は屯所で聞く。貴様らは全員逮捕だ」ザッ
手錠「」ガチャン!
騎士「ノエル隊長! 応援到着しました!」ザザッ
ノエル「ご苦労。こいつらを連行してくれ。殺人未遂の現行犯だ」
騎士「はっ!!」ザザッ
*
黒尽くめの者「フン……今に見ていろ。審判の日は遠くないぞ。腐りきった下劣なる悪性腫瘍どもが」
騎士「黙って歩け!」
ノエル「ふう、お疲れさん。ちょっと危なかったがなんとかなったな」
イリス「いえ、その……すみませんでした。命がかかってる状況だったのに、手加減しろなんて……」
ノエル「結果的に殺さずに逮捕できた。殺さずに済むならその方が良い」
イリス「……良かったです」
ヒューベルト「この度は、スラムの者が多大なるご迷惑をおかけしてしまったようで……。なんとお詫び申し上げればよいか……」
イリス「いえ……ええと、あなたは?」
ヒューベルト「……一応、このスラムに集う魔族たちのまとめ役のようなことをしている、ヒューベルトと申します。この子が怪我を治していただいたそうで」
子供「……おねえさん……だいじょうぶだった……?」
イリス「あ、うん! 大丈夫だよ。ヒューベルトさんを呼んで来てくれたんだね。ありがとう」
子供「うん……。でも……黒いおじさんは……」
イリス「黒い、おじさんって……」
ヒューベルト「……先ほど逮捕された者です。路上生活者なりに、この子のことを気にかけていたようで……。仕方のないことです。法を守れぬ者に、居場所はありません」
イリス「……」
ノエル「嬢ちゃんが気に病むことはない。今この男が言った通りだ。この国の法を守れないなら、この国を出ていくか、逮捕されるしかない。不満があるのなら国を出ていけば良いだけだ」
イリス「そう……なのでしょうか……」
ノエル「ああ。それでは俺も失礼する。縁があればまた会おう」スタスタ
子供「……」
ヒューベルト「……誰もが、自らの足で自由に動けるわけではありませぬ」
イリス「………」
◆
316 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 23:19:46.72 ID:wPHg9EoM0
―魔法騎士団 屯所
ノエル「……なんだと?」
黒尽くめの者「言っただろう? もうこの国は終わりだと」
ノエル「もう一度言え!」
黒尽くめの者「何度でも言ってやるさ――」
↓1コンマ
01-33 審判の日まであと8日だ
34-66 審判の日まであと9日だ
67-00 審判の日まであと10日だ
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:20:03.94 ID:6G4RyKW8O
審判
318 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 23:30:40.15 ID:wPHg9EoM0
黒尽くめの者「審判の日まであと10日だ。それまでに首を洗うか、亡命の準備でもしておくのだな」
ノエル「審判とは何だ!? 詳しく説明しろ!!」
黒尽くめの者「ユーシリア憲法によれば、黙秘権は人も魔族も平等に保証されている。よってここは黙秘権を行使させてもらう」
ノエル「貴様!」
黒尽くめの者「……」チンモク
☆10日後(滞在12日目)に何かが起こります
◆
319 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 23:53:30.82 ID:wPHg9EoM0
―ユーシリア帝国 3日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*4 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*0 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 太陽のメダリオン
属性大全 踊り子の双剣 暗黒優待券
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 冒険者証(ランク1)
氷精の魔導書 精霊のローブ 大魔女帝国渡航権
ブラッドワイン*3 かたたたきけん
マッスルワイン*1 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼殺ワイン*1 風船印のパラシュート
綺麗な砂 ラティア勲章
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[2/5]
・宰相の正体を暴く
・眠り病の原因を突き止める
・前皇帝の死の真相を突き止める(努力目標)
・ユーシリアの人魔対立をなんとかする(努力目標)
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
・妻子の仇を討つ(ローガン)
◯経験値
・剣技[3/6](クロシュ)
・魔法[3/6](クロシュ)
・防御[3/6](クロシュ)
・魔法[4/16](イリス)
・剣技[4/6](ミスティ)
・魔法[4/16](ミスティ)
・剣技[9/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[6/16](ローガン)
・魔法[3/8](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□ユーシリア帝都
中央区:王宮、兵舎、大図書館、邸宅街、他
平民区:公園、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、他
貧民街:広場、怪しい商店、薄暗い路地裏、魔族連合、他
郊外:農園、果樹園、他
……………………………………………………………………………………
320 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/18(土) 23:54:26.48 ID:wPHg9EoM0
―朝
帝都大図書館 司書室
新聞「」バサッ
エバンス「うーむ、暗い記事ばかりだな……。おっ、昨日イリスちゃんが巻き込まれたっていう殺人未遂事件のことも載ってるぞ」
イリス「そ、そうですか……」
ローガン「……浮かぬ顔だな」
イリス「まあ……なんというか、この国の人魔の対立問題を直に感じてしまったというか……」
妖精「私が離れてからそんなことが……」
ミスティ「……かなり難しい状況みたいね。ひとまず私たちは、眼の前の目標に専念したいところだけど……」
スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…
ガチャッ
パティ「皆、いるわね?」スタスタ
イリス「パティさん。おはようございます」
パティ「おはよう。早速だけど、悪い情報が入ったわ」
エバンス「悪い情報?」
パティ「昨日逮捕された魔族の一人が、10日後に審判の時が来る、などという供述をしたそうよ」
ローガン「審判の時……?」
妖精「どういう意味?」
パティ「それ以降、黙秘を貫いているみたい。昔の魔法騎士団ならともかく、マーズ・ネオンが指揮官が就任してからは魔法騎士団も法令遵守を完全に徹底しているから、憎き魔族といえど法に反する尋問はできないはず。恐らく当日になるまで、その魔族が情報を吐くことはない」
ミスティ「……審判……なんか凄そうな響きね。何が起きるのかしら?」
パティ「わからない。ただ、魔法騎士団は魔族たちによる大規模な反乱計画と想定して警戒を強める方針みたい」
妖精「……かつての魔族自治区みたいに、革命でも起こすつもりなのかな?」
パティ「そうね。でも魔族自治区とは多くの点で違いがあるわ。魔族自治区に住んでいた王国人はそれほど多くなかったし、革命はたったの1日で終わって独立を取り戻した。捕虜の扱いも悪くないと言われている。でももしこの国で大規模な反乱が起これば……きっと1日で終わるはずがないし、人も魔族も関係なくおびただしい量の血が流れる。国家滅亡は間違いないでしょうね」
イリス「ひえ……」
スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…
妖精「……間に合うかはわからないけど、私たちも急ごう」
パティ「……宰相は、どうするつもりなのかしら」
ユーシリア帝国滞在3日目です。12日目に何かが起こります
↓1コンマ
01-95 本日の自由行動へ
96-00 皇帝陛下来訪
↓2〜4 自由安価 何をする?
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:55:47.99 ID:SFblncdf0
皇帝陛下ご来訪
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:57:16.75 ID:E2PiziW1O
ユーシリアの歴史を調べてみる
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:57:30.91 ID:z0lgklnMo
皇帝きた!
自由安価もあるなら
襲来したルクリリをなんとかするローガンさん
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:58:04.23 ID:B/FQQqu00
貧民街の薄暗い路地裏を調査
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 23:58:53.29 ID:q5zHn4YgO
ご来訪でも自由行動ある?
あるなら「昨日のイリス大暴れの件で情報屋が訪ねてくる」で
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 00:01:41.28 ID:41Q3N/my0
しかもクリティカルだしサービスありそう
327 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 00:02:20.18 ID:6KpRB5Yj0
皇帝陛下の来訪を前に、本日はここまでとなります。次回は皇帝陛下来訪編、ユーシリアの歴史編、ルクリリ氏襲来編、薄暗い路地裏編となります
今回はスラムの子供たちに恵んであげたり、イリス氏が回復魔法を使えるようになったり、スラムの暴徒にイリス氏が襲われたりしたようでした
命の危機であっても、殺さない為に手加減を選択したイリス氏。その勇気ある善意が未来になにをもたらすかはまだわかりませんが、少なくともイリスさん本人は覚悟が決まったようです。険しい道かもしれませんが、きっとイリス氏なら大丈夫でしょう
そして突然皇帝陛下がやってくることになりました。突然の訪問なので歓迎の準備はできないかもしれませんが、良い会合となれば良いかと思います
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 02:13:00.23 ID:hOU5TDpwo
おつでした
皇帝もなにか察知して来てくれてたら頼もしいが…
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 13:46:25.64 ID:HTyYtap9O
ただでさえ問題山積みのユーシリアにここから世界樹の光目当てのシノホシや王国、フメイ組、たまにコンマにいるクロシュヴィアが入り込む可能性があるのか
330 :
あ
[sage]:2025/01/19(日) 13:56:19.08 ID:41Q3N/my0
おつ
パティ使い魔給料制なのか・・・
331 :
バクアゲ
:2025/01/19(日) 14:16:28.15 ID:2NDh5QAy0
ここからがバクアゲかもな。
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 15:00:37.59 ID:aWeCYhq8o
皇帝に宰相に会わせてといったら解決か
333 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 16:53:06.01 ID:6KpRB5Yj0
皇帝が来てくれるようですが、彼が頼もしい人物かどうかはまだわかりません。良い関係を築けると良いでしょう
世界樹の光を狙う者たちがユーシリアに来る可能性はあります。実のところ、既に入り込んでいる者もいるかもしれません。気を付けましょう
パティの使い魔たちは、実のところ浮島国編で登場したベルトーネ氏と同じ場所の出身のようです。その給料は主にパティ自身の魔力だそうです
ここから良い展開に向かうか悪い展開に向かうかは、実のところ誰にもわかりません。クロシュ一行のがんばりを期待するのが良いでしょう
皇帝に宰相に会わせてもらうよう頼むことができれば、宰相に会うことができるかもしれません。しかし宰相を乗っ取っている者は正体不明の危険存在なので、無策に会うのは避けたほうが良いかもしれません
334 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 16:54:10.70 ID:6KpRB5Yj0
―司書室
扉「」コンコン
パティ「あら、この魔力は……。ちょっとあなたたち、居住まいを正してくれる?」
イリス「えっ?」
