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安価とコンマで異世界転生!その11
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421 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/13(金) 18:37:09.01 ID:Pf63WEDTO
男「しかし、君……結構強そうだな」
少年「最低限戦えなければ、どこかで野垂れ死んでた」
男「……なんか、緊張してない?もうちょっと肩の力を抜いたらどうかな」
少年「……あんたのことは、信頼するように言われていない」
男「ははっ、そういえばそうか」
少年「はっきり言って、そうでなくともあんたが一番怪しい」
422 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/13(金) 19:16:25.18 ID:Pf63WEDTO
少年はじろりと男に目を向けた
男「ま、最初一番警戒してたのは俺かもしれないな」
少年「……それと、あんまり強そうに見えない。ここにはいっぱい人がいるけど、下から数えたほうが早そう」
男「それは……そうかも」
少年「俺とどっちが強いと思う?」
男「分からん。一本勝負なら俺が勝つけど」
少年「へぇ?」
男「戦いたそうにしないで……アレ負荷すごいんだから」
423 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/14(土) 04:12:56.22 ID:ggvltnOJ0
本日はここまでです
ありがとうございました
424 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/14(土) 18:47:41.66 ID:ggvltnOJ0
少年「ふーん」
男「まぁ、あれだな……子供に信用されてないってのは結構メンタルにくるし」
少年「…………」
男「なにか俺に質問があれば答えよう、それでちょっとは信用してくれ」
そう聞くと、少年は少し考える体勢に入り、
また男の方を見て口を開いた
少年「>>下1」
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/12/14(土) 18:51:01.89 ID:MnCqx+3DO
貴方にとって「強さ」とは何?
426 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/15(日) 03:21:33.96 ID:BnAl1Hnt0
少年「貴方にとって「強さ」とは何?」
男「そりゃ重い命題だな、少年」
少年「答えてくれるんでしょ?」
男「まぁな……」
彼にとっての強さとはなんなのか
それは自身と向き合う問いである
特に氷魔ややる気のような『武力』としての強さをいつでも発揮できる訳ではない男にとって、
簡単に答えられる質問ではなかった
427 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/15(日) 03:24:41.03 ID:BnAl1Hnt0
少年「分からない?」
男「……いや、強いて言うなら……『信じること』かな」
少年「俺を疑ってたのに?」
男「みんながお前を疑わないことを信じてたから、俺が疑うしかなかったの」
少年「ふぅん」
男「みんなが上手くやれるって信じてきたから、今俺はここにいる。それに……」
少年「?」
男「俺の……いや、俺たちの『切り札』も信じる心によるものだからな」
428 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/15(日) 03:30:25.24 ID:BnAl1Hnt0
本日はここまでです
ありがとうございました
429 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/15(日) 19:52:22.00 ID:BnAl1Hnt0
少年「まるでヒーローだ」
年相応の子がヒーローに言及するとき、
決まってそれは憧れであることを滲ませる
男「いたいけな少年を疑うヒーローはいないさ」
だが、彼の表情にはそういったものがなかった
むしろ、なにかしらの皮肉として口にしていると、
それを見た誰もが思うだろう
430 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/16(月) 02:24:14.59 ID:3ITYtLtH0
少年「ふっ……なんだか、信用できる気がしてきた」
男「そうか、それはよかった」
少年は、男たちと出会ってから初めて面白そうに笑った
少年「少なくとも、帝国のやつらとは違うな」
男「それはどうかな……まぁ、君が考えてるような悪い大人にはならないよう努力してるけど」
431 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/16(月) 02:29:48.20 ID:3ITYtLtH0
本日はここまでです
ありがとうございました
432 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/16(月) 19:27:23.87 ID:3ITYtLtH0
