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安価とコンマで異世界転生!その10
- 653 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/29(土) 19:35:52.72 ID:Npvi2SCF0
- 図書館の街は大陸の中ではかなり高地だったようで、馬車はひたすら坂を下っていく
あるとき視界が開けて、一つの港町が下に見えた
怪盗「あそこが北の港ですね!」
狙撃少女「旅も終盤……」
男「ようやくだな」
どこからかカモメの鳴き声がこだましている
- 654 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/30(日) 03:22:32.23 ID:+nJ/k8w30
- 午後の昼下がり、一行は北の港に到着した
【ギルドの資金】72262295
御者「それじゃ、頑張ってくれよ!」
中華「応援ありがとうございます」
御者は馬を引いて去っていった
氷魔「……では……船の予定を調べましょうか……」
- 655 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/30(日) 03:36:11.87 ID:+nJ/k8w30
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 656 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/30(日) 19:10:57.05 ID:+nJ/k8w30
- 船着き場には一つ大きな建物があり、
そこで諸々の取引をしている
普通の街ならば貿易の精査をするような建物であったり、乗船を管理する建物だったり、その他様々な施設が必要となるが、ここはほとんどそういった施設が必要ないので、一つの建物にすべて集まっている
やる気「……そういう訳で、極北行きの船を探してるっす」
局員「なるほど、事情は分かりました」
ぶりっ子「次はいつになるんですかぁ?」
局員「そうですね、次極北行きが出るのは>>下1です」
- 657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/30(日) 19:27:39.25 ID:Ypb0NfHDO
- 明日になります
- 658 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/30(日) 22:42:16.43 ID:+nJ/k8w30
- 局員「明日になります」
怪盗「分かりました」
狙撃少女「とりあえずチケットは買っておきましょうか」
一行は極北行きのチケットを購入した
砕氷船は丈夫で大きく作ったものの、極北まで行く人が少ないとのことなので、かなり割安のチケットが手に入った
【ギルドの資金】72260295
- 659 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/01(月) 03:51:34.54 ID:EPs91N8T0
- それから一行は建物から出て、
これからの行動について考えていた
男「宿取るか?」
中華「いや、この街に旅人はほとんどいないし……満室の可能性はないんじゃないかな」
氷魔「……同意見ですね……」
やる気「じゃ、ぶらつくっすかね」
- 660 : ◆UEqqBEVZVY [sage]:2024/07/01(月) 04:03:42.20 ID:EPs91N8T0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 661 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/01(月) 20:02:28.81 ID:EPs91N8T0
- 一行は街に繰り出した
とはいえ、娯楽施設などはなさそうだ
ぶりっ子「レストランがありますねぇ」
炎魔「というより、定食屋でしょうか」
そして、流れるようにその店へ入っていった
店主「らっしゃせー」
怪盗「店長!なんかおすすめのメニューありますか?」
店主「>>下1」
- 662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 20:25:45.63 ID:2djCmV6Lo
- あん? うちには一つしか出すもんねーよ
- 663 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 01:09:25.21 ID:/2UUmgYn0
- 店主「あん? うちには一つしか出すもんねーよ」
地方の地元に根差した店にはありがちなことだが、
店主の態度が驚くほど悪い
だが、そういう店の料理は大抵うまい
狙撃少女「ひっ」
男「じゃあそれで、八人前で頼むよ」
店主「あいよ!」
- 664 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 01:13:14.28 ID:/2UUmgYn0
- 応答すると、持っていた新聞をカウンターへやって、厨房へと入っていった
ぶりっ子「な……なんですかあの態度ぉ」
男「そう怒るな、飯屋の価値は味で決まるものさ」
中華「そうだね……まぁ、都市に店出すならああはいかないけど」
氷魔「……一つしかない……というのは随分な自信のようにも思います……」
やる気「一品でやってけるほど美味いってことっすよね」