パティ「皇帝陛下がお目見えになるわ」スタスタ
エバンス「ええっ!?」
ローガン「な、なんだと……!?」
ミスティ「どんな人なのかしら……」
妖精「クロシュは……大丈夫だね。その姿でいてね」
クロシュ「ん」
扉「」ガチャッ
赤髪の若き皇帝→エリオス「朝早く、約束もなしに失礼。余は今代ユーシリア皇帝、エリオス。そなたたちは緑の国の使節団一行で間違いないだろうか?」スタスタ
妖精「初めまして、ユーシリア皇帝エリオス。いかにも私たちは緑の国から派遣された使者の一行だよ。私が代表の妖精」パタパタ
エリオス「突然の訪問にも関わらず、寛大に迎え入れて頂き感謝する」
妖精「こちらこそ。あなたにはいつかお会いしたいと思っていたの」
エリオス「であれば来て正解だった。今日はあなたたちに、少し相談があるのだ」
妖精「相談?」
エリオス「ああ。昨今のユーシリアの情勢についてはもうご存知のことと思う。多数の問題が同時多発的に噴出し、対応に苦慮させられている。猫の手や、異国の使節団の手も借りたいほどに」
妖精「……なるほどね。もちろん構わないけど、その件はもうパティから承ってるよ」
エリオス「把握している。しかし異国から来た使節団を我が国の為に働かせる以上、筋は通さなければならない」
妖精「ええと……つまり?」
エリオス「我が国、ユーシリアを守る為に……手を貸して頂きたい!」ペコッ
妖精「えっ……!?」
パティ「……皇帝、だめよ。例え今の貴方が、彼らに差し出せるものはそれしかないとしても……ユーシリアの皇帝は、決して安々と頭を下げてはならない」
エリオス「安々と下げたわけではない。そうするだけの価値はあると判断した」
パティ「……はあ、やっぱり若いわね。まあいいわ。この人たちはあなたのお辞儀に大した意味を見出したりはしないだろうから」
妖精「いや流石に見出すよ! これの意味がわかってないのはクロシュくらいだよ!」
クロシュ「?」
ミスティ「……? お願いをするのに頭を下げるのは当然のことじゃない?」
妖精「クロシュだけじゃなかった」
*
335 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 16:55:17.08 ID:6KpRB5Yj0
エリオス「……というわけでそなたたちにやってもらいたいことは、パティが依頼した内容から変わらない。だが、現皇帝として貴方たちが働きやすくなるよう、私の方で働きかけることもできる。何かやって欲しいことはあるだろうか?」
妖精「あ、それなら宰相のことなんだけど……」
パティ「……それは難しいわ。今の王宮は、皇帝よりも宰相の方が力を持っているの」
妖精「ええっ!?」
ローガン「なんだと……!?」
エリオス「……不甲斐ない皇帝ですまない。即位してから失言と失政を重ねた結果、私を皇帝として敬う者は今やほとんどいなくなってしまった。立場上は私が皇帝だが、実権を握っているのは宰相なのだ」
パティ「宰相が何者かに乗っ取られていることは皇帝陛下も既にご存知よ。でも皇帝陛下が今言った通り、実権は彼女が握っている」
妖精「ええ……。それじゃあ、魔法騎士団をどうにか……」
パティ「騎士団の指揮権も今や宰相の手にあるわ。総司令のエドワードが数週間前に失踪したの。それから正当な手続きに則って、宰相が騎士団の指揮をとれるようになってしまった」
ローガン「なんだと……!? エドワード司令が……!?」
妖精「えええ……。じゃあ逆に何ができるの?」
エリオス「……僅かではあるが、まだ私を皇帝と認めている者もいないわけではない。そういった者に働きかけを行うことなら可能だ」
妖精「う、う〜ん……」
どうしよう……
↓1〜2 自由安価 皇帝と話したいことや、頼みたいことなど
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 16:56:32.75 ID:41Q3N/my0
パティとは小さい頃からの付き合いなのか
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 17:16:55.02 ID:wqDHNbC9O
目標について互いに分かっている情報を伝えてすり合わせしたい
まずどう動けばいいか指針が欲しい
幅広すぎてだめなら安価下でお願いします
338 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 19:43:00.60 ID:6KpRB5Yj0
妖精「それじゃあ……世界樹の光の行方について、皇帝の方でわかってることはある?」
エリオス「騎士団の方で整理された情報によると、農作物の異常と地震は北の方がより深刻になっているらしい。光が向かった先についての目撃証言も合わせると、恐らくは北部のどこかに落ちたと考えられるだろう」
ミスティ「この国の北はどんな環境なの?」
イリス「ちょ、ミスティ敬語敬語!」
ミスティ「あ……す、すみません」
エリオス「いや、構わない。国外から来た君たちにとって、私は敬うべき皇帝陛下ではないのだ。一人の協力者として気軽に接して欲しい」
ミスティ「わかったわ。敬語ってなんか疲れるのよ」
エバンス「マジか……」
妖精「まあいいんじゃない? 私も敬語使ってないし」
エリオス「はは、好きに話してくれ。形ばかりの敬意を表されるのも面白くないんだ。それで、北部の環境だったな。中央大陸を横断する大山脈のことは皆も知っていると思うが、この国の北にもその山脈が巨大に横たわっている。恐らく光は大山脈を超えず、山脈のどこかに激突したのではないかと推測できるだろう」
イリス「大山脈ですか」
妖精「確か鉱山として採掘とかもしてるんだよね」
エリオス「その通り。しかし何年か前に最も資源豊富な鉱山を悪竜に乗っ取られてからは、我が国の鉱物資源産業も弱まってしまっている」
ミスティ「悪竜?」
エリオス「どこから来たのか全くわからない巨大な竜だ。尋常でない強さで暴れまわった挙げ句、その鉱山に棲み着いてしまった。既に何度も討伐計画が立ち上がっているが、一度として成功に至らなかった」
イリス「そんな竜が……」
パティ「先帝の逝去も、その悪竜討伐を目的とした遠征に出た矢先のことだったのよ。伝説の英雄の剣を継承し、圧倒的な武力と統率力を有していた先帝なら……と誰もが期待したけれど……まさか鉱山に辿り着く前に殺されてしまうなんて、誰に予想できたかしら……」
ローガン「……実を言うと、あの強き先帝が在野の賊に遅れを取ったなど、私には未だに信じられぬのです……。先帝を殺害せしめた者が何者か、騎士団は既に掴んでいるのですか?」
エリオス「先帝が率いていた討伐隊の者たちも、ほとんどは先帝共々殺されている。辛うじて生き残り治療を受けている者や、別働隊にいた者などから多少の話を聞くことはできているようだが、未だ犯人の情報は判然としていないらしい」
妖精「魔族の仕業っていうのは、生き残った人が?」
エリオス「ああ。襲撃者は角と翼を持ち、魔王復活と高らかに叫んでいたそうだ」
妖精「……?? 魔王は魔族の王ってわけでもないのに……ちょっとよくわからないなあ」
パティ「……この国では、魔王を魔族の王と勘違いする者も少なくないわ。当の魔族たち自身すらもね」
妖精「ええ……」
エリオス「長き時をかけて定着した民の認識を覆すのは、とても難しいと……即位してから思い知ったよ」
*
339 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 19:43:29.63 ID:6KpRB5Yj0
エリオス「まあそういうわけで、君たちには引き続き光の探索を頼みたい。もし余裕があれば眠り病の原因も突き止めて欲しいが、これは我々の問題だから優先しなくて構わない」
妖精「あ、うん。まあ余裕があれば追ってみるよ」
エリオス「ああ、それと……最近、王宮に亡霊が出没するそうだ。この図書館とは少し離れているから君たちには無縁だと思うけど、念の為気を付けて欲しい」
妖精「ぼ、亡霊?」
イリス「本物なんですか……?」
エリオス「はは、実は私はまだ見たことがないんだ。もし見かけたら教えてくれるかな?」
妖精「い、いいけど……」
パティ「亡霊……少し気になるわね。私も気にかけておくわ」
エリオス「パティが気にかけてくれるなら安心かな」
イリス「パティさんは皇帝陛下にも砕けた態度で接してらっしゃってますけど、もしかして親しい間柄だったりするのですか?」
エリオス「え、どうだろう……」
パティ「エリオス皇帝陛下にとってはあかちゃんの頃からの付き合いとも言えるわね」
ローガン「それを言うなら私にとってもそうでしょう」
パティ「そうね」
エリオス「パティ魔術顧問は、最もユーシリア帝国に貢献してくれているお方だ。誰よりも長く生きてこの国の公務を遂行し続けていらっしゃるのだから」
パティ「……本気で乗っ取ろうと思えば、たぶん私の方が今の宰相より上手く乗っ取れると思うわ。そんな面倒なことしたくないからしないけど」
イリス「うひゃあ……」
エバンス「けっこう面白い力関係なんだな……」
*
340 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 19:43:58.23 ID:6KpRB5Yj0
―帝都大図書館 司書室
イリス「先ほど言っていた、先帝が継承した英雄の剣というのは?」
エリオス「ああ、国外から来た君たちは知らなくて当然だったね。まず、この国がどのように成立したのかは知っているかな?」
イリス「……確か、英雄たちが魔王を討伐して、土地を開拓したとか……」
エリオス「そう。私の先祖……初代皇帝たちだ。その初代皇帝が用いた剣……伝説の赤き勇者の剣が、代々継承されているんだ」
イリス「へえ〜!」
パティ「皇帝の力の象徴でもあったわ。でも扱いが難しいらしくて、歴代の皇帝であれを上手く使えた者はそんなにいないのではないかしら」
ローガン「先帝は使いこなしているように見えたのですが、あれでもまだ十全には引き出せていなかったのでしょうか?」
パティ「ええ、多分。まあ今はその剣も例の襲撃者に奪われてしまったわけだから、今ここでどうこう言っても仕方ないけどね」
ミスティ「奪われてしまったのね……」
パティ「エリオス皇帝の支持が低いのはそのことも関係しているのでしょう。伝説の剣を正式に継承していない者を皇帝と認めることはできない、という意見は少なくないわ」
エリオス「……その意見ももっともだと思う。皇帝の皇帝足る証を持っていないのに、皇帝を名乗るのは烏滸がましいと私自身でさえ思うのだ」
パティ「まあ、あまり弱気にならないで。弱々しい姿を見せれば支持は落ちる一方よ。急に即位させられて、不本意かもしれないけど……」
エリオス「っと、すまない。私が弱気になってしまってはいけないな」
クロシュ「……大変そう……」
妖精「まあ、実際大変だと思うよ」
◆
341 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 19:44:29.84 ID:6KpRB5Yj0
―帝都大図書館 司書室
ローガン「……ふう。エリオス現皇帝には頭が下がるな」
エバンス「この国の状況じゃ、どんな手を打っても不満は出るだろうしなあ。俺だったら絶対嫌だぜ、この状況で皇帝になるなんて」
妖精「宰相もその点を上手く利用してるように見えるね。自分への批判を躱す為の身代わりとして」
イリス「……ま、まさか先帝襲撃の黒幕が宰相なんてことはないですよね……!?」
妖精「……」
ローガン「国家転覆を狙う何者かが乗っ取っているのだとすれば、可能性はむしろ高いのではないか……?」
イリス「うええ……」
パティ「事実を紐解いていけば、いずれは全てが詳らかになるわ。憶測は憶測よ」
扉「」コンコン
ミスティ「あら、また来客?」
パティ「この感じは……誰だったかしら? まあ入って良いわ」
扉「」ガチャッ
銀髪ショートの女性「こ、こんにちは! ローガン隊長がこちらにいらっしゃっているとお聞きして……ああ……!!」
ローガン「む……君は、ルクリリくんか」
銀髪ショートの女性→ルクリリ「ろろ、ローガン隊長!! 今までどこ行ってたんですか!?」
ローガン「どこ、とは……」
パティ「……図書館では静かにしてくれる?」
ルクリリ「あ、すみません……」
*
紅茶の入ったカップ「」カチャン
ルクリリ「ローガン隊長……! ど、どうして……急にいなくなっちゃったんですか……!!?」
ローガン「……旅に出たい気分だったからだ」
ルクリリ「ど、どうして旅に出たい気分になったんですか……!?」
ローガン「それは……。家族を失ったからだ」
ルクリリ「あっ……す、すみません……」
ローガン「……君の方こそ、なぜ私にそのようなことを聞く? その後騎士団でどのような風評が出回ったのかは知らんが、一応は正式な手続きを踏んで辞めたつもりだ。もしや引き継ぎに不備などがあったか?」
ルクリリ「そ、そんな……不備なんてありません!」
ローガン「ふむ……? ではなぜ……」
ルクリリ「だ、だって……私……」
コソコソ…
イリス「あの人がルクリリさんなんだって……」コソコソ
ミスティ「やけにローガンさんに執着しているわね……。なんでかしら……」コソコソ
イリス「なんでって、そんなの……」
ミスティ「そんなの……?」
クロシュ「??」
妖精「……ローガンも大変だね、こりゃ……」
エバンス「旦那、どうするんだ……?」
*
↓1コンマ
01-10 ???
