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安価とコンマで異世界転生!その10

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553 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 02:44:55.68 ID:7CCvJ2qq0
いくつかの岩の上では、様々な形のドアノブが群生していた


男「あっ、あれは!」

市長「ご存知なのですか?岩にドアノブが付いているようにしか見えませんが」

男「俺たちも持ってるんだ、禁域のドアノブ」

中華「そうそう、なんでも開けてくれる生き物なんだ」

市長「そ……そんなものを持っていたのですか!?早く教えて欲しかったですね」

炎魔「……あれも生きてるんでしょうか?」
554 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 02:47:00.81 ID:7CCvJ2qq0
本日はここまでです
ありがとうございました
555 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 19:34:52.72 ID:7CCvJ2qq0
氷魔「……確か……生きていたはずです……なにを食べているのか……そもそも新陳代謝があるのかも怪しいですが……」

市長「検証したいですね、あれでもモノは開くのでしょうか」

やる気「うーん、なんか開きそうなものがあるといいんすけど」

炎魔「私開けます?」

男「………………」


こう、笑えない冗談はあるものだ
笑えなくしたのは男なのだが


炎魔「そ、そんな神妙な顔しないで!?」
556 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 20:48:16.05 ID:7CCvJ2qq0
市長「……人体も開けられるのですか?」

ぶりっ子「そうですねぇ」


市長は驚きながらも、
自生しているドアノブを採集した


怪盗「どうやら、そこの川がこの海に注いでいるようですね」


海沿いを歩き続け、川を見つけた
557 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/07(金) 03:51:31.44 ID:9u49Cp0k0
川の水もやはり紫だった
その濃さは海に比べればすこし淡いが、
それでも毒のように見えて気味が悪い


狙撃少女「川の流域に文明があると、本で読んだことがあります」

男「俺も聞いたことがある話だ。……あまり、会いたくないが」

中華「やっぱり、色合いが全体的におかしいね……」
558 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/07(金) 04:24:40.19 ID:9u49Cp0k0
本日はここまでです
ありがとうございました
559 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/07(金) 19:39:09.82 ID:YPxsAqlrO
川があれば、そこには木が生えるのも道理だ
オレンジ色の木々が林を形成し、川の脇を固めている


炎魔「燃やしてやりたくなりますね、こんな森」

氷魔「……さすがに……蛮族の所業ですね……」

やる気「ん!?」


川沿いを歩く一行の頭上を、飛翔体が過ぎ去った
普段ならただの鳥だろうと思うところだが、
ここは禁域であり、あらゆるものに油断ならない
その飛翔体は>>下1であった
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/07(金) 19:49:52.79 ID:IvgScF/DO
翼の生えた深海魚
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/07(金) 19:50:07.20 ID:Tdc9U2UV0
紙飛行機(鋼鉄製)
562 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 03:45:57.29 ID:NN54Xtc60
振り向き、空を見れば、奇妙な魚が飛んでいた
翼が生えてこそいるものの、見た目は鳥よりも魚に近い


男「深海には、ああいう魚が住むそうだな」

市長「ええ、あれは深海魚です」

ぶりっ子「深海魚って飛ぶ……わけないですよねぇ」

怪盗「まぁ、襲われる感じではなさそうでよかったです」
563 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 04:26:00.26 ID:NN54Xtc60
本日はここまでです
ありがとうございました
564 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 19:45:58.87 ID:NN54Xtc60
奇妙な飛翔体に思いを馳せながら、ただ歩く
川のせせらぎは不気味なほどにこちらと同じで、
心の拠り所となった


狙撃少女「あ……家でしょうか?」


そこには白い立方体がぽつんとあった
明らかに人工的であり、無機質だが文明的だ


市長「困りましたね、知的生命体との接触は、もう少し下調べをしてからのほうがよかったのですが」
565 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 21:02:37.92 ID:NN54Xtc60
男「……淡白だが、異様さは薄いな」

中華「もしかしたら、僕たちの世界と関係あるかもしれないね」

氷魔「……入り口はありませんが……」


立方体をぐるりと回って、氷魔はそう溢す


やる気「なけりゃ作るっすよ」

市長「でしたら、どうぞ」


市長はドアノブを立方体に装着する
やる気はそれを確認し、引き開けた


>>下1……立方体の中身
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/08(土) 21:30:11.21 ID:AlCIIF2o0
プルトニウム
567 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 04:25:54.32 ID:FcXoFk6K0
そして、その瞬間けたたましい音が鳴り響いた
まさか、警報器でもあったのかと身構えたが、
それが発せられたのは市長の体だった


