安価とコンマで異世界転生!その11

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

180 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/19(土) 19:13:35.42 ID:M8KOSAHM0
精神の弱い者なら気が狂ってしまいそうな、
ある種の牢獄を思わせる状況の中で、
ついに変化が現れた


炎魔「これは……!?」


水脈の壁面に、一つの梯子がかかっていた
ハッチになっているようで、
登って外に出ることができそうだ


男「久しぶりに外の空気が吸いたい気分だ」

中華「僕も〜」


一行は気分転換や距離の確認のため、
早速その梯子を登って外に出た


>>下1……どこに出た?
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 22:49:27.75 ID:CWXx5lXa0
森の中の寂れた教会
182 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/20(日) 01:58:55.81 ID:soH67bcu0
やや埃っぽい空気が肺に侵入していく
それもそのはず、一行が出たのは寂れた教会だった


氷魔「……ここは……」


視界に飛び込む光はステンドグラスを通じて送り込まれたもので、
並ぶシックな長椅子や一つの祭壇などから、
ここが教会であると推測することができるのだ


やる気「教会っすね。空気はあんまよくないっす」
183 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/20(日) 02:00:21.09 ID:soH67bcu0
本日はここまでです
ありがとうございました
184 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/20(日) 18:56:31.49 ID:soH67bcu0
ぶりっ子「新鮮な空気を吸いたいですねぇ……」


彼女は吸い寄せられるように大扉に手を掛け、
外へと歩き出した
そこは森になっており、
新鮮な空気が肺いっぱいに吸える


怪盗「うーん、随分遠くまで来たんじゃない?」

狙撃少女「そうですね……少なくとも、あの街の塔はもはや見えません」
185 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/20(日) 22:52:02.97 ID:soH67bcu0
具体的にどの程度離れたか分からないので、
誰かに話を聞きたいとみな思っていた
ハッチがあるぐらいなので、
どこかに人がいるだろうと仮定して探すこととした


男「この森の中で人を探すのか……」

中華「案外小屋とかあるかもよ?」

炎魔「じゃ、私が空から探しましょうか?」


などと話していると、大扉の後方より、
また別のドアが開く音がする
教会には、人がいたのだ


>>下1……教会にいた人はどんな人か
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 23:28:31.95 ID:xX6JP2uDO
ボロボロの服を着た気弱そうな少女
187 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/21(月) 01:49:26.50 ID:Caug0CP/0
本日はここまでです
ありがとうございました
188 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/21(月) 19:35:16.68 ID:Caug0CP/0
気弱少女「あ……」


教会の奥にある、聖職者が待機する部屋の扉
その向こうから、
いかにも気弱そうな少女が顔を覗かせていた


氷魔「……あ……どうも……」

気弱少女「………………」


彼女は震えていた
こんな場所にわざわざ現れるのだから、
賊の類ではないかと疑っていた
189 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/21(月) 21:20:21.60 ID:Caug0CP/0
やる気「俺っちらは怪しいもんじゃないっすよ」


警戒を解こうと試みるが、彼女の緊張は解けない


ぶりっ子「私たちは冒険者ですよぉ」

気弱少女「ほんと……?」

炎魔「はい!」
190 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/22(火) 01:27:20.88 ID:Rk77Ka7I0
怪盗「ま、こっち来てくださいな。悪いようにはしないよ」

気弱少女「は……はい……」


お互いは歩み寄り、
教会内のベンチの辺りで顔を突き合わせる


狙撃少女「……随分、服がボロボロですね」

気弱少女「あ……そうですね……」

男「どうも、事情がありそうだな」
191 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/22(火) 02:02:38.06 ID:Rk77Ka7I0
本日はここまでです
ありがとうございました
192 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/22(火) 18:58:15.45 ID:Rk77Ka7I0
中華「……それより、僕たちはここがどこなのかを知りたいんだ」


男がまた人の事情に入り込みそうになったので、
それは一旦後に回すべきだと中華は考えていた


気弱少女「見ての通り……教会です……」

氷魔「……ああ……そういうことではなく……私たちは……西にある図書館の街から来たのです……どの程度離れたのでしょうか……」

気弱少女「>>下1」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/22(火) 19:17:37.23 ID:fvhvMnDf0
図書館から、だいぶ離れてると思う。
ここは帝国領の帝都に当たる処だから、結構遠い、です
194 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/22(火) 19:36:24.16 ID:Rk77Ka7I0
気弱少女「図書館から、だいぶ離れてると思う。」

やる気「そうなんすか?」


見事、地下空間の異常を利用したショートカットに成功したということになる


気弱少女「ここは帝国領の帝都に当たる処だから、結構遠い、です」

ぶりっ子「帝国っていうとぉ……まぁ、遠いんでしょうねぇ」

気弱少女「あなたたちは、『図書館』の人?」
195 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/22(火) 19:39:36.11 ID:Rk77Ka7I0
炎魔「司書ってことですか?だったらそうだったこともありますけど」

気弱少女「……あっ、えっと……あの街に住んでいるんですか?」

怪盗「ああー……帝国ではあの街を『図書館』としか呼ばないんだ。そうでしょ?」

気弱少女「はい……」

狙撃少女「違いますよ。そこから来たのは確かですけれど」

気弱少女「……帝国は、『図書館』を侵略しようとしているんです。うまく行ってはいないようですけれど」
196 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/23(水) 01:48:26.18 ID:5heUJyPb0
本日はここまでです
ありがとうございました
197 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/23(水) 19:36:03.03 ID:5heUJyPb0
男「ま、あそこの首長は切れ者だからな」

気弱少女「人工知能が支配している、だなんて帝国は言いますけど……そんな訳ないですしね」

中華「………………」


彼は絶句した
それと同時に、
確かにそれは信じがたいことだと再認識した


気弱少女「な、なんですか……?本当に帝国だとそう言われているんですよ……バカバカしいですけど」

氷魔「……それは……真実です……」

気弱少女「冗談ですよね?」

やる気「マジ寄りのマジっす。俺っちらが東を目指してるのにも実はその市長が絡んでるっす」
198 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/24(木) 02:02:48.16 ID:HWisN7JC0
ぶりっ子「あっ、このことは言わないでくださいねっ!私たち、追われちゃうかもしれないのでっ!」

気弱少女「……それは、もちろんです」

怪盗「随分信用してくれてるみたいですね」

気弱少女「そうかもしれません。……ここには滅多に人が来ませんから……帝国の兵士に見つかる可能性はありません」

炎魔「いいですね、事は荒立てたくありませんから」
199 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/24(木) 02:18:12.76 ID:HWisN7JC0
本日はここまでです
ありがとうございました
200 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/24(木) 18:17:08.17 ID:HWisN7JC0
狙撃少女「寂しいのですか?」

気弱少女「……どうでしょうか」


ステンドグラスを通したやわらかな光に照らされて、
その少女は儚げに見えた


男「……あっ、忘れてた」

気弱少女「は、はい?」

男「どうしてそんなボロボロの格好でこんなとこいるんだ?もし俺たちが盗賊かなんかだったら、危なかったぞ」

気弱少女「>>下1」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/24(木) 19:11:13.04 ID:VC9ZOEiUo
ここでは神様が守って下さりますから
202 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/25(金) 03:45:23.24 ID:IpwVCGgQ0
気弱少女「ここでは神様が守って下さりますから」

中華「へぇ……」

気弱少女「……ひどい嵐の日、ここへ呼ぶ声がしたのです」

氷魔「……ふむ……?」

気弱少女「私には帰る場所がありませんでしたから……吸い寄せられるように、ここへ来ました」

やる気「やっぱり、そうだったんすね」
203 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/25(金) 03:48:44.93 ID:IpwVCGgQ0
気弱少女「私を追って、どうにかしてしまうと考える人たちもいました」

ぶりっ子「……あなた、やっぱりただの子供じゃないんですねぇ」

気弱少女「……彼らはみな、ここの前で雷に打たれて絶命しました。神様が、私を守ってくださったのです」

怪盗「随分パワフルな神ですね!」

気弱少女「はい……ここにいれば安全だということがよく分かりましたので、私はずっとここにいるのです」

狙撃少女「なるほど……」

気弱少女「私はただの子供ではありませんでしたが、ここにいるうちはただの子供でいられます」
204 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/25(金) 03:56:47.70 ID:IpwVCGgQ0
本日はここまでです
ありがとうございました
205 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/25(金) 18:20:32.50 ID:dd8r4DFjO
男「場合によっちゃ、さっき不用意に外歩いてたら雷に打たれてたかもしれんな」


しばしの休養を取り、
位置関係を把握することもできたので、
一行はまた地下へ戻ることにした


中華「じゃ、僕たちは行くよ。ここのハッチからはなにが出てくるか分かったもんじゃないから、注意しといてね」

気弱少女「あ、はい……」


そうして、またも暗い地下水道へと戻るのであった
206 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/26(土) 00:03:52.11 ID:ZwArPgae0
氷魔「……これで……東に素早く進めることは分かりましたね……」

やる気「そっすね、結局歩きっすけど」

ぶりっ子「ですが、私たちには手ぶらでも速く移動する方法がありますよねぇ?」


彼女がそう言うと、男や中華、氷魔にやる気もなにかを察したが、他のメンバーはよく分かっていないようだった


怪盗「え、なんですか?普通に走ればいいんじゃないんです?」

狙撃少女「それで異常に速いのはあなただけです……」

炎魔「分かりました!飛ぶんですね!」
207 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/26(土) 01:51:47.15 ID:ZwArPgae0
本日はここまでです
ありがとうございました
208 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/26(土) 19:25:48.09 ID:ZwArPgae0
中華「違うね。でも炎魔はそれでもいいかも」

男「じゃ、頼むぞ氷魔」

氷魔「……極大……氷魔法……!」


彼女が十八番を放つと、
地下水道の中央を流れる水が瞬く間にして凍りつく
氷の帯がどこまでも延びていくのだ


やる気「おーっし、行くっすよ!」


やる気は意気揚々とその上に飛び出し、
スピードスケートのようなフォームで東へと滑り始めた
209 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/27(日) 00:06:43.64 ID:kG5dAY0r0
ぶりっ子「久しぶりですねぇ、この感じ」

怪盗「ああ、そういう……」

狙撃少女「……私、アレできるんでしょうか?」


次々に滑り出す仲間を見て、彼女は不安を覚えた


炎魔「あ、でっかいライフルは私が持ちますよ」

狙撃少女「ありがとうございます」

ぶりっ子「じゃ、私の手を取ってください」
210 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/27(日) 00:15:24.78 ID:kG5dAY0r0
狙撃少女「……はい!」

ぶりっ子「勇気、伝わりましたよ!じゃあ行きますねっ!」


ぶりっ子は狙撃少女の手を取り、滑走し始める
狙撃少女も最初は必死で姿勢を制御していたが、
数分滑っているうちに、
自発的に滑れるようになってきた


炎魔「おお、筋がいいんじゃないですかね?」

怪盗「私にも翼が欲しい!」


炎魔だけは滑らずに一行と同じ速度で移動できている
211 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/27(日) 00:31:17.26 ID:kG5dAY0r0
本日はここまでです
ありがとうございました
212 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/27(日) 19:31:21.39 ID:kG5dAY0r0
それから、長い時を滑走姿勢で過ごし、
ひたすら滑り続けて二時間ほどが経った


男「お、遠くにまたハッチが見えてきたぞ」

中華「じゃ、減速しようか。みんな!減速するよー!」

氷魔「……はい……」

やる気「ふぃー……」


みな速度を落としていく
やる気に至ってはその場に座り込んで速度を落とした
213 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/27(日) 21:18:22.53 ID:kG5dAY0r0
かなりの距離を移動したとおぼしき一行にとって、
このハッチの向こう側への期待は高かった
誰もがかけられた梯子を勢いよく昇る


ぶりっ子「さぁて、外はどうなってるんでしょうか!」

怪盗「……そういえば、この地下水道、大陸の地下に広がっていると聞いたけれど」

狙撃少女「なんだか、大陸の端ぐらいまでは来られてそうですよね」


>>下1……地上の様子
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 22:38:14.07 ID:VAb4Hrhlo
見渡す限りのお花畑
215 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/28(月) 00:38:52.43 ID:NICuecMU0
地上に出た彼らの鼻腔を、
甘美なる花の香りが満たしていく
遮るものなき夕陽が西から東へ、
燃えるような光を迸らせている


炎魔「わーお!すごい光景です!」

男「ああ、壮観だ……」


全方位、見渡す限りの花畑
色とりどりの花が咲き乱れ、まるであの世へ来てしまったかのような雰囲気にただただ圧倒される
216 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/28(月) 00:43:05.83 ID:NICuecMU0
本日はここまでです
ありがとうございました
217 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/28(月) 18:59:45.85 ID:NICuecMU0
中華「いい香りだ……」

氷魔「……ですが……ここがどこかは……さっぱり分かりませんね……」

やる気「そっすね……こっから離れたらハッチ見失いそうで怖いっすし」


あまりにも茫漠としたその花畑に、
目印にできるようなものはなに一つとしてなかった


ぶりっ子「てか、これサイズによっては遭難しますよぉ」

怪盗「花畑で遭難なんて、メルヘンですね」
218 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/29(火) 01:38:47.99 ID:57swY3xD0
狙撃少女「うーん……」


どうにか外と連絡をしたいが、
狙撃少女の眼をもってしても、
周囲に人間の姿は認められなかった


炎魔「いやぁ、困りましたね」


どうしたものかと考えているうちに、
完全に陽は沈みきり、夜になってしまった
優しい夜風が一様な向きで花々を震わす
219 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/29(火) 01:44:49.14 ID:57swY3xD0
本日はここまでです
ありがとうございました
220 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/29(火) 19:27:06.50 ID:57swY3xD0
仕方がないので、
一旦地下に戻ろうかと考えていた所で異変が発生した