11-90 ローガン、気付かずに帰らせる
91-00 ローガン、気付く
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 19:50:19.18 ID:ik4anh//o
どうだ
343 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 20:06:45.83 ID:6KpRB5Yj0
ローガン「当時の隊に迷惑をかけてしまったことは、申し訳ないと思っている。引き継ぎだけでなく他にもいろいろ不足していたと言うのであれば、至らぬ点を言って欲しい」
ルクリリ「そ、そんなんじゃ、ないんです……! 私は……ただ……」
ローガン「う、うむ……?」
ルクリリ「……」
ローガン「……すまぬ、我々にはやらねばならんことがある。今上手くまとまらないのであれば、また後日要望しに来て欲しい。sれで構わないか?」
ルクリリ「………はい……」
ローガン「すまぬ……」
ヨタヨタ…ガチャッ バタン…
イリス(あ、ああ……! ルクリリさん、がっくり項垂れて帰っちゃった……!)
ミスティ(うーん……私も、あの人の言いたいことはよくわからなかったわ……)
エバンス(旦那……。まあ、それが良いかもな……)
妖精(そうだね。ローガンはきっと亡くなった家族を一番大事にしたいだろうから……。気付かないままの方が、互いに良いと思う)
クロシュ(……??)
◆
344 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 20:34:43.78 ID:6KpRB5Yj0
―貧民街
クロシュ「……」トコトコ
妖精「あんなことがあったからか、昨日よりさらに閑散としてるね……。みんな表には出てきてない」
クロシュ「うん……」
*
―薄暗い路地裏
クロシュ「くらい……」
妖精「どこの国にもこういう路地裏はある。後ろ暗い取引とかの現場になってたりすることもあるけど……」
汚い子供「止まれ!!」ザッ
クロシュ「?」
妖精「子供だ」
汚い子供「お前たち、どこの者だ! ここを小鬼≠閨[だーの居城と知ってのろうぜきか!?」
妖精「旅の者だよ。りーだーとか知らないけど……」
クロシュ「うん」
汚い子供「しらばっくれるつもりか……!」
クロシュ「?」
妖精「……なんか面倒な奴らの縄張りに入っちゃったのかも。出直そうか」パタパタ
クロシュ「うん」トコトコ
汚い子供「あ、ま、待て! 逃げるのか!?」
クロシュ「??」
妖精「はあ、面倒だなあ。ちょっと脅かしてやろうか……」ヒュルヒュル
「待って待って!」シュババッ
妖精「ん?」
クロシュ「わっ!」
巨大なムカデ「」シャカシャカシャカ!!!!
妖精「うわああああ!!?」
クロシュ「!!」バッ
汚い子供「りーだー!!!!」
345 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 20:35:15.28 ID:6KpRB5Yj0
巨大なムカデ「」シャカカカッ!!!
ググググ…ポン!!
黄緑髪の少女「おまえたち……ちから≠持つ者だな……?」ザッ
妖精「うわあ!? ムカデが、人間の子供になった!!?」
汚い子供「そうだ! りーだーは何にでもなれるんだぞ!!」
黄緑髪の少女→ミント「えっへん! われはミント……この腐りきった世界に舞い降りた、正義のひかり!」
クロシュ「わあ……!」
妖精「ええと、そうなんだ……」
ミント「そうなのだ! おまえたち、わが小鬼の軍勢に入りたくて来たんだね?」
妖精「え、違うけど……」
ミント「えっ」
クロシュ「?」
ミント「……なんで?」
妖精「なんでって……むしろ、なんで入りに来たと思ったの?」
ミント「ここに来る子たちは、全員そうだもん」
妖精「……そうなの?」
汚い子供「そ、そうだ! ここに来る子供は、みんなりーだーに助けを求めて来るんだ!」
ミント「そう! われのちからは、みんなを救うためのもの! だから、今からでも入りたいですって言えば、入れてやってもいいよ?」
汚い子供「おまえたち、りーだーがここまで言ってくれてるんだぞ!!」
妖精「いや、そんなこと言われても……」
クロシュ「……入ってあげる?」
妖精「いや。こいつら、多分あの記者が言ってた悪ガキ集団だよ。入団なんてしたら騎士にしょっぴかれちゃうかも」
クロシュ「わあ……」
妖精「まあ、取引くらいならしてやっても良いかもね」
ミント「むー……こしょこしょと内緒話なんかして……! そんなだと入れてあげないよ……!」
どうしよう
↓1選択
1.宰相のことを聞く
2.眠り病のことを聞く
3.先帝の死のことを聞く
4.人と魔族のことを聞く
5.りーだーのことを聞く
0.自由安価
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 20:36:18.86 ID:q+9O65WH0
5
347 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 22:25:08.81 ID:6KpRB5Yj0
クロシュ「りーだーは……スライムなの……?」
ミント「へ? スライム?」
デロデロ…ポン!
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
ミント「わああ……!? スライムになった!?」
モニョモニョ…ポン!
クロシュ「……んーん。スライムの方が……本当の、わたし……」
ミント「えっ、そうなの!?」
クロシュ「うん……」
ミント「すごい!」
妖精「少なくともスライムではなさそうだね。りーだーって自分の種族はわかる?」
ミント「われの種族は……小鬼ぞ!」ドン!
妖精「いや、そういうあれじゃなくて……」
ミント「……小鬼では、種族がどうこうって話は禁止なの。喧嘩になるから」
妖精「ああ、なるほどね……」
クロシュ「んゅ……」
ミント「われの種族は……実を言うとわかんない。見た感じ人間っぽいけど、髪の色が人間にしては珍しいから、違うかも。まあどうでもいい」
妖精「まあそうかもね」
ミント「おまえは……妖精!」
妖精「正解。間違える人なんていないと思うけどね」
クロシュ「りーだーは……どうして、小鬼なの……?」
ミント「鬼は東の国で、すごくつよいって聞いた。われもすごくつよいけど、まだ小さいから、小鬼だと思う!」
クロシュ「わあ……!」
妖精「あなた一人だけじゃなくて、グループ全体の名前になっちゃってるみたいだけど?」
ミント「われがそう名乗ってたら、みんな真似しだしたから……。べつにいいけど」
妖精「なるほどね……。普段はどうやって食いつないでるの?」
ミント「かせいだ通行料でごはんを買ったり、悪い人をやっつけてお金をもらったり、馬車をやっつけていろんなものをもらったりしてる!」
妖精「馬車……それってもしかして、平原とかを行き交ってる……?」
ミント「そう! でっかいデカムカデとか、でっかいイワゴーレムの姿で襲いかかれば、みんなびっくりして逃げ出すもん!」
妖精「イワゴーレムにも変身できるのか……。反撃されたりしないの?」
ミント「われはつよいから、反撃されても反撃し返してやっつけちゃうぞ! よわっちい大人なんてひとひねりだ!」
クロシュ「わあ……」
妖精「うん……。まあ生き方にもいろいろあるからね」
ミント「どうだ、やっぱり入らないか? おまえたちは面白いしつよいみたいだから、小鬼の四天王にしてやってもいいぞ!!」
妖精「……他の四天王にはどんなのがいるの?」
ミント「まだ一人もいない!」
クロシュ「わあ……」
☆小鬼りーだーのミントと知り合いました
◆
348 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 22:25:41.87 ID:6KpRB5Yj0
―ユーシリア帝国 4日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*4 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*0 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 太陽のメダリオン
属性大全 踊り子の双剣 暗黒優待券
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 冒険者証(ランク1)
氷精の魔導書 精霊のローブ 大魔女帝国渡航権
ブラッドワイン*3 かたたたきけん
マッスルワイン*1 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼殺ワイン*1 風船印のパラシュート
綺麗な砂 ラティア勲章
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[2/5]
・宰相の正体を暴く
・眠り病の原因を突き止める
・前皇帝の死の真相を突き止める(努力目標)
・ユーシリアの人魔対立をなんとかする(努力目標)
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
・妻子の仇を討つ(ローガン)
◯経験値
・剣技[3/6](クロシュ)
・魔法[3/6](クロシュ)
・防御[3/6](クロシュ)
・魔法[4/16](イリス)
・剣技[4/6](ミスティ)
・魔法[4/16](ミスティ)
・剣技[9/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[6/16](ローガン)
・魔法[3/8](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□ユーシリア帝都
中央区:王宮、兵舎、大図書館、邸宅街、他
平民区:公園、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、他
貧民街:広場、怪しい商店、薄暗い路地裏、魔族連合、他
郊外:農園、果樹園、他
……………………………………………………………………………………
349 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 22:27:27.50 ID:6KpRB5Yj0
―朝
帝都大図書館 司書室
イリス「現時点でわかってる情報をまとめると……」カキカキ
・世界樹の光は北の方
・北には大山脈と鉱山がある
・鉱山は悪竜に占拠されている
・先帝は悪竜討伐の為の遠征中に襲撃されて死んだ
・襲撃犯は角と翼を持つ者。未だ捕まっていない
・討伐隊の生存者は大怪我で入院している
・王宮と騎士団の実権は宰相が握っている
・皇帝は立場が弱い
・皇帝の剣は魔族に奪われたまま
・帝位継承順位1〜8位は眠り病にかかっている
・王宮に亡霊が出るらしい
ローガン「ありがとう。わかりやすい」
ミスティ「まずは世界樹の光を見つけに行く? 妖精とイリスがいれば、騎士団より見つけやすいでしょうし」
妖精「それも一つの手だと思う。でも鉱山の悪竜ってのがちょっと気になるんだよね……。もし世界樹の光がその鉱山付近に落ちたんだとしたら、けっこうやばいかも……」
エバンス「……トコナツ火山島じゃ、マグマトカゲが世界樹の光を食っただけで星竜になっちまったんだよな。最初から力の強い竜が食ったら……」
イリス「た、大変なことになっちゃうんじゃ……」
妖精「……あまり考えたくはない事態だね。まあそのことについて考えるのは、実際に光の行方が判明してからでも遅くはないと思う」
ローガン「そして、宰相の正体を暴くのは……まだ難しいな」
エバンス「そもそも王宮への出入りすらできないのに、さらに宰相に何か仕掛けたら一瞬でお縄だぜ。皇帝が味方でも庇いきれないだろ」
イリス「妖精さんは、取り憑いた者を暴いたり引き剥がしたりするにはどうすれば良いかわかる?」
妖精「悪霊とか呪いなら、例えばロイエ教の神官がよく習得してる神聖魔法なんかで祓ったりできるみたいだけど……。今回の相手が悪霊かどうかもまだわからないし……」
扉「」ガチャッ
エリオス「ふむ、神聖魔法か……。ナインハルト兄さんが眠り病にかかっていなかったら頼めたかもしれないが……」スタスタ
イリス「エリオス皇帝陛下!?」
エリオス「おはよう。朝早くにすまない。早朝くらいしか自由に動く暇がないんだ」
妖精「そ、そうなんだ。お疲れさま」
ローガン「……そういえば、ナインハルト様は神聖魔法の使い手でしたな」
エリオス「ああ。知性と気品もあり、少し冷たい印象ながらもその心根はとても優しい人だった。もし即位したのが私ではなく彼だったら、もう少し事態は良い方向に進んでいたかもしれない……」
妖精「どうかな。この国の状況は、知識の有無とか政治の上手さでどうにかなる範疇をとっくに超えてる。誰が皇帝になっても酷いことにはなってたと思うよ」
エリオス「そうかな……そうかもしれない」
ミスティ「でも、眠り病にかかってしまったのね。その人も……」
エリオス「ああ……。眠り病と言えば、弟のオーミールは夢に関する魔法が得意だったんだ。しかしそんなオーミールまで眠り病にかかってしまった」
妖精「夢に関する魔法か……。面白い魔法だけど、結局眠り病にかかっちゃったんじゃなあ……」
ユーシリア帝国滞在4日目です。12日目に何かが起こります
↓1コンマ
01-05 皇帝の妹来訪
06-95 本日の自由行動へ
96-00 皇帝の妹来訪
↓2〜4 自由安価 何をする?