ぶりっ子「え?」


驚く間もなく市長は扉に体当たりし、
それを閉じてドアノブを取り外した


市長「……危うく死ぬところでしたね」

怪盗「え……なんかあったんですか?なんもなさそうでしたけど」
568 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 04:39:17.81 ID:FcXoFk6K0
本日はここまでです
ありがとうございました
569 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 19:32:47.23 ID:FcXoFk6K0
市長「プルトニウムがありましたよ」

男「……そりゃ死ぬわ」

市長「一度帰りましょう。念のため、治療をすべきです」

狙撃少女「いや、なにもダメージを受けていませんが……」

市長「なんと説明すればよいか……猛毒で、溶けない呪いのようなものです。本体があり、接近するだけで致死性があります」


そう説明すると、男以外の全員は青ざめた


男「治せるのか?治療と言ったけれど」

市長「こう、細かい原理を説明すると長くなるのですが……蘇生魔法が治療効果を持つということが分かっています」
570 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 19:35:25.47 ID:FcXoFk6K0
来た道を戻る最中、炎魔は不安そうに口を開いた


炎魔「私も死ぬんでしょうか」

市長「フェニックスの力が本当にあるなら、死なないと思いますよ。影響もあまりないかと」

中華「……まったく原理が分からない。けど、すごいんだなぁ」

氷魔「……しかし……どうしてあんなものが……」
571 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 02:35:49.18 ID:sY9F2Rww0
やる気「さぁ……」


それは誰にも分からなかった
だが、男だけはいくつかの仮説を持ってはいた


ぶりっ子「しかし、そんなわけ分からない……毒?みたいのも治療法が分かってるんですねぇ」

市長「自立学習を始める前に、私を設計した人物が入れたデータの中にあったのです。なぜそんなことを知っていたのか……」
572 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 03:32:24.75 ID:sY9F2Rww0
本日はここまでです
ありがとうございました
573 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 18:57:39.11 ID:sY9F2Rww0
一行は不気味な世界を後にして、
地下水道を歩き、ようやく市長のオフィスに戻ってきた


怪盗「早く治療を受けたいですね」

市長「ええ、別の私に連絡を取って、優秀な術師を手配しておきました」


どこまでも用意のいい彼女が合図をすると、
部屋の扉が開いて術師が入ってきた


>>下1……術師の外見
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/10(月) 19:15:19.51 ID:vyutY5vDO
ライオンの着ぐるみを来ている
575 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 19:35:23.22 ID:sY9F2Rww0
蘇生術師「どうも」


その姿を見て、炎魔以外の全員が絶句した
ライオンの着ぐるみを着たその人物は、
それこそ王者のように威風堂々と部屋に入ってきたのだ
自分の衣装が奇怪であることなど、
一切気にしていなかった


炎魔「かっこいいですね!」

蘇生術師「それほどでも……ある」

狙撃少女「あるんですね……」
576 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 01:29:51.16 ID:nBlU+hiy0
市長「彼は外見から他人に敬遠されることが多いそうですが……腕は確かです」

男「へぇ……まぁ、シャーマンなんかは野生派の人も多いしな」

蘇生術師「別にシャーマンじゃないが……ともかく、市長に頼まれたのならやってやる」

中華「そういう制度?」

蘇生術師「いや、我が姿を見ても態度を変えなかったのは市長のみ。仕事も貰っていて、恩義がある」

氷魔「……人間でないので……偏見もないのですね……」
577 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 02:11:34.15 ID:nBlU+hiy0
本日はここまでです
ありがとうございました
578 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 18:57:06.17 ID:nBlU+hiy0
それから、蘇生術師は一人ずつ蘇生魔法をかけていった
最後に、念のため炎魔にもかけることにした


蘇生術師「きえーい!」

炎魔「ぬはぁーっ!」


その背中からは火柱が迸った
だが、それ以外に変化はなさそうだ


蘇生術師「吸血鬼が闇の力を吸収するみたいな原理だ」
579 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 19:32:46.17 ID:nBlU+hiy0
蘇生術師は市長から報酬金を貰い、
笑顔で帰っていった