???「………………」


突如として地面から人型のなにかが出現した
それは花と人間が一体化したような姿をしている
肉体の器官の一部が、花に置き換わっているのだ


男「な、なんだ急に!?」

???「>>下1」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/29(火) 19:40:02.63 ID:/YpMEXQE0
ドリアード「魔王様からあんたたちを招待したいから誘って来てくれ言われて来たんだよ!」
222 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/30(水) 00:46:59.12 ID:gXA7Dg+h0
ドリアード「魔王様からあんたたちを招待したいから誘って来てくれ言われて来たんだよ!」

中華「魔王っ!?」


みな物騒な単語に身構える
ここには二人の魔王がいたが、
それでも怖いものは怖いのだ


ドリアード「そうさね」

氷魔「……招待……パーティかなにかでしょうか……」

ドリアード「そんなところ」
223 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/30(水) 00:50:15.06 ID:gXA7Dg+h0
やる気「俺っちらと敵対するつもりはないんすね?」

ドリアード「うーん……そりゃ魔王様次第だろうね。問答無用で襲わせてないし、友好的なんじゃない?」

ぶりっ子「はぁ、そうですか……」

炎魔「質問っ!」

ドリアード「なに?……あ、燃えそうで怖いからちょっと距離取って」


炎魔はアグレッシブな性格で、全体的に距離が近い
植物の肉体を持つものにとっては、
恐怖そのものだろう


炎魔「あなたたちの言う、魔王とは?」
224 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/30(水) 02:06:57.08 ID:gXA7Dg+h0
ドリアード「我らが魔王の?」

炎魔「ええ、中華さんもやる気さんも魔王ですけど、結局どういう存在が魔王なのかよく分かってなくて」

ドリアード「肉体の形にはとらわれやしないよ、魔王の資格はね」

怪盗「心ですか」

ドリアード「そうとも、この花畑は魔王様の領域。美しき花をどこまでも愛する心が生んだ世界なの」
225 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/30(水) 02:08:27.22 ID:gXA7Dg+h0
本日はここまでです
ありがとうございました
226 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/30(水) 19:36:38.84 ID:gXA7Dg+h0
狙撃少女「へぇ……」

ドリアード「それで、来てくれるの?」

男「どうしようか……」

中華「ま、行ってもいいんじゃない?」

氷魔「……他の魔王と知り合えるというのは……またとないチャンスかもしれませんしね……」


行く方向で話は決まった
ドリアードはほっとした表情で、一行を案内し始めた


ドリアード「じゃ、ついてきて」
227 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/30(水) 21:29:56.66 ID:gXA7Dg+h0
彼女について行けば、
だんだんと遠くに建物が見えてきた
それは確かに城であったが、
魔王の居城というには些か絢爛すぎた


やる気「な、なんじゃありゃあ……」

ドリアード「我が主の趣味です」


花畑をずっと歩き、ついにその前までやってくる
護衛の兵士たちもその肉体が花に置き換わっていた
228 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/31(木) 03:30:12.71 ID:gRa/zmBJ0
彼らはドリアードの姿を見ると門を開けた
いかにも中世風の門が低い音を立てる


ぶりっ子「はぁ、いつかはこういう城に住みたいもんですねぇ」

怪盗「分かる〜」

狙撃少女「私は持て余しそうですね……」

ドリアード「こっちよ」


入った所にある大階段を昇るよう誘導される
正面には深紅の扉がある
229 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/31(木) 03:44:24.14 ID:gRa/zmBJ0
本日はここまでです
ありがとうございました
230 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/31(木) 19:26:54.82 ID:gRa/zmBJ0
真っ白な壁面と赤黒いそれのコントラストはエレガントだった


ドリアード「私が居られるのもここまで。あなたたちだけで中に入るの」

男「分かった」


去っていくドリアードを見送り、
一行は扉をゆっくりと開いた
そこはまさしく女王の部屋と言うべき内装が広がっており、中央に置かれたテーブルの上にはティータイムの用意がされていた


中華「っ!」


そして、テーブルに添えられた純白の椅子に魔王は鎮座していた


>>下1……魔王の姿
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/31(木) 19:32:09.40 ID:fCO7D7fX0
ショートヘアーが意外と似合っている、花柄のドレス越しでも分かるほどのマッチョなオネエ系男子(オカマじゃない)。
232 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/10/31(木) 21:07:58.11 ID:gRa/zmBJ0
オネエ魔王「ようこそ、どうぞおかけになって」

氷魔「……え……えぇ……」

やる気「失礼するっす」


そこに待っていたのは、花柄のドレスを着た______少なくとも肉体的には______男性の魔王だった


ぶりっ子「すっごい……」


鍛え抜かれたその肉体は、本人のたおやかな振る舞いを以てしてもなお隠し通せないほどの覇気を放っている
233 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/01(金) 03:12:18.13 ID:a4Esx5MF0
風貌と服装のミスマッチではない、
本人が持つその風格は充分な重圧を放っていた


オネエ魔王「そう緊張しないで」


短く、しかしどこか女性的に切り揃えられた髪をいじり、物憂げに告げる


怪盗「すみません、気を遣わせちゃって」

狙撃少女「『本物』のオーラを感じます……」
234 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/01(金) 03:14:03.80 ID:a4Esx5MF0
本日はここまでです
ありがとうございました
235 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/01(金) 18:38:02.06 ID:nigeASpUO
それから、一行は勧められるままに紅茶を飲んだ
香り高く、当然茶葉にもこだわっているようだった


炎魔「おいしいですね!」

オネエ魔王「ありがとう」

男「……本日はご招待いただき、ありがとうございます。不躾ですが……一体なぜ、我々を呼んだのですか?」

オネエ魔王「>>下1」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/01(金) 19:17:18.67 ID:ZkM+OF3U0
貴方に依頼を受けてこの茶会を開いたのよ。 依頼の成功・失敗は問わないから、報酬は心配しないでちょうだい
237 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/02(土) 05:08:11.02 ID:m9/VbQvn0
オネエ魔王「貴方に依頼を受けてこの茶会を開いたのよ。」

中華「ははぁ……」

オネエ魔王「依頼の成功・失敗は問わないから、報酬は心配しないでちょうだい」


魔王から依頼とは、と緊張が走った
だが、彼はすかさず付け加えてそれを緩和させようとしている


氷魔「……ご寛大なのですね……」

オネエ魔王「美しいものに倣っただけ。それがポリシーだから」
238 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/02(土) 05:08:52.73 ID:m9/VbQvn0
本日はここまでです
ありがとうございました
239 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/02(土) 19:08:18.69 ID:m9/VbQvn0
やる気「それで、なにして欲しいんすか?」

オネエ魔王「随分せっかちね」

ぶりっ子「ま、色々立て込んでもいますからねぇ」

オネエ魔王「ふぅん、なにかあったの?」

怪盗「子供たちを預かっていまして……極東までどうにか帰さなきゃいけないんですよね」

オネエ魔王「……そう、あなたたちがよければ、一旦ここに連れてきても構わないけれど」
240 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/02(土) 21:05:31.62 ID:m9/VbQvn0
狙撃少女「……それは、仕事が終わってからにしましょうか」


彼がそんな人物であるとは思っていなかったが、
万が一のことを考えると見ず知らずの人物______加えて言えば、魔王などという肩書きを持っている存在______に子供をいきなり預けるつもりにはなれなかった


オネエ魔王「そうね……巻き込むのも悪いし」

男「……俺たちはいつでも動けます。もう夜ですが……なにをして欲しいんですか?」

オネエ魔王「>>下1」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 21:44:09.46 ID:2lDoRVCUo
とある場所にこの花を届けて欲しいの
242 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/03(日) 03:45:51.01 ID:d+rUouMm0
オネエ魔王「とある場所にこの花を届けて欲しいの」


そう言って、一輪の花を差し出した
それは水色に輝くバラであった


炎魔「わぁ、綺麗!」

中華「なるほど……して、どこに届ければよいのですか?」


問えば、彼は地図を渡してきた
それがどこかの街の地図ならよかったものを、まさかの世界地図であった
243 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/03(日) 04:12:09.31 ID:d+rUouMm0
本日はここまでです
ありがとうございました
244 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/03(日) 18:56:54.20 ID:jRZ8BdHiO
オネエ魔王「ここ」


だが、目的地に印はつけてあった
場所としては、先ほど通過した帝国の領内であった


氷魔「……ふむ……帝国ですか……」

オネエ魔王「なにかおあり?」

やる気「いや、特にないっす」

ぶりっ子「誰に渡せばいいんでしょう?」

オネエ魔王「行けば分かるわ」
245 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/03(日) 20:30:43.02 ID:jRZ8BdHiO
怪盗「では、向かいますか?」

オネエ魔王「もう夜だから、ここで休んでいきなさい」


実際、地下水道をひたすら滑走したために疲れている
休んだほうがいいだろう


狙撃少女「……では、お言葉に甘えて」

オネエ魔王「夜はちゃんと寝ないと、美しさを損なうからね。身も心も」
246 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/04(月) 03:58:01.79 ID:4//qjggh0
魔王がそう言うとひとりでに入ってきた扉が開く
そこには先ほどのドリアードが控えていた


炎魔「あっ、さっきの方」

オネエ魔王「案内して差し上げて」

ドリアード「御意」


ぴりっとしたやり取りを交わし、
それからドリアードは大きな寝室へと一行を案内した
247 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/04(月) 04:43:12.79 ID:4//qjggh0
本日はここまでです
ありがとうございました
248 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/04(月) 19:34:01.48 ID:4//qjggh0
巨大な寝室で一行は寛いだ
フローラルな香りが安心感を出している


男「今日も慌ただしかったな」

中華「……大丈夫かな、帝国に行って」

氷魔「……私たちのことは……知られていないはずです……安心しましょう……」


と、明日のことについて散発的に話している
出かけるには遅い時間なのは言うまでもなく、
しかし寝るにもまだ少し早かった
男は誰かと話して時間を潰そうと考えるのだった


>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 19:35:08.12 ID:4a2FcoXqo
7
250 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/05(火) 02:43:21.12 ID:QL4WT7hO0
疲労を匂わせる彼らの中にも、
そういった気配をまるで感じさせない者がいた
それが炎魔である
男は、彼女に話を聞いてみることにした


男「炎魔、疲れてないのか?」

炎魔「結構疲れてますよ」

男「そうか?全然そんな感じがしないな」

炎魔「今ならぐっすり寝られますよ!」
251 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/05(火) 03:02:16.62 ID:QL4WT7hO0
本日はここまでです
ありがとうございました
252 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/05(火) 18:56:44.78 ID:QL4WT7hO0
男「……寝相ヤバいよな、炎魔」


一昨日の朝、華麗な軌道で空を回転していた彼女を思い出す


炎魔「私は夢の中でも飛び回ってますからね!」

男「そんな気がするわ……」


いつでも楽しそうな炎魔からは、
誰でも元気をもらうことができるだろう


炎魔「そういえば男さん、>>下1」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/05(火) 20:10:55.45 ID:bgm32N6Oo
もし不死鳥と戦闘になってたら勝算はあった?
254 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/05(火) 20:52:30.83 ID:QL4WT7hO0
炎魔「もし不死鳥と戦闘になってたら勝算はあった?」


その質問に、男は一瞬驚いたような顔をした
だが、すぐに自信満々に答える


男「あるわけないっ!」

炎魔「ええっ!?」

男「最初はどうにかなるかもなーって思ってたが、実際目の前にするとダメだな、ありゃ」
255 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/05(火) 20:59:42.97 ID:QL4WT7hO0
炎魔「男さんがどうにかしてくれるって思ってたのに……」

男「そりゃむしろこっちの考えだ」

炎魔「え?」

男「火力勝負してやるって意気込んでただろ?だから色々と炎魔に任せるつもりだった」

炎魔「え、えぇ……」


彼女は複雑な表情をした
一意に定まらない感情を持っているのだろう


男「悪いな、頼りなくて」

炎魔「確かに、あそこで矢面に立たされるのは勘弁ですが……私を頼ってくれたことは素直に嬉しいです!」
256 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/06(水) 02:37:45.39 ID:RGakUHtt0
男「そんなにか……?」


ずいぶんポジティブに捉えているのだな、
と男は思った


炎魔「色々と世話になっていた期間の方が長いですから、少しでも恩返しがしたいのです!」

男「そうか、不死身だからと言って頼りすぎるのも悪いと思っていたんだが……」

炎魔「なんでも任せてください!」
257 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/06(水) 02:39:05.60 ID:RGakUHtt0
本日はここまでです
ありがとうございました
258 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/06(水) 19:20:41.87 ID:RGakUHtt0
今度からは炎魔をもっと頼るようにしよう、
と男は思うのだった


〜翌日・陽週木曜日〜


昨晩はボロボロだったので入れなかった風呂に軽く入ってから、一行は朝食の時間を迎えた


中華「昨日ので体も慣れたし、あの頃のように滑れそうだよ」

氷魔「……あの頃に比べれば……身体能力も上がっています……私はもっと綺麗に……滑りたいですね……」
259 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/07(木) 01:32:29.63 ID:MbNbzDBw0
やる気「じゃ、行ってくるっすねー!」


荘厳な城と、そこからこちらを見守る魔王にしばしの別れを告げ、花畑を歩く
ちゃんと先日見つけたハッチの元まで戻ることができた


ぶりっ子「まずは、あの教会を目指しましょうかぁ」

怪盗「どうします?雷なんて落とされたら……」

男「ふむ……その時は炎魔、頼んだぞ」

炎魔「ま……任せてくださいっ!」
260 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/07(木) 01:36:00.39 ID:MbNbzDBw0
本日はここまでです
ありがとうございました
261 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/07(木) 18:16:54.94 ID:Ok2j2F9BO
昨日来た道を戻り、あの教会の下まで来た
まだ塞がれていなかったそのハッチを開き、
埃っぽい教会へと再びやってきたのだ