そんなことを話しているうちに、就寝時刻になった
明日に備え、一行は眠る
〜翌日・陽週土曜日〜
中華「さぁ、行こうか」
氷魔「……出るときはまたお願いしますよ……怪盗さん……」
怪盗「お任せっ!」
一行は宿からチェックアウトし、
そのまま都市の出入口に向かった
【ギルドの資金】72130295
433 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/17(火) 02:52:03.18 ID:BihpAKI30
やる気「しっかし、行けば分かるってどういうことなんすかねぇ?」
少年「なんのこと?」
ぶりっ子「私たち、お届けものを預かってるんですよぉ」
少年「へぇ」
炎魔「でも、どの街に届ければいいかまでしか分かってないんです」
少年「なんだそりゃ……」
アバウトな依頼内容に、少年も呆れ顔だ
434 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/17(火) 02:54:39.28 ID:BihpAKI30
狙撃少女「こう、置いておけばいいようなものだったらまだ分かるんですけど、お花なんですよね」
少年「……隠語?」
男「教育に悪いもんばかり見てないとそんなこと言わないぞ……本当に花だ」
中華「隠語?」
氷魔「……こっちは……隠語とはなにかが分かってなさそうですが……」
やる気「なんか、調味料の名前言い換えたりすることないっすか?それみたいなもんっすよ」
中華「あぁ!なるほどね!」
435 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/17(火) 03:58:17.69 ID:BihpAKI30
本日はここまでです
ありがとうございました
436 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/17(火) 18:31:35.77 ID:BihpAKI30
それからは、
入ってきたときと同じように門を抜けて街を出た
少年「うぅっぷ……」
ぶりっ子「どうしたんですかぁ?」
少年「よ、酔った……」
怪盗「随分三半規管が弱いんですね」
炎魔「怪盗さんが妙な挙動したんじゃないかと思うんですけど……」
437 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/17(火) 18:34:36.06 ID:BihpAKI30
狙撃少女「ああ、そういえば……帰り道でどうせ会うことになるので、聞いておくべきことがあります」
少年「ん?なんのことだ?」
狙撃少女「私たちはある廃教会からここまで歩いてきたのですが……そこには、やけにボロボロの服を着た少女がいまして」
男「幸薄そうで敬虔な感じのな」
狙撃少女「実は、あなたと同様に彼女も捜索されているようなのですが……お知り合いですか?」
少年「>>下1」
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/12/17(火) 19:29:57.14 ID:cr80+N+7o
彼女を見たのか!?
439 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/17(火) 20:35:12.18 ID:BihpAKI30
少年「彼女を見たのか!?」
少年は分かりやすく取り乱した
どうやら知り合いであるようだ
中華「そりゃもう見たし話したし、どこにいるかも分かってるよ」
少年「そうか……」
氷魔「……大切な方なのですか……?」
少年「な、なんか含みがあるな……」
やる気「少なくとも縁はありそうっすね」
440 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/18(水) 02:33:55.94 ID:4PDXyVZj0
少年「まぁ、仲間だな……あいつは」
ぶりっ子「へぇ〜……」
少年「なんだよその眼は」
自分を探られることに人一倍反応する彼は、
一部の邪推が好きな女性陣から好奇の視線を向けられながら街道を行くのだった
怪盗「なんか、警戒心の強い小動物みたいでいいですね」
441 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/18(水) 02:36:07.20 ID:4PDXyVZj0
本日はここまでです
ありがとうございました
442 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/18(水) 18:57:32.09 ID:4PDXyVZj0
狙撃少女が街道の向こうから来る人を察知して少年を隠し、また出すということを繰り返しながら、ついに一行は目的の街に到着した
狙撃少女「ううん、普通の街ですね」
炎魔「帝国の中心部に近いだけあって結構大きいですけど、それだけかなぁ?」
とどこの誰に届ければよいのか考えていると、
突如一行の持っていた水色の薔薇が輝きだした
男「な、なんだ!?」
>>下1……なにが起こった?
443 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/12/18(水) 19:28:51.93 ID:j/T9j+WR0
街の中の一角が、水色の薔薇と同じ光を発してた。 その一角からは建物らしきものは見えない様だが?