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:32:13.48 ID:UPa/0oJwO
クリティカルとファンブルでどう違う?
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2025/01/19(日) 22:32:21.59 ID:41Q3N/my0
あ
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:32:31.42 ID:aWeCYhq8o
悪竜討伐にでもいく
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:32:41.46 ID:oPjLGJn2O
情報屋を訪ねてみる
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:32:59.47 ID:3+SaH0W0O
でろでろ教の信者に囲まれ布教される
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 22:33:08.88 ID:Oip5NgKKO
安価なら郊外の農園と果樹園の様子を見に行く
(片方だけなら農園)
356 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 22:36:50.73 ID:6KpRB5Yj0
クリティカルでは友好的、ファンブルでは敵対的な訪問となるかもしれません。皇帝の妹様は恐ろしい人物との噂があるので、もしお会いする時はしっかりごまをすった方が良いかもしれません
357 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 23:35:09.55 ID:6KpRB5Yj0
―帝都大図書館 司書室
クロシュ「……悪い、竜さんを……やっつける?」
エバンス「いや……まだ戦わなきゃならんと決まったわけじゃないみたいだぞ、クロシュちゃん。それにこの国の軍隊が何度も倒そうとして失敗してる相手だ。もしやっつけに行くなら下調べと準備は入念にしていく必要がある」
ローガン「うむ。現段階で討伐に行くのは危険すぎる。もし倒しに行くなら、エバンスくんの言うように可能な限りの調査と準備が必要になる」
クロシュ「ん……わかった」
☆現時点で悪竜に挑むのはとても危険なので、安価が下にずれます
◇
―貧民街
クロシュ「という、わけで……調査……!!」
妖精「うんうん、言われたことをしっかり実践できてるね」
イリス「確か貧民街のこの辺に探偵事務所があったよね。せっかくだし寄ってみよう!」
看板「クロス探偵事務所」
イリス「あれあれ」
ローガン「あれに入るのか……。しかしよく見るとけっこう新し目の看板だな。最近できたのだろうか?」
*
―クロス探偵事務所
カランカラン
年季の入ったソファ「」
古びた棚「」
棚に収められた無数の書類「」ギッシリ
イリス「こんにちは〜」
妖精「探偵事務所なんて初めて入ったけど、思ったより落ち着いた内装かも」
ローガン「古めかしいなりに綺麗に整えられている。主は綺麗好きなのかもしれん」
カラスのハーピィ「おや、いらっしゃい。珍しいタイプのお客さんねえ」スタスタ
クロシュ「わ……!」
イリス「カラスの……ハーピィさん!!」
ローガン「ということは……まさか!!」
妖精「……もしかして、魔族国の悪徳新聞記者の知り合い?」
カラスのハーピィ「ん? あいつのこと知ってるの……ていうかあなたたち、ダークヒーロー一行!?」
*
358 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 23:35:52.92 ID:6KpRB5Yj0
コーヒーカップ「」カチャン
カラスのハーピィ→フーミン「ふむふむ、なるほど。世界樹の光を追ってるのは知ってたけど、今はこの国に来てたのねえ」
イリス「はい。フーミンさんは、この国に住んでらっしゃるんですか?」
フーミン「いいえ。このスラムで適当な空き家を探偵事務所として改装しただけよ。こういう拠点があった方がいろいろ便利だからね」
ローガン「では探偵事務所の看板は偽りなのか?」
フーミン「偽りってわけでもないわ。依頼されれば仕事はする。まあこの貧民街で店を構えたところで客なんてほとんど来ないけどね」
妖精「はあ、なるほど……。まあいいや、探偵なら情報も扱ってるでしょ? 私たち、いろいろ知りたいことがあるの」
フーミン「いいわよ。ダークヒーローの一行なら、今後の期待も込めて特別にお安くしてあげる。魔族にとっちゃあなたたちの活躍は本当に面白くてエキサイティングなんだもの!」
*
妖精「それじゃあまずは悪竜のことなんだけど」
フーミン「悪竜か。あれはこの国に巣食う癌細胞そのものね。以前国中を荒らし回った挙げ句、鉱山に住み着いて資源を食い潰し続ける極悪竜よ。当人にゃ悪意なんて毛ほどもないかもしれないけどね」
イリス「国中を荒らし回った……?」
フーミン「ええ。何年か前に、二匹の巨竜がユーシリアを散々荒らし回ったことがあったの。一匹はそのうちにどっか行っちゃったみたいだけど、もう一匹は今言ったとおり鉱山に住み着いてしまった。魔法騎士団も散々がんばったみたいだけど、結局討伐はできてないの」
ローガン「……私が騎士団を辞したのは、彼奴らの活動が収まり始めた頃だった。まあ実を言えば、彼奴らが暴れている時点では辞めるに辞められなかったというのもあるがな」
妖精「へえ、そうだったんだ……。じゃあローガンの家族は……そんな竜が暴れていた大変な時期に……」
ローガン「まあ、私の家族を襲ったのは恐らく人型の魔族だ。竜とは無関係だろう」
フーミン「おや? あの頃にご家族を、魔族に?」
ローガン「……うむ。禍々しい爪痕、血肉を食らっていった痕跡、そして扉を開けて閉める知性が見られたことから、魔族と断定した。正体は全くわからなかったがな……」
フーミン「ふむふむ……であれば、竜と無関係と断定するのは早計かもしれないわね」
ローガン「……なんだと?」
フーミン「これはあまり知られていないことなのだけれど……あの二匹の悪竜は、人間態に化けることができるのよ。竜の姿で暴れまわることもあれば、人間態で殺戮を繰り広げたこともあった。だからあなたの家族を襲ったのが、その竜のどちらかだった可能性もゼロではない」
ローガン「………」
フーミン「実際、あの頃はあなたの家みたいに、何者かによる一家惨殺事件が相次いでいる。そしていずれも犯人は不明……。確定的な証拠はないけれど、私はあの竜どもが怪しいとずっと疑ってるのよね」
ローガン「……疑いが確定したら、教えてくれ。私も誤った復讐に身をやつしたくはない」
フーミン「もちろん!」
イリス「ろ、ローガンさん……!」
ローガン「すまぬ。あの事件は、私の中でまだ終わっていないのだ。手がかりの一つも掴めずに諦めかけていたが……もしフーミン殿の推測が正しければ……」
妖精「……一人で行くとかはやめてよね。ローガンがいないと、すごく困るもん」
ローガン「……わかっている」
クロシュ「ローガンさん……」
☆情報屋のフーミンと知り合いました
☆悪竜の情報を得ました
◇
359 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/19(日) 23:47:50.62 ID:6KpRB5Yj0
―帝都 市場
ワイワイ ガヤガヤ
ミスティ「なるほど、そんな情報が……」
妖精「うん……。この国に滞在する以上、ローガンの因縁とも無縁ではいられないかもって思ってたけど……まさかよりにもよって悪竜の可能性があるなんて……」
エバンス「……もし旦那が復讐に向かうってんなら、俺も力を貸したい。良いか?」
妖精「……悪竜の戦力による。もし全員でかかっても絶対に勝てないような絶望的な相手だったら、私はみんなに嫌われてでも、みんなを止めるよ。流石に、ローガンは止められないかもしれないけど……」
クロシュ「んゅ……」
ワイワイ ガヤガヤ
クロシュ「……?」
妖精「……あれ、なんか妙に賑わってるね。この国に来てからこんな賑わってるとこなんて見たことなかったのに」
ワイワイ ガヤガヤ シンノタダシイセカイ!!