気弱少女「………………」


そういえばあの少女はどこにいるのか、
と誰もが思った
見れば、教会の中心で静かに祈っていた


狙撃少女(お取り込み中ですね……)
262 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/07(木) 20:48:02.57 ID:MbNbzDBw0
一行は彼女を刺激しないように、
静かに教会を出ることにした


男「………………」


なるべく静かに入り口の大きなドアを開く
少しだけ、木材の軋む音はするだろう


炎魔「すぅ……」


軽く息を吸って、彼女は一歩教会の外へと歩み出た


>>下1……異変は起こったか
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/07(木) 20:49:51.49 ID:UEzu0L12o
何かの加護から外れた感覚がある
264 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/08(金) 01:03:05.43 ID:A5UqdB5u0
目に見えて異常な変化が確認されなかったので、
炎魔に続いて一行も外に出た


中華「うん……?」

炎魔「あ、やっぱり変な感じしますよね?」


誰もが違和感を感じている
炎魔はそれを言語化することはできなかったが、
氷魔にはなんとなく分かっていた


氷魔「……これは……加護が失われた状態……でしょうね……」
265 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/08(金) 01:05:05.57 ID:A5UqdB5u0
本日はここまでです
ありがとうございました
266 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/08(金) 19:25:31.81 ID:A5UqdB5u0
やる気「ああ、この教会の神が守ってくれてたんすね」

ぶりっ子「あの女の子がここから出たがらないのも納得ですねぇ」


帝国領内に入ることは成功したものの、
現在位置は正確には不明のままである


怪盗「ともかく、この森を抜けましょう」
267 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/08(金) 19:29:45.45 ID:A5UqdB5u0
一行は静かな森をひたすらに進む
ずっと地下を移動していた彼らにとって、
森の清廉な空気は非常に心地よいものだった


狙撃少女「森の向こうに……ありますね、街が」

男「相変わらずだが……よく見えるな」

狙撃少女「空気が澄んでいるので、いつもよりちょっと遠くまで見えます」

中華「それで、どんな街が見えるんだい?」

狙撃少女「あれは……>>下1ですね」


1.辺鄙な村
2.普通の街
3.城下町
4.城塞都市
5.商業都市
6.自由安価
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/08(金) 19:34:22.53 ID:qJygMs7DO
1
269 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/09(土) 04:06:19.17 ID:gQqWPmZN0
狙撃少女「辺鄙な村ですね……あまり沢山の人はいなさそうです」

氷魔「……好都合ですね……あの教会から出てきたことを含め……叩けばホコリが出る身ではありますから……」


遠くにその村が見えてきた
居住地をはるかに上回るスケールの農園と、
こじんまりとした居住区が特徴的だ


やる気「あとは、どれだけ警戒されないかっすね」
270 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/09(土) 04:07:18.81 ID:gQqWPmZN0
本日はここまでです
ありがとうございました
271 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/09(土) 19:21:20.31 ID:q+GvBXtZO
村に入った一行は、
農作業を終えて日陰で休んでいる老人に遭遇した


ぶりっ子「こんにちは〜!」


全力で愛想を振り撒くのはまさしく彼女の得意分野だった
自らの孫を思い出したか、
老人はかなり上機嫌で挨拶を返してくる


老人「おお、こんにちは。旅の人かい?」
272 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/10(日) 04:30:06.58 ID:L9AguorT0
怪盗「はい、そうです!」

老人「それはそれは……元気がよくて結構なことじゃ」

炎魔「私なんかは元気が取り柄みたいな所ありますからね!」

狙撃少女「……つかぬことをお聞きしますが」

老人「うん?なんじゃ?」


狙撃少女は、彼に地図を見せた
273 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/10(日) 19:38:45.75 ID:L9AguorT0
すみません寝落ちしました


狙撃少女「ここは、この地図で言うとどの辺りでしょうか?」

老人「そうじゃな、だいたいこの辺じゃ」

狙撃少女「ありがとうございます」


礼を言ってから、その老人と別れた
狙撃少女は老人に言われた場所に印をつけている


男「それで……ここから目的地までは大体どのぐらい歩けば着きそう?」

狙撃少女「>>下1」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:05:02.89 ID:NyKeEZgZo
馬車に乗って1日くらいかの
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:05:33.19 ID:NyKeEZgZo
かの→かな
276 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/11(月) 01:25:49.72 ID:ob296oR50
狙撃少女「馬車に乗って1日くらいかな」

中華「うーん……結構遠いね」

氷魔「……帝国領は……かなり広いんですね……」

やる気「ま、のんびり行くっすよ。馬車は途中で拾えたらラッキーってことで」


実際、この農村に馬車は来ないだろう
作物を輸送するための馬車なら来るかもしれないが、
今は時期ではないと一行は判断した
277 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/11(月) 01:29:05.86 ID:ob296oR50
ぶりっ子「こういうとこを歩くのって、随分久しぶりな気がしますねぇ」


長閑な街道を進みながら、ぶりっ子はそう溢した


怪盗「確かに、最近はもっぱら馬車移動か、変な場所しか歩いてないかも」

狙撃少女「そうですね……散歩みたいで気分が楽です」

炎魔「天気もいいし、楽しいですね」
278 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/11(月) 01:31:57.47 ID:ob296oR50
本日はここまでです
ありがとうございました
279 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/11(月) 18:18:30.76 ID:ob296oR50
ひたすら歩き、太陽が西に傾きだした頃
街道のど真ん中に止まっている馬車のキャラバンを見つけた


男「ん……?」


どうやら彼らは何らかの事情で足踏みを余儀なくされているようだった
嘆息がときおり聞こえてくる


中華「なんだろう、あの商隊」
280 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/12(火) 01:11:36.15 ID:gRa4pk9S0
氷魔「……どうしたのですか……?」


脇から回り込み、
商隊の戦闘にいるリーダーらしき男性に話を聞く


商人「向こうの峠で土砂崩れがあったらしくてな、街道が使えないんだ」

やる気「ええっ!?」

商人「お前さんたちは歩きだろう?歩きなら、越えられないこともないはずだ」
281 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/12(火) 02:06:42.95 ID:gRa4pk9S0
本日はここまでです
ありがとうございました
282 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/12(火) 18:39:21.05 ID:gRa4pk9S0
ぶりっ子「そ、そうですかぁ……分かりました、気をつけますねぇ」

商人「ああ、まだ危険なことに変わりはないからね」


すぐ先は林道になっており、
そこを歩いていけば件の峠に出た


怪盗「うわぁ……行けるっちゃ行けるけど結構道塞がれてる……」


一行はどうにか堆積した土砂を避けたり、
あるいはその上を越えたりして進んでいく
283 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/12(火) 20:54:54.57 ID:gRa4pk9S0
狙撃少女「……んっ」

炎魔「どうしました?」


彼女はまた目敏くなにかを発見したようだ


狙撃少女「あそこ……なにかが露出していますね」


それは土砂が崩れてきたと思われる急斜面の上だった
崩れたぶんの土が抉れているが、
その奥になにかが見えていた
284 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/12(火) 20:57:20.84 ID:gRa4pk9S0
やる気「じゃあ、確認してみるっすよ!」

男「え?」


やる気は跳び上がり、斜面の上に着地する
そしてそのまま自身の槍で勢いよく土を薙ぎ払う


中華「……あれは」


取り払われた土砂の下から顔を出したもの
それは>>下1だった
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/12(火) 21:05:29.40 ID:WCPQ1ln60
青銅の箱…の様だが『生き』てる感触がある
286 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/13(水) 02:20:48.52 ID:Wq7GzFPZ0
本日はここまでです
ありがとうございました
287 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/14(木) 02:33:54.76 ID:8s/9tHyA0
すみません夕方ごろ書き込みに失敗してました


氷魔「……箱……?」

やる気「そうみたいっすね……っ!?」


彼は早速それを掴み取ったかと思えば、目を丸くした


ぶりっ子「ど、どうしましたぁ?」

やる気「……これ、生きてる気がするっす」

怪盗「どういうことです!?」
288 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/14(木) 02:37:05.77 ID:8s/9tHyA0
彼は実際に体感してもらったほうが早いとばかりに飛び降り、箱を差し出す
見れば色合いは深い青がまばらな濃淡を作る青銅のそれであった


炎魔「……うわっ!ほんとだ!」


炎魔はそれを触るや否や驚いて手をどけてしまう


狙撃少女「確かに……この感触、生命のような鼓動を感じます」
289 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/14(木) 02:39:28.24 ID:8s/9tHyA0
男「……確かにそうだな、なんというか……どう見ても金属なのに、触感だけ有機的だ」

中華「ってことは生きてるんじゃない?」

氷魔「……ありえますね……なぜそんなものがここにいるのかはまったく不明ですが……」


一行は珍妙な生物に慣れ始めており、
多分これは生き物だ、
という直感を信じるようになってきた


やる気「で!一番気になるのは……中身っすよね!?」
290 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/14(木) 03:06:50.10 ID:8s/9tHyA0
本日はここまでです
ありがとうございました
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/11/14(木) 10:15:22.79 ID:yQk2vml00
やるなぁ。
292 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/14(木) 19:34:54.63 ID:8s/9tHyA0
炎魔「それはそうですけど……」

ぶりっ子「ちゃんと箱としての機能があるならいいんですけどぉ……」

怪盗「がっつり生命体だったら内臓が飛び出ちゃうかもしれませんね!」

狙撃少女「私は……目を閉じておきます」


不安そうにしている者もいる中、
やる気は好奇心の赴くままにその箱を開ける


やる気「そりゃっ!」


>>下1……その中身
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/14(木) 20:08:22.71 ID:l8BXfM2+0
箱の大きさを無視した黒い『闇』が広がっていた。

驚いて閉じたが炎魔が再度開けると食べ物(特に肉)が箱いっぱいに詰まれてた
294 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/15(金) 04:57:15.52 ID:YFf3IYGa0
それを覗くやる気の瞳孔は真っ黒に染まった
無論彼の生得的な性質ではない
箱の中に広がっていた闇があまりにも広大で深いものだったからなのだ


男「お、おい……?」

やる気「ふんぬっ!!」


彼は思い出したかのように勢いよく箱を閉めた
それは驚くほどあっさりと閉じられ、
世界にはなんの残滓も残らなかった
295 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/15(金) 05:27:05.97 ID:YFf3IYGa0
本日はここまでです
ありがとうございました
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/11/15(金) 07:44:56.01 ID:KCqeJaCq0
ゼインが出てきそうな予感がする。
297 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/15(金) 19:47:33.72 ID:YFf3IYGa0
中華「な、なんだったの?」

氷魔「……なにか……ものすごい力を感じました……大きく……重い……」

やる気「なんつうんすかね?『闇』が入ってたっすよ」

ぶりっ子「闇ぃ?」


やる気の判断は正しかったが、あまりにも早すぎた
その場にいた者のほとんどが、その話に対しては懐疑的だった
298 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/16(土) 04:03:13.23 ID:SHVl5BgA0
炎魔「ちょっと確認しますねー」


彼女は迷わずやる気から箱をひったくる
そして少しだけ箱を開けて中身を見た


怪盗「どうですか!?」

炎魔「うん……?」


炎魔は不思議そうに鼻を鳴らしている
299 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/16(土) 04:17:11.86 ID:SHVl5BgA0
狙撃少女「闇じゃないんですか?」

炎魔「なんか美味しそうな匂いがします!」


彼女は開きかけていた蓋を勢い良く取り外す
そこに入っていたのは先ほどまでやる気が見ていた闇ではなく、大量の食べ物が密集したものだった


男「随分詰めたなー……」

中華「肉系のものが多いね」
300 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/16(土) 19:40:35.15 ID:SHVl5BgA0
すみません寝落ちしました


氷魔「……あまり……開け閉めしないほうがいいのかも……?」

やる気「そっすね……」

中華「ああ待って閉じないで。食材だけ回収するから」


彼がいくつかの食材を回収した後、
再びそれは閉じられた


ぶりっ子「また妙なものを手にいれちゃいましたねぇ」
301 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/16(土) 20:39:51.13 ID:SHVl5BgA0
一行は謎の箱を手に入れ、
その後は特にアクシデントもなく峠を越えた


怪盗「夕方ですねー」


そろそろ太陽がオレンジになる頃合いで、
どこか泊まれる場所を見つけたいところだった


炎魔「どうですか狙撃少女さん!街見えますか!?」

狙撃少女「はい、>>下1が」


1.辺鄙な村
2.普通の街
3.城下町
4.城塞都市
5.商業都市
6.自由安価
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/16(土) 20:44:57.97 ID:cc/iBLJs0
6.亜人や半人半魔、明らかに機械化してる人間が共存してる『街』
303 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/17(日) 04:15:31.65 ID:QWW4FDSB0
狙撃少女「『街』ですね……なんか妙な雰囲気ですけど」

男「安全そうか?」

狙撃少女「うーん……まぁ……そうですね……」


歯切れの悪い狙撃少女だったが、
強くは否定されなかったので一行は向かうことにした


中華「た、確かに……変わってるね」


近づくにつれ、その住民を確認するよりも前に奇妙な街の外観が確認できる
304 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/17(日) 04:24:22.57 ID:QWW4FDSB0
本日はここまでです
ありがとうございました
305 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/17(日) 19:39:14.35 ID:QWW4FDSB0
魔界のようと形容できるおどろおどろしい尖塔があったり、
高度な科学技術を感じさせる工場があったり、
あるいはオリエンタルな木造の建物があったりする


氷魔「……警戒はしましょう……」


一行が街に入れば、そこは活気に満ちていた
人々の多くは楽しそうで、
あるべき街の風景が繰り広げられている
ただし、それはものの見た目に頓着しない者に限っての認識だ
306 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/18(月) 01:39:23.31 ID:cV8ZCPlN0
やる気「ど、どうなってるんすか、ここ?」