444 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/19(木) 02:59:23.21 ID:JlVCNSGX0
中華「あれ?なにも起きない……」
しばらく一行は身構えたが、
薔薇は輝くばかりでなにも起こさなかった
氷魔「……なんだったのでしょうか……」
やる気「あっ、あれ!」
ぶりっ子「えっ……?」
彼の指す先からは、
その薔薇のような光が見えた
空に向けて、青い光が放射されている
445 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/19(木) 03:10:37.26 ID:JlVCNSGX0
本日はここまでです
ありがとうございました
446 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/19(木) 18:25:58.49 ID:JlVCNSGX0
炎魔「これは負けていられませんね!」
怪盗「あんたまで光ったら目立ちすぎるっ!」
発光しようとする炎魔を怪盗が軽く叩いて止めた
炎魔「ぶたれた……」
狙撃少女「はいはい、行きますよ」
一行はその青い光の元へと向かうのだった
447 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/20(金) 02:13:13.12 ID:9PkZGMLd0
男「んー……妙だな」
中華「え?」
男「あっち、建物なくね?」
一行はどんどん町外れの建物のない場所へと向かっていた
光がそこから立ち上っているのだが、
そこに建物はなさそうなのだ
氷魔「……受取人がいるのでしょうか……」
448 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/20(金) 02:22:14.69 ID:9PkZGMLd0
本日はここまでです
ありがとうございました
449 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/20(金) 19:37:21.53 ID:9PkZGMLd0
街の人々に光は見えていないようで、
発光する薔薇にも向こうにある光の柱にも、
まるで反応していない
やる気「そろそろ着くっすね」
ひたすら町外れへと歩き、
ついに一行は光の根元へと到着したのだった
>>下1……そこにあったのは
1.家
2.墓
3.なにもない空き地
4.自由安価
450 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/12/20(金) 19:47:04.23 ID:5oKGanM50
4.空間の歪み
451 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/20(金) 20:41:00.00 ID:9PkZGMLd0
ぶりっ子「っ……!?」
そこには、空間の歪みがあった
歪曲された空間が靄のようになり、
その先をぼかしている
怪盗「こ、この先に行かなきゃならないの?」
狙撃少女「でしょうね……困りました」
男「すまん、寄り道……長くなりそうだ」
少年「寄り道で済みそうか?」
男「済ましたいな」
452 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/21(土) 02:51:52.43 ID:ksR4H3GH0
中華「まぁまぁ、もしかしたら、向こうは誰かの家かもしれないよ?」
氷魔「……十分ありえます……外れとはいえ街中……こんなものがあったら騒ぎになっていそうですから……」
やる気「誰かの家ではないにしろ、みんなに知られた場所かもしれないっすね」
ぶりっ子「もし、青い薔薇に反応して歪みが発生したのだとしたら……?」
炎魔「だとしたら……なにがあってもおかしくないですね……」
453 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/21(土) 03:58:31.35 ID:ksR4H3GH0
本日はここまでです
ありがとうございました
454 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/21(土) 18:49:14.27 ID:ksR4H3GH0
狙撃少女「どの道行くしかないです。行きましょう」
男「そうだな」
男は先陣を切って、その時空の歪みへと歩んでいく
それに触れた瞬間、その肉体も歪みと同期し、
どこかへと転送された
中華「僕たちも行こうか」
>>下1……どこに繋がっていた?