クロシュ「??」
ミスティ「なんか変な言葉が聞こえたわ」
エバンス「な、なんだ?」
↓1コンマ
01-10 クロシュヴィア「久しぶりだね……」ポン
11-40 導師????「クロシュちゃん……?」
41-00 導師??「真の正しい世界を目指しましょう」
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/19(日) 23:49:59.47 ID:3+SaH0W0O
でろ
361 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/20(月) 00:03:56.57 ID:K/ZPlCP40
導師??「真の正しい世界を目指しましょう……。そうすれば、あらゆる苦しみから解放されます」
信者たち「真の正しい世界!」
シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
市民A「な、なんだ……? 新手の新興宗教か?」
市民B「お、おいあの絵を見ろ!!」
デロデロ世界の絵「」デロデロデロデロ
導師??「この素晴らしき理想画を御覧ください。痛みも苦しみも、悲しみも寂しさも……この世の嫌なことが何もかも溶け合って、柔らかな愛に包まれた世界の姿です」
市民C「な、なんだありゃ……気持ちわりぃ……」
市民D「でも、俺……なんか、目が離せねえよ……」
市民E「あんな風に、デロデロになれたら……こんな苦しいことは、もう終わりになるのかな……」
導師??「今このユーシリア帝国は、未曾有の危機に晒されています。ですが、ご安心ください。全てが溶け合えば、最期に待っているのはしあわせな大団円……。溶け合った向こう側で、みんなで平穏に生きていくことができるのです……」
市民F「溶け合った、向こう側で……」
市民G「平穏に、生きていける……」
導師??「星に還り、二度と会えなくなった方とも……星さえ溶けてしまえば、また巡り逢えます。さあ、私の手を取って……。共に、真の正しい世界へ行きましょう……」
市民たち「うおおおお!! 真の正しい世界!! 真の正しい世界!!」
シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
妖精「こ、これは……まさか……!!」
クロシュ「……わたしの……描いた、絵……」
エバンス「マジか……!?」
ミスティ「というか、あの導師……」
導師??「あら……お久しぶりです、復権派の皆様」スタスタ
妖精「お、お前は――」
導師僧侶「こんなところでお会いするなんて……。以前は失礼なことを申し上げてしまい、ごめんなさい」ペコリ
クロシュ「わ……そ、僧侶、さん……!?」
*
362 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/20(月) 00:10:12.77 ID:K/ZPlCP40
というわけで本日はここまでとなります。次回はデロデロ導師となった僧侶さん編、郊外の農園を見に行こう編となります
今回は皇帝陛下とお会いしてお話したり、ルクリリ氏を追い返したり、小鬼のりーだーと知り合ったり、情報屋のフーミン氏から悪竜の情報を買ったり、ローガン氏の復讐の炎が再燃したり、デロデロ教の導師となった僧侶氏と出会ってしまったりしたようでした
悪竜はとても恐ろしい存在なので、無策に挑むのは危険なようです。事前の情報収集と対策がその生死を分けると言っても過言ではないでしょう。そしてローガン氏の復讐すべき相手かどうか、今後も注視していく必要があります
そしてなんと、あの邪悪な差別主義者の僧侶氏が、なんとデロデロ教の導師となって現れてしまったようでした。ある意味では王国側の戦力が減ったので良いことといえなくもないかもしれませんが、このことが未来にどのような影響を及ぼすかは未知数です。セインくんが寂しがっている可能性も僅かにあります
それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/20(月) 00:27:17.00 ID:2NSaTtvZo
乙
全部でろでろになれば世界は幸福になるのです
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/20(月) 01:36:50.46 ID:sVbsebtao
おつでした
僧侶さん宗旨替えっすか、なんか寝返りそうって思ってたけど
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/20(月) 01:43:58.69 ID:o1Vf6hXZo
おつ
章ボスが宰相にしろ魔王にしろ悪竜にしろ戦力が足りないな…
ローガンの遺恨も解決してあげたいしなかなか忙しいぞ
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/21(火) 23:39:17.10 ID:ida31xvKo
クロシュヴィアは低コンマで出現ということは基本あんまり遭遇しない方がいいのか
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/22(水) 22:42:37.08 ID:+4VO8pj+0
現在分かっている魔法騎士団をまとめてみました。騎士団での役職が分かっているキャラは()をつけてます。間違っていたらすみません。
・魔法騎士団の上司的立ち位置の者
エドワード(最高司令官)、マーズ(指揮官)、リュウゼン(元?教官)
・現在魔法騎士団に所属している者
エルゼ(小隊長)、ノエル(隊長)、ルクリリ、サージェス
・昔魔法騎士団に所属していた者
リチャード(元参謀)、ローガン(元隊長)
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/24(金) 19:59:11.85 ID:PD8VQqvVo
やっぱり騎士団勢力と協力結べるかが鍵か
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 00:05:09.57 ID:jP8PzVAeO
悪竜と戦うなら情報や仲間もほしいが地力もほしい。あと少しでレベルアップしそうなクロシュの経験値とかミスティの剣技経験値とか、強い装備品とかもろもろ(強欲)
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 11:20:36.21 ID:l2VD/upDo
悪竜は食べ物与えれば解決いけるいける
371 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 15:16:56.85 ID:2d+DZtwZ0
デロデロこそが真の正しい世界であると考える方は少なくないようです。本来はスライム以外には理解しがたい感覚ですが、ここ最近はクロシュヴィアちゃんの地道な活動の成果もあって、少しづつ浸透してきているのかもしれません
僧侶氏の心境にどのような変化があったのかは、もうすぐわかるかもしれません。その変化が吉と出るか凶と出るかは現時点では未知数です
この先何と戦うことになるかはわかりませんが、魔王や悪竜を相手にするとなるとクロシュ一行だけでは実際戦力不足かもしれません。ローガン氏の遺恨もまた、着地点は不明瞭です。忙しそうです
クロシュヴィア氏が低コンマなのは、彼女がユーシリア帝国で活動すると世論がデロデロ方面へ一気に傾く恐れがあるからです。そういう意味では、物理的に暴れるだけのブラッド氏よりもだいぶ厄介なスライムと言える可能性があります。なおクロシュ的にはデロデロは悪くないことなので、ユーシリア帝国がデロデロになるのも一つの解決策かもしれません
騎士団の方々のおまとめ、ありがとうございます。わかりやすいです。また最高司令官のエドワード氏は現在行方不明で、最高司令官の代理は宰相が務めているようです。気を付けるのが良いでしょう
騎士団全体と協力関係を結ぶのは、実のところ最高司令代理が宰相なので難しいかもしれません。しかし騎士団に所属している個人と個別に協力することなら難しくはないと思われます。また、もし宰相を倒す等して騎士団の指揮権を現皇帝に移すことができれば、騎士団全体と協力することも容易くなるでしょう
悪竜と戦うことになる場合、個人の強さもできる限り高めておくのが良いでしょう。また、装備品の更新も良いかもしれません。例えば竜を殺すことに特化した対策や技、武器などがあれば、悪竜に対して少し有利になる可能性があります
悪竜はとても食欲が大きいという噂があります。実のところ、鉱山の鉱物をモグモグ食べているという噂もあるようです。食べ物で釣るというのは有効な作戦になるかもしれません
372 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 15:17:56.12 ID:2d+DZtwZ0
―かなり前
芸術都市ミュージア 街外れ
シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
僧侶「………」
クロシュヴィア「……また、来たんだ」ヒョコ
僧侶「……あなたは……教祖の、クロシュヴィアでしたっけ」
クロシュヴィア「いいえ。わたしは導師クロシュヴィア……。皆に正しい道を教え、導く役どころ……」
僧侶「一番偉いのなら、教祖みたいなものってことですね」
クロシュヴィア「宗教のつもりはないんだけど……まあ、その方がわかりやすいならそう考えてもらってもいいよ」
僧侶「……なら、あなたたちは異教徒です。ロイエ教の教えに反する、忌まわしき邪教の……」
クロシュヴィア「そのロイエ教の信者も、いるよ……。あの中に、けっこうたくさん」
シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!
僧侶「……元々、信仰の薄い人だったのでしょう。そんな安い人間の信仰など……」
クロシュヴィア「ロイエ教の神さまは……あなたたちを、救ってくれた?」
僧侶「……」
クロシュヴィア「瓦礫に埋もれて息もできずに死んでった命たちのことなんか……見向きさえ、しなかった……。そうでしょ?」
僧侶「……違います。これは……神が私たちに与え給うた、試練で……」
クロシュヴィア「……一人の男の子が放った、破滅の光が……神さまの試練なの?」
僧侶「……っ」
クロシュヴィア「あなたは……あの男の子の、仲間なんだよね……? だったら……あれが、神さまの思し召しなんかじゃ、なくて……。単なる人災だってことも……わかってるはずだよね……?」
僧侶「」グニャァ
クロシュヴィア「……神なんて、いないよ。もしいるなら、最低最悪の外道だよ。だって……こんな救いようのない、残酷な世界を……地獄を創ったんだもの」
僧侶「……違い、ます……。神は、そのような意図でこの世界を創ったのではなく……私たちが愚かだから……世界が、こんなことになってしまうんです……!」
クロシュヴィア「意図と違うならなんで創り直さないの……? 今ここで苦しんでいる命たちを放ったらかしにして……死と苦痛の螺旋を無限に紡がせ続けるのが、神の試練なの……?」
僧侶「……それも、違います……! その愚かな営みを脱却することこそが……神の試練なのです……!! そうすれば……いつか……命は、救われるはずなんです………」
クロシュヴィア「……そう………」
僧侶「…………」
クロシュヴィア「ねえ、聞いてくれる……? わたしたちが目指す、デロデロ世界のこと……」
僧侶「………何もかもを、溶かして一つにすれば……差別も、争いも……苦しみも、悲しみもない……とかなんとか……」
クロシュヴィア「そう……。怖がるのも、争うのも、傷付け合うのも、食べられるのも……全部、違う生き物だからなの……」
僧侶「だから……溶けて一つになれば、争いはなくなるってこと……ですか」
クロシュヴィア「そういうこと……。どう……? これ、考えようによっては……あなたの神様の試練に、合格する方法の一つとも……言えない……?」
僧侶「……!」
クロシュヴィア「星さえもデロデロになっちゃえば……最期には、死んで星に還った命たちとも……一つに、なれる……。だから……この方法なら……死者も、救える……」
僧侶「……!!」
クロシュヴィア「どうかな……? ロイエ教の神さまは……認めて、くれそう……?」
僧侶「………」
クロシュヴィア「………」
僧侶「……どちらにしろ、私には使命があります。このような邪教で現を抜かしている暇などありません」
クロシュヴィア「……認めないとは断言しないんだね」
僧侶「うるさいです。認めないに決まってます」クルッ スタスタ
クロシュヴィア「ふふ……。ゆっくり、考えてみてね……」
◆
373 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 15:18:44.16 ID:2d+DZtwZ0
―芸術都市ミュージア 宿
僧侶「……」
コンコン
「僕だ。僧侶、いるのか」
僧侶「あ……は、はい。どうぞ」
ガチャッ
セイン「ただいま戻った」スタスタ
僧侶「おかえりなさい……。砂漠では、どうでしたか」
セイン「先を越された」
僧侶「……仕方ありません。今回は出遅れましたから」
セイン「……」
僧侶「……今回は、私の不調が原因ですから。あの子たちのことなら心配しなくて大丈夫です」
セイン「……そうか」
僧侶「…………」
セイン「…………」
僧侶「………私のこと……恨んで、いますか」
セイン「……いや」
僧侶「遠慮しなくて良いですよ。今日は無礼講です」
セイン「……あの組織に属している以上……全く恨みがないと言えば、たぶん嘘になると思う」
僧侶「…………そりゃそうですよね」
セイン「……だが、どちらかと言うと……感謝の方が、大きい気もする」
僧侶「……正気ですか? 私、あなたに感謝されるようなことなんて……」
セイン「……僧侶は、口では脅すようなことをしばしば言うが……実際にそれを実行したことは、ほとんどなかった。何かと理由を付けて、処分を回避、保留してくれた。そのことに気付かないほど、僕も鈍感じゃない」
僧侶「………」
セイン「……ありがとう。お陰で……ここ最近、あの子たちの様子も少し明るくなった」
僧侶「……やめてください……。私は……あの子たちを人質にして、あなたを利用しているんです。間違っています……」
セイン「……僧侶自身が作り上げた仕組みじゃないだろう。僧侶はその中で、できる範囲内で便宜を図ってくれている」
僧侶「……なんで……感謝なんて、しないで……!! 恨んでください!! 嫌ってください!!! だって……結局、庇い切れてない……!!! 私が来る前に犠牲になった子たちは、どうなるんです!!!?」
セイン「……」
僧侶「セインくんは、私なんかに絶対に感謝しちゃいけないんです!!! 恨んで、憎んで、最期には私たち全員を皆殺しにしなきゃいけないの!!!! わかりましたか!!!!?」
セイン「………」