メインストリートを歩くは、
明らかな亜人、悪魔の要素が混じったような人間、
それどころではなく無機質な機械的パーツで人体を構成する人間までもが闊歩しているのだ


ぶりっ子「入って大丈夫なんですかねぇ、ここ?」

炎魔「いいんじゃないですか?むしろ居心地がよさそうです!」


炎魔は無邪気にはしゃいで街へと入っていく
307 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/18(月) 02:58:31.05 ID:cV8ZCPlN0
男「んー……まぁ多様性ってやつか」


と言って男までもが入っていくので、
結局みな足踏みはできなかった


怪盗「半魔とか亜人って、まだちょっと慣れないんですよね」

狙撃少女「私はサイボーグの方が怖いですが……」

中華「機械化されてる人って、味覚あるのかな?」
308 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/18(月) 03:00:33.43 ID:cV8ZCPlN0
本日はここまでです
ありがとうございました
309 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/18(月) 19:46:41.78 ID:cV8ZCPlN0
一行はしばらく街を歩き、宿らしき建物を発見した
そして早速そこへ入っていった


氷魔「……すみませーん……」

女将「はーい、旅の方ですか?」

やる気「そっすよ、宿開いてるっすか?」

女将「はい、まだあります」

ぶりっ子「ここ、すごい色んな見た目……種族?の方がいらっしゃいますけどぉ……なんでなんですかぁ?」

女将「>>下1」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/18(月) 20:10:47.59 ID:P++uO9kDO
彼らはそれぞれの種族が文明の中心となった複数の平行世界から突然この世界に飛ばされたみたいなの

元々ここは普通の街だったけど、それぞれの元の世界に帰還するまで互いに協力するために今みたいな街になっていったのよ
311 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/19(火) 01:00:09.30 ID:/Z86OcWu0
女将「彼らはそれぞれの種族が文明の中心となった複数の平行世界から突然この世界に飛ばされたみたいなの」

怪盗「へ、平行世界……?」

狙撃少女「……不思議なこともあるものですね、なぜここに……?」


奇妙極まりない風景や不思議な風貌の種族たちが共存できていたのはそういう理由なのだろう


女将「それがまだよく分かってないのよ。……この辺りの時空が不安定だって話は聞くけれどね」

男「……結構最近のことなんですか?ここは昔から街だったのでしょうか」

女将「元々ここは普通の街だったけど、それぞれの元の世界に帰還するまで互いに協力するために今みたいな街になっていったのよ」
312 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/19(火) 01:05:13.75 ID:/Z86OcWu0
中華「よく平和が保たれてますね、あの状態で……」

女将「元々はみな不干渉だったわ。なんならうっすら敵対してて、嫌な雰囲気が街を覆っていたの」

氷魔「……そちらの方が……むしろ自然ですけれどね……」


誰もが分かり合えるなどあくまで理想論だと、
一行の多くも薄々思っていた


女将「ただ、帝国も異常に気付いたらしくてね……当時街の権力を握っていたのも平行世界から来た人たちだったから、自治を求めて内戦になったのよ」
313 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/19(火) 01:08:55.59 ID:/Z86OcWu0
本日はここまでです
ありがとうございました
314 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/19(火) 19:26:30.23 ID:/Z86OcWu0
やる気「この分じゃ、勝ってそうっすね」

女将「ひとまずはね。帝国の敗因としちゃ、人間用の武器や戦術が効かないやつと、魔物用のそれらが効かないやつらの混成部隊に苦戦したってのが大きいのよ」


この街の住人に適合する戦法が見つかれば、
帝国はこの街を攻め滅ぼすのだと彼女は暗に示している


ぶりっ子「やっばり、兵力差はキツいんですかぁ?」

女将「そうね、街一つと国一つじゃあねぇ……」
315 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/20(水) 01:35:33.87 ID:htFK/daW0
怪盗「でも、放っておけばこの街ももっと強くなりそうじゃないです?」

女将「私もそう思うわ。けれど帝国が次来るときは兵力を結集してくるはずよ」

狙撃少女「この前はそうじゃなかったんですか?」

女将「どうもそこかしこと戦争しすぎて、兵力が分散していたようなのよ。それで、今度からはもっと束ねて兵力を使うみたいよ」


この街がそれで滅びるかもしれない、
と一行は思ったがそれ以上の懸念があった
市長のいるあの街も戦争の対象だという点だ
316 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/20(水) 02:36:49.85 ID:htFK/daW0
本日はここまでです
ありがとうございました
317 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/20(水) 19:49:22.39 ID:htFK/daW0
炎魔「……大変ですね」

女将「ま、私もなんだかんだでこの街が好きだしね」


しばらく立ち話をして、一行は部屋に通された
商隊向けの部屋だったが、
そうでもなければ全員は一部屋に入らないのだ

まだ夕食までは時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/20(水) 19:56:20.68 ID:CYjLH/VDO
6
319 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/21(木) 02:40:40.00 ID:XLCqCfyv0
狙撃少女「ふふ……」


特になにか面白いものがあるわけでもないのに、
彼女は笑っていた
男はそれを不思議に思ったので声をかけることにした


男「……狙撃少女?どうした?」

狙撃少女「あ、いえ……」

男「なにか面白いものでもあったのか?」
320 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/21(木) 02:43:45.35 ID:XLCqCfyv0
狙撃少女「前にもお話したと思うのですが、私は小説などお話を書くのが趣味なのです」

男「ああ、なにせ読ませてもらったしね」

狙撃少女「最近は不死鳥に会ったり、テレポート装置を見つけたり……この街のように、不思議な場所を見つけたりして……とっても想像が膨らむんですよ」

男「なるほど、確かにインスピレーションを与える出来事は多かったな」


彼女はやたらに目がいいが、
自分の世界にそれを落とし込む洞察力とも関係しているのではないか、と男は考えた
321 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/21(木) 03:29:47.18 ID:XLCqCfyv0
本日はここまでです
ありがとうございました
322 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/21(木) 18:07:28.56 ID:XLCqCfyv0
狙撃少女「そうなんです、だからどんなお話を書こうかなって……考えてたんです」

男「なるほどな……」

狙撃少女「でも、扱える題材が多すぎて……取捨選択して、まとまりのある話にはしなきゃいけませんし」

男「そうだな」

狙撃少女「そこで!男さん……私を手伝うと思って、ジャンルだけでも指定していただけませんか!?」


と、彼は突如頼られる
ジャンルについて考えていたわけではなかったので少々驚いたが、どうにか答えを出すだろう


男「>>下1」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/21(木) 18:16:01.28 ID:myzdlCUl0
出会いと別れ
324 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/22(金) 04:04:25.47 ID:Ap38mybo0
男「出会いと別れ」

狙撃少女「……出会いと、別れ……」

男「月並みなアイディアだけどね」

狙撃少女「いいと思いますよ。……うん、話が纏められそうです」


彼女はそう楽しそうに語る
いつしか男も、話しかけられる前の狙撃少女のような優しい笑みを浮かべているのだった
325 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/22(金) 04:36:51.27 ID:Ap38mybo0
本日はここまでです
ありがとうございました
326 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/22(金) 20:18:40.03 ID:Wj24zuGKO
すみません遅れました


それから夕食の時間になった
女将さんが一部屋ずつ回って夕食を届けていくシステムである


女将「うちのご飯は旅人さんに評判がいいのよ」


そう言って彼女は大量の料理を持ってくる
そのいずれも見たことがない料理であった


中華「す……すごい!これは一体……!?」
327 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/22(金) 20:36:27.67 ID:Wj24zuGKO
女将「異邦人の方々に教えてもらった料理よ、見たことないでしょう?」


ところどころ異様なカラーリングになっている盛り付けもある


氷魔「……えぇ……とんでもないですね……」


女将「まぁ、そのまま作るととてもこっちの人間向きじゃない味のものもあるから……アレンジはしたけどね」
328 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/23(土) 03:23:10.63 ID:K7OLSc/V0
中華「……とても興味があります、レシピが知りたいですね」

女将「一応商売道具だから、教えられないわ。ごめんね」

中華「ですよね……」


料理の雰囲気としては、
和洋中の様々な料理にそれぞれ見えうる
しかし、あくまで女将によるローカライズの末にこうなっているものなので、果たして本当に味付けが一致しているのかは分からない


やる気「ま、とにかく食ってみるっすよ!」

炎魔「そうです、食べれば分かることもあるかもしれません!」
329 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/23(土) 04:04:29.44 ID:K7OLSc/V0
本日はここまでです
ありがとうございました
330 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/23(土) 18:14:05.62 ID:jhnDaKMdO
実際夕食の時間なのでみな大人しく席につく


ぶりっ子「……といっても、結構勇気がいりますねぇ」


とりあえず、無難なものから一行は食べ始めた
味は悪くなく、女将の再解釈はかなりうまくいっていることが分かる


狙撃少女「……さて、これですが……」
331 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/23(土) 18:16:26.43 ID:jhnDaKMdO
御櫃のようなものに入った、
サイケデリックなお粥のようなものがそこにはあった


男「凄まじいカラーリングだ」

中華「では、いただこうかなっ」


彼は怯むことなくそれを手元の器に盛り、
啜るようにそれを食べた


氷魔「……お味は……いかがでしょうか……?」

中華「>>下1」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/23(土) 18:34:38.48 ID:FyxReA1Ro
甘っ!!!
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/23(土) 18:35:22.30 ID:aqPNr1Lbo
なんと言うかカラフルな味?
334 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/24(日) 01:59:15.47 ID:VYZFSe/C0
中華「甘っ!!!」


彼は思わずそう叫んだ
口内に広がるどぎついスイーツのような甘味に、
さすがに狼狽えざるを得なかったようだ


やる気「甘いんすか!?」

中華「す……すっごく甘い。甘いと思って食べればまぁ美味しいかも」

ぶりっ子「そりゃいいですね、私甘いもの大好きなんですよぉ!」
335 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/24(日) 02:02:57.44 ID:VYZFSe/C0
一方のぶりっ子はそれを聞いて、
がつがつとそのお粥のような物体を食べ始めた


怪盗「私も甘いもの好きなんですよねー……あっま!!なんですかこれっ!!」

狙撃少女「そ、そんなにですか……っ!えふっ……こ、これは……!」


が、しかし二人連続で撃沈した
あまりにも強烈すぎる甘さに身を強張らせる


ぶりっ子「……どうしたんてすかぁ?」


しかしぶりっ子だけはとても美味しそうにそれを食べ続けている
許容できる最大の甘さが海よりも広いのだ
336 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/24(日) 02:54:42.08 ID:VYZFSe/C0
本日はここまでです
ありがとうございました
337 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/24(日) 19:46:23.18 ID:VYZFSe/C0
それからも一行は珍妙きわまりない料理たちを食べ、
騒がしく夕食を終えた


中華「得られるものは多かった……」

炎魔「いろんなもの食べられて、大満足です!」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 19:59:37.95 ID:X6ATjvAy0
8,拾って来た青銅の箱を観察して見る
339 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/24(日) 23:21:29.22 ID:VYZFSe/C0
夕食を食べて気持ちを切り替えると、
ふと彼の脳裏にあるものが思い浮かんだ
バッグを漁り、それを取り出す


男「……うぅむ」


青銅の箱であった
相変わらずその触感からは生命の息吹が伝わってくる


やる気「……開けるんすか?」

男「んー?うーん……」
340 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/24(日) 23:26:11.57 ID:VYZFSe/C0
やる気「やめといた方がいいっすよ?」

男「まぁ……なんかろくでもないもん見たんだよな?」

やる気「闇っすね」

男「……だが、もう一度開けたとき、それらは食物に入れ替わっていた」


少なくとも、
男たちがじっくりと見たのはそちらだった


やる気「次また闇が出てくるのかは実際、分からないっす」

男「だがリスクがある……どうしようかな」
341 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/24(日) 23:55:17.95 ID:VYZFSe/C0
本日はここまでです
ありがとうございました
342 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/25(月) 19:00:42.14 ID:Rf8IAOBj0
怪盗「大丈夫じゃない?」


好奇心の高い三人が集ってしまった


男「そうか?」

怪盗「やる気さんに箱押さえててもらって、ヤバいのが出たらまた閉じればいいんです!」

男「……まぁ、実際それでいけてたからな。じゃあ頼む」

やる気「これ貧乏くじじゃないっすか……?」


やや不満げなやる気をよそに、
男はまたその箱を開いてみた


>>下1……青銅の箱の中身
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/25(月) 19:15:33.38 ID:HveKJeyj0
男が開けたら空っぽ
怪盗が開けたら酒がぎっちりあった
344 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/26(火) 01:06:09.13 ID:DhSselsw0
男「うん……?」


それを開いた男は、
ただただ呆気に取られたような顔をしている
それもそうだろう、なにも入っていないのだ


怪盗「なにも、入ってない?」

やる気「っすね、どういうことなんすかね?」

男「……まさか……いや……」
345 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/26(火) 01:39:33.11 ID:DhSselsw0
本日はここまでです
ありがとうございました
346 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/26(火) 02:16:31.60 ID:DhSselsw0
本日はここまでです
ありがとうございました
347 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/26(火) 19:37:58.08 ID:DhSselsw0
怪盗「どうしたんです?」

男「……ちょっと、もう一回開けてみてくれ」


男はその箱を閉じ、怪盗に渡す
彼女は不思議そうな顔をしながらそれを受け取った


やる気「だ、大丈夫なんすか……?」

男「ああ、恐らく……」
348 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/27(水) 02:12:53.08 ID:lvCDDEvz0
怪盗「じゃ、行きますけど……」