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/12/21(土) 19:26:00.51 ID:ii5ih+UI0
何処か分からない、多少暗い大聖堂の中の大通路
456 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/22(日) 02:33:26.83 ID:ApD2baZc0
そこの空気は張り詰めていた
柔らかな光がどこからか差し込む通路である
氷魔「……採光が甘いですね……光は差しているのに暗いです……」
やる気「壁の白磁っぽい感じとか、そういう不合理な建築様式でまで権威を出そうとする感じ……聖堂か城っすね」
ぶりっ子「っ……」
457 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/22(日) 02:40:36.28 ID:ApD2baZc0
突如、どこからか鐘の音がした
荘厳でよく響く、とても巨大なそれが鳴らされている
怪盗「聖堂っぽいですね」
狙撃少女「誰かが鐘を鳴らしているのかもしれません、行ってみましょう」
炎魔「そうですね、この薔薇を待っている人かもしれません」
男「ああ、喚ばれているようだ、この鐘の音は……」
458 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/22(日) 02:43:42.39 ID:ApD2baZc0
本日はここまでです
ありがとうございました
459 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/22(日) 19:20:55.50 ID:ApD2baZc0
巨大な通路を音に導かれ進めば、外に出た
そこはかの魔王が治めているような、
どこまでも花が咲き乱れる地だった
中華「うーん、圧倒されるね」
氷魔「……鐘は……あそこですね……」
きょろきょろと周りを見回した氷魔が、鐘を発見した
そのたもとには>>下1が居た
460 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/12/22(日) 19:28:34.36 ID:ne5jEP3DO
双子らしい男女の子供
461 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/23(月) 01:43:55.46 ID:foHr1QT50
双子「「ようこそ、僕たちの領域に」」
そこにいたのは、双子の男女だった
姿は幼く、今連れている少年とさほど変わらない年頃だ
やる気「二人揃ってご挨拶とは、恐縮っすね」
ぶりっ子「持ってきましたよ、青薔薇!」
彼女が預かったそれを出すと、
二人は片手ずつ差し伸べてそれを取った
462 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/23(月) 03:20:21.48 ID:foHr1QT50
本日はここまでです
ありがとうございました
463 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/23(月) 19:48:00.38 ID:foHr1QT50
双子「「ありがとう」」
怪盗「いえいえ、仕事ですから!」
双子は薔薇を持ったまま、
一行にうやうやしく頭を下げた
双子「「ぜひ、お礼をさせて欲しいんです。ここに泊まっていかれてはいかがですか?」」
狙撃少女「魅力的なお誘いですが……」
464 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/24(火) 01:51:08.65 ID:AqUzRJLE0
男「俺たちは、この子を連れて帰らなければならないんだ」
少年「………………」
目の前にいる、
異質すぎる双子に少年は口を噤んだままだった
一行はそうした高位の存在を見慣れているが、
彼にとっては初めての邂逅となる
中華「先を急いでいるんだよね」
465 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/24(火) 03:25:29.35 ID:AqUzRJLE0
双子「「……おや……」」
そして、双子もまた静かに少年を見つめていた
体を少し前傾させて、じっくりと見ている
少年「な、なんだよ」
双子「「彼についても知っていることがあります。せめてお茶だけでも……」」
氷魔「……いいですか……?」
少年「……勝手にしてくれ」
466 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/24(火) 03:26:48.18 ID:AqUzRJLE0
本日はここまでです
ありがとうございました
467 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/24(火) 19:51:01.46 ID:AqUzRJLE0
双子の男の子が指を弾くとそこにお茶会用の椅子やテーブルが現れ、
双子の女の子が指を弾くとティーセットとそこに注がれた紅茶が現れた
一行はそこに座り、お茶会へと参加する
やる気「うん、茶がうまいっすね。花畑の中だと、花の匂いも香ってきてより美味しいっす」
双子「「ありがとう」」
少年「それより、俺について知ってることってなんだ?」
双子「「>>下1」」
468 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/12/24(火) 20:26:13.06 ID:WEQizt/ao
彼が背負った大罪について
469 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/25(水) 01:57:43.51 ID:rnxVLk+q0
双子「「彼が背負った大罪について」」
ぶりっ子「た、大罪ぃ!?犯罪者だったんですかぁ!?」
怪盗「彼が追われている事情にも、関係してるってこと?」
双子「「そうかもしれない」」
少年「………………ふん」
狙撃少女「心当たりがあるのですか?」
少年は伏し目がちに小さく唸った
470 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2024/12/25(水) 04:04:06.34 ID:rnxVLk+q0
本日はここまでです
ありがとうございました
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