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安価とコンマで異世界転生!その10
- 753 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/22(月) 03:41:23.64 ID:EwQFZFBW0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 754 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/22(月) 19:11:09.11 ID:EwQFZFBW0
- 男が精神を統一し、目を見開く
その背後には、既に海神のビジョンが浮かんでいた
男「『海割りの奇跡』ッ!!」
念を亡霊に叩きつけるように叫ぶ
するとたちまちそこから海が二つに割けていく
狙撃少女「いきますよっ!」
炎魔「がってん承知ー!」
- 755 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 00:24:18.13 ID:KgPu91mz0
- 船のへりに狙撃少女は脚をかけ、
そのまま中空に身を投げ出す
狙撃少女「的が大きくて助かりますね!」
そのままスナイパーライフルで銀の弾丸を撃ち込み、
巨大な亡霊に命中させる
一角「オォォォォォ……!!」
それは大気を震わせる唸りを上げ、苦しむ
- 756 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 00:28:54.55 ID:KgPu91mz0
- 炎魔「よっと……!ライフルおっもいですね!?」
狙撃少女「性能とトレードオフです。それより、ちゃんと支えておいてくださいねっ!」
割られた海の間に吸い込まれていくように落下する鯨のような亡霊は、
銀の弾丸を避ける為に人型に変貌した
一方の狙撃少女は浮遊する炎魔に負われた体勢のまま、
構わずライフルのリロードをしていた
中華「やはり、的を小さくしてきたね!」
- 757 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 00:32:25.10 ID:KgPu91mz0
- 狙撃少女「このライフルの前では、視認に足る体躯であれば誤差に過ぎません」
お世辞にも安定感があるとは言えない少女の上で、
彼女は落下する人間大の的に狙いを定める
炎魔「さぁ、やっちゃってください!」
狙撃少女「はい!……そこですっ!」
彼女が放った弾丸は、あらゆる悪条件を貫通し、
人型の亡霊を貫いた
氷魔「……素晴らしい……!」
- 758 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 01:23:46.62 ID:KgPu91mz0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 759 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 19:32:31.39 ID:KgPu91mz0
- 男「よし、降りるぞ!海神サマ、頼みます!」
海神「はーい」
船の下の海もゆっくりと割れて、海底に着く
そこでは二発の弾丸を食らった亡霊が槍を持って苦しんでいた
亡霊「ォ……ォォ……!」
男「やい亡霊野郎!なんだって船を襲うんだ!?」
亡霊「>>下1」
- 760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/23(火) 19:49:15.74 ID:XtAEZk2DO
- 不幸な運命になる魂に……死という安らぎを与える為に……
- 761 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/24(水) 02:05:17.90 ID:mvTB66VX0
- 亡霊「不幸な運命になる魂に……死という安らぎを与える為に……」
やる気「不幸?冗談きついっすね、うちはラッキーで生きてるんすよ」
亡霊「どうだろうな……私には……お前たちから死臭すら感じるぞ……」
ぶりっ子「ええっ!?」
亡霊「ここで死ねば……魂は海に還る……邪悪なる者と対峙するということは……魂すらも煉獄に焼かれる覚悟がいる……」
- 762 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/24(水) 02:42:26.36 ID:mvTB66VX0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 763 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/24(水) 19:27:29.11 ID:mvTB66VX0
- 男「……だったらなんだと言うんだ」
亡霊「今のうちに死んでおくべきだ……」
そう言ってゆらゆらと立ち上がろうとする亡霊だったが、そこに炎魔が飛び掛かった
炎魔「おおっと、そりゃいけませんね!」
怪盗「ナイスです!」
- 764 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 02:12:45.61 ID:sqBnJBZS0
- 海神「……私がなにかするまでもなさそうですね」
炎魔に続いて臨戦態勢になっていた海神だが、
その警戒を解いたようだ
心配なので男もなにかしようと考えたが、
海神の様子を見てそれをやめている
亡霊「あ……暖かい……」
炎魔「そうです!あなたがずっといた深海に、こんな暖かさはないはずです……」
亡霊「私は……私はっ……」
- 765 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 02:17:53.56 ID:sqBnJBZS0
- 切なげな表情を浮かべる亡霊に、
炎魔は慈母のごとく寄り添った
炎魔「他者を殺めてまで頑張る必要はありません……あなたにも、救いは必要です」