僧侶「……っ」
コンコン
僧侶「!!」ビクッ
セイン「……誰だ」スッ
「使徒≠ナす。僧侶様はいらっしゃいますか」
僧侶「!!? な、なんで……使徒様が……!!?」
セイン「……」
僧侶「……は、はい。おります。どうぞ」
「それでは失礼します」
ガチャッ…
374 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 15:20:20.80 ID:2d+DZtwZ0
ガチャッ…
十字瞳の金髪ロング少女→使徒「お久しぶりでございます。僧侶様、セイン様」スタスタ ペコリ
僧侶「は、はい。お久しぶりです」
セイン「お久しぶりです」
使徒「僧侶様の成果について裁定が下されましたので、お知らせに参りました」
僧侶「えっ……裁定……?」
使徒「はい。こちらをご覧くださいませ」スッ
紙『解任通知書』ペラッ
僧侶「か……かい、にん……?」
使徒「はい。僧侶様は十分な成果を挙げられなかったため、世界樹の光探索の任を解くとのことです。今後はセクリエ・ロイエに戻り、大司教より次の指示を仰ぐのが宜しいかと」
僧侶「ま、待ってください! それじゃあ世界樹の光探索はどうするんです!?」
使徒「あなたがそれを知る必要はありません」
セイン「……僕はどうなる? 彼女と同様、任を解かれるのか?」
使徒「セイン様の今後については、追って通達致します。待機期間中は芸術都市ミュージアの復興支援に従事してください」
セイン「……あの子たちについては」
使徒「方針が決定するまでは、私が臨時の担当となります」
セイン「……承知した」
僧侶「あ、あの……! セインくんは、任務にとても忠実でして……! 成果を挙げられなかったのは、私個人の責任です! ですから――」
使徒「わかりました。考慮致します」
僧侶「お願いします……」
使徒「私はセクリエ・ロイエに戻ります。僧侶様も、準備が整い次第お戻りくださいませ」
僧侶「……はい」
使徒「ではまた」スタスタ
ガチャッ パタム…
僧侶「……」
セイン「……すまない」
僧侶「なんで……セインくんが、謝るんですか……」
セイン「僧侶一人の責任ではないのに……僕は、何も言えなかった」
僧侶「……何言ってるんです。私一人の責任です。何も言わないのが正解だったんです」
セイン「……」
僧侶「……それじゃ……明日には、荷物をまとめて街を出るので……。セインくんは、復興支援がんばってくださいね」
セイン「ああ……。僧侶も、達者で」スタスタ
ガチャッ バタム…
僧侶「……」
ガクッ
僧侶「ぐすっ……ひぐっ……う、うぐうぅ……」ポロポロ
僧侶「ごめんなさい……ごめんなさい……。セインくんも……街の、皆さんも……」ポロポロ
◆
375 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 15:21:31.22 ID:2d+DZtwZ0
―翌日
芸術都市ミュージア
僧侶「……」フラフラ
クロシュヴィア「あれ、どこに行くの?」
僧侶「……帰るだけです……。元いた場所に……」
クロシュヴィア「使命は……?」
僧侶「なくなりました……」
クロシュヴィア「そうなんだ……」
僧侶「……」
クロシュヴィア「……」
僧侶「……誘わないんですか?」
クロシュヴィア「……あなたは、考えた? デロデロ世界のこととか……ロイエの神さまが、命に課した試練のこととか……」
僧侶「……わかりませんよ。そんなの……考えたって……」
クロシュヴィア「じゃあさ……やるだけ、やってみない……?」
僧侶「……帰らなきゃ、ならないので……」
クロシュヴィア「……教祖様の命令に従うことだけが、信仰なの?」
僧侶「……」
クロシュヴィア「あなた自身の心で……考えて……。何をするのが、本当の信仰なのか……。どこを目指すのが、本当の正しさなのか……」
僧侶「……」
クロシュヴィア「わたしも……手伝うくらいなら、してあげられるから……」
僧侶「……」
クロシュヴィア「……」
僧侶「………それじゃあ……よろしく、お願いします……」ペコ
クロシュヴィア「うん……! よろしくね……」
◆
376 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 15:21:56.79 ID:2d+DZtwZ0
―数日後
芸術都市ミュージア 街外れ
僧侶(……考えれば考えるほど……導師クロシュヴィアの言う通り、全て溶けるのが正しいことのように思えてくる……)
僧侶(……差別も、争いも……あらゆる苦しみや悲しみさえも、溶けて消える……)
僧侶(それこそが……ロイエ神が望んだ、至るべき終着点……?)
*
僧侶「……導師クロシュヴィア様」
クロシュヴィア「なあに? 様はいらないよ?」
僧侶「私、理解できました。デロデロ世界のことや……神が望む、真なる正しき結末を……」
クロシュヴィア「そっか……! ふふ、嬉しい……。ロイエ教幹部のお墨付きだね……」
僧侶「……今の私に、宗教組織としてのロイエ教における居場所はありません。だからお墨付きとは言えないかも……」
クロシュヴィア「そうなの? まあいいけど」
僧侶「……デロデロこそが、神が望む真の正しい世界なんです。ロイエ神の真なる信徒として……私にも手伝わせてくださいませんか」
クロシュヴィア「もちろん……! それじゃあ、僧侶ちゃんにも導師をやってもらおうかな……?」
僧侶「え、私が導師を……? つ、務まるでしょうか……?」
クロシュヴィア「ちゃんとデロデロの正しさを言葉にできる人ってあんまりいないんだもん……。だから、ちゃんと言葉にできる僧侶ちゃんなら、適任なの」
僧侶「……ロイエ教に寄ってしまうかもしれません」
クロシュヴィア「結果的にデロデロ世界を実現できるなら、それでも良いよ。前にも言ったけど、わたしは宗教のつもりでやってるわけじゃないから……」
僧侶「わかりました……。それでは――」
導師僧侶「これより私は――ロイエ神の望む真の正しい世界を目指す者――ロイエ教デロデロ派の、導師僧侶となります」
◆
377 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 15:22:58.64 ID:2d+DZtwZ0
―現在
ユーシリア帝都
導師僧侶「――とまあいろいろありまして。今は原理派の幹部ではなく……ロイエ教デロデロ派の導師をやっております」
クロシュ「わあ……!」
妖精「……ロイエ教、デロデロ派!!?」
ローガン「は、初めて聞く宗派だが……」
導師僧侶「それはそうでしょう。デロデロ派は私一人しかいませんから」
妖精「他のデロデロ信者は違うの?」
導師僧侶「真の正しい世界を求める者という意味では、デロデロ派であるとも言えますが……ロイエ神を信仰しているわけではない者も多いので。導師クロシュヴィア様も、同じく。ゆえに、ロイエ教デロデロ派は私一人なんです」
クロシュ「……僧侶さんも……デロデロに、なりたいの……?」
導師僧侶「はい。導師クロシュ様……以前はスライムの方々のことを何も知らず、知ろうともせず、無礼な発言をしたことをお許しください。スライムの皆様はロイエ神の望む真の正しい世界に最も近い方々なので、今は心底から尊敬の念を抱いております」
クロシュ「わ……そうなの?」
導師僧侶「はい。特に導師クロシュ様は、あの素晴らしい理想画を描いた伝説のお方と心得ています。クロシュヴィア様にも、クロシュ様と会ったらよろしくと申し付けられております」
クロシュ「わあ……」
妖精「なんか調子狂うなあ……」
クロシュ「えと……セインさんは……?」
導師僧侶「セインくんとは……別れてしまいました……。唯一の心残りです……。元気にやってくれていると良いのですが……」
クロシュ「そうなんだ……」
導師僧侶「皆さんは、今も世界樹の光を追ってらっしゃるんですか?」
妖精「そうだけど……その様子だと、僧侶はもう追ってないんだ」
導師僧侶「はい。当時は世界樹の光を集めることこそが、世界を救う唯一の方法だと信じて疑いませんでしたが……今は、デロデロの方がより正しさの高い道だと考えております」
イリス「セインくんは、まだ追ってるんですか?」
導師僧侶「……わかりません。私はもう、原理派ではないので」
↓1〜2 自由安価 導師僧侶と話すこと
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 15:25:03.48 ID:NvTp4hBGO
とりあえず図書館でお茶する?
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 15:27:15.38 ID:0zecU+kso
聖女さんとの関係を聞きたい
380 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 17:35:58.99 ID:2d+DZtwZ0
イリス「えっと、立ち話も何ですし図書館でお茶にしませんか?」
導師僧侶「え……? 図書館で、お茶……?」
イリス「このユーシリア帝都大図書館って、中に喫茶店も併設されてるんです。図書館部分とは区切られてるので、喋ったりしても大丈夫のはず……」
導師僧侶「へえ、そうなんですね……。それじゃあ折角ですし、お茶にしましょう」
*
―帝都大図書館
喫茶室
使い魔「いらっしゃいませ〜。ご注文がお決まりになりましたら、テーブルのベルを鳴らしてくださいね〜」
導師僧侶「本当です……! こんな面白い施設があったなんて」
ローガン「管理人の趣味だろうな。ここで働いているのも管理人の使い魔のようだ」
*
紅茶のカップ「」カチャン
妖精「……まさかあなたとこうしてお茶を飲む機会が来るなんてね」
導師僧侶「以前の私なら、断固として拒否していたでしょうね。スライムや妖精なんかと一緒にお茶なんて飲めるか、なんて言って……」
エバンス「デロデロ世界に共感したとは言っても、他種族への悪感情までそう簡単に霧散するものなのか?」
導師僧侶「私としても、自分で自分に少し驚いてます。クロシュヴィア様に会って、いろいろ考えるようになって……。それまでの自分の考えが、いかに浅はかで愚かだったかを自覚しました。種族が違うからって、生きてることとか、生きることによって生じる苦しみや悲しみが変わったりするわけじゃない……。それまでの私は、そんな当たり前のことすら、気付けなかった……。もう他種族の方々に見当違いの感情を向けるなんて恥知らずな真似は、できません」
妖精「……ちょっとしたきっかけで、価値観ががらっと変わっちゃうこともあるよ。元々が強い偏見とかに根ざしていたものなら、なおさら」
ミスティ「ふうん……そういうこともあるのね」
*
381 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 17:36:48.18 ID:2d+DZtwZ0
クロシュ「あの……僧侶さん……」
導師僧侶「はい、何でしょう?」
クロシュ「えと……聖女さんって、知ってる……?」
導師僧侶「聖女……?」
クロシュ「魔族国の……教会に、いる……」
導師僧侶「ああ……あの子は……私の妹です」
妖精「ええっ!?」
ミスティ「嘘!?」
イリス「せ、聖女さんが……僧侶さんの、妹!!?」
ローガン「な、なんと……」
導師僧侶「……ただ……私たちが幼い頃に、あの子だけ穏健派の修道院に押し付けられて……それ以来、ほとんど話す機会はありませんでした。立場的にはあの子も原理派ということになっていますが、原理派の内情や方針は全く知らないし関わりもないと思います。実際、原理派の活動とはほとんど関わりのない魔族国に出向させられているようですし……」
イリス「ど、どうして引き離されちゃったんですか……?」
導師僧侶「さあ……。たぶんですけど、あの子って神聖魔法の才もないし、宗教家としての口の上手さもないみたいなので……。原理派としての活動に向いていないと判断されたんじゃないでしょうか」
ミスティ「……幼い頃にわかることかしら? 魔法の才はともかく、口の上手さなんてその後の成長次第じゃないの?」
導師僧侶「お父様……大司教が何を考えてたかは私にはわかりませんが、何かしらの思慮があっての判断だったと思います」
妖精「てことは大司教の子なんだ、あなた」
導師僧侶「そうです。所詮は親の七光りですよ……。ところで、あなたたちはどこであの子のことを知ったんですか?」
クロシュ「えっと……魔族国で……一緒に、遊んだりして……」
イリス「いろいろあって、危ないところをクロシュちゃんが助けたりしたんですよ!」
導師僧侶「そうだったんですか……。ありがとうございます、妹を助けていただき」
クロシュ「んへへ……」
導師僧侶「あの子は、元気でやれていましたか? 魔族国ではまだまだ人間への風当たりが強いでしょうから、少し心配なのですが……」
妖精「少し前に手紙のやり取りとかもしたけど、元気そうだったよ。魔族国の子供たちに好かれてるみたい」
導師僧侶「子供たちに……。そういえば、あの子は人一倍優しい子でした。害虫のムカデ一匹さえ殺せなかったんですよ。今思えば、あの子が原理派としての教育を受けなくて良かったと思います」
妖精「それはまあ、確かに……」
導師僧侶「もしまたあの子とやり取りをする機会があれば、私は元気でやっていると……いや、やっぱり良いです。あの子が原理派の活動に巻き込まれる危険があるので」
クロシュ「んゅ……」
ミスティ「世知辛いわね……」
☆ロイエ教デロデロ派の導師僧侶と知り合いました
◆
382 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 18:34:03.31 ID:2d+DZtwZ0
―ユーシリア帝都
郊外 農園
クロシュ「……」トコトコ
妖精「ここは……ユーシリア帝国の農園だね」
クロシュ「うん」
しわしわカボチャ「」シワシワ
しわしわモロコシ「」シワシワ
しわしわヤマイモ「」シワシワ
クロシュ「しわしわ……」
妖精「これは……。どの植物も、栄養が過剰すぎて苦しんでる……」
クロシュ「んゅ……」
妖精「栄養を与える力は世に数多くあるけれど、栄養を適切に奪うのは難しいんだよね……。」
農家のおじさん「コラーッ!! 勝手に畑に入んなァー!!」ドタドタ
クロシュ「ひゃっ!?」
妖精「あ、しまった……! ちょっと懐に隠れるよ!」パタパタ
*
農家のおじさん「ったく、どこの子だオメーは? 人んちの敷地に勝手に入っちゃイカンってママに教わんなかったのか?」
クロシュ「……ママ……いない……」
農家のおじさん「……そりゃ悪かった。いいか、人んちの敷地にゃ勝手に入っちゃいけねーんだ。覚えられるか?」
クロシュ「ん……わかった……」
農家のおじさん「よし。わかったなら……ほれ」スッ
しわしわカボチャ「」ポン
クロシュ「ほえ……?」
農家のおじさん「ハラ減ってたんだろ。どうせ売りもんになんねえんだ。持ってきな」
クロシュ「あ、えと……」
農家のおじさん「ガキが遠慮なんかすんじゃねえ」
クロシュ「でも……」
妖精(貰っておいて。私が調べるのに使える)
クロシュ(!)