市長「という訳で治療は終わりました。また宿泊部屋にお戻り下さい」


一行は素直に従い、部屋に戻った
そして、夕食が届くのを待つ


>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.市長と話す
9.平成の少女に会いに行く
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/11(火) 20:00:12.52 ID:0oXVh6uDO
9
581 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/12(水) 02:25:32.39 ID:aR7SV7zy0
男「いるか?」

平成少女「はい、なんですか?」


いつも特に理由もなく他人の部屋を訪ねるのが恒例となっていたが、
今日ばかりは話しておくべきことがあった


男「色々あって、今日は禁域ってところに行ったんだが……それで、面白いものを見つけたんだ」

平成少女「そうですか……ちょっと部屋片付けるので待ってて下さいね……」
582 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/12(水) 02:40:23.79 ID:aR7SV7zy0
本日はここまでです
ありがとうございました
583 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/12(水) 19:18:22.50 ID:aR7SV7zy0
しばらくして部屋に通された
市長に貰ったのか、雑貨がいくつか置かれている


男「清潔感があるな」

平成少女「そりゃあ、そうでしょうよ。それより、面白いものってなんですか?」

男「禁域は異空間みたいなところなんだが……そこで、プルトニウムの入った真っ白な立方体を見つけたんだ」

平成少女「プルトニウム?」

男「……お前は知っとけよ……」
584 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/13(木) 01:00:01.82 ID:cU5GJHmJ0
平成少女「なんか、サイエンスな感じはしますね!」

男「ああ、危険な物質で、作るのは偶然では難しい」

平成少女「誰かが作ったんですね?」

男「そうだ。そして、危険だから残りかすの部分は廃棄されるんだが……それが、俺たちが見つけたプルトニウムの正体じゃないかと思うんだ」


やけに整然とした立方体の不自然さも、
それが禁域由来でないことを支持しているように思われた
585 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/13(木) 01:03:23.84 ID:cU5GJHmJ0
平成少女「つまり……どういうことですか?」

男「誰かが廃棄したんだ」

平成少女「そんな科学技術を持った人がいるんですか?……もしかして、あの市長を制作した方でしょうか?」

男「可能性としてありうるが……市長はプルトニウムのデータは持っていたが、その利用法については知らなかった」

平成少女「へ、へー……」

男「つまりだ、プルトニウムを利用できる世界……俺たちがもといた世界から、あの禁域は繋がっているんじゃないかと、俺は考えたんだ」
586 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/13(木) 19:37:38.26 ID:cU5GJHmJ0
すみません寝落ちしました


平成少女「元の世界に帰れるかもしれない……ってことですか?」

男「ああ、そうだ」

平成少女「でも、私たちも違う時代から来ましたし……同じ時間に帰れる保証はありませんよね」

男「その通りだ。そこで、どうしたい?帰りたいのか、そうじゃないのか」

平成少女「>>下1」
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/13(木) 19:38:50.24 ID:prm8tWr6o
正直な所悩んでいます
588 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 01:47:25.22 ID:S9SBUK/Z0
平成少女「正直な所悩んでいます」


消え入りそうな声でそう告げた


男「……そうか。たっぷり悩んで欲しい」

平成少女「……急かさないんですか?説得も」

男「俺だってそうだし」

平成少女「……意外です。この世界が好きそうでしたから」

男「ああ、好きだ。……はぁ……いや、それより、君はなぜ?」
589 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 01:54:01.75 ID:S9SBUK/Z0
平成少女「別に、元の世界でもいい暮らししてたわけじゃないですからね」

男「……そうか。こっちにいれば、望みはあるだろうな」

平成少女「そう……だといいんですけど。怖いです」

男「市長を頼ろう。彼女ならきっと、守ってくれる」

平成少女「私が怖いのは、そのことなんです」

男「市長は悪いやつじゃないと思うが……」

平成少女「そうではなく、環境に失望し、諦めていた私にチャンスがある……その状況でもなにもできずに、ただ庇護されるだけの無能だったらと思うと、私は……」
590 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 01:55:57.05 ID:S9SBUK/Z0
本日はここまでです
ありがとうございました
591 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 20:04:04.72 ID:HUF2XCe7O
慣れない環境でメンタルが不安定になっているのは言うまでもないが、そもそも彼女本人がネガティブな性質のようだ