やや不安げに鼓動するそれを開く


やる気「おおっ!これは!」

男「酒だ!」


箱一杯に酒瓶が敷き詰められている
その品質に関しては素人の男たちにはよく分からなかったが、ともかく酒が出現したのだ


怪盗「えぇっ!?お酒ぇっ!?」
349 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/27(水) 02:16:23.91 ID:lvCDDEvz0
やる気「おっと待つっす」


並外れた動体視力で怪盗の手癖を見切り、
酒瓶を掴み取ろうとするその腕を制止した


男「ナイス!」

怪盗「なにがナイスなんですかね!?いいじゃないですかお酒飲んだって!」

やる気「下戸の癖にがばがば呑むじゃないっすか!」

男「酒癖も悪いし……呑むなとは言わないが、多少管理させてくれ」
350 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/27(水) 02:23:02.70 ID:lvCDDEvz0
本日はここまでです
ありがとうございました
351 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/28(木) 02:04:49.21 ID:Oa85PCFD0
すみません送信できてませんでした




怪盗「知ったことですか!酒を呑ませなさい!」


と、現れた酒瓶を巡っての攻防が起こった
その攻防の間隙を縫って、
男はこっそりと青銅の箱をしまい直したのだった


やる気「ゲロ吐かれたら困るんすよ!」

男(微笑ましい争いだが……箱の管理に失敗すれば、笑えない戦いが起こるだろうな)
352 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/28(木) 02:08:55.85 ID:Oa85PCFD0
箱のことはなるべく話さないように皆に提言すべきかもしれない
そう男は思いながら寝る準備をした


怪盗「へっへっへ……」


怪盗はやる気から泣きの一杯を勝ち取り、
コップ一杯で泥酔して眠っている
平和的な解決がされたことに安堵しつつ、
男もまた眠るのだった


〜翌日・陽週金曜日〜


中華「さて、どうしようか?」
353 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/28(木) 03:00:40.48 ID:Oa85PCFD0
本日はここまでです
ありがとうございました
354 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/28(木) 19:39:02.93 ID:Oa85PCFD0
氷魔「……移動手段……ですね……」


馬車に乗っていけば目的地までそう遠くはない


ぶりっ子「久しぶりに徒歩で向かいたい気分ですねぇ」

男「うーん……」

狙撃少女「子供たちのことを気にしているのなら……多分大丈夫ですよ。図書館の街で非常に楽しそうにしていたので」
355 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/28(木) 21:18:38.84 ID:Oa85PCFD0
それから一行は宿をチェックアウトし、
奇妙な街の住人たちを観察しながら街を出た


【ギルドの資金】72145295


中華「本当はもう少し滞在したかったけれど……収穫はあったし、いいかな」

氷魔「……私も色々と気になりますが……用事が立て込んでいるのが残念です……」
356 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/28(木) 21:21:30.73 ID:Oa85PCFD0
目的地の方向へと続くは、
街とは打って変わってなんの変哲もない街道だった


炎魔「ほんと長閑ですね〜」

やる気「そっすね……お」


街道の向こうから歩いてくる者がいた
土砂崩れをした峠を越えて向こうに行くつもりか、
あるいは奇妙なあの街を目指す者だ


>>下1……街道を歩いてきた存在
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/28(木) 23:00:30.86 ID:irc07cyDO
大きな荷物を抱えた行商人
358 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/29(金) 02:10:14.12 ID:pUgkg1M10
随分と大変そうな存在が、
向こうからややふらつきながら歩いてきた


行商人「……はぁ……」

ぶりっ子「す、すごい荷物ですねぇ……」


丈夫そうなバッグをパンパンに歪ませて、
ずっしりとした荷物をどうにか運ぶ行商人が向こうからやってきたのだった


怪盗「こんなの一人で運ぶなんて、拷問じゃない?」
359 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/29(金) 02:13:46.59 ID:pUgkg1M10
本日はここまでです
ありがとうございました
360 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/29(金) 19:43:36.92 ID:pUgkg1M10
行商人「まったくだ、行商人なんて馬に乗って帳簿と算盤をいじる仕事だと思っていたのに」


汗を垂らしながら行商人は進む
それほどまでに重大な荷物なのか、
あるいは馬車を使えない理由があるのか


狙撃少女「しかし、なにを運んでいるんですか?」

炎魔「確かに気になりますね」

行商人「>>下1」
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/29(金) 20:00:37.54 ID:AWmo5rG20
東の国の特産品だ
362 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/30(土) 01:20:19.02 ID:9DQg+4qM0
行商人「東の国の特産品だ」

男「へぇ……重要なんですか?」

行商人「大層高く売れる。お前たちが出てきたあの街ではな」


動機としては、高く売れることのようだった


中華「へぇ……中身が関係あるの?」

行商人「いや……あまり関係ないかもな。そこの街のやつらはそもそもこの世界に馴染みがないから、異国の特産品に大きな価値を感じているんだ」
363 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/30(土) 01:24:26.41 ID:9DQg+4qM0
氷魔「……東の国の特産といえば……木材を細工して作った工芸品や楽器でしょうか……?」

行商人「そうだ、箪笥なんて生身で運ぶもんじゃない……お前たちも、引っ越しをするときは馬車を使うべきだ」


異常に膨らんだそのバッグの正体が、
ある程度分かってきた
しかし一行には彼を助ける動機がなかった


やる気「さらに先の峠じゃ、土砂崩れがあったらしいっすけど……」

行商人「もう聞いてるさ、というか……だからビジネスチャンスが生まれたんだ。どうにかこの体を滑り込ませて金を産んでやる」
364 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/30(土) 01:26:51.03 ID:9DQg+4qM0
本日はここまでです
ありがとうございました
365 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/30(土) 18:56:19.75 ID:9DQg+4qM0
そう言って、商魂逞しい商人は歩いていった


ぶりっ子「大変ですねぇ、商人さんも……」


それから一行はひたすら街道を進んだ
魔物が現れたりもしたが、
街道に出るようなレベルの魔物はもはや敵ではなく、
軽くひねってピクニック気分でさらに道を進む
366 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/11/30(土) 22:11:22.67 ID:9DQg+4qM0
狙撃少女「あれ、まずくないですか?」


彼女の指す先には一つの村があったが、
そこからは激しく黒煙が立ち上っていた


怪盗「んー……あれじゃないですか?農業が終わった後になんか焼くやつ」

男「あんな煙出るかなぁ……」

中華「いや!なに呑気に見てるのさ!行かないと!」
367 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/01(日) 04:07:52.88 ID:uhx8Xr2O0
本日はここまでです
ありがとうございました
368 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/01(日) 19:23:28.69 ID:uhx8Xr2O0
万が一ということがあるので、
一行はその村に急行した


氷魔「……火事でなければよいのですが……」

炎魔「私にも消火能力があればよかったんですけどね」


村の入り口を潜り抜ける
特になんの変哲もない木造のゲートに、
その村の名前が記されているシンプルなものだった


やる気「あの辺からっす!」


>>下1……煙の発生源はどうなっていたか
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 19:41:36.84 ID:CKwMkDg/0
『村』その物と言うほどに家屋とかが焼かれていた。
目に見える限り、『焼け焦げた』遺体が倒れてる
370 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/01(日) 23:12:06.37 ID:uhx8Xr2O0
ぶりっ子「うっ……」


そこは慄然とさせられる有り様であった
村は既に燃えていたのだ
家屋という家屋は全て既に焼かれた後なのである


怪盗「さ、最悪……」


そして、無数の焼死体もまた散乱していた
ひどい有様であり、
一行もこれほどの事態を確認したことはなかった


狙撃少女「ひどいですね……」
371 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/01(日) 23:15:49.76 ID:uhx8Xr2O0
男「……みんな、警戒を」

中華「ただの火事じゃなさそうだね」

氷魔「……先ほど……行商人の方とすれ違いました……これほどまでに村が焼けているのであれば……彼もそのことを知っていておかしくないはずです……」

炎魔「ってことは、これ……」

やる気「ついさっき、誰かがこれをやった。そう判断するべきっすね」


村一つを燃やし尽くすほどの存在が、
そう遠くない場所にいる
それがまだここに潜んでいるのか、
そうでないのかすら不透明だった
372 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/02(月) 00:29:44.87 ID:nYcM2Fih0
本日はここまでです
ありがとうございました
373 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/02(月) 19:13:05.19 ID:nYcM2Fih0
ぶりっ子「そんなのと戦いたくないですよぉ」

炎魔「私も怖いです……」

怪盗「二人は炎系の攻撃効かないんだから前に立ってくれないと困るんですけど!?」


陣形としては、最外周にぶりっ子と炎魔を置き、
他のメンバーが寄り集まっている形だ
374 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/02(月) 19:17:25.69 ID:nYcM2Fih0
狙撃少女「視認できる範囲には……なにも居なさそうです。村で遮蔽も多いので、気休めにもなりませんが」


油断せず着実に、村を探索していく
人の焼けた臭いだろうか、焦げ臭いほかにも、
生理的に厳しい悪臭が時折風に乗ってくる


男「っ!誰だ!」


近くの茂みががさりと動いた
もしかしたら野生動物かもしれないが、
なんであれ今は無視できない
沈黙がしばし場を包むと、茂みからそれは出てきた


>>下1……茂みの中にいた存在
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/02(月) 19:46:08.18 ID:JPjg/1Z50
アルビノに近い白い肌の中性的な少年(かなりボロボロ)
376 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/03(火) 01:29:14.83 ID:zVKNuZL70
少年「………………」


現れたのは一人の少年だった
その肌は病的なまでに白く、色素が抜け落ち気味だ
ひどくぼろぼろで瞳孔も震えているが、
その眼光の鋭さは本物だった


中華「子供……?」

氷魔「……油断しないでください……まだ彼が安全と分かったわけではありません……」
377 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/03(火) 01:32:13.24 ID:zVKNuZL70
本日はここまでです
ありがとうございました
378 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/03(火) 19:48:47.30 ID:zVKNuZL70
彼はただじっと一行を見つめている
だが、次第にその眼すらブレはじめる


少年「…………っ」


そして、ついに彼は倒れた
よく分からないが、肉体または精神、
あるいはその両方が極限だったのだろう


やる気「あっ」

ぶりっ子「……えっ、どうしますこの子」
379 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/04(水) 02:31:54.07 ID:9nmOOAQA0
怪盗「いくらなんでも捨て置くのは……」

狙撃少女「……そうですね、なんとしてでも……彼は保護したいです」


かつて身寄りのない子であった彼女には、
その少年の姿になにか使命を感じずにはいられなかった


男「……仕方ない、一旦連れていくか」

炎魔「なら、私にお任せっ!温かいし、もしこの子が炎を放つような存在だったとしても私には効きません!」
380 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/04(水) 02:35:58.62 ID:9nmOOAQA0
一行は警戒しながら村を出た
結局、危惧していたような存在に直接遭遇することはなく、また街道へと出たのである


中華「……さて、怖いのはさらに向こうの村や街だね」

氷魔「……そうですね……放火した存在が……そちらに向かっている可能性は少なくありません……」

やる気「ま、もし逆側に向かってたとしても謎の種族の人達とか異次元の技術に鎮圧されそうっすね」

ぶりっ子「旅路を急いだほうがいいかもしれませんねぇ」
381 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/04(水) 02:38:26.88 ID:9nmOOAQA0
本日はここまでです
ありがとうございました
382 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/04(水) 19:27:22.69 ID:9nmOOAQA0
やや急ぎ足で街道を進む
少なくとも、そこから見える森や、
街道の脇に息づく緑が燃やされている様子はない


怪盗「そろそろ次の街ですね」

男「そうだな……燃えてるかい?次の街」


そう問えば、狙撃少女は遠くへと目線を飛ばし始める


狙撃少女「>>下1」
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/04(水) 19:40:18.06 ID:KDbNSXZL0
「見た感じ、騒いでる様子がない様ですが」
384 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/05(木) 03:54:14.43 ID:O6TpL6hu0
狙撃少女「見た感じ、騒いでる様子がない様ですが」

中華「大丈夫そうだね、よかった」

氷魔「……火の用心だけは……しっかりとしましょう……」

やる気「先は急ぐし、あそこは寄らずにいくっすか?」

ぶりっ子「隣の村が燃えたことを伝えたい気持ちもありますがぁ……」
385 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/05(木) 03:57:33.84 ID:O6TpL6hu0
本日はここまでです
ありがとうございました
386 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/05(木) 18:36:09.20 ID:O6TpL6hu0
一行は先を急ぐことにした
明日には目的地に着けるはずである


怪盗「しかし、帝国といえばがちがちな感じを想像していましたが……あんまりディストピア感ありませんね」

炎魔「人が住めば人の国ですからね」

狙撃少女「すごい、格言みたいなこと言ってます」
387 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/06(金) 01:49:57.46 ID:/Ud4hCib0
話しつつ歩いていると、道の様子が変わった
今まで歩いていた街道は土を均したものであったが、
それが石畳へと変わったのだ


男「首都に近づいてきたのかな」

中華「多分ね」

氷魔「……私たちが目指している街と首都は別ですが……そう遠くもありませんから」……」
388 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/06(金) 01:53:06.28 ID:/Ud4hCib0
そして、この日もまた日が暮れてきた


やる気「距離的には……どんなもんなんすか?目的地まで」

ぶりっ子「ええっとぉ……明日の朝出発して、昼前には着く感じですねぇ」

怪盗「うーん……無理に進むのは憚られる絶妙な距離ですね」

炎魔「この子も背負っているんですから、あんまり無茶したくないです!」


彼女は中性的な彼を指し、そう主張した
389 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/06(金) 01:54:11.86 ID:/Ud4hCib0
本日はここまでです
ありがとうございました
390 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/06(金) 19:09:19.12 ID:mYQPvXxKO
狙撃少女「そうですね……」