クロシュ「……ありがと、ございます……」
農家のおじさん「おう。次からはタダじゃやんねえからな」
しわしわカボチャ「」ポン
◇
383 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 18:34:34.96 ID:2d+DZtwZ0
―帝都大図書館 司書室
しわしわカボチャ「」シワシワ
イリス「わ、このしわしわカボチャどうしたの?」
クロシュ「えと……もらった……」
妖精「農家のおじさんにね。売り物にならないからって、タダで貰ってきた」
エバンス「おお……。まあ、こんだけしわしわでも食えはするだろうからな」
妖精「んで、調べてみた結果……やっぱり、星の力が影響してることがわかったよ。しかも成分中に微量のステライトが混じってた」
ミスティ「ステライト……確か、星の力が宿った特殊な鉱物……だったかしら?」
妖精「そう。そして――」
パティ「……悪竜が占拠している、北の鉱山で採れた希少鉱物の一つ……ね」
イリス「それって……」
妖精「……断定はできないけど、悪い可能性はちょっと高まっちゃったかも……」
*
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ
しわしわカボチャ「」モグモグ
パティ「え、あのしわしわカボチャをそのまま食べるの……?」
妖精「まあ、クロシュはスライムだから……」
◆
384 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 18:35:09.20 ID:2d+DZtwZ0
―ユーシリア帝国 5日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ラティアの大盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:灼鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*4 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*0 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 太陽のメダリオン
属性大全 踊り子の双剣 暗黒優待券
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 冒険者証(ランク1)
氷精の魔導書 精霊のローブ 大魔女帝国渡航権
ブラッドワイン*3 かたたたきけん
マッスルワイン*1 大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼殺ワイン*1 風船印のパラシュート
綺麗な砂 ラティア勲章
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[2/5]
・宰相の正体を暴く
・眠り病の原因を突き止める
・前皇帝の死の真相を突き止める(努力目標)
・ユーシリアの人魔対立をなんとかする(努力目標)
◯仲間の目標
・カリス・ノーランドを討つ(ミスティ)
・妻子の仇を討つ(ローガン)
◯経験値
・剣技[3/6](クロシュ)
・魔法[3/6](クロシュ)
・防御[3/6](クロシュ)
・魔法[4/16](イリス)
・剣技[4/6](ミスティ)
・魔法[4/16](ミスティ)
・剣技[9/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[6/16](ローガン)
・魔法[3/8](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□ユーシリア帝都
中央区:王宮、兵舎、大図書館、邸宅街、他
平民区:公園、市場、食事処、酒場、浴場、娼館、冒険者ギルド、他
貧民街:広場、怪しい商店、薄暗い路地裏、魔族連合、他
郊外:農園、果樹園、他
……………………………………………………………………………………
385 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 18:35:36.91 ID:2d+DZtwZ0
―朝
帝都大図書館 司書室
チュンチュン
帝都新聞「」ペラッ
パティ「……新興宗教、デロデロ教……溶けて一つになることを是とする、過激派……」ペラッ
妖精「あー……」
パティ「今のこの国の状況じゃ、こんなのが流行るのも無理ないわね……。はあ、皇帝の胃に穴が開かないことを祈る他ないわ……」
イリス「ま、まあ……暴動とかを起こされるよりはマシじゃないですか?」
パティ「それはその通りだけど……。もし勢力が拡大したら厄介だわ。破滅主義のようなものだもの」
クロシュ「んゅ……」
パティ「とはいえイリスの言う通り、暴動や対立に繋がらないだけ遥かにマシね。できればこのまま穏健に、急拡大とかせずにいて欲しいところだけど」
ローガン「うむ……」
エバンス「次から次へと厄介事が舞い込んでくるんだな……」
ユーシリア帝国滞在5日目です。12日目に何かが起こります
↓1コンマ
01-05 皇帝の妹来訪
06-95 本日の自由行動へ
96-00 皇帝の妹来訪
↓2〜4 自由安価 何をする?
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 18:37:09.90 ID:CMsd4LaiO
あ
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 18:37:43.67 ID:9ZJxLQvM0
ローガン達 ルクリリから聞いたマーズがパティを通し会いにきた。眠りの病と皇帝の死亡について協力してほしいと頼まれる。
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 18:37:52.84 ID:iMneSLCiO
亡霊調査を行う
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 18:37:54.10 ID:exrZl+L3o
宰相さん遊びましょう
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 18:38:25.16 ID:aeX5gSf70
図書館で悪龍の本さがし
391 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 19:40:46.74 ID:2d+DZtwZ0
―帝都大図書館 司書室
パティ「ああそうそう。あなたたちに会いたいという人物がいたわ。そろそろ来るんじゃないかしら」
ローガン「我々に会いたい人物?」
パティ「ええ。あなたも知っているはずよ。騎士団の――」
コンコン
パティ「来たわね。入って良いわよ」
ガチャッ
茜髪の騎士「失礼する」スタスタ
クロシュ「!!?」ビクッ
ローガン「あなたは……マーズ指揮官!」
茜髪の騎士→マーズ「久しぶりだな、ローガン。そしてお初にお目にかかる、フォレスティナ使節団の方々。私はユーシリア魔法騎士団の指揮官、マーズ・ネオン。以後お見知りおきを」
妖精「初めまして、マーズ。私が使節団代表の妖精だよ。よろしく」パタパタ
マーズ「うむ……む?」
クロシュ「……」ソワソワ
マーズ「……」
↓1コンマ
01-10 貴様……先日王宮に侵入したスライムだな!
11-70 スライムか……まあいい
71-00 気のせいか。失礼した
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 19:42:46.15 ID:iMneSLCiO
あ
393 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 21:35:31.83 ID:2d+DZtwZ0
マーズ「スライムか……。まあ、規律を守れるなら構わん」
クロシュ「」ホッ
妖精「……それで、魔法騎士団の指揮官殿が一体どんなご用で?」
マーズ「ルクリリとパティ殿から聞いたが、世界樹の光探索や眠り病のことで手を貸してくれているそうだな」
妖精「まあそうだね。世界樹の光についてはあなたたち騎士団の目的とも競合してるわけだけど……」
マーズ「その点についてはこちらも譲る気はない。最高司令代理の命令は絶対だ」
妖精「そ、そう……。じゃあ何さ、私たちをしょっぴきに来たとでも言うの?」
パティ「ちょっとマーズ……私の顔に泥を塗る気?」
マーズ「……世界樹の光を譲る気はないが、協力し合えるところは協力したい――と申し出に来たのだ。勘違いさせたのなら、失礼した」
パティ「はあ……。規律にこだわるのは結構だけど、もう少し柔軟に物事を考えられるようになって欲しいわね……」
ローガン「フッ……マーズ指揮官、相変わらずですな」
マーズ「褒め言葉として受け取っておく。それで協力内容についてだが――」
*
妖精「つまり、眠り病と先帝殺害の件について、私たちに調査して欲しいって?」
マーズ「うむ。眠り病の件についてはパティ殿から既に承っているとのことだが」
ローガン「ええ。マーズ指揮官にあえて言われずとも、余裕があれば手を伸ばすつもりです。しかし先帝暗殺の件は……それこそ、騎士団が取り組むべき問題では?」
マーズ「……今、我々には余裕がないのだ。最優先目標として命令された世界樹の光探索に、諸外国の侵攻に対する防衛、暴徒の鎮圧……。本来であれば他国の使節の手を借りるなど決してあり得ないことだが……今はそのあり得ない行為にでも手を染ねば、もはや首が回らん……」
パティ「他国の使節にお願いするのは規則違反でもないしね」
マーズ「……パティ殿の言う通り、貴殿らの力をお借りすることは何の規則にも違反しない。であれば、頭を下げぬ理由はないのだ」
ローガン「……状況は把握致しました。どうする、妖精くん」
妖精「うーん……手を貸してあげたいとは思うけど……。世界樹の光を譲ってくれる気もないんでしょ?」
マーズ「無論だ。軍隊において命令は絶対。それに背くことなど決してあってはならない」
パティ「……例えば、今の宰相が、宰相じゃなかったとしたら?」
マーズ「……? それはどういう意味です?」
パティ「恐らく宰相は、悪意を持った何者かに取り憑かれている。だから、その宰相の命令に従う必要はないはずよ」
マーズ「……証拠はありますか?」
パティ「客観的に提示できるものはないわ。私の感覚だし。でもあなただって、不自然さは感じているでしょう?」
マーズ「……不自然さ、などという曖昧な主観的感覚では、判断できませぬ」
パティ「はあ……。わかったわよ。でも、ものを頼む時は見返りくらいないと承諾してくれないわよ。世界樹の光以外に、彼らに与えられる得はあるの?」
マーズ「王宮を出入りする自由を保証しましょう。仕事の邪魔にならない範囲で、対話や聞き込みを試みても構いませぬ」
妖精「あ、それはけっこう嬉しいかも」
ローガン「……いいのですか? パティ殿に認められているとは言っても、我々は部外者ですぞ」
マーズ「パティ殿だけでなく、貴様にも認められているだろう。ローガン」
ローガン「……?」
マーズ「貴様も相変わらず鈍感な男だな……。まあいい。まとめると、貴殿らには眠り病と、先帝の真の死因の調査を行って頂きたい。見返りに、各種情報提供と王宮に出入りする権利を進呈しよう。どうだろうか?」
妖精「……わかった。情報は私たちも欲しいところだったし、王宮に出入りできるようになるのは実際嬉しい。あ、でも全部終わったら逮捕とかはやめてよね?」
マーズ「法令に違反しない限り、私が貴殿らを逮捕することはない。だが世界樹の光を求める過程等で魔法騎士団と戦闘行為を行った場合、公務執行妨害となることは頭に入れておいて頂きたい」