亡霊「私が……導かねば……」
炎魔「思い出してください。……あなたも、導かれるべき存在です」
亡霊「………………」
炎魔「海面は、陽光に照らされて輝くのです……悲しみの底から抜け出して、父なる海に還りましょう……」
そう囁かれると、亡霊はゆっくりと、
溶けるように、消えていった
いつでもわんぱく少女のようだったはずの炎魔の顔と声には、
司書の紛い物だったときのような思慮深さが滲んでいた
- 766 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 03:01:25.75 ID:sqBnJBZS0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 767 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 19:19:20.47 ID:sqBnJBZS0
- 狙撃少女「……消えていった……」
海神「ううむ、やっぱり私の見込んだ通りでしたなぁ〜」
誰に吹き込まれたのか、
珍妙な口振りで海神は語り、頷く
男「なんかしましたっけ」
海神「私の眷属になれば人間の感覚あげるって話です。もしあの子が眷属だったならなぁ〜!私の格も爆上がりってもんですよ」
男「……なんか、似てるしな」
- 768 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 00:19:46.14 ID:ZXS7gX8g0
- 海神「あぁ……確かにそうかも?でも、前に会ったときとはすっかり変わっちゃいましたね」
男「根っこの所は変わってないみたいだけどね。今、海神サマも見たでしょ?」
海神「うーん、なおのこと口惜しい……」
男は久しぶりに実体化した海神としばらく話し、
それから船を海上に戻してもらった
中華「いやぁ、どうにかなったね」
氷魔「……この船……凄まじく頑丈ですね……」
- 769 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 00:38:10.01 ID:ZXS7gX8g0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 770 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 19:19:28.87 ID:ZXS7gX8g0
- そして、ついに一行は極北へと辿り着く
船は流氷を砕き、堅い凍土の上に作られた港へ接岸する
やる気「ついに来たっすね!」
ぶりっ子「防寒具……なんで買ってこなかったんでしょう……」
怪盗「私も同じ気持ちです……」
ぶりっ子と怪盗は寒さに震えている
- 771 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 19:23:53.27 ID:ZXS7gX8g0
- 乗組員たちは積荷を降ろし、逆にいくつかの物資は港から船に運び込まれていく
狙撃少女「そういえば……向こうとこちらをわざわざ行き帰りしているのならば、理由があるはずですね」
男「ああ、やはりあの積み込まれていく箱じゃないか?」
話していると、近くに副局長が見えた
どうやって淹れたのか、コーヒーを飲んでリラックスしている
狙撃少女「副局長さん、あの港から積み込まれているものはなんでしょうか?」
副局長「>>下1」
- 772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/26(金) 20:47:44.53 ID:8TEkQYI0o
- 溶けない氷さ
- 773 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 02:13:41.43 ID:AUnxxG140
- 副局長「溶けない氷さ」
中華「えっ、そんなのあるの?」
食材の冷蔵に利用したいので、
中華はそれに非常に反応した
副局長「ああ、極北で取れる……特殊な魔力を含んだ氷なんだ」
男「確かに、中華みたいな人は欲しがりそうだし、値段が付きそうだ」
- 774 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 02:14:42.70 ID:AUnxxG140
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 775 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 19:03:44.36 ID:AUnxxG140
- それから、一行は港にやってきた
先ほどまでいた街は、鄙びてこそいたものの、
まだ街らしさがあったといえる
だが、この港にはキャンプのようなものがいくつか用意されているだけだ
氷魔「……基地……といった感じですね……」
やる気「そっすねー……でも、探査とかしてる人多そうっすし、色々聞けそうっすね」
- 776 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 19:54:12.82 ID:AUnxxG140
- それらのキャンプ地の中に踏み込むと、
防寒具を着て作業をしている人が何人かいた
ぶりっ子「すみませぇん、お時間いいですかぁ?」
隊員「……ん、冒険者か。寒そうな身なりをしているな」
ぶりっ子「そうですねぇ、冷え性なので困りますぅ」
怪盗「私たち、不死鳥を探して極北まで来たんです。どこにいるか知りませんか?」
隊員「>>下1」
- 777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/07/27(土) 20:16:17.84 ID:pT38vo2m0
- 極南にいるらしいよ
- 778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/27(土) 20:18:49.46 ID:l54jRw7x0