- 665 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 01:56:57.64 ID:/2UUmgYn0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 666 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 19:52:07.35 ID:/2UUmgYn0
- 中華「刺身っぽいなぁ」
怪盗「港町だからですか?」
中華「それもあるけど、刺身おろしてる時の音がするよ」
その発言に反応し、耳をそばだてる者もいた
だが、聞こえるのは潮騒とそれぞれの息づかいばかりで包丁の音は聞こえなかった
狙撃少女「なにが聞こえてるんですか……?」
- 667 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 20:59:28.39 ID:/2UUmgYn0
- 不思議がっていると、店主が海鮮丼を持って出てきた
店主「あいよぉ!」
刺身の数々は非常に鮮やかだった
色味からして新鮮であることが伝わってきている
男「いただきます」
それを口に運べば、その感触にただ驚いた
歯を弾き返すかのようにいきいきとした食材だが、見事な技巧でそれが膜のように薄く刺身となっているのだ
- 668 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/03(水) 01:26:28.89 ID:ax37IkXP0
- 中華「とんでもない技術だ!どこで修行を!?」
店主「親父にみっちり叩き込まれたのよ!」
醤油をつけても変わらず美味だった
そもそも薄く切ってあるので、あまりつけすぎると痛い目を見るが、節度を守れば問題なかった
氷魔「……こういう食べ物も……あるのですね……」
ぶりっ子「うーん、確かにこれはすごく美味しいですねぇ」
店主「折角漁師が獲ってきた魚だからな。あいつらも食いに来よるし、それを台無しにするような真似できんのよ」
- 669 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/03(水) 01:29:29.76 ID:ax37IkXP0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 670 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/03(水) 19:29:01.35 ID:ax37IkXP0
- やる気「だから都会に店出してないんすね」
店主「俺も若い頃は都会に出ようと思ってたがな。親父にここを継いでくれと言われちまって……すっぱり諦めたよ」
中華「……それも、料理人としての幸せってやつなのかな」
出された料理はすぐに平らげられた
怪盗「はぁ〜食べました」
狙撃少女「あの、この辺に観光できる所ってありませんか……?」
店主「>>下1」
- 671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 19:36:42.74 ID:d7y17p23o
- こんな田舎に洒落たところなんてあるか
自然を感じるんだ自然を
- 672 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/04(木) 01:03:37.63 ID:g7m29p6+0
- 店主「こんな田舎に洒落たところなんてあるか」
男「ま、まぁ……」
店主「自然を感じるんだ自然を」
とりあえず店主のアドバイスに従って海辺にやってきた
海岸には冷たい波が打ちつけている
氷魔「……いい波……いい風ですね……」
やる気「なに言ってるんすか!?だいぶ寒いっすよ、ここ!」
- 673 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/04(木) 01:19:21.99 ID:g7m29p6+0
- ぶりっ子「そうですねぇ……海水浴って感じじゃなさそうですしねぇ」
極北からの海流が海岸に届き、その冷気の一端を感じとれる
炎魔「私がその気になれば温水にだってできますよ!」
怪盗「まぁ、それは検討しましょうか」
狙撃少女「釣竿でもあればよかったのですが……」
- 674 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/04(木) 01:51:21.72 ID:g7m29p6+0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 675 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/04(木) 19:35:05.38 ID:g7m29p6+0
- 潮風に吹かれて談話していると、
海からの贈り物がやってきた
男「おい、なんか漂着したぞ」
中華「なんだろ?」
それは近くの岩場に乗り上げ、返す波には乗れず留まることとなった
>>下1……漂着物の正体
- 676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 20:02:58.25 ID:lnbljYMDO
- 赤子を抱いた母親らしき女性
- 677 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 00:10:32.35 ID:8DseFwzx0
- 女性「ぅ……くっ……」
氷魔「……これは……!!」
岩場に打ち捨てられていたのは、
一人の女性と、彼女が抱える赤子だった
久しく感じていないタイプの緊張感が一行に走る
やる気「大丈夫っすか!?」
考えるよりも早く彼は跳び、両腕で二人を掬い上げた
- 678 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 00:27:45.07 ID:8DseFwzx0
- 赤子「ぁー……あぁー……」
ぶりっ子「まずい!赤ちゃんが弱ってます!」
怪盗「ミルク買ってきます!」
彼女は持ち前の身のこなしで風のように街へと戻っていった
炎魔「ここは、私の出番でしょうね!」
彼女は実体のない炎の翼を現出させると、
それで身を寄せ合う二つの命を包み込み、自分の体も密着させた
- 679 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 00:50:18.47 ID:8DseFwzx0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 680 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 20:03:13.80 ID:EelV5oMvO
- 母親「はぁぁ……ふぅぅ……」
炎魔「よし!呼吸が安定してきています!」
狙撃少女「すごいです!……あなたがいなければ、相当生還率は下がっていたはず……」
岩場は休めるような環境ではないが、
それでも手を尽くしたことによって確実に回復していっている
- 681 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 20:08:19.98 ID:EelV5oMvO
- 怪盗「買ってきました!」
驚くべき速さで怪盗は戻ってきた
瓶に詰められたミルクと、魚の練り物で作られた団子を持っている
狙撃少女「食べさせながら街に戻りましょう!」
彼女は母親を負い、それを後ろから炎魔が暖め、残りのメンバーが手分けしながら買ってきたものを食べさせた
- 682 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 20:12:00.93 ID:EelV5oMvO
- 日の暮れないうちに宿まで辿り着き、
大きめの部屋を二つ取った
そして、そのうちの一つに全員が集まり、
母子を介抱していた
母親「……はっ!」
男「やった!目覚めた!」
母親「子供は……私の子供は!?」
中華「今は寝ています。お返ししましょう」
中華は安らかに寝息を立てる赤子を母に返した
母親「あぁ……よかった……!」
- 683 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 20:15:03.29 ID:EelV5oMvO
- そこでようやく母親の表情は和らいだ
子供を抱き、涙を流して微笑んでいる
氷魔「……どうにかなりましたね……」
やる気「喫緊の問題は解決したっすけど……」
母親「みなさん、ありがとうございます!なんとお礼を言えばいいのか……!」
ぶりっ子「お礼なんていりませんよぉ。それより、どうして海に流されてたんですかぁ?」
母親「>>下1」
- 684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 20:21:56.41 ID:j+sp6p8N0
- 大波で船がひっくり返ってしまいました
- 685 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/06(土) 04:20:50.10 ID:L1vF1jc40
- 母親「大波で船がひっくり返ってしまいました」
怪盗「ええっ!?」
狙撃少女「他にも流されている人がいるかもしれないということですね?」
母親「いえ……恐らく、その可能性は低いでしょう」
嫌な想像がよぎる
そして、それは事実となって突きつけられるのだ
男「まさか、作為的なものだったのか?」
- 686 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/06(土) 19:31:07.81 ID:aIQc9r9/O
- すみません寝落ちしました
母親「はい……海中の怪物が、高波を使って船をひっくり返したのです」
中華「なんだって!?」
それは、これから極北に向かう自分たちにとっても無視できない情報だった
極寒の海に放り出されれば、
よほど幸運でなければ生きていられない
母親「夫は、私たちを守って身代わりに……」
- 687 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/06(土) 19:33:44.80 ID:aIQc9r9/O
- 涙ながらに語るその姿は非常に痛ましいものだった
彼女らには、生還を喜ぶこともできないのだ
氷魔「……大変不躾なお願いなのですが……」
母親「なんでしょうか……」
氷魔「……私たちとしても……その怪物の情報が必要です……なにか特徴など覚えていらっしゃれば……教えていただけたらと……」
母親「>>下1」
- 688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 19:43:23.10 ID:Esoa8cx80
- 鯨の様な一角を持った怪物で、咄嗟に見た時は槍を持った人型がそばにいました
- 689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 19:46:22.23 ID:Q+P4YrvDO
- 巨大な手とハンマーしか見えませんでした……
- 690 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/07(日) 02:37:17.71 ID:+lNNMfTN0
- 母親「鯨の様な一角を持った怪物で、咄嗟に見た時は槍を持った人型がそばにいました」
ぶりっ子「……つまり、どういうことなんでしょう?」
怪盗「一角の怪物と、槍を持った人型のなにかがいるってことじゃないですか?」
狙撃少女「もしかしたら、変身しているのかもしれませんよ」
男「……ともかく、嫌なことを思い出させてしまった。忘れてくれ」
- 691 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/07(日) 03:15:53.86 ID:+lNNMfTN0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 692 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/07(日) 19:42:32.37 ID:+lNNMfTN0
- 母親「いえ……お気になさらず」
中華「家はあるんですか?」
母親「はい、この港町にあります」
氷魔「……これから生きていくのは……困難が多いでしょうけれど……私たちも応援しています……」
母親「ありがとうございます。みなさん優しい方なので、この子の世話も、少しお願いしようと思っています……」
彼女は軽く赤ちゃんを撫でた
- 693 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/08(月) 03:17:32.02 ID:B3XV0AG60
- それから一行はその母親を見送り、
宿屋の前に立っていた
やる気「さて、どうするっすか?海洋生物で、しかも魔獣っぽいっすよ」
ぶりっ子「この事故を港の機関が把握してないはずがありません。なにか手がかりを持っている可能性が高いですねぇ」
怪盗「そうですね、行ってみましょうか」
狙撃少女「そうですね……明日の便は欠航かもしれませんけど」
- 694 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/08(月) 03:22:04.89 ID:B3XV0AG60
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 695 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/08(月) 19:15:27.61 ID:B3XV0AG60
- それから一行は港の管理局まで行き、
受付に問い合わせることにした
男「船が一隻転覆したそうだが、知っているか?」
局員「えぇ、明日の便の返金処理でしたら受け付けておりますよ」
男「……いや、いい。それより俺たちは見ての通り冒険者でな、どうにか奴を倒したい。情報が欲しいんだ」
局員「そういうことでしたら……少しお待ちください」
- 696 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/08(月) 21:25:29.18 ID:B3XV0AG60
- その若い局員は、彼よりも年季が入っていそうな局員を連れてきた
中華「あなたは?」
副局長「副局長をやらせてもらっている」
氷魔「……呼ばれたということは……知っているのですか……?……あの魔獣とおぼしき存在について……」
副局長「>>下1」
- 697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/08(月) 22:07:38.10 ID:FsJEXeoUO
- 少し前から討伐の役に立つだろうと、正体を調べていた。まだ情報は少ないが……亡霊に近い存在だということまでは分かった。
- 698 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/09(火) 01:56:30.91 ID:gUo7UbUC0
- 副局長「少し前から討伐の役に立つだろうと、正体を調べていた。まだ情報は少ないが……亡霊に近い存在だということまでは分かった。」
やる気「そうなんすか!?」
ぶりっ子「亡霊系の敵とはあまりやり合ったことないですよねぇ」
怪盗「聖水でもぶち撒けたい所ですが……海じゃ意味なさそうですね」
狙撃少女「スナイパーライフルなら、よほど深くに潜られない限り撃てますよ」
狙撃少女は自信ありげに語る
男「撃つといっても、亡霊だからな。当たらないんじゃ意味なくないか?」
- 699 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/09(火) 02:16:15.96 ID:gUo7UbUC0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 700 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/09(火) 19:32:24.19 ID:gUo7UbUC0
- 狙撃少女「銀の弾丸、というやつですよ」
男「なるほど!それなら亡霊にも当たるだろうな」
中華「じゃあ、後はどう狙うかだね」
氷魔「……よほど高速で動き回られなければ……狙撃少女さんなら当てられそうですね……」
炎魔「じゃあ、私がそこだけ海を干上がらせる!」
やる気「できるんすか!?」
炎魔「……無理かも!」
- 701 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 02:39:34.30 ID:lPdiyE970
- 流石に不死鳥の力があるとはいえ、限界はあるようだ
男「でも、そのアイディアは実にいい感じだね」
ぶりっ子「おっ、アレですか?」
男「ああ、海を割ってやるしかないだろう。そうすれば動き回れはしまい」
明日の便への乗船がどれほどキャンセルされるのか、本当に出港するのかは怪しいが、人が乗り込めば乗り込むほど奇跡を行使する際の魔力の消費は押さえられる
- 702 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 02:49:08.09 ID:lPdiyE970
- 副局長「こりゃたまげた、そんなことができるのか」
男「これでもかってほど魔力使うので、かなり厳しい制約の下ですが」
炎魔「神降ろしだけじゃないんですね、できること」
男「奇跡を代行するだけだから、あの時よりはかなり魔力の消費は抑えられるんだ。それでも人間一人じゃ賄えないし、無理にやろうとすれば反動で死にかねない」
少女神の奇跡は規模こそ小さいものの、それでも一人で使うとしばらくまともに動けなくなるレベルの反動がある
海神の奇跡を一人で使えば、体が即座にバラバラになるだろう
- 703 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 03:38:20.83 ID:lPdiyE970
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 704 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 18:39:06.89 ID:lPdiyE970
- 怪盗「じゃあ、人は欲しいですけど……」
男「明日の便を予約してはいるが、もしあの亡霊魔獣が出なければ、無理のない範囲で遅らせてくれても構わない」
副局長「それは……普通のお客様が乗るかによるね……」
狙撃少女「そうですね。実際、会わないに越したことはありませんから」
自分たちの意志を伝えた一行は、
再び宿へと帰ってきた
決して豪華ではない宿だが、潮風がほどよく入り、
田舎らしい温もりを感じる
- 705 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 01:28:18.57 ID:x6H4p7+t0
- 部屋は男女で分けられ、
バルコニーでそれぞれの部屋が繋がっていた
氷魔「……潮騒が……心地よいですね……」
バルコニーにはいくつかの椅子とテーブルが備え付けられており、ゆったり寛げる仕様だ
やる気「あっ、窓はなるべく閉めといたほうがいいっすよ」
男性部屋からやる気が顔を出して、忠告をする
- 706 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 01:31:37.96 ID:x6H4p7+t0
- 氷魔「……夜は冷えますからね……」
素直に窓を閉めて、椅子にかけ直す
やる気「金属製の武器使ってると、潮風で錆びちゃうんで、そっちっすね」
氷魔「……あぁ……私には盲点でしたね……」
男「お、夕陽が綺麗じゃないか」
二人が話しているのでふと窓辺を見た男が、
美しい夕暮れに気がついた
- 707 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 02:24:13.38 ID:x6H4p7+t0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 708 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 19:49:16.33 ID:x6H4p7+t0
- 談話する二人の脇を通って、
バルコニーの縁に腰かける
やる気「おセンチの時間っすか?」
男「ひっどい物言いじゃないか。実際そうだが」
氷魔「……ふふ……」
冷徹な海が太陽を呑み込んでいく
まだ夕食までは時間がありそうだ
>>下1……なにをする?
1.中華の料理を手伝う
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
- 709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/11(木) 19:58:42.19 ID:bGJ4oMTm0
- 4
- 710 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/12(金) 01:31:01.96 ID:TvLG8Gzq0
- バルコニーを通って、女子部屋を覗く
別に、特段目を見張るものがあるわけでもない
大部屋なら一緒に泊まるし、貴重な光景でもない
ぶりっ子「な〜に〜見〜て〜る〜ん〜で〜す〜か〜!!」
男「うおっ」
ぶりっ子「覗きじゃないですかぁ!しばき回しますよぉ!?」
- 711 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/12(金) 01:38:45.04 ID:TvLG8Gzq0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 712 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/12(金) 19:35:47.60 ID:v4XafFORO
- 男「そう怒るなって、別に隠すものもないだろ?」
ぶりっ子「死にたいんですかぁ?」
男「……すまん」
どことなくバイオレンスな気配を感じて、
謝罪しておく
ぶりっ子「どうせ暇なんでしょう?」
男「ああ、暇だ」
ぶりっ子「じゃあ>>下1しませんかぁ?」
- 713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/12(金) 20:39:28.03 ID:bjZWga+DO
- 肩もみ
- 714 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 01:29:07.55 ID:nk5yrz9t0
- ぶりっ子「肩もみしませんかぁ?」
男「凝ってんの?」
ぶりっ子「そりゃあ凝りますよぉ、色々持ってますし、心労もありますしぃ」
男「本当かなぁ」
笑って受け流しながら、
男はぶりっ子の肩に手を当てた
よく効く場所とそうでない場所は人によってばらつきがあり、最初にもむ時は確認が必要なのだ
ぶりっ子「ひぅっ!?」
- 715 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 01:32:09.09 ID:nk5yrz9t0
- 両肩が盛大に跳ねる
感覚が崩れるのでやめてほしい所だ
男「どうした?」
ぶりっ子「す……すみません、なんかびっくりしちゃって」
男「あー、慣れてないんだな、マッサージはされるにも慣れがいるぞ」
ぶりっ子「そ、そうなんですねぇ……」
男「そうだ。マッサージで気持ちよくなってるご老人は、揉まれの道を何年もかけて極めたとすら言える」
そんなことを言いながら、
つぼになっていそうな場所を探り当てる
あとは押し込んでほぐすだけだ
- 716 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 02:39:06.47 ID:nk5yrz9t0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 717 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 18:31:49.45 ID:6PxAexbtO
- 耐性がどの程度あるか分からないが、
強く押し込んでみる
ぶりっ子「ぎゃあっー!!」
男「怪鳥みたいな声出てんぞ」
ぶりっ子「誰のせいだと思ってんですかぁ!?もっと優しくしなさいよぉ!私はデリケートなんですよぉ!」
男「注文の多いやつめ……」
仕方ないので、もう少し力を抑えて揉んでみる
- 718 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 19:31:31.60 ID:QPRM59LtO
- ぶりっ子「あーそうです、そういう感じで……」
男はようやくぶりっ子の望む力加減を探し当て、
マッサージを続行する
男「ここにも極北にもマッサージや整体の店はないだろうし……そう考えると、俺っていいことしてるんじゃないか?」
ぶりっ子「じゃあみんなも揉みます?」
男「手ぇパンパンになるからやめとく」
- 719 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/14(日) 02:11:02.18 ID:XchPbpKP0
- それからしばらくの間もみほぐし、
男はようやく手を休めた
ぶりっ子「終わりですかぁ?」
男「ああ……肩もみなんて何年ぶりだろうな。すぐ疲れるんだよ、これ」
ぶりっ子「まぁ、色々気を遣ってるのはなんとなく分かりましたよぉ」
男「マッサージ師が一番マッサージ師を求めてる、なんて話もあるしな……俺はそこまで高尚な肩もみはできんが」
- 720 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/14(日) 02:19:36.97 ID:XchPbpKP0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 721 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/14(日) 19:21:43.67 ID:XchPbpKP0
- それから夕食の時間になった
あまり魚料理は作らない中華だが、
今日はやたら豪快な魚料理を出した
怪盗「な、なんか……派手ですね?」
中華「香辛料もたくさん使うし、魚もほぼ全部の部位を食べられるようにしてあるんだ」
狙撃少女「すごいですね……スパイスの香りが強烈で、よだれが出ます」
- 722 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 03:46:09.26 ID:yY/7+fEB0
- この街の特色に、水が安いというものがある
口内の辛味を流すためにいくらでも水を飲めるため、
中華は特に辛味の強い料理を提供したのだ
炎魔「ぎゃーっ!辛いっ!」
男「すげぇ!辛みで火吹いてる奴初めて見た!」
炎魔は驚異的な辛さに耐えきれなかったようだ
彼女は本当に炎を扱える生命体なので、
口から火柱が出ている
- 723 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 03:54:40.27 ID:yY/7+fEB0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 724 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 19:41:04.53 ID:yY/7+fEB0
- 一行は辛みと格闘しながら、魚料理を食べ終えた
炎魔「お腹がちゃぽちゃぽです」
中華「炎魔さんには辛すぎたみたいだね、今度からはもっと抑えるよ」
氷魔「……舌が灼けるようでしたね……」
やる気「俺っちは結構好きっすよ、これ」
ぶりっ子「私もですねぇ、むしろこれくらいが丁度いいですぅ」
- 725 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 20:25:46.41 ID:yY/7+fEB0
- 中華がいろいろと聞き取りをして、
細かいメモ書きを作成しつつ、夕食の時間は終わった
怪盗「ヘルシーでよかったですね」
狙撃少女「こんなに辛いものを食べたのは初めてです」
まだ就寝までは時間がある
>>下1……なにをする?
1.中華の後片付けを手伝う
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
- 726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:41:19.12 ID:W1WsUpGfo
- 7
- 727 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/16(火) 02:03:37.46 ID:zyHLa4FQ0
- 辛いものを食べると体が熱くなるのはよくある話だ
男もその例に漏れず、
火照りを冷まそうとバルコニーへ出たのだ
男「あちー……」
炎魔「あっ、男さん」
男「おお、炎魔。もう元気か?」
炎魔「ええ、この通り!」
彼女は炎の翼を広げてバルコニーの外に浮かんでいた
- 728 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/16(火) 02:07:47.77 ID:zyHLa4FQ0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 729 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/16(火) 19:20:28.67 ID:zyHLa4FQ0
- 男「便利な体してるよなー」
炎魔「おかげさまで」
男「よせって。それより、極北に行ったらフェニックスに会えるぞ」
炎魔「実質、お父さんみたいなものですよね」
男「そうか……?」
炎魔「もし会えたら、>>下1」
- 730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 20:57:05.34 ID:mYnkQK/io
- 火力勝負、です!
- 731 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 01:11:12.43 ID:Ip5uvH9j0
- 炎魔「火力勝負、です!」
そう言って彼女は右手を突き出し、
炎をそこから迸らせて見せた
それは花火のように美しく、
生命の営みのように豪胆だった
男「はは、いいね」
炎魔「冗談だと思ってませんかー?」
男「まさか、俺はいつでも本気さ。もしギャンブルだったら、君に賭けよう」
- 732 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 02:13:29.79 ID:Ip5uvH9j0
- 炎魔「疑いはないんですか?」
男「炎魔は誰より無垢で無邪気だけど、やると言ったことはやる、そういう雰囲気がある」
炎魔「有言実行の女、というわけですね!」
男「そうだね。人間としては俺なんかと比べ物にならないほど若いし、伸び代がいくらでもある」
炎魔「……どっかで突き放してください!ひたすら褒められると恥ずかしいです!」
- 733 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 03:14:03.82 ID:Ip5uvH9j0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 734 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 19:03:46.88 ID:Ip5uvH9j0
- 男「人は褒めて伸ばすタイプなんだ」
炎魔「んんーっ……!」
炎魔は空中で全身を限界まで張り詰めさせている
男「本当に伸びそうだからやめなさい!」
炎魔「楽しそうじゃないですか?褒められたら物理的に伸びて『私褒められると伸びるタイプなんです』って言うの」
男「妖怪だよそれ……」
- 735 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 01:19:31.92 ID:bK8BsgT50
- 可憐で荘厳な少女のままでいて欲しいというエゴから、男は炎魔の奇行を止めた
炎魔「……覚悟、決めなきゃですね!」
男「そうだな……」
炎魔「もし私が挫けたら、そのときはよろしくお願いします!」
炎魔は相変わらずの笑顔で告げたが、
その裏には太陽のように眩しい彼女の黒点が見えた
- 736 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 01:55:58.75 ID:bK8BsgT50
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 737 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 19:49:52.00 ID:bK8BsgT50
- そして彼女は滑空しながら女子部屋に消えていった
男は夜風の只中に残されて、
数分月を見上げてから部屋に戻り、眠った
〜翌日・陽週月曜日〜
男「……ん、船が出るまであとどのくらい?」
中華「あと一時間強ある。のんびりいけるよ」
氷魔「……ぼちぼち……チェックアウトの準備をしましょうか……」
- 738 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 21:04:57.46 ID:bK8BsgT50
- チェックアウトを済ませ、
だいぶ早めに港の管理局までやってきた
やる気「局員さーん」
局員「どうなさいましたか?」
やる気「今日の極北行きの便、俺っちら以外に何人ぐらいお客が乗るんすか?」
局員「そうですね、>>下1」
- 739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 21:11:23.73 ID:cm6BwkOgo
- 1人でもいたら珍しい方ですよ
- 740 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/19(金) 02:40:17.64 ID:W4NjL+AD0
- 局員「1人でもいたら珍しい方ですよ」
ぶりっ子「そりゃ都合がいいですねぇ」
当然といえば当然のことである
この港町がただでさえ辺鄙極まりないのに、
もはやほぼ未開の地である極北に向かおうとする者などほぼいないだろう
局員「みなさんのような物好きの冒険者がいなければ、乗船券も売ってなかったでしょうね」
- 741 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/19(金) 02:51:39.97 ID:W4NjL+AD0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 742 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/19(金) 18:59:07.28 ID:j9VvFcjAO
- 乗船だけなら既にできると局員が言ったため、
一行はそのまま船に乗り込んだ
怪盗「甲板は冷えますねー……」
容赦のない北風に鳥肌が立つ
しかし、乗組員たちは寒さなど恐れず出航の準備をしていた
狙撃少女「そうですね。……おや」
- 743 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 00:32:29.69 ID:UL9gXH/p0
- 規律正しく動く乗組員たちに指示を飛ばす者がいた
それは、つい先日会った副局長だった
男「副局長さん。他のお客さんはいなさそうですね?」
副局長「幸か不幸かな」
男「よかったと思っていただけるよう頑張るのが我々の仕事です」
副局長「では、報酬のことでも考えるとするかな」
男「あれば嬉しいですが……まぁ、なくても構いません。人のためにやることなので」
- 744 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 03:00:39.71 ID:UL9gXH/p0
- 忙しそうなので世間話はせず切り上げて、
与えられた船室に向かうことにした
それぞれに個室が割り当てられており、
どれも明らかに広めだ
中華「大きな船でよかった」
中華のように、早速部屋でくつろぐ者もいれば、
やる気「つっても、なんもないっすねー……部屋」
やる気のように、船室を荷物置きとしか思っていない者もいた
- 745 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 03:03:47.60 ID:UL9gXH/p0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 746 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 20:12:12.44 ID:Rxj7lDVgO
- すみません遅れました
氷魔「……ふぅ……」
甲板では氷魔が本を読んでいた
高い船なので、濡れる心配はまったくない
男「この寒いのに、よくもまぁ甲板で……」
氷魔「……丁度いいと思っているのですが……」
- 747 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 21:25:58.71 ID:UL9gXH/p0
- 狙撃少女「………………」
男「……?」
一方、狙撃少女はただ水平線を見て立ち尽くしていた
やる気「なにしてんすか?」
狙撃少女「遠くを見ています。……そうすると、視力がよくなるらしいですよ」
男「まぁ、そういう話もあるが……」
なにもない水平線で効果があるのかは疑問だった
そんなことを話しているうちに出航の用意が整い、船は水をかき分け、極北に進み始めた
>>下1……極北に着くまでに一角の亡霊に出会えたか
- 748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/21(日) 00:46:12.63 ID:R+5ePhWDO
- 出会えた
- 749 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/21(日) 03:40:32.03 ID:wzXngSKi0
- 寒さはどんどん激しくなり、
甲板に出ていたメンバーも氷魔以外は震えることも多くなり始めた頃
突如として船が大きく揺れた
氷魔「……おおっと……これは……!」
中華「出たのかいっ!?」
中華や冷え性の女性陣、
そしてどこにいたのか炎魔も船内から飛び出してきた
やる気「……いるっす!」
- 750 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/21(日) 04:12:06.24 ID:wzXngSKi0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 751 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/21(日) 19:49:30.47 ID:wzXngSKi0
- 海を見れば、巨大な一角を持った鯨のような存在が船を角で突き刺そうとしている
一度揺れたことを考えると、
この船は少なくとも一発はそれを耐えているということである
ぶりっ子「で、でかすぎませんかぁ!?」
男「水から出せば、ただの魚だッ!船員の皆さん、海神様に祈ってください!」
男が呼び掛けると祈ろうとする者もいたし、
パニックでそれどころではない者もいた
- 752 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/22(月) 01:52:25.24 ID:EwQFZFBW0
- 副局長「ひるむなっ、みんな!祈るんだ!」
やはり、見ず知らずの冒険者が言うよりも慣れ親しんだ上司が言うほうが耳に届く
慌てふためきなにもできないでいた船員たちも、みな祈り始めた
怪盗「さっすがー!」
狙撃少女「……さぁ、私たちも祈りましょう」
炎魔「そうですね!」
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