妖精「うげ……。み、みんな……騎士団と争うのはやめてね……?」
イリス「う、うん」
ミスティ「まあ……こっちからは手を出したりしないと約束するわ」
エバンス「おう……。俺も牢屋暮らしは御免だしな」
*
394 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 21:36:28.53 ID:2d+DZtwZ0
マーズ「というわけで、こちらが王宮の案内図、現時点における眠り病の調査報告、先帝が率いた討伐隊の生存者の入院している医療施設の情報だ」スス
王宮の案内図「」ポン
眠り病調査報告「」ポン
討伐隊生存者の入院場所「」ポン
妖精「おお……。これは役に立ちそう」
マーズ「よろしく頼む。それでは失礼する」スタスタ
ガチャ バタム
イリス「はぁ〜緊張した〜……。すっごい堅物ですね、今の人……」
ローガン「うむ……マーズ指揮官は昔からああなのだ。まあ、規則にだらしないよりはずっと良いだろう」
エバンス「でもこんな緊急時くらいは柔軟に考えて欲しいぜ。息が詰まっちまう……」
スライムクロシュ「」デロデロ…
ミスティ「お疲れ様、クロシュ……。しばらく休んでると良いわ……」
妖精「クロシュにとっては災難だったね……」
スライムクロシュ「」デロロ…
*
イリス「ふむふむ……この報告書によると、眠り病は帝都の西側の方が発生率が高いみたいですね。さらに言えば、帝都から西方面にある小規模な街や村での発生率はさらに高いみたいです」
ミスティ「でも西に行き過ぎると、また発生率が減少し始めるわ……。発生率のピークとなる箇所は……」
妖精「……ユーシリア湖?」
エバンス「みたいだな……。ユーシリア湖の周辺じゃ昏睡状態の動物や昆虫も発見されてるって話だ。この報告書によると、当然騎士団もユーシリア湖の調査を行ったらしいが……」
ローガン「芳しい結果は得られなかったようだな……」
妖精「私たちも一度調査してみる価値があるかもしれないね」
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
☆眠り病がユーシリア湖を中心に多発していることがわかりました
☆討伐隊の生存者が入院している医療施設の情報を得ました
☆王宮への出入りが許可されました
◆
395 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 21:37:13.59 ID:2d+DZtwZ0
―王宮
イリス「というわけで早速王宮に来たよ!」
クロシュ「堂々と……入れる……!」トコトコ
妖精「でも、スライムの姿にはならないよう気を付けてね?」
クロシュ「う、うん……」
ミスティ「それで、王宮で何をするの?」
イリス「いろいろできることはあるけど、まずは……亡霊について調べてみよう!」
妖精「宰相に取り憑いてる何者かと関係があるのかどうか、確かに気になるところだもんね」
↓1コンマ
01-05 ??
06-70 森スライム
71-95 亡霊だ!
96-00 ??
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 21:38:22.81 ID:aeX5gSf70
あ
397 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 22:35:07.86 ID:2d+DZtwZ0
森スライム「〜〜」モニョモニョ ゴシゴシ
クロシュ「!」
イリス「あ、あの子ってもしかしてパティさんの言ってた……!」
クロシュ「」トコトコ
森スライム「?」モニョニョ?
クロシュ「〜〜」モニョモニョ
森スライム「!?」モニョ!?
クロシュ「〜〜♪」モニョニョ
*
森スライム→ロシュ「え、えっと……はじめまして、皆さま」モニョモニョ
イリス「わあ……! ロシュちゃん、スライムの姿のまま人の言葉を話せるの?」
ロシュ「うん。でも、人の姿には……まだ、なれないの……」
ミスティ「そういうこともあるのね……」
クロシュ「んへへ……」
ロシュ「えっと……クロシュちゃんたちは、幽霊さんを探してるんだよね?」
クロシュ「うん……。ロシュちゃんは、見たことある……?」
ロシュ「うん……! 最近、王宮でときどきふらふらしてるよ」
妖精「え、本当に?」
ミスティ「いきなり有力そうな証言ね……。いつ、どの辺りにいるかわかる?」
ロシュ「えっと……あっ! ほら、妖精さんの後ろに……」
妖精「えっ……」クルッ
イケメンの幽霊「」ボオ―…
妖精「うわあっ!?」コテッ
クロシュ「わあ……」
イリス「えっ、どこどこ!?」キョロキョロ
ミスティ「見当たらないわ……」
398 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 22:35:34.26 ID:2d+DZtwZ0
妖精「……ん? 人間には見えてない……?」
イケメンの幽霊『……君たち……俺が見えるのか……?』
クロシュ「うん……。おじさんは……?」
イケメンの幽霊→エドワード『私は……エドワード……。ユーシリア魔法騎士団の最高司令官……だった……』
妖精「ええっ!? エドワード!?」
ロシュ「あっ!! 幽霊さん、どこかで見覚えあるなあって思ってたら……エドワードさまだったの……!?」
クロシュ「えどわーど……?」
エドワード『自分で名乗っておいて何だが……私の名前や肩書はどうでも良いんだ……。ただ、あることを皇帝陛下や騎士団の皆に伝えたくて……こんな姿になってまで、私はここに戻ってきた……。だが……肉体を失った私の存在には、誰も気づいてくれなかった……』
ロシュ「わ、わたし、気付いてたのに……ごめんなさい……放ったらかしにしちゃって……」
エドワード『なら……今、聞いてくれ……。今このユーシリア帝国は……滅亡の危機に瀕している……』
妖精「いや、それは私たちも知ってる……。あなたは一体何を知ってしまったの?」
エドワード『なぜ、ここまで急激に滅亡へ向かっているか……それは……奴が、戻ってきたからだ』
クロシュ「やつ……?」
エドワード『悪竜の片割れ……このユーシリアを荒らし回った暴れ者の、より残虐で冷酷な方……。それが今、この国にいる……』
妖精「あ、悪竜の片割れだって……!? てことは……今この国には、かつてと同じように、二体の悪竜が揃っちゃってるってこと!?」
エドワード『そうだ……。俺はそいつに殺され……先帝も……恐らくは……』
妖精「そ、そんな……!」
エドワード『だから……頼む……。このことを……皆に、伝えてくれ……。片割れは……明らかに、何らかの悪意に満ちた目的を持って、行動している……! 放置すれば、この国は取り返しのつかないことに――…』スゥ―
妖精「ああ! 待って、まだ消えないで!」
モニョモニョポン!
不死鳥クロシュ「コッコッコッ……!」トコトコ
明るい炎「」メラメラ
エドワード『うおおおお!? なんだこの炎は!? 熱いのに熱くない! 体が蘇るかのように活力が湧いてきた!!』ピカピカ
イリス「うわあ!? なんか半透明のイケメンが出てきた!?」
ミスティ「急にクロシュが不死鳥になったと思ったら……こんな幽霊と話をしていたのね……!」
デロデロ…
クロシュ「……げ、げんき……でた……?」フラフラ
エドワード『ああ、ありがとう! 君は炎のニワトリなのか!? いや、今は詮索すまい! 私に残された時間は多くない……頼む、もう少し話を聞いてくれ!』
クロシュ「う、うん……」フラフラ
妖精「ちょっと場所を変えない? お互い、一旦落ち着いて話したい」
エドワード『そうしよう……!』
◇
399 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 22:36:40.74 ID:2d+DZtwZ0
―帝都大図書館 司書室
ロシュ「わあ……! 司書さんのお部屋、初めてはいっちゃった……!」
パティ「あら、いらっしゃいロシュ。別にいつでも来て良いのよ」
ロシュ「そ、そうだったんだ……。それじゃあ、これからは図書館のお掃除も……」
パティ「いや、それは足りてるから不要よ。休憩に来ると良いわ。それで……」
エドワード『パティ! 私だ、エドワードだ!』フヨフヨ
パティ「見ればわかるわ。でも、どうしたのよ……。死んだの?」
エドワード『そうだ、死んだ。今の私は、縛りの魔法と、そのニワトリの少女の炎によって、意思を繋ぎ止めているに過ぎない』
パティ「に、ニワトリの少女の炎……? よくわからないけど、危機的状況だということはわかったわ。何か伝えたいことがあって、無理矢理現世に残っているのね?」
エドワード『その通りだ! 流石はパティ、話が早くて助かる。今から話すことを聞いて対策を立ててくれ。頼むぞ……!』
パティ「わかったわ。話してみて」
イリス「よ、よし。今度は私も聞けそう……!」
ミスティ「一体何を伝えるのかしら……」
◇
パティ「悪竜の片割れがこの国に戻ってきて……何かを企んで、暗躍している……!?」
エドワード『そういうことなのだ! すまない、私は志半ばで奴に食い殺されてしまった……』
ローガン「悪竜の片割れが……。それは確かなのですか、エドワード最高司令官」
エドワード『確かだ、ローガン隊長! いや、ローガン元隊長だったな! ハッハッハ!』
ローガン「は、ははは……」
妖精「クロシュの炎で随分元気になっちゃった……」
パティ「これがエドワードの素よ」
クロシュ「わあ……」
☆悪竜の片割れがユーシリアで暗躍しているという情報を得ました
☆亡霊エドワードが図書館に住み着きました
◇
400 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 22:47:46.88 ID:2d+DZtwZ0
―王宮
妖精「エドワードからの聞き取りはパティたちに任せて、私たちは王宮でもう少し情報収集しよう」
クロシュ「うん……!」
妖精「なんか良い感じに話を聞けそうな相手は……」
宰相「」スタスタ
妖精「……宰相だ」
クロシュ「わあ……」
妖精(……突撃のチャンスだけど……いきなり突っついたら反逆罪で牢屋行き待ったなしか……? どうしよう……?)
クロシュ「……」
どうしよう
↓1〜 先取2票
1.挨拶をして普通に話しかける
2.遠くから観察する
0.自由安価(票数は内容ごと)
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 22:49:29.79 ID:UlOv5iUiO
2
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 22:49:48.26 ID:aeX5gSf70
2
403 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2025/01/25(土) 23:02:31.15 ID:2d+DZtwZ0
透明クロシュ「……」ジー
透明妖精「……」ジー
宰相「〜〜」ウンヌン
大臣「〜〜」カンヌン
透明クロシュ「……」
透明妖精「……遠くから見てるだけじゃ何もわからないなあ。まあでも、人間とは異なる魔力の波長を感じられるのは確かだ。何かが取り憑いてる」
透明クロシュ「……何が、取り憑いてるの……?」
透明妖精「う〜ん……この感じは……」
↓1コンマ
01-30 わかんない!
31-70 あと少しで思い出せそう……
71-00 夢魔だ!
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 23:02:40.19 ID:exrZl+L3o
むま
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