- 「ハハっ、そんな伝説上の生物は流石の此処でもお目にかからないよ。いたとしてもこの周辺にある泉や海底の奥深く迄探して見ないとね」
- 779 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 00:57:40.78 ID:IUEvGzV40
- 隊員「極南にいるらしいよ」
狙撃少女「……へ?」
隊員「いやぁ、確かに極北にいるって言い伝えはあるけど……火の鳥なんだから、北より南にいるほうがそれらしいでしょ」
男「……極南は、寒くないんですか?」
隊員「いや、寒いよ。だって極北の隣だし」
男「え?ええ?世界が球形だとしたら、ちょうど一番遠いんじゃないのか?」
隊員「そうか、世界地図ってあんまメジャーじゃないのか」
- 780 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 01:10:07.15 ID:IUEvGzV40
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 781 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 19:07:02.38 ID:IUEvGzV40
- 彼は寛大にも一つのドーム状の拠点に一行を案内し、世界地図を見せた
中華「これが……」
隊員「世界地図と呼ばれるものはいくつもあって、眉唾物な地理が記載されたものも多いんだけど……実測した感じ、これが一番もっともらしいよ」
男にとって奇妙だったのは、
世界がやけに細長いことである
相当縦長のスクロールが、地図としてそこにはあったのだ
- 782 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 19:10:47.25 ID:IUEvGzV40
- 男「なんか……縦長?」
隊員「我々の認識では、世界はこのようになっている」
彼は、地球儀に相当するそれを私物の棚から取り出した
この世界でなんと呼ばれているかは分からないが、
男の知る限りそれは『メビウスの輪』だった
男「細長い世界が、ループしているということですね?」
隊員「基本的には、そうだね。……なんか、特定の位置から特定の場所に踏み入るとか、特別な儀式を使うとか……胡散臭いけど、そういう方法で環状世界の外に出られるって話もあるよ」
- 783 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/29(月) 01:50:24.15 ID:DRFJLIqO0
- 氷魔「……このような形状ならば……極北と極南は……隣り合っていてもおかしくはありませんね……」
隊員「そうだね、でも注意すべきことがいくつかある」
指を立て、注意を促してきた
やる気「なんすか?やっぱ過酷なんすか?」
隊員「それが一つだ。いくら冒険者とはいえ、正気とは思えない行為だな。……次に、極北と極南の境界についてだ」
- 784 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/29(月) 02:10:36.30 ID:DRFJLIqO0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 785 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/29(月) 19:19:32.19 ID:DRFJLIqO0
- ぶりっ子「なんかあるんですかぁ?」
隊員「さっき言った、『特定の位置』があるんだ」
怪盗「はぁ」
隊員「どこからかは分からないが、境界を特定の座標からまたぐと、異界に飛んでしまう」
狙撃少女「よく知ってますね……」
隊員「こんなとこの調査に来るのはよっぽどの地理オタクだけだからね」
炎魔「では、その異界とはどんな場所なのか分かりますか?」
隊員「>>下1」
- 786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/29(月) 19:51:37.47 ID:B6MLDo/6o
- 見た目はあまり変わらないが、一歩歩けば百歩先に進んでたり、一時間たったと思っても一分しか時間が過ぎてなかったりする
- 787 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 03:08:56.28 ID:bJsSWgf40
- 隊員「見た目はあまり変わらないが、一歩歩けば百歩先に進んでたり、一時間たったと思っても一分しか時間が過ぎてなかったりする」
男「迷い込んだら終わりか……?」
隊員「かもね。生還した人がいるから言い伝えがあるけれど、逆に言えば、その生還者以外は消えたってことだし」
彼は笑って言う
マニアには、得意分野の話ともなれば過激になるものと、彼のようにいやに淡々となるものがいる
- 788 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 03:24:28.32 ID:bJsSWgf40
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 789 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 03:57:44.63 ID:bJsSWgf40
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 790 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 19:12:08.43 ID:bJsSWgf40
- 中華「あの、まったく関係ない質問なんですけど」
隊員「うん?」
中華「僕、料理人なんですよ。極北ではみなさん、なにを食べているんですか?」
隊員の男性は、ゴミ箱を指した
日持ちする乾燥肉が入っている
隊員「持ってきた保存食を食べることが多いねぇ……でも、ここで食べ物を獲得することもあるよ」