二人が随分少年に入れ込んでいるのを見て、
男はやや危機感を覚えた
いざとなったとき、本当に頼れるのは恐らくぶりっ子であろうと彼は考えた


男「……さて、街が見えてきたな」


その日宿泊する予定のある街がその姿を鮮明にしていく

>>下1……どんな街か

1.辺鄙な村
2.普通の街
3.城下町
4.城塞都市
5.商業都市
6.自由安価
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/06(金) 19:27:34.54 ID:6Lt1fqjbo
4
392 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/07(土) 02:03:32.32 ID:fECoksee0
巨大な煉瓦造りの壁が夕霧に見える
そこにそびえるは帝国の城塞都市だった


中華「よし、入ろうか」

氷魔「……待ってください……あれを……」


街の入口には兵士が立ち、検問をしている
旅人だからといって入れないことはないはずだが、
彼らは見られたら面倒なものは沢山持っているし、
説明しがたい少年も連れているのだ
393 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/07(土) 02:07:37.25 ID:fECoksee0
ぶりっ子「どうしますぅ?」

男「……まぁ、ものは意外とどうにかなりそうかな」

怪盗「じゃあ、ヒトですね」

炎魔「あー……結構リスクあるよね、この子見せるの……」

怪盗「はっはっは、私を誰だと思っているんです?その子を私に寄越しなさいな」


怪盗は炎魔から少年の身柄を渡してもらい、
そのまま背負った
394 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/07(土) 02:08:57.22 ID:fECoksee0
本日はここまでです
ありがとうございました
395 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/07(土) 19:42:30.43 ID:fECoksee0
それから一行は衛兵の前に歩み出た


衛兵「止まれ!」

狙撃少女「はい……」


ちらりと彼女が後ろを振り返れば、
そこにはもう怪盗の姿はなかった
いつの間に消え失せたのか、と少し恐怖している


男「検問ですか?」

衛兵「そうだ」
396 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/07(土) 21:44:37.80 ID:fECoksee0
中華「分かりました」

衛兵「荷物を改めさせてもらおうか」


そう言って彼は荷物を探り始めた
だが、運ぶ必要のあるモノは単なる花であるし、
それ以外の珍妙なアーティファクト群も一見して異常なものではない場合がほとんどだ


氷魔「……ここでは……いつも検問をしているのですか……?」

衛兵「>>下1」
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 22:10:01.39 ID:XNetmNbDO
良くわからないがこの二人の子供を保護しろと命令がきてるのだ
(教会にいた気弱少女と保護した少年の似顔絵を見せる)
398 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/08(日) 01:50:44.94 ID:EqUVdTS40
衛兵「良くわからないがこの二人の子供を保護しろと命令がきてるのだ」


彼は懐から似顔絵を二枚取り出した
片方には幸薄そうな少女の顔が、もう片方には深刻そうな少年の顔が描かれていた


やる気(!これは……)


間違いなく、片方は教会にいる気弱少女の顔であり、
もう片方は怪盗と共にどこかへ隠れた少年の顔だった


ぶりっ子「へぇ、迷子なんですかぁ?」

衛兵「そうなのだろうか……荷物を改めてさせてもらったのも、袋の中にこの子らがいないか確認するよう言われているからなのだ」
399 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/08(日) 02:46:16.17 ID:EqUVdTS40
本日はここまでです
ありがとうございました
400 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/08(日) 19:43:06.85 ID:EqUVdTS40
狙撃少女「迷子だったら、そんなことしなくてもいいはずですが」

衛兵「うむ……まぁ、命令は命令だ。通ってくれ」


どこか指示に納得のいっていなさそうな彼を尻目に、
一行は城塞都市へと入っていった


怪盗「どうでした?」

炎魔「……えっ、もう中にいたんですか?」
401 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/09(月) 02:57:25.55 ID:TvB2ZZrk0
怪盗「ナメてもらっちゃ困ります、私はこれでも最高の怪盗なんですよ」

男「まぁ、そうだな……捕まえるのもやたら苦労したし」

狙撃少女「へぇ、そうなんですね……」

やる気「ありゃ酷かったっすね、通気口に入り込んで______」

怪盗「わーっ!わーっ!その話はナシ!」

炎魔「えー!?めちゃくちゃ聞きたいですんですが!」
402 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/09(月) 03:08:59.93 ID:TvB2ZZrk0
本日はここまでです
ありがとうございました
403 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/09(月) 19:43:48.75 ID:TvB2ZZrk0
それから一行は宿を取ることにした
広い街なので宿探しに困ることはなく、
少年を隠して部屋を取ることができた


中華「帝国はどこ行っても広い部屋があっていいね」

氷魔「……そうですね……さて……」


一行は少年を備え付けのベッドに寝かせる


ぶりっ子「しっかし、ずっと寝てますねぇ……」

中華「心配だなぁ、あんまり栄養が足りてないように見える」
404 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/09(月) 22:02:06.33 ID:TvB2ZZrk0
中華は備え付けの簡易厨房でお粥を作り始めた
それからも一行は少年を見守り続けた


男「………………」

少年「……っ」

男「動いた……」


少年は全身を強張らせ、震えながら目を開いた


氷魔「……おはようございます……」

少年「>>下1」
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/09(月) 22:06:33.65 ID:mip8oIPn0
突然ベッドから跳ね起き、『血』の様な色の短剣を精製する
警戒しながら「あんた達は帝国兵や科学者たちか?」と問う
406 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/10(火) 00:25:06.48 ID:OzJ2PYUm0
筋肉の痙攣したアンデッドが横たわった状態から飛び上がるような動きで少年はベッドから起きる


少年「あんた達は帝国兵や科学者たちか?」

やる気「……違うっすけど。その武器は下ろして欲しいっすね」


少年は腰を落とし、両腕をクロスして構えるとその手に短剣を精製する
その色は赤黒く濁っていて、
まるで血の色のようだった
407 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/10(火) 00:33:37.15 ID:OzJ2PYUm0
炎魔「こらーっ!そんな物騒なことしちゃだめです!」

少年「!?」


炎魔はベッドの上で周囲を睨みつける少年の前に立ちはだかる


炎魔「どこから出したんですか、こんな武器!」

少年「ふ、触れるなッ!斬るぞ!」

炎魔「いいですよ、私には痛くも痒くもありませんから」

少年「な……なんだこの女……」
408 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/10(火) 02:12:27.86 ID:OzJ2PYUm0
本日はここまでです
ありがとうございました
409 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/10(火) 19:48:14.71 ID:OzJ2PYUm0
炎魔「私たちはあなたが危惧するような者ではありません」

少年「………………」

炎魔「その、なにも信じられない顔……放っておけません。かつての私のようで」

少年「……ふん」


少年は殺気を収めた
そして炎魔と向かい合っている


炎魔「あなたの身の上についてとやかく聞くつもりはありません……私が聞きたいのは、あなたがどうしたいかです。本心でお答えくださいな」

少年「>>下1」
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/10(火) 19:53:14.77 ID:GuKFdw2/0
…帝国から、逃げたい…
411 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/10(火) 23:46:14.33 ID:OzJ2PYUm0
少年「…帝国から、逃げたい…」

ぶりっ子「だったら、私たちが保証してあげてもいいですよぉ」

狙撃少女「寄り道はしますが……」

少年「……帝国から出られるなら、それでいい」

男「ん……じゃあそういうことで。ちなみにご存知かも知れないが、君は今指名手配されているから気をつけてくれ」
412 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/10(火) 23:48:57.23 ID:OzJ2PYUm0
と、ひとまず場が落ち着いた所で中華が戻ってきた


中華「お粥できたよ〜」

氷魔「……だそうです……あなたの分ですよ……」

少年「い、いいのか?」

中華「当たり前じゃないか、君は大分色白だけど、それを差し引いても顔色がよろしくない。栄養を取るんだよ」

少年「ありがとう……」


そう、ぎこちなく彼は口にした
感謝を述べるような機会がほとんどなかったのだろう
413 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/11(水) 00:26:33.03 ID:/1eUAjnT0
本日はここまでです
ありがとうございました
414 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/11(水) 19:04:02.03 ID:/1eUAjnT0
彼はがつがつとお粥を食べ始めた


やる気「米があってよかったっすね」

中華「うん、どうも帝国じゃ穀物は安いみたいだね」

ぶりっ子「領土は広いですけどぉ……ぶっちゃけほぼ田舎ですよねぇ。だからお安くいただけるんでしょうけど」

怪盗「帝国やるんだったらそれでいいでしょうねー……」
415 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/12(木) 01:46:54.89 ID:E3GZvXnu0
そんなことを話していると、夕食が運ばれてきた
それらを取り分け、
少年の分を用意してから夕食に入った


少年「……なぜ、よくしてくれるんだ?」

狙撃少女「私たちがそういう集まりだから、ですね」

男「ふふっ……ま、そうだな」

狙撃少女「その意味ありげな視線をやめてください……」
416 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/12(木) 19:19:11.11 ID:E3GZvXnu0
すみません寝落ちしました


中華「そうだ、さっきも言ってたけど僕たちはちょっと寄り道する必要があるんだ」

少年「安全ならいいけど……」

氷魔「……それが分からないんですよね……依頼人が依頼人なので……」

やる気「ま、多分そんな時間は取らないっすよ」

少年「そう……」
417 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/12(木) 21:20:43.71 ID:E3GZvXnu0
まだ抑圧的な雰囲気の少年と共に一行は夕食を終えた


ぶりっ子「明日からは今日までみたいにのんびりしてもいられませんねぇ」

怪盗「私は久しぶりに怪盗らしいことできて大満足です」

狙撃少女「あれ、すごかったですね……どうやったんでしょう?」


まだ眠るまでは時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.自由安価
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/12(木) 22:01:03.21 ID:d2JEZg8Z0
8番
419 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/13(金) 02:08:50.60 ID:dWzrcQEf0
男「やぁ少年」

少年「あ、どうも……」


彼は気さくに声をかけたが、
やはりまだどこか警戒されている
彼になにがあったのかは分からないが、
それだけの事情があるのだろうと考えた


男「みんな、いいやつだからな。信頼してやってくれ」

少年「そう、っすね……」
420 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/13(金) 02:32:11.26 ID:dWzrcQEf0
本日はここまでです
ありがとうございました
421 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/13(金) 18:37:09.01 ID:Pf63WEDTO
男「しかし、君……結構強そうだな」

少年「最低限戦えなければ、どこかで野垂れ死んでた」

男「……なんか、緊張してない?もうちょっと肩の力を抜いたらどうかな」

少年「……あんたのことは、信頼するように言われていない」

男「ははっ、そういえばそうか」

少年「はっきり言って、そうでなくともあんたが一番怪しい」
422 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/13(金) 19:16:25.18 ID:Pf63WEDTO
少年はじろりと男に目を向けた


男「ま、最初一番警戒してたのは俺かもしれないな」

少年「……それと、あんまり強そうに見えない。ここにはいっぱい人がいるけど、下から数えたほうが早そう」

男「それは……そうかも」

少年「俺とどっちが強いと思う?」

男「分からん。一本勝負なら俺が勝つけど」

少年「へぇ?」

男「戦いたそうにしないで……アレ負荷すごいんだから」
423 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/14(土) 04:12:56.22 ID:ggvltnOJ0
本日はここまでです
ありがとうございました
424 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/14(土) 18:47:41.66 ID:ggvltnOJ0
少年「ふーん」

男「まぁ、あれだな……子供に信用されてないってのは結構メンタルにくるし」

少年「…………」

男「なにか俺に質問があれば答えよう、それでちょっとは信用してくれ」


そう聞くと、少年は少し考える体勢に入り、
また男の方を見て口を開いた


少年「>>下1」
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 18:51:01.89 ID:MnCqx+3DO
貴方にとって「強さ」とは何?
426 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/15(日) 03:21:33.96 ID:BnAl1Hnt0
少年「貴方にとって「強さ」とは何?」

男「そりゃ重い命題だな、少年」

少年「答えてくれるんでしょ?」

男「まぁな……」


彼にとっての強さとはなんなのか
それは自身と向き合う問いである
特に氷魔ややる気のような『武力』としての強さをいつでも発揮できる訳ではない男にとって、
簡単に答えられる質問ではなかった
427 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/15(日) 03:24:41.03 ID:BnAl1Hnt0
少年「分からない?」

男「……いや、強いて言うなら……『信じること』かな」

少年「俺を疑ってたのに?」

男「みんながお前を疑わないことを信じてたから、俺が疑うしかなかったの」

少年「ふぅん」

男「みんなが上手くやれるって信じてきたから、今俺はここにいる。それに……」

少年「?」

男「俺の……いや、俺たちの『切り札』も信じる心によるものだからな」
428 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/15(日) 03:30:25.24 ID:BnAl1Hnt0
本日はここまでです
ありがとうございました
429 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/15(日) 19:52:22.00 ID:BnAl1Hnt0
少年「まるでヒーローだ」


年相応の子がヒーローに言及するとき、
決まってそれは憧れであることを滲ませる


男「いたいけな少年を疑うヒーローはいないさ」


だが、彼の表情にはそういったものがなかった
むしろ、なにかしらの皮肉として口にしていると、
それを見た誰もが思うだろう
430 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/16(月) 02:24:14.59 ID:3ITYtLtH0
少年「ふっ……なんだか、信用できる気がしてきた」

男「そうか、それはよかった」


少年は、男たちと出会ってから初めて面白そうに笑った


少年「少なくとも、帝国のやつらとは違うな」

男「それはどうかな……まぁ、君が考えてるような悪い大人にはならないよう努力してるけど」
431 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/16(月) 02:29:48.20 ID:3ITYtLtH0
本日はここまでです
ありがとうございました
432 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/16(月) 19:27:23.87 ID:3ITYtLtH0
そんなことを話しているうちに、就寝時刻になった
明日に備え、一行は眠る