男「……つまり、自分に自信がないんだな」

平成少女「軽く流してくれますね……」

男「いやいや、そういうわけじゃないさ。自分でもやれるってとこを見せられれば、自分に自信が持てるんだろ?」

平成少女「まぁ、そうですが……」
592 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 00:44:42.97 ID:UJsusuxM0
男「どうだ、モフモフやもちもちを世のため人のために役立ててみるとかは」

平成少女「確かに、私の言うことは聞いてくれますが……」

男「それは自分の力じゃないって言いたいんだろう?」

平成少女「……はい」


そのくらいは考えたことがあるのだろう
だからこそ、男はその不安に向き合うことにした


男「俺だって、かつてはなーんもできない人間だった。でも、仲間を集めて……そらなりにやれる雰囲気を出してた」

平成少女「へぇ、そうなんですね」

男「やれる雰囲気で、必死に頑張ってたら……実際、それなりにやれる人間になった!神を宿すこともできる!」
593 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 01:52:30.71 ID:UJsusuxM0
力説して見せると、少女も少しは心から聞いてくれているようだ


平成少女「なんでもいいから、やれってことですか?」

男「そうだ、自分はやれるんだと思うことが大切だ」

平成少女「……そう、ですか」

男「……ま、平成15年の人間なら、頑張りすぎないことの大切さは分かってるだろ?やりたいようにやればいいさ」
594 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 01:53:18.45 ID:UJsusuxM0
本日はここまでです
ありがとうございました
595 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 19:55:51.55 ID:UJsusuxM0
平成少女「……分かりました」

男「嫌になったらどうにか俺に連絡つけてくれ。帰れるかどうかやってみる」


それから男は自分たちの部屋に戻った
どうやら、もう夕食は届いているようだ


やる気「お、戻ってきたっすね」

男「すまんな、ちょっと話しすぎた……それで、夕食の献立は何かな?」

やる気「>>下1っすよ」
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/15(土) 20:11:38.29 ID:K0Trh5hDO
お寿司
597 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 03:29:44.35 ID:n3xV5Qrj0
やる気「お寿司っすよ」

男「おっ、マジか!いいね!」


テーブルの上には、大量の寿司が並べられていた
専用の容器に入ったそれらの彩りは眩しく、
鮮度も良好であることがうかがえる


ぶりっ子「すごいですよねぇ。それに、どうやって新鮮な魚をここまで運んできたのかも気になりますぅ」
598 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 03:33:48.78 ID:n3xV5Qrj0
確かに、この街はかなり内陸の位置にある
いくら運送ギルドが急いだとしても、
これだけの鮮度の魚を用意するのは難しいはずだ


市長「お答えしましょう」


モニターに表示された無機質な顔が喋り出す
しかし、市長と付き合う中で、
不気味さは感じなくなっていた


怪盗「びっくりした……」

市長「養殖によって、魚は調達しています。ただし、スペースの都合上……あまろに広い距離を動き回らなくてはならない魚や、まだ養殖法が確立していない魚はご用意できませんでした」
599 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 04:30:32.28 ID:n3xV5Qrj0
本日はここまでです
ありがとうございました
600 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 19:02:49.84 ID:n3xV5Qrj0
狙撃少女「お寿司……食べたことないです!」

男「……それにしても、見事な出来だ。素晴らしい職人がいるのだろうか?」

市長「文献を参考に、私が握りました」

炎魔「なんでもできますね!」

市長「お褒めにあずかり光栄です」


市長は愛想よく笑ってモニターを切った
601 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 19:49:53.60 ID:n3xV5Qrj0
それから、一行は寿司を食べ始めた
この世界における寿司といえば、海沿いの街でしか食べることのできない料理であり、そのくせ高い
なので、寿司を食べられるのは非常に貴重な経験なのだ


中華「やっぱり、市長は料理もできるんだね」

氷魔「……なにか……できないことはあるのでしょうか……?」

やる気「あー、それ気になるっすね」

ぶりっ子「欠点の一つでもあったほうが、可愛げがありますよねぇ」
602 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/17(月) 03:40:26.35 ID:4CSCZw7/0
本日はここまでです
ありがとうございました
603 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/17(月) 19:45:43.39 ID:4CSCZw7/0
それから話は、市長ができないことはあるのか、という議題になった


怪盗「……戦えるんでしょうか、市長?」

狙撃少女「どうなんでしょう、それなりにはやれそうですけど」

男「これで腕っぷしまで強かったら、俺たちもちょっと肩身が狭いよな」

中華「聞いてみる?」


問いかけつつ、返事は聞かずに中華はモニターのスイッチを入れた
604 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/18(火) 03:22:38.39 ID:TqpD4Onh0
市長「……お代わりでしょうか?」


モニターが完全に起動すると、
落ち着き払った様子で質問をしてきた


氷魔「……あ……いえ……」

やる気「そういやお代わりも欲しいっすね、同じ大皿もう一つ頼むっすよ」

市長「承りました。今すぐご用意します」
605 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/18(火) 03:42:44.36 ID:TqpD4Onh0
本日はここまでです
ありがとうございました
606 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/18(火) 19:19:03.77 ID:TqpD4Onh0
市長はなにやら操作して通達している


ぶりっ子「そういえばぁ、市長に聞きたいことがあるんですよぉ」

市長「なんでしょうか?観光案内なら得意ですが」

怪盗「市長って戦えるんですか?」

市長「>>下1」
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/18(火) 19:55:05.29 ID:ZSuihmsU0
機械の身体ですので、相手の生死を問わなくて良いのであれば可能です
608 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/18(火) 21:28:22.56 ID:TqpD4Onh0
市長「機械の身体ですので、相手の生死を問わなくて良いのであれば可能です」

狙撃少女「お……恐ろしいこと言いますね」


人間が筋肉を操作してやるような、細やかな手加減はできないということだろう


炎魔「確かに、鉄の塊に殴られたら普通の人は死にますね」

市長「そうですね、別に武器も内蔵されていますが」
609 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/19(水) 00:59:13.61 ID:Gp9Ffsyf0
男「やっぱ、ビームとか出るのか?」

市長「最初は搭載を検討していましたが……燃費と威力の兼ね合いから、その案は却下されました」

中華「ドラゴンの熱線とかも、よっぽど強いドラゴンじゃないと乱発できないもんね」

市長「……あと、私はどれも同じ見た目ではありますが、兵装に関しては差異があることもあります」

氷魔「……単なる警備に……殺人兵器を持ち出すのは……やりすぎですしね……」
610 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/19(水) 01:33:45.51 ID:Gp9Ffsyf0
本日はここまでです
ありがとうございました
611 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/19(水) 19:20:02.77 ID:Gp9Ffsyf0
市長「そうですね、無駄は減らしています」


できる市長の顔をして、冷静に告げた


ぶりっ子「それでですねぇ……市長さんにできないことなんてあるのか、って話をしてたんですよぉ」

市長「なるほど……実は、市民にも聞かれたことがありますよ」

ぶりっ子「なんかあるんですかぁ?」

市長「大抵のことはできますが……実は、>>下1だけはできません」
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/19(水) 20:27:58.59 ID:WHvjPi8DO
芸術
613 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/20(木) 01:17:01.37 ID:T4Qg0nF50
市長「芸術だけはできません」

怪盗「はぁ、なるほど……」

狙撃少女「絵や文学ができないのですか?」

市長「完全で、完璧で、合理的なことしか私は目指せないのです。芸術の美しさとは、理論的な点数では表せないものですから」

男「型を破れないのか」

市長「そうですね、適切な表現だと思います。私は、型を真似ることはできても、それを創造することはできないのです」
614 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/20(木) 01:20:36.43 ID:T4Qg0nF50
中華「なるほどねー……」


中華はなにか複雑そうな顔をしている
おそらく、料理と芸術との関係を脳内で模索しているのだろう


市長「見てください、これが私の制作した音楽です」


彼女はモニターにいくつかの五線譜を映した
非常に整ったよい楽譜で、それらが一つの曲を構成していた


男「いいんじゃないか」

市長「……誰もが知るコード、恋のクリシェ、メジャーな楽器……私には、それしか使えません」
615 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/20(木) 01:24:21.42 ID:T4Qg0nF50
本日はここまでです
ありがとうございました
616 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/20(木) 19:26:55.53 ID:T4Qg0nF50
それから、芸術について軽く論じて夕食は終わった
そのまま一行は入浴の時間となった


やる気「今日はとんでもない目に遭ったっすね〜」

男「全くだなぁ。だが、面白いものも見られた」

中華「あの大きな書庫とか、すごかったよね」


今でも、あの異様なほど緊張感のある書庫がありありと思い出される
617 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/21(金) 03:00:53.29 ID:Vn8ueUPC0
やる気「しっかし、これからどうするんすかね……」

男「ああ、この禁域の話にどこまで踏み込むかだな」

中華「僕たちの目的は、あくまで極北……禁域は、さらに大きな問題な気がするよね」


成り行きで動くのはいつものことだったが、
流石に自発的に指針の変更を図らなくてはならないと、三人は思い始めた
女性陣でも、氷魔やぶりっ子はそのような気持ちが高まりつつあるのだ
618 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/21(金) 03:01:40.81 ID:Vn8ueUPC0
本日はここまでです
ありがとうございました
619 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/21(金) 19:35:09.64 ID:Yf8wyvyTO
それから自分たちの部屋に帰ると、氷魔たちがなにやら本を読んでいた


やる気「んー……?なに読んでるんすか?」

氷魔「……実は怪盗さんが……こっそり……あの書庫から本を持ち出していたんです……」

男「相変わらずだし、反省してないなぁ。まぁいいけど……なんて本?」

怪盗「読めないです!」

男「ああ、そういえばそうか……」


男は本のタイトルを上から覗き込んだ
そこには、>>下1と書いてあった
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/21(金) 19:45:11.83 ID:8h4O+wBq0
凍てつく波動
621 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/21(金) 21:13:59.16 ID:yQTJmdnXO
凍てつく波動と書いてあった


ぶりっ子「で、なんて書いてあるんですかぁ?」

男「凍てつく波動だって」

狙撃少女「なんですか、それ……」

氷魔・炎魔「……凍てつく波動……!!」


二人が顔を見合せて目を輝かせている
確かに、とても好きそうだ
622 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/22(土) 03:16:18.13 ID:2Xd0onRv0
中華「強そうではあるね」

男「中身は読んだのか?」

氷魔「……あまりに古すぎる言葉は……読めていません……一部しか理解できていませんね……」

やる気「波動ってのが、なんか強そうっすよね。魔法っぽくもなければ、術とも一線を画してる感じがあるっすよ」


簡単なことから解説するのがやり口のようで、
まずはその他の準備を抜きにした凍てつく波動の撃ち方が記載されている
623 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/22(土) 03:32:24.33 ID:2Xd0onRv0
本日はここまでです
ありがとうございました
624 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/22(土) 19:32:19.69 ID:CjfcY2dqO
男「まず、精神を集中してその場に立つ」

炎魔「はい」


別に指示をした訳ではないが、彼女はその通りに動くようで、男の方を見て次の指示を待っている


男「……両手の平を対象に向け、腰を落とす」

炎魔「はい」

男「あとは凍てつく波動を放つだけ!って書いてあるぞ」

炎魔「それが分からないんでしょう!!」
625 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/23(日) 03:57:14.42 ID:hicBfdX60
男の頭は軽く叩かれる


男「まぁそう怒るな」

ぶりっ子「でも、実際どうやるんですかぁ?」

男「俺にはできないんだが……それぞれ打ち消し合う組み合わせの魔力を体内でぶつけ合って、純粋な魔力を精製する過程が必要らしい」

氷魔「……確かに……高度です……」
626 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/23(日) 04:05:01.32 ID:hicBfdX60
本日はここまでです
ありがとうございました
627 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/23(日) 19:33:11.32 ID:hicBfdX60
怪盗「盗んでおいてなんですけど、これ禁書なんですよね?」

狙撃少女「もし発動していたら……と思うと怖いですね」

中華「そもそも、凍てつく波動ってなんなんだろうね?」

やる気「そりゃあ、なんか冷気が出るんじゃないすか?」

炎魔「そんなものが禁書になると思いますか!?」


奇妙はポーズをしながら炎魔は叫ぶ


男(……『アレ』じゃないのか?凍てつく波動って……)


かなり心当たりのある男だったが、
念のため本で確認することにした


>>下1……凍てつく波動の効果
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/23(日) 19:51:00.91 ID:QjstsajUO
敵の強化、弱体、状態異常を全て解除する
629 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/23(日) 22:01:02.63 ID:hicBfdX60
そして、男は確認した
やはり、『アレ』だった


男「凍てつく波動は、その名で誤解されがちだが、攻撃を行う技法ではないんだ」

氷魔「……え……そんな……!」

男「指先から迸る波動によって、敵の強化、弱体、状態異常を全て解除する……それが凍てつく波動なんだ」

炎魔「思ったよりめちゃくちゃトリッキーですね!」
630 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/24(月) 02:43:16.97 ID:Dswjv9vo0
ぶりっ子「それが、禁書なんですかぁ?」

男「そうだな、理由は推測だが……肉体の強化や、バリアの類がこれのせいで用をなさなくなったからじゃないか?」

ぶりっ子「それはそうだと思いますけどぉ、それってそんなに問題ですかねぇ?」

怪盗「単純に、そういう魔法を否定しすぎるから禁書に指定されたのか、あるいは……」

狙撃少女「なにか心当たりがあるんですか?」

怪盗「お伽噺ですけどね、魔法のバリアで侵略を防いでいた魔法都市が昔あったとかなんとか」
631 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/24(月) 02:57:19.61 ID:Dswjv9vo0
本日はここまでです
ありがとうございました
632 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/24(月) 19:51:24.41 ID:Dswjv9vo0
炎魔「もしこんなの使われたら、丸裸じゃないですか!」

中華「そうだね……その都市が訴えたからなのか、その都市が滅んだからなのか……全く関係ない可能性もあるけどね」

やる気「俺っちとしては、かなり好みの技っすね」

氷魔「……そうなのですか……?」

やる気「奇策を力でねじ伏せることができるっすからね。魔王に向いてるっすよ」

ぶりっ子「覚えておいて損はなさそうですが……覚えるのも難しそうですねぇ」
633 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/24(月) 21:43:03.02 ID:Dswjv9vo0
怪盗「ええ、魔法ではなさそうですが、魔力の操作は要求されますし……魔法に長けた方でなければ覚えられないかもしれませんね」

氷魔「……ここのみなさんなら誰でも……少し努力すればできるようになるとも思いますが……」

狙撃少女「とにかく、便利なので誰かには覚えてもらいましょう」


それから一行は、誰が凍てつく波動を覚えるべきかの会議を始めた
寝るまであまり時間はなかったので、
それは手早く遂行された


>>下1……誰が凍てつく波動を覚えることになった?
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 21:52:12.36 ID:DJoKO1HDO
平成少女
635 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/25(火) 04:03:34.97 ID:NzDb1seB0
問題はそう簡単ではなかった
便利なのは確かだが、氷魔や炎魔でなければ一朝一夕で習得できるような技ではなかったのだ
しかし、氷魔はあまり乗り気でなかったし、炎魔は使いこなせる自信がないと言っていた


男「どうしたものか……」


そう悩んでいると、市長がモニターを起動させた


市長「お悩みですか?私に分かる可能性があるなら、なんでも聞いてください」
636 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/25(火) 04:08:25.53 ID:NzDb1seB0
本日はここまでです
ありがとうございました
637 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/25(火) 19:41:07.73 ID:NzDb1seB0
中華「怒らないで聞いてほしいんだけど」

市長「感情なんてありませんよ」


それが疑いようのない真実であるかのように市長は言ってのけた


男(嘘つけ……)

中華「禁書を一冊持ち出したんだ」

市長「……そうですか」


かなり険しい顔をしている
これで感情がないと言うのだからすごいものだ
638 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/26(水) 01:52:48.92 ID:VzKGvq7B0
中華「それで、そこに書いてある凍てつく波動を覚えようってことになったんだけど……誰が覚えたらいいかなって」

市長「事情は分かりました」

氷魔「……助かります……」

市長「やはり、魔力の扱いに長けた______「私、やります!」


オフィスからの中継に、突如新たな人影が映りこんだ
一瞬映像が不明瞭になったが、すぐにピントが合って、
そこに平成少女がいることが明らかになった
639 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/26(水) 02:39:41.80 ID:VzKGvq7B0
本日はここまでです
ありがとうございました
640 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/26(水) 18:23:05.49 ID:VzKGvq7B0
やる気「ん?なんすか?」

平成少女「その技、私覚えたいです!」


かつてないほど積極的な態度だ
よい傾向であると言えるだろう


市長「……だ、そうですが」

ぶりっ子「市長は異論ないんですかぁ?」

市長「いろいろ頑張ってみたい、と先ほど報告されたので。自主性に任せています」
641 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/26(水) 20:38:30.66 ID:VzKGvq7B0
完全に保護者の顔だった
一行のうち誰も意欲的に習得しようという感じでもなかったため、平成少女に任せることにした


平成少女「いいんですか!?頑張ります!今から受け取りに行きますね!」


禁書を彼女に受け渡した一行は、
その未来に期待しつつ、眠ることにした
642 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/27(木) 01:14:26.13 ID:VrN0cT4E0
〜翌日・陽週日曜日〜


怪盗「あー……朝ですね」


寝起き特有のがらがら声で彷徨い、
水を一杯飲み干してベッドに腰かけている
朝にも酒にも弱いらしい


狙撃少女「今日、どうするんですか?」

男「一旦市長と話して、問題なさそうならこの街を一旦出ようと思う」
643 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/27(木) 01:16:29.46 ID:VrN0cT4E0
本日はここまでです
ありがとうございました
644 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/27(木) 19:09:54.23 ID:VrN0cT4E0
一行は市長のオフィスにやってきた


市長「おや、みなさんどうされましたか?」

中華「実は、相談があって……」

市長「はい、なんでしょうか」

氷魔「……昨日の調査で……禁域についての初期調査はできたかと思います……私たちにも元の目的がありますので……一度旅に戻りたいのですが……」

市長「>>下1」
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/27(木) 19:13:45.30 ID:zuCC1jgw0
それがいいぞ。禁域の
奥に向かうと命取りだ
646 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 01:08:34.31 ID:yAm0ucJU0
市長「それがいいぞ。禁域の奥に向かうと命取りだ」

やる気「ありがたいっすね」

市長「なんでもすぐに解析できる訳ではありませんから、みなさんを待たせてしまうかもしれませんしね」


一行が支度をして宿を出ようとしていると、平成少女が部屋に入ってきた


平成少女「も……もう行っちゃうんですか……?」

ぶりっ子「本当の目的はこの街にはないんですよねぇ」
647 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 01:27:56.09 ID:yAm0ucJU0
平成少女「その、なんとなくみなさんずっとここにいるものだと思ってました」

怪盗「あはは、確かにここには長く居ましたね」

狙撃少女「お陰様で、あなたにも会えましたね」


準備を終えた一行は出立しようとする


平成少女「……あの、またここに帰ってきますか?」

男「俺たちは冒険者だから、絶対は無理だな……生きてたら、な」
648 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 02:12:28.05 ID:yAm0ucJU0
本日はここまでです
ありがとうございました
649 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 20:07:35.26 ID:s+pKpeeNO
すみません遅れました


平成少女「約束、してください」


少女は毅然と、そう言ってのけた


男「……そんなに?」

平成少女「それはもう。約束してくれないなら、男さんの秘密バラしちゃいますよ」

男「えっ!?わ……分かった。約束するよ」
650 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 21:02:43.02 ID:s+pKpeeNO
彼女にとっては、男は同じ世界からやってきた唯一の仲間だったのだ
それが手の届く位置から消えるということは、
ある種の暗闇に放り込まれるようなものだった


平成少女「約束ですからね!」


必死そうな少女にしばしの別れを告げて、一行は宿を出た


中華「男の秘密って、なに?」

男「んー……大したことじゃないよ」

氷魔「……その割には……慌てていたようですが……」

男「いや、ほんとほんと!少なくとも、みんなが知って傷つくことじゃないよ!」
651 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/29(土) 04:27:11.78 ID:Npvi2SCF0
手配した馬車に乗り、北の港を目指す


御者「しかし、北の港へ行きたいだなんて久しぶりのお客だ」

やる気「確かに、その先には極北しかないっすし、街もないっすからね」

御者「見たところ冒険者みたいだが、まさか極北まで行くつもりかい?」

ぶりっ子「そうですよぉ」

御者「そりゃすごいね。強いギルドには見た目だけじゃない『華』があるもんだが、確かにそれを感じるよ」
652 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/29(土) 04:27:55.11 ID:Npvi2SCF0
本日はここまでです
ありがとうございました
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