中華「へぇ、なにをとるんですか?」
隊員「>>下1」
- 791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/30(火) 19:17:23.12 ID:GqY5Nmkio
- 海を泳ぐ鳥かな
- 792 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 02:12:56.91 ID:mKoVfQvB0
- 隊員「海を泳ぐ鳥かな」
氷魔「……ペンギンでしょうか……」
隊員「あぁ……そう思うよね。実は違うんだ」
基地にある黒板に、
彼は魚と鳥の中間とも呼べる存在を描き出した
奇妙なことに、爬虫類らしさはまったくなかった
やる気「なんすか、その生き物」
隊員「『シガイチョウ』だね。死んでるんじゃないかと思うほど痩せてるからみんなそう呼んでる」
- 793 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 02:35:42.64 ID:mKoVfQvB0
- ぶりっ子「可食部なさそ〜」
隊員「確かに量はないけど、栄養は詰まってる。消化がゆっくりで、腹の中にあるものによっては、化学反応でちょっとおいしくなってたりするよ」
一行はそうした説明を受け、隊員に礼を言ってから、
極北のさらに北へ進まんとした
しかし、外に出るともう夕方だった
怪盗「寝床探さないとまずいよ!」
狙撃少女「そもそも、宿なんてあるのでしょうか……?」
- 794 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 03:18:08.58 ID:mKoVfQvB0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 795 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 19:03:07.72 ID:mKoVfQvB0
- 男「すみません」
男はまたも近くを歩いている人間に声をかけた
女性「はい?」
中華「僕たち、どこか泊まれる場所を探しているんです。極北に来るのは初めてで……」
女性「あぁ……>>下1」
- 796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/31(水) 19:15:40.45 ID:47ynrCLDO
- 巨大なかまくら式の宿屋ならあるよ
- 797 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 01:59:55.16 ID:bssqUmWI0
- 女性「巨大なかまくら式の宿屋ならあるよ」
彼女はやや遠くにある、大きな建造物を指した
確かにかまくらの形をしている
氷魔「……あれ……宿屋だったんですね……」
やる気「雰囲気があっていいじゃないっすか!」
ぶりっ子「ってことは、あれ全部雪で出来てるんですかぁ!?」
女性「そうだね。溶けないもん」
- 798 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 02:02:34.67 ID:bssqUmWI0
- 一行は女性にも感謝を告げ、
宿屋に向かって氷と雪の道を歩き始めた
炎魔「むむむ……むむ……」
怪盗「なにしてるんですか?」
炎魔「精神統一です。宿でもし私の心が不意に昂ったら、かまくらが溶けちゃうかもしれないので……」
狙撃少女「確かにそうですね。でも、炎魔さんって精神統一とかしても興奮するイメージがありますよ」
炎魔「そうですか?じゃあ、面倒ですし自然体で行きますか!」
- 799 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 02:09:07.52 ID:bssqUmWI0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 800 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 19:24:14.82 ID:bssqUmWI0
- 宿に着くと、そこが巨大なドームの中にくつろぐスペースや睡眠用のスペースがあるという奇妙な形態の宿であることが分かった
看板娘「まさか、ご宿泊ですか!?」
一行が入ると、ファッショナブルなもこもこの防寒具を身に付けた看板娘が現れた
男「そのまさかだけど、なんかまずいかな?」
看板娘「いえ、そういうことではなく……珍しいことに、本日はもう一組お客様が来ていて……たまに一組宿泊される程度なので、珍しくて」
中華「そうなんだ。どんな人たちなんだい?」
看板娘「>>下1」
- 801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/01(木) 19:58:52.77 ID:lpFj4YWDO
- それが明らかに大人の保護者のいない子供達の集団で……
相場の十倍のお金を出されたうえに、場所が場所だけに野宿させる訳にもいかないので断りきれずに……
- 802 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 02:29:08.92 ID:wi9oasYy0
- 看板娘「それが明らかに大人の保護者のいない子供達の集団で……」
氷魔「……え……それはまずくないですか……」
やる気「そっすね、なんか泊められる制度とかあるんすか?」
看板娘「相場の十倍のお金を出されたうえに、場所が場所だけに野宿させる訳にもいかないので断りきれずに……」
看板娘は眉をへにゃりと曲げてやるせなさを醸している
ぶりっ子「えぇ……?」
怪盗「不思議ですね……私たちは今日の船で大陸から来ましたが、子供は乗ってませんでしたよ?」
- 803 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 02:31:59.74 ID:wi9oasYy0