〜翌日・陽週土曜日〜


中華「さぁ、行こうか」

氷魔「……出るときはまたお願いしますよ……怪盗さん……」

怪盗「お任せっ!」


一行は宿からチェックアウトし、
そのまま都市の出入口に向かった


【ギルドの資金】72130295
433 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/17(火) 02:52:03.18 ID:BihpAKI30
やる気「しっかし、行けば分かるってどういうことなんすかねぇ?」

少年「なんのこと?」

ぶりっ子「私たち、お届けものを預かってるんですよぉ」

少年「へぇ」

炎魔「でも、どの街に届ければいいかまでしか分かってないんです」

少年「なんだそりゃ……」


アバウトな依頼内容に、少年も呆れ顔だ
434 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/17(火) 02:54:39.28 ID:BihpAKI30
狙撃少女「こう、置いておけばいいようなものだったらまだ分かるんですけど、お花なんですよね」

少年「……隠語?」

男「教育に悪いもんばかり見てないとそんなこと言わないぞ……本当に花だ」

中華「隠語?」

氷魔「……こっちは……隠語とはなにかが分かってなさそうですが……」

やる気「なんか、調味料の名前言い換えたりすることないっすか?それみたいなもんっすよ」

中華「あぁ!なるほどね!」
435 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/17(火) 03:58:17.69 ID:BihpAKI30
本日はここまでです
ありがとうございました
436 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/17(火) 18:31:35.77 ID:BihpAKI30
それからは、
入ってきたときと同じように門を抜けて街を出た


少年「うぅっぷ……」

ぶりっ子「どうしたんですかぁ?」

少年「よ、酔った……」

怪盗「随分三半規管が弱いんですね」

炎魔「怪盗さんが妙な挙動したんじゃないかと思うんですけど……」
437 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/17(火) 18:34:36.06 ID:BihpAKI30
狙撃少女「ああ、そういえば……帰り道でどうせ会うことになるので、聞いておくべきことがあります」

少年「ん?なんのことだ?」

狙撃少女「私たちはある廃教会からここまで歩いてきたのですが……そこには、やけにボロボロの服を着た少女がいまして」

男「幸薄そうで敬虔な感じのな」

狙撃少女「実は、あなたと同様に彼女も捜索されているようなのですが……お知り合いですか?」

少年「>>下1」
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/17(火) 19:29:57.14 ID:cr80+N+7o
彼女を見たのか!?
439 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/17(火) 20:35:12.18 ID:BihpAKI30
少年「彼女を見たのか!?」


少年は分かりやすく取り乱した
どうやら知り合いであるようだ


中華「そりゃもう見たし話したし、どこにいるかも分かってるよ」

少年「そうか……」

氷魔「……大切な方なのですか……?」

少年「な、なんか含みがあるな……」

やる気「少なくとも縁はありそうっすね」
440 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/18(水) 02:33:55.94 ID:4PDXyVZj0
少年「まぁ、仲間だな……あいつは」

ぶりっ子「へぇ〜……」

少年「なんだよその眼は」


自分を探られることに人一倍反応する彼は、
一部の邪推が好きな女性陣から好奇の視線を向けられながら街道を行くのだった


怪盗「なんか、警戒心の強い小動物みたいでいいですね」
441 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/18(水) 02:36:07.20 ID:4PDXyVZj0
本日はここまでです
ありがとうございました
442 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/18(水) 18:57:32.09 ID:4PDXyVZj0
狙撃少女が街道の向こうから来る人を察知して少年を隠し、また出すということを繰り返しながら、ついに一行は目的の街に到着した


狙撃少女「ううん、普通の街ですね」

炎魔「帝国の中心部に近いだけあって結構大きいですけど、それだけかなぁ?」


とどこの誰に届ければよいのか考えていると、
突如一行の持っていた水色の薔薇が輝きだした


男「な、なんだ!?」


>>下1……なにが起こった?
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/18(水) 19:28:51.93 ID:j/T9j+WR0
街の中の一角が、水色の薔薇と同じ光を発してた。 その一角からは建物らしきものは見えない様だが?
444 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/19(木) 02:59:23.21 ID:JlVCNSGX0
中華「あれ?なにも起きない……」


しばらく一行は身構えたが、
薔薇は輝くばかりでなにも起こさなかった


氷魔「……なんだったのでしょうか……」

やる気「あっ、あれ!」

ぶりっ子「えっ……?」


彼の指す先からは、
その薔薇のような光が見えた
空に向けて、青い光が放射されている
445 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/19(木) 03:10:37.26 ID:JlVCNSGX0
本日はここまでです
ありがとうございました
446 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/19(木) 18:25:58.49 ID:JlVCNSGX0
炎魔「これは負けていられませんね!」

怪盗「あんたまで光ったら目立ちすぎるっ!」


発光しようとする炎魔を怪盗が軽く叩いて止めた


炎魔「ぶたれた……」

狙撃少女「はいはい、行きますよ」


一行はその青い光の元へと向かうのだった
447 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/20(金) 02:13:13.12 ID:9PkZGMLd0
男「んー……妙だな」

中華「え?」

男「あっち、建物なくね?」


一行はどんどん町外れの建物のない場所へと向かっていた
光がそこから立ち上っているのだが、
そこに建物はなさそうなのだ


氷魔「……受取人がいるのでしょうか……」
448 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/20(金) 02:22:14.69 ID:9PkZGMLd0
本日はここまでです
ありがとうございました
449 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/20(金) 19:37:21.53 ID:9PkZGMLd0
街の人々に光は見えていないようで、
発光する薔薇にも向こうにある光の柱にも、
まるで反応していない


やる気「そろそろ着くっすね」


ひたすら町外れへと歩き、
ついに一行は光の根元へと到着したのだった


>>下1……そこにあったのは
1.家
2.墓
3.なにもない空き地
4.自由安価
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/20(金) 19:47:04.23 ID:5oKGanM50
4.空間の歪み
451 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/20(金) 20:41:00.00 ID:9PkZGMLd0
ぶりっ子「っ……!?」


そこには、空間の歪みがあった
歪曲された空間が靄のようになり、
その先をぼかしている


怪盗「こ、この先に行かなきゃならないの?」

狙撃少女「でしょうね……困りました」

男「すまん、寄り道……長くなりそうだ」

少年「寄り道で済みそうか?」

男「済ましたいな」
452 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/21(土) 02:51:52.43 ID:ksR4H3GH0
中華「まぁまぁ、もしかしたら、向こうは誰かの家かもしれないよ?」

氷魔「……十分ありえます……外れとはいえ街中……こんなものがあったら騒ぎになっていそうですから……」

やる気「誰かの家ではないにしろ、みんなに知られた場所かもしれないっすね」

ぶりっ子「もし、青い薔薇に反応して歪みが発生したのだとしたら……?」

炎魔「だとしたら……なにがあってもおかしくないですね……」
453 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/21(土) 03:58:31.35 ID:ksR4H3GH0
本日はここまでです
ありがとうございました
454 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/21(土) 18:49:14.27 ID:ksR4H3GH0
狙撃少女「どの道行くしかないです。行きましょう」

男「そうだな」


男は先陣を切って、その時空の歪みへと歩んでいく
それに触れた瞬間、その肉体も歪みと同期し、
どこかへと転送された


中華「僕たちも行こうか」


>>下1……どこに繋がっていた?
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/21(土) 19:26:00.51 ID:ii5ih+UI0
何処か分からない、多少暗い大聖堂の中の大通路
456 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/22(日) 02:33:26.83 ID:ApD2baZc0
そこの空気は張り詰めていた
柔らかな光がどこからか差し込む通路である


氷魔「……採光が甘いですね……光は差しているのに暗いです……」

やる気「壁の白磁っぽい感じとか、そういう不合理な建築様式でまで権威を出そうとする感じ……聖堂か城っすね」

ぶりっ子「っ……」
457 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/22(日) 02:40:36.28 ID:ApD2baZc0
突如、どこからか鐘の音がした
荘厳でよく響く、とても巨大なそれが鳴らされている


怪盗「聖堂っぽいですね」

狙撃少女「誰かが鐘を鳴らしているのかもしれません、行ってみましょう」

炎魔「そうですね、この薔薇を待っている人かもしれません」

男「ああ、喚ばれているようだ、この鐘の音は……」
458 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/22(日) 02:43:42.39 ID:ApD2baZc0
本日はここまでです
ありがとうございました
459 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/22(日) 19:20:55.50 ID:ApD2baZc0
巨大な通路を音に導かれ進めば、外に出た
そこはかの魔王が治めているような、
どこまでも花が咲き乱れる地だった


中華「うーん、圧倒されるね」

氷魔「……鐘は……あそこですね……」


きょろきょろと周りを見回した氷魔が、鐘を発見した
そのたもとには>>下1が居た
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/22(日) 19:28:34.36 ID:ne5jEP3DO
双子らしい男女の子供
461 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/23(月) 01:43:55.46 ID:foHr1QT50
双子「「ようこそ、僕たちの領域に」」


そこにいたのは、双子の男女だった
姿は幼く、今連れている少年とさほど変わらない年頃だ


やる気「二人揃ってご挨拶とは、恐縮っすね」

ぶりっ子「持ってきましたよ、青薔薇!」


彼女が預かったそれを出すと、
二人は片手ずつ差し伸べてそれを取った
462 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/23(月) 03:20:21.48 ID:foHr1QT50
本日はここまでです
ありがとうございました
463 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/23(月) 19:48:00.38 ID:foHr1QT50
双子「「ありがとう」」

怪盗「いえいえ、仕事ですから!」


双子は薔薇を持ったまま、
一行にうやうやしく頭を下げた


双子「「ぜひ、お礼をさせて欲しいんです。ここに泊まっていかれてはいかがですか?」」

狙撃少女「魅力的なお誘いですが……」
464 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/24(火) 01:51:08.65 ID:AqUzRJLE0
男「俺たちは、この子を連れて帰らなければならないんだ」

少年「………………」


目の前にいる、
異質すぎる双子に少年は口を噤んだままだった
一行はそうした高位の存在を見慣れているが、
彼にとっては初めての邂逅となる


中華「先を急いでいるんだよね」
465 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/24(火) 03:25:29.35 ID:AqUzRJLE0
双子「「……おや……」」


そして、双子もまた静かに少年を見つめていた
体を少し前傾させて、じっくりと見ている


少年「な、なんだよ」

双子「「彼についても知っていることがあります。せめてお茶だけでも……」」

氷魔「……いいですか……?」

少年「……勝手にしてくれ」
466 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/24(火) 03:26:48.18 ID:AqUzRJLE0
本日はここまでです
ありがとうございました
467 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/24(火) 19:51:01.46 ID:AqUzRJLE0
双子の男の子が指を弾くとそこにお茶会用の椅子やテーブルが現れ、
双子の女の子が指を弾くとティーセットとそこに注がれた紅茶が現れた
一行はそこに座り、お茶会へと参加する


やる気「うん、茶がうまいっすね。花畑の中だと、花の匂いも香ってきてより美味しいっす」

双子「「ありがとう」」

少年「それより、俺について知ってることってなんだ?」

双子「「>>下1」」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/24(火) 20:26:13.06 ID:WEQizt/ao
彼が背負った大罪について
469 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/25(水) 01:57:43.51 ID:rnxVLk+q0
双子「「彼が背負った大罪について」」

ぶりっ子「た、大罪ぃ!?犯罪者だったんですかぁ!?」

怪盗「彼が追われている事情にも、関係してるってこと?」

双子「「そうかもしれない」」

少年「………………ふん」

狙撃少女「心当たりがあるのですか?」


少年は伏し目がちに小さく唸った
470 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/25(水) 04:04:06.34 ID:rnxVLk+q0
本日はここまでです
ありがとうございました
471 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/25(水) 19:40:24.26 ID:rnxVLk+q0
男「こんな子供が大罪?誰かやったのか?」

少年「……どうだろうな」


彼は目を伏せ、それ以上は言わなかった


双子「「大罪というのは、彼の出生にある」」

中華「嫌な話の予感がするね」

双子「「帝国では、ある神が国教として崇められている」」
472 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/25(水) 19:43:03.41 ID:rnxVLk+q0
氷魔「……そうなんですね……」

双子「「みなさんはご存知だろうけど、神はいる。『ある』のではなく、『居る』」」

やる気「そっすね、何度か見たっすよ」

双子「「かの神の信仰は、いくつかの要素に支えられていたが……その一つが処女性」」

ぶりっ子「……まさか?」

双子「「だが、かの神は突如身籠り……子を産んだ。それが、その少年」」
473 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/25(水) 19:47:33.39 ID:rnxVLk+q0
炎魔「それが罪って……この子はなにもしてないじゃないですか!」

双子「「現世では、ね。かの神の胎に潜り込んだ……帝国のお偉いさんが言うには、悪しき魂に大罪が宿っているそうで」」

怪盗「処女性が信仰を支えているのなら、彼のことが大っぴらにされていないのも分かりますね」

狙撃少女「勝手なものですね、人間って」

男「……ただ気になったことなんですけど」

双子「「なに?」」

男「その、帝国で信じられてる神って、どんな神様なんです?」

双子「「>>下1」」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/25(水) 20:33:35.63 ID:rB5tlOQDO
誰の敵にも味方にもならない『中立』の神と言えば言えば良いのかな。
一部の帝国の人間に変に利用されて、帝国に併合すれば敵も味方も無くなると侵略の大義名分にされちゃっているけどね。
475 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/26(木) 04:01:43.54 ID:V6azshQ40
双子「「誰の敵にも味方にもならない『中立』の神と言えば言えば良いのかな。」」

中華「なるほど……侵されないという処女性があるんだね」

氷魔「……それを信じているのに……彼を追い回すのですね……」

双子「「一部の帝国の人間に変に利用されて、帝国に併合すれば敵も味方も無くなると侵略の大義名分にされちゃっているけどね。 」」

男「なるほど、そうだったんですね……」


少年の生まれが過酷なものであると、
一行の誰もが深く理解した


やる気「これまで少年が生きてこられたのは、奇跡みたいなもんっすね」
476 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/26(木) 04:48:43.26 ID:V6azshQ40
本日はここまでです
ありがとうございました
477 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/26(木) 18:58:14.76 ID:V6azshQ40
それから一行はしばらくお茶をして、
ティータイムは終わりを告げた