- 看板娘「そうなんですか!?」
狙撃少女「まず間違いなく、極北から来ているようですね」
炎魔「でも、たくさんお金出したんでしょ?ってことは魔物とかじゃない可能性が高いよね」
男「なんか衝撃与えるとかして、お金が実は雪玉でした……とかじゃなければ、まぁそうなるな」
中華「……さっき調査の隊員が話してたことが引っ掛かるなぁ。異界と関係があるのかも?」
- 804 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 02:38:57.48 ID:wi9oasYy0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 805 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 19:11:36.94 ID:wi9oasYy0
- 耳をすませば、
かまくらの奥から子供たちの声が聞こえてくる
看板娘「私どもとしても、お客様を疑いたくはないのですが……」
氷魔「……えぇ……少なくとも……あなたがたから彼らに干渉するのは好ましくありませんね……」
やる気「そういう訳で、俺っちらが調べてやるっすよ」
看板娘「ありがとうございます!」
そして、一行はこれからどうするかの作戦会議を始めた
>>下1……これからの対応
1.子供たちに突撃して話を聞く
2.払われたお金の真贋を確認する
3.一旦外に出て極北の人々に聞き込みをする
4.自由安価
- 806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/02(金) 19:54:12.27 ID:tO/AN1kDO
- 1
- 807 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 23:40:30.76 ID:wi9oasYy0
- 炎魔「じゃあ行きましょう!」
ぶりっ子「ちょっとぉ!?」
炎魔は迷うことなく宿の奥へと飛んでいった
怪盗「ど……どうします?」
男「……もう行くしかなくね?行くべ」
狙撃少女「あ……はい」
- 808 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 23:46:37.36 ID:wi9oasYy0
- 炎魔を追いかけていくと、
二人の子供と戯れているのが見えた
『子供の集団』と看板娘は言っていたため、
そこにいるのが全員ではないと考えられる
少女「そりゃっ!」
炎魔「はーっはっはっは!甘い甘い!」
少年「わー!すごーい!」
少女が次々と投げつける雪玉を、
飛行しつつ回転しながら華麗に避けている
- 809 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/03(土) 03:06:06.54 ID:rm8sT4zs0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 810 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/03(土) 19:36:55.91 ID:rm8sT4zs0
- 中華「早速楽しんでる……」
氷魔「……子供の相手は……得意そうですもんね……」
炎魔は空中で大きく体を捻ると、そのまま着地した
少女「チャンス!」
炎魔「いよっ……捕まえましたー!」
目ざとく投げられた雪玉をサイドステップで躱し、
そのまま少女の後ろに回り込んで抱きすくめる
少女「ぐえー……」
少年「足も速いんだね!」
- 811 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/03(土) 20:46:12.18 ID:rm8sT4zs0
- やる気「いやーお見事っすね」
炎魔「あっ、みなさん来たんですね」
少女「友達?」
炎魔「そうだよ」
少年「よろしくおねがいします……」
少年は控えめなタイプらしく、
恐る恐る挨拶をしている
ぶりっ子「よくできた子ですねぇ」
怪盗「みんなはどこから来たの?」
少女「>>下1」
- 812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/03(土) 21:54:42.43 ID:ozPRtZ3DO
- 私たち極東と呼ばれる地域から来たの
近所の古寺の近くにある洞窟で皆で肝試しをしていたら気がついたらここにいたの
- 813 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/04(日) 03:01:04.49 ID:Bz/1D/Si0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 814 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/04(日) 19:44:39.24 ID:Bz/1D/Si0
- 少女「私たち極東と呼ばれる地域から来たの」
狙撃少女「極東……?そんな所あるんですね」
少女「近所の古寺の近くにある洞窟で皆で肝試しをしていたら気がついたらここにいたの」
男「えぇっ!?なんてこった!」
少女「もう寒くて寒くて……家もどこか分からないし、困っちゃった」
- 815 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/04(日) 20:10:10.05 ID:Bz/1D/Si0
- 中華「ど……どうしよう?何者なのかはのく分かったけど」
氷魔「……このことは……報告すべきですね……」
一旦少年少女に別れを告げ、
あっという間に看板娘の所まで出戻りした
やる気「とりあえず、一番重要なことは分かったっす」
看板娘「そうなんですか!?」
- 816 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/05(月) 02:08:41.97 ID:0Rt2n9N80
- やる気「どうやらあの子ら、遠くから瞬間移動的な方法ですっ飛ばされてきちゃったらしいっす」
看板娘「よりにもよって、極北までですか……」
ぶりっ子「困りましたよねぇ」
看板娘「しかし、なにか企みがあるわけではなさそうですね。そこは安心です」
炎魔「はい!一緒に遊んだこの私が保証します!」
炎魔は胸を叩いて鼻息を荒くしている
- 817 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/05(月) 02:24:52.29 ID:0Rt2n9N80
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 818 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/05(月) 19:29:22.77 ID:0Rt2n9N80
- 報告を終える頃、
出掛けていた宿屋の主人が帰宅してきた
主人「……ん?今日は二組目も来たのか」
看板娘「それより……あの子供たちの正体が分かったんです」
主人「そうか、なんだって?」
怪盗「どうも、テレポートしてきちゃったらしいですよ?極東っていうとこから……極東ってどういうとこか知ってますか?」
主人「>>下1」
- 819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/05(月) 22:21:38.90 ID:w361S0PDO
- 自然と調和した独特の文化な地域というぐらいしか知らないな
- 820 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/06(火) 03:57:46.30 ID:HlWg6SaT0
- 主人「自然と調和した独特の文化な地域というぐらいしか知らないな」
狙撃少女「へぇ……そういう感じなんですね」
男「だが、あいつらをどうするかという問題は残ったままなんだよな……」
主人「気にすんな、うちで面倒見るさ。金はかなり貰ったし、次の定期便が来るまでは預かってやらんとな」
中華「太っ腹だね」
主人「どうせ客なんぞほとんど来ねぇんだ、話し相手が増えて得したぜ」
- 821 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/06(火) 04:00:25.43 ID:HlWg6SaT0
- そう言って主人は裏手に去っていった
一行も自分たちが泊まる巨大かまくらの一角に集まり、寛ぎはじめた
氷魔「……落ち着きますね……かまくらは……」
やる気「雪の中とは思えないほど暖かいっすね」
遠くから響く子供の笑い声を聞きながら、
雪の上でただリラックスする時間は、
童心を思い出させてくれるだろう
- 822 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/06(火) 19:52:08.28 ID:HlWg6SaT0
- すみません寝落ちしました
中華「しまった、ここじゃ料理できない」
ぶりっ子「ま、じきに夕飯も運ばれてきますよぉ」
怪盗「かまくらが溶けたら終わりですからね」
まだ夕食までは時間がありそうだ
>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.凍てつく波動の魔導書を読む(誰が読むかも)
9.子供たちに会いに行く
10.自由安価
- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/06(火) 20:18:13.80 ID:09O9kBtDO
- 9
- 824 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/07(水) 02:19:09.62 ID:QrCWDg7G0
- 男は子供たちの様子でも見に行こうかと考え、
巨大なかまくらの中を歩き出した
男「……?」
しばらくすると、楽器の音が聞こえてきた
これがなんなのか男は知っていた
それは、篠笛の音色なのだ
篠笛少年「……ふぅ」
それを吹いていた少年の元に辿り着くころ、
丁度彼は演奏に区切りをつけた
- 825 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/07(水) 02:22:31.11 ID:QrCWDg7G0
- 男「……篠笛吹ける子供なんて、初めて見たな」
篠笛少年「そうですか?」
謙遜の態度ではない
彼の知り合いにも篠笛が吹ける者がいるのだろう
男「そうとも。しかしなぜ一人なんだ?」
篠笛少年「一人も好きなので。……それに、ここはよく音が響きます。楽器をやるにはいい場所ですから」
男「確かにそうだな。……俺もなんか持ってりゃよかったなぁ」
- 826 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/07(水) 02:25:49.40 ID:QrCWDg7G0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 827 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/07(水) 18:19:34.34 ID:QrCWDg7G0
- 篠笛少年「歌ってはいかがですか?」
男「なんか恥ずかしいからやめとくわ」
篠笛少年「そうですか……」
少し残念そうな少年を尻目に、かまくらを歩く
かまくらの中にいくつものかまくらがあり、
それらを巡っていくだけでも楽しい
少女「っ!」
男「え……?」
遠くに一人の女の子が見えたかと思えば、
こちらに向かって突如走ってきた
魔物ではないので、
臨戦態勢をとるべきか男は迷っている
そうしているうちに、少女は走りながら口を開いた
少女「>>下1」
- 828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/07(水) 21:29:03.49 ID:ab6lc2x3o
- 向こうににゃんこの大群が!
- 829 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/08(木) 03:34:56.16 ID:OjNaipQg0
- 少女「向こうににゃんこの大群が!」
男「へっ!?」
そう言いながら彼女は僕の隣を過ぎ去っていった
しかし、目の前には一面真っ白な雪があるばかりで、
猫などいるようには見えなかった
???「にゃぁぁぁ……」
だが、ここで男はそれに気付いた
景色が揺れているように突如見え出したのだが、
その原因は雪と見紛うほど白い猫の大群であった
- 830 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/08(木) 03:46:48.97 ID:OjNaipQg0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 831 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/08(木) 19:15:41.35 ID:OjNaipQg0
- 男「おわぁぁぁーっ!!」
そして、彼はもこもこの雪崩に潰された
一直線に走る猫の群れは、彼を引き倒していったのだ
少女「ふぅ」
先ほど隣を過ぎていった少女がどこからか現れる
男は全身の雪と毛を払い落として、
どうにか立ち上がった
- 832 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/08(木) 20:55:35.75 ID:OjNaipQg0
- 男「いやぁ、ひどい目にあった。無事かい?」
少女「ええ、私は平気です」
彼女は猫の大群からどのようにしてか逃れたらしく、
まるでさっきと変わらない状態だった
男「あの猫、なに?」
少女「>>下1」
- 833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/08(木) 21:16:45.78 ID:/SqE2YgDO
- 分からない
突然雪の中から次々出てきたの
- 834 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/09(金) 03:10:41.19 ID:hiigtz700
- 少女「分からない」
男「そうか……」
少女「突然雪の中から次々出てきたの」
男「ふぅん……だが、面白いものを見たな」
猫が去っていった方角を見て、
男はしみじみとそう感じ入った
少女「真っ白で綺麗だったから、一匹や二匹だったら欲しかったなぁ」
男「猫派?」
- 835 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/09(金) 03:11:41.37 ID:hiigtz700
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 836 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/09(金) 19:39:15.17 ID:hiigtz700
- 少女「狸派よ」
男「狸……そういえば、直接見たことはないな」
少女「この辺りっていないの?」
男「確か……極東から来たんだっけ?多分極東とかその近くにしかいないんじゃない?」
少女「ふーん、そういえば、異国では犬派と猫派があるって聞いたわね」
- 837 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/09(金) 19:41:49.03 ID:hiigtz700
- 男「じゃあ、そっちじゃ違うの?」
少女「ええ、極東じゃ狸派と狐派が主よ」
確かに対立的なイメージのある動物だ、と男は納得した
だが、それらは家畜化された動物ではない
男「飼ってるの?」
少女「うーん、普通の狸や狐は飼われてないわ」
男「あぁ、やっぱりそうなんだ」
少女「でもアレよ?化け狸とか化け狐はよく飼われてるわ。まぁ、庶民はほとんど飼ってないけれど」
- 838 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 02:40:18.55 ID:aS9ooNer0
- 奇妙な極東文化の話を聞いてから、
男は自分たちのかまくらに帰った
中華「ご飯届いたよ」
男「おっ、マジか。食おう食おう」
雪の上に堂々と置かれた木製のテーブルに料理が並んでいる
氷魔「……魚が多いのは……流石といったところでしょうか……」
やる気「温かそうな汁物もあるっすよ!こりゃ嬉しいっすね!」
- 839 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 03:00:48.85 ID:aS9ooNer0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 840 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 18:08:40.23 ID:aS9ooNer0
- 肉の出汁が効いたワイルドなスープを啜り、
男は自分の考えを口にした
男「子供たちはなんらかの転送機構でこっちに来たっぽいが……送り返せる機構もあるんじゃないか?」
ぶりっ子「あるとは言い切れないですけどねぇ」
男「そうだな。……俺としては、そいつを探し出して、さっさと子供たちを帰してやりたい」
怪盗「むしろ、そうしないとどうなるか分かったもんじゃないですしね」
- 841 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 21:07:20.45 ID:aS9ooNer0
- 男「じゃあ、飯が終わり次第色々聞きに行こう」
一行は食事を通じてゆっくりと体を温め、
それから子供たちの所へ向かった
子供たちは丁度集まっており、
男たちがやってきたのに反応して、
代表らしき子供が一人歩み出てきた
代表少年「なにか用ですか」
狙撃少女「私たちは、みんなを極東へどうにかして返したいと考えています」
- 842 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 21:09:44.15 ID:aS9ooNer0
- その発言に、子供たちはどよめいた
特有の落ち着きのなさが発露している
男「そこで……まずは君たちがどのようにしてここまで転送されてきたのかを知りたい」
代表少年「なるほど……」
男「直接送り返す方法があれば楽なんだが、君たちが飛ばされてきた極北の地点に……なにか不審なものはなかったか?」
代表少年「>>下1」
- 843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/11(日) 00:09:52.50 ID:KpLZbOx40
- ドアノブがいっぱいあった
- 844 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/11(日) 03:12:07.21 ID:QxDY1O5X0
- 代表少年「ドアノブがいっぱいあった」
中華「えぇっ!?」
代表少年「うちらの住んどる場所にドアノブなんてあらんし……物の怪の類いかと思ってひたすら逃げたんよ」
過程はやや違うが、結論が合っていた
そのドアノブは物の怪とも呼べる存在なのだ
氷魔「……禁域を経由して……ここへ来たのかもしれませんね……」
やる気「ほぼ確定っすね。まぁ、ドアノブだけ出てる可能性もなくはないっすが」
- 845 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/11(日) 19:40:11.94 ID:QxDY1O5X0
- すみません寝落ちしました
それからまた一行は作戦会議を始めるはめになった
ぶりっ子「ど、どうしますぅ?」
怪盗「帰したいって言いましたけど……禁域は私たちでも安全に動けるとは言い難いですね」
炎魔「意外とどうにかなるんじゃない?」
狙撃少女「そうかもしれませんが……慎重になるべきでしょう」
男「そうだな……」
>>下1……一行の決断
1.禁域とおぼしき場所の探索をして子供たちを素早く帰還させる
2.別の方法を考える
3.自由安価
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/11(日) 20:26:18.74 ID:KtW7mXFv0
- 3 頼れる戦士を迎えよう
- 847 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/12(月) 04:07:11.16 ID:hwnesyXa0
- 中華「いやぁ、どうしようね?」
男「……俺たちと子供たちだけで物事を解決するにも限界がある」
氷魔「……ここは……やはり諦めますか……?」
そう聞かれた男の顔は、少しも曇っていなかった
男「いや、極北の環境に強い戦士を探そう。そうすれば少しでも安全に探索ができる」
やる気「なるほど……いればいい感じっすね」
- 848 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/12(月) 04:13:26.22 ID:hwnesyXa0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 849 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/12(月) 18:32:43.30 ID:hwnesyXa0
- それから男は、宿屋の主人を訪ねた
主人「ん……どうされました?」
男「実は、人を探す必要ができまして」
主人「ははぁ、そうですか。とりあえず上がってくださいな」
主人は宿のエントランスにある従業員用の扉を開き、
その奥にある部屋に男を招き入れた
- 850 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/12(月) 21:13:31.14 ID:hwnesyXa0
- そこはかまくらではなく、普通の部屋だった
男「普通の部屋もあるんですね」
主人「でなければ、もしかまくらが溶けてしまったら、私どもの家までなくなってしまいますからね」
男「……それで、いきなり本題なのですが」
主人「はい」
男「極北の探索に慣れている戦士……ご存知ありませんか?俺たちはそうした人に協力を仰ぎたい」
主人「>>下1」
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/12(月) 23:14:55.18 ID:SqMsF9OUo
- それならば「境界」の変動を監視しているあの男ですな
- 852 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/13(火) 03:18:33.16 ID:NZG8pPMn0
- 主人「それならば「境界」の変動を監視しているあの男ですな」
男「心当たりがあるんですか?」
主人「ええ、探査のために多くの人が極北に来ておりますが……彼は仕事柄、奥地に踏み込むことも少なくありません」
それなら頼れそうだ、と男は思った
だが、境界とはなんなのかが気になった
男「境界ってなんですか?」
主人「この世界はある程度流動的だと彼は言っていました。極北と極南の境界も、いつ観測するかによって位置が違うそうです」
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