双子「「では行くといい」」

ぶりっ子「はい、ありがとうございましたぁ」

怪盗「帰り道は急がないとね!」


一行は大聖堂の通路へと戻り、
そこにある空間の歪みから戻った
478 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/27(金) 04:15:09.09 ID:FORorMuf0
一行は街から出ると、街道をその脚で駆け始めた


狙撃少女「まったく、産まれただけで罪なんてひどい話です」

少年「……そうか」

男「今日はいい天気だろ、こんなに眩しい太陽が、お前を罪人として照らしていると思うか?」

少年「………………」

男「あれはサーチライトじゃないし、ここは檻じゃない……自分の人生を生きろ」
479 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/27(金) 04:17:38.79 ID:FORorMuf0
少年「ふっ……流石にクサくないか?」

男「俺もそう思う!」


ずっとどこか苦し気だった少年も、
ようやく軽口を叩くほどになった


少年「というか……速くない?」


男に担がれて、少年は移動していた


中華「走ればこんなもんでしょ」

少年「馬とそう変わらないぞ……?」
480 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/27(金) 04:50:15.61 ID:FORorMuf0
本日はここまでです
ありがとうございました
481 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/27(金) 18:26:39.06 ID:VrodR83lO
氷魔「……当面の目的地は……あの奇妙な街ですね……」

少年「なんだそれは」

やる気「帝国の領内にあって、実質的な自治権を持つ……色んな並行世界の人々が住んでる街っす」

少年「帝国とは敵対してるってことか」

ぶりっ子「そうですねぇ、まぁ腐っても領内ですし、向こう側にもスパイとかいそうですしぃ……長居はできなさそうですけどねぇ」

怪盗「彼らにとっても火種ですしね」
482 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/28(土) 02:40:04.30 ID:zSkX/0YF0
しばらく走ると、その街が見えてきた


狙撃少女「よし、行きましょう!」


一行は迷わずその奇妙な街へと入った
相変わらず違和感だらけの奇怪な建物群が並んでいる


炎魔「なんだか、このアンマッチ感が癖になりますね」

少年「そ、そうか……?なぁ、帝国の外ってこんな感じなのか?」

男「まさか。ここは特別だよ」
483 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/28(土) 04:12:00.09 ID:zSkX/0YF0
本日はここまでです
ありがとうございました
484 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/28(土) 19:39:20.63 ID:zSkX/0YF0
一行は前にも訪ねた宿へと向かった


中華「どうもー」

女将「いらっしゃい、用事は終わりました?」

氷魔「……はい……」

女将「それは良かった……あれ?知らない子がいますね」

やる気「帝国に追われてる子なんすよ。うちらで助けようと思って」
485 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/28(土) 20:54:34.63 ID:zSkX/0YF0
女将にも事情を話し、前回と同じ部屋に通された


ぶりっ子「ここは夕食もユニークなんですよねぇ。すっごく甘いお粥みたいなのも出るんですよぉ」

少年「甘味は……ううん、あまり得意ではないかもしれない。ミルクやチョコが食べられないわけではないが」

怪盗「あ、それなら避けたほうがいいかも……あれ、ビビるほど甘いんで」


まだ夕食までは時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.自由安価
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/28(土) 20:58:36.94 ID:uN2ogfeDO
2
487 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/29(日) 04:30:35.58 ID:wnSh67pD0
氷魔「……しかし……暑いです……走りすぎました……」


ローブをぱたぱたとさせて、
彼女は自身の暖まりきった体を冷まそうとしている


男「えいっ」

氷魔「……ありがとうございます……」


首元に冷たいものを当てる悪戯は王道だが、
男が彼女の首元に氷を当てても、
驚くどころか冷静に感謝を述べられてしまっている
488 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/29(日) 04:35:35.39 ID:wnSh67pD0
本日はここまでです
ありがとうございました
489 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/29(日) 19:45:03.52 ID:wnSh67pD0
男「しかし、本当に暑がりだね」

氷魔「……こればかりは体質ですね……なってみたいものです……冷え性とやらに……」


と、一部の女性から恨まれそうなことを溢している


男「氷魔らしいな……」

氷魔「……ええ……よく思ってます……」

男「……そうだ、氷魔。なんか悩みとかないか?」

氷魔「>>下1」
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/29(日) 21:52:00.68 ID:yDbtcPGYo
最近力不足を感じる
491 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/30(月) 03:19:23.64 ID:a6u931V70
氷魔「最近力不足を感じる」

男「……えっ?あの氷魔が?」


彼女が溢した言葉があまりにも意外で、
男はデリカシーに欠ける反応してしまった


氷魔「……私がもっと強ければ……と思うことが増えました……」

男「十分強いだろう!?あんな威力の魔法、真似できやしない」
492 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/30(月) 03:23:13.20 ID:a6u931V70
氷魔「……しかし……魔力の消費が激しいです……そう連発はできない……継続的に……破壊力を出せないのです……」

男「あぁ……やる気とか、中華と比べてる?あいつらは魔王だし……やっぱり、単発の圧倒的な威力が氷魔の持ち味だよ」


そう彼は語りかける
しかし、氷魔はどこか冷たい目で男へ視線を向けた


氷魔「……一撃の威力というなら……男さんの方が出るじゃないですか……」

男「神様降ろすんだったら、そうかもしれないけど……みんな魔力吸われちまう。氷魔のそれよりも、格段に使いづらいぜ?」
493 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/30(月) 04:07:29.62 ID:a6u931V70
本日はここまでです
ありがとうございました
494 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/30(月) 19:10:04.68 ID:Wqaaxcg4O
氷魔「……ふん……慰めなんて要りませんよ……」


氷魔はぷいっとそっぽを向いて、軽く鼻を鳴らす


男「……なんか、どつぼに嵌まってるときのぶりっ子みたいになっちまった」

氷魔「……今度は他の女の話ですか……」

男「へっ!?」

氷魔「……なんて……冗談です……面倒臭い女の子の真似ですよ……元気は出ました……」

男「そ、そうか?……いやぁ、なんか心臓に悪かったぞ、今の」
495 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/31(火) 03:22:30.34 ID:V8IhAH0P0
肝を冷やしているうちに、夕食の時間となった
女将が部屋に料理を運んでくる
相変わらず珍妙極まりない料理の数々だ


中華「やっぱりすごいなぁ……!」


中華は相も変わらず目を輝かせている


やる気「料理人には、なにか分かるもんがあるんすかね」
496 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/31(火) 04:21:06.77 ID:V8IhAH0P0
本日はここまでです
ありがとうございました
497 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/12/31(火) 19:25:28.07 ID:V8IhAH0P0
食事が始まったが、
並べられた料理を見て少年は硬直している


少年「これ、大丈夫なのか?」

ぶりっ子「どれも美味しいですよぉ」

少年「そうか……では、食べてみるとするか」


彼は変わった色の肉を取って食べた
食感は柔らかく、わりとジューシーだ
498 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/01(水) 04:01:01.33 ID:IV7gN6+w0
怪盗「どうですか?」

少年「うまい……」


どうやら彼のお気に召したようで、
いくつもその肉を取って食べ始めた


やる気「あっ!俺っちの分の肉残してくれっす!」

狙撃少女「ふふっ……」
499 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/01(水) 04:03:03.11 ID:IV7gN6+w0
炎魔「これは……?」


彼女が不思議がりながらもスプーンで掬い上げたのは、歯車のようなものだった


男「……は、歯車じゃないかそれ?本当に食べられるやつか?」

炎魔「そうですねぇ……」


彼女は怖れを一切見せずそれを口内に運んだ
ばりばりと噛み砕く音が鳴り、それは呑み込まれた
500 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/01(水) 04:04:45.84 ID:IV7gN6+w0
本日はここまでです
ありがとうございました
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/01(水) 08:50:40.55 ID:CXwhe4Bto
あけおめ
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/01(水) 19:20:20.07 ID:LWLuiblo0
あお
503 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/01(水) 19:35:49.39 ID:IV7gN6+w0
あけましておめでとうございます




氷魔「……呑み込みましたね……」

炎魔「美味しいですよ。炭酸っぽい味がしますね」

中華「そうなのかい!?僕も食べてみよう……!」


彼もまた歯車のようなそれを口に入れた
しかし、それから固まってしまった


やる気「大丈夫っすか?」

中華「堅すぎ……これは……飴かな。少なくとも人間にとっては」
504 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/02(木) 03:26:07.47 ID:nEE3e3SG0
彼がそう溢した瞬間、一斉に皆は炎魔を見た
彼女は苦笑いを浮かべて焦っている


炎魔「あは、あはは……なんですか、その顔はっ」

ぶりっ子「咬合において、人並み外れた種族の食べ物の可能性もありますねぇ」

炎魔「あのっ!私の顎がおかしい前提で話さないで下さいよっ!」

少年「大丈夫だ。その……格好いいと思うから」

炎魔「なんですかその慰め!?」
505 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/02(木) 04:06:46.12 ID:nEE3e3SG0
怪盗「しかし飴ですか、私飴ちゃん大好きなんですよ」


怪盗もまたそれを口に入れる


狙撃少女「私も好きです……年に何回か、食べるチャンスがあったので、私の中では特別な食べ物なんです」

男「飴だのグミだのが好きな人は太りづらいらしいな」

ぶりっ子「へ、へぇ〜……私もそういうの食べようかなぁ〜」
506 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/02(木) 04:07:58.67 ID:nEE3e3SG0
本日はここまでです
ありがとうございました
507 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/02(木) 19:23:48.95 ID:nEE3e3SG0
食事が少年の口に合ったことを確認した一行は、
いつものように和やかに夕食を終えた


中華「いやぁ、いい刺激になったね」

氷魔「……面白い食事でした……」

少年「帝国の貴族だって食えないもんを食ったと思うと気分がいいな」


まだ寝るまでには時間がある

>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.少年と話す
9.自由安価
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/02(木) 19:46:08.87 ID:wFpRXPS90
9番・暗殺者が男の背後に立ち、首に『果物ナイフ』を突き立てる
509 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/03(金) 02:21:45.19 ID:kSJWI3Gm0
男がリラックスした次の瞬間、
窓から何者かが侵入し、その後ろに立った


男「なんだっ!?」

暗殺者「動くなよ……!」


首にぐさりと刃物が突き刺さる
それは果物ナイフであり、
まだ少ししかねじ込まれていないが、
いつでもそれを強引に刺し込むことができるだろう


中華「男っ!」
510 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/03(金) 02:25:40.57 ID:kSJWI3Gm0
男「みんな!俺に構うなっ!こいつをやれ!」

氷魔「……っ……」


他のメンバーは決断を迫られていた
ここで暗殺者を倒しに回れば、ほぼ確実に男は死ぬ
だが、明らかに暗殺者であるそいつが、
男を殺す未来もそう遠くはなさそうなのだ


やる気「こ……困った……」
511 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/03(金) 03:00:48.13 ID:kSJWI3Gm0
本日はここまでです
ありがとうございました
512 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/03(金) 19:36:15.62 ID:ZaeDs6BPO
男「なにを狼狽えてるんだ!?俺をどうする気なのかは分からないが、とにかく少年を守れ!」

ぶりっ子「……そ、そうですねぇ」


一行は付かず離れずの位置に移動して少年を守る
状況は膠着していた


男「……はやくするんだ」


下1……一行の決断
1.暗殺者を倒す
2.少年を連れて逃げる
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/03(金) 19:47:37.78 ID:Z3Al3IXDO
2
514 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/04(土) 02:27:04.00 ID:5tGK6JPk0
怪盗「……逃げます!お達者で!」

男「……そうか」


残りのメンバーはみな少年を連れて逃げ出した
部屋に残されたのは男と、そして暗殺者のみだった


暗殺者「ふん……」
515 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/04(土) 02:29:25.40 ID:5tGK6JPk0
それから男を除く一行はロビーまで逃げてきた
そこには誰もおらず、嫌に静かだ


狙撃少女「……私たちは、正しい選択をしたのでしょうか」

少年「………………」

中華「正しかった、と言えるように頑張る。それが今の僕たちにできることだ」

炎魔「そうですね……ここで落ち込んでいても始まりません」
516 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/04(土) 03:17:00.88 ID:5tGK6JPk0
本日はここまでです
ありがとうございました
517 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/04(土) 19:31:46.95 ID:5tGK6JPk0
氷魔「……とりあえず……外に出ましょう……」

やる気「そっすね……もう、宿も安全とは言えないっす」

ぶりっ子「どこから刺客が襲ってくるのか……不安ですねぇ」


一行は警戒しながらもロビーにある出入口を開き、
宿の外へと出た


>>下1……外の様子
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/04(土) 19:33:43.09 ID:cPfPcioDO
暗殺者に雇われたらしいチンピラに囲まれている
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/04(土) 19:35:43.24 ID:5Q27tM5c0
暗殺者の仲間たちが、男を馬車に乗せていた
520 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/05(日) 04:42:14.42 ID:xrYfmJPj0
チンピラA「おっ、来なすったぜ……」

チンピラB「ひっひっひ……」


宿の外に出れば、そこに待ち受けるはチンピラたち
恐らく暗殺者に雇われたのではないかとみな推察する


怪盗「ここはどうにか突破しないと!」

狙撃少女「いくら数で劣っているといえども、単なる素行不良者に負けるほど私たちは弱くありませんよ……!」
521 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/05(日) 05:23:30.74 ID:xrYfmJPj0
本日はここまでです
ありがとうございました
165.83 KB Speed:4.